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2020年12月11日

女優・松井玲奈さんインタビュー 「どの仕事も当たり前だと思わないこと。その時の自分にできることに、全力で向き合いたいです」

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork映像や舞台で確かな存在感を発揮しているほか、小説家の顔ももつ松井玲奈さん。2020年の締めくくりは、舞台「オリエント急行殺人事件」で、アガサ・クリスティの傑作ミステリー劇に挑戦します。女優として、そして、小説家として独自路線を歩む松井さんに作品への意気込みや、仕事観を伺いました。

 

推理ものは犯人が気になっちゃって、クライマックスを先に読んでしまいます(笑)

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――「オリエント急行殺人事件」といえば、言わずと知れた傑作ミステリーですが、出演にあたってどんなことから始めましたか?

2019年に上演された初演の台本を早い段階でいただいて、それを何度か読みました。私は本格的な推理ものに出演することが初めてなので、今回用の台本が届いてからは、このストーリーはどう組み立てられているのだろうと理解していくことから始めました。

――普段、ミステリー作品を読むことはあるんですか?

推理ものを読むとどうしても犯人が気になっちゃって、クライマックスから読んでしまう癖があるんです(笑)。楽しみを自分から失いにいっているなと感じてしまったので、そこに気づいてからはあまり触れてきていないジャンルでした。

 

稽古を重ねる中、舞台上での動き方を日々研究しているところです

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――ミステリーあるあるですね(笑)。今、稽古に入って約1週間だと伺っています。手ごたえを聞かせてください。

今回のキャストは先輩方ばかりで、私が一番年下なので、勉強になることばかりだなと感じながら臨んでいます。

――勉強になるというのは具体的にどんなことでしょう?

再演組の皆さんは既にキャラクターが出来上がっていらっしゃるんですよね。立ち稽古に入った時にはしっかり演技プランがあって、お互い提案されながら作っていらっしゃる。私は舞台上での動き方っていうのかな、位置のとり方などまだまだ力不足だと感じてしまって。映画やドラマのような映像の仕事が多いと、舞台での見せ方というものがあまりにも身についてないんだと実感して、日々研究しているところです。

 

アンドレニ伯爵夫人の二面性を楽しんでほしい

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今回演じるアンドレニ伯爵夫人は、どんなところを意識して演じようと考えていますか?

所作がとても大事だと感じています。貴族の役は初めてなので何が正解なのか、何が間違っているのかさえも分からなくて、お稽古しながら教えていただいているところです。身のこなしの優雅さやまわりの人への目の配り方、立ち方などもしっかりと気をつけないといけません。さらに彼女は医学生という顔も持っているので、その二面性をお客様に楽しんでいただきたいです。

――一幕と二幕での変化も見どころになりますね。この作品は謎解きだけではなく、会話劇としての面白さもあると思うのですが……。

会話劇ならではの見どころもたくさんあるんですけど、それぞれのキャラクターの立ち振る舞いや、些細なことがとても重要だったり、いろんな場面にヒントが散りばめられていたりするので、それらをお客様の頭に残るように発していかないといけない。そのさじ加減に難しさを感じています。

――唐突ですが、松井さんは鉄道ファンでもありますよね? オリエント急行のような特別列車が日本にも存在していたら乗ってみたいですか?

今、日本には多くの種類とデザインの観光列車が走っているので、乗りたいなってずっと思っているんです。

――鉄道の旅にまつわる思い出があれば聞かせてください。

北海道・函館へ行くのに、東京から新幹線で向かったことがあります。ずっと友だちとおしゃべりしていて、復路はグランクラスという特別車両で帰ってきました。あれはとても贅沢な旅行でしたね。いつもと違う駅に降りることで「旅行に来てるんだ」って実感しますし、知らない景色には毎回新しい発見がつまっています。

 

小説を書くようになってから、台本との向き合い方が変わりました

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今年はひとり芝居やドラマ、声優業などたくさんの顔を見せていただきましたが、その活動を振り返ってみての感想を聞かせてください。

確かにいろんな作品に参加させていただいたなと思うんですけど、どれもずいぶん昔のことのように感じているんですよね。朝ドラに参加できたことも大きかったですし、ドラマで主演をさせていただいたこともいい経験になりました。

――松井さんは女優のほか、小説家の顔ももっていますが、双方の活動がよい効果をもたらすこともあるのではないしょうか?

現在、文芸誌で連載を書かせていただいていて、それをまとめた新刊が来年頭に出版されることになっています。もちろんお芝居をすることが一番の軸なんですけど、自分で物語を考えるようになってから台本との向き合い方が変わるなど、お芝居にもとてもいい影響が多いのでこれからもコンスタントに書き続けて、どちらもバランスよく続けていきたいと考えています。

――小説を書き始めて以降、演者として作品に接する場合に脚本家の意図をより汲み取れるようになったとか……。

汲み取れているのかは分からないですけど、以前より深く考えるようになり、構成などは気を付けるようになりましたね。

 

常に自分の向こう側を考えて、お仕事に向き合うようにしています

松井玲奈 女優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――お仕事をするうえで大切にしているのはどんなことですか?

どれも当たり前だと思わないことですね。とくに今年はそのことを感じざるを得ない年でした。撮影が止まってしまうこともありましたし、今回の作品も上演が決定するまでとても不安だったので、一つ一つ、その時の自分のできることに全力で向き合っていきたいです。そして、それを観てくださるお客様がいること感謝しています。

――そう考えるようになったきっかけがあれば教えてください。

私は芸能生活をアイドルからスタートしていて、デビュー当時はお客さんがまったくいないステージを経験しました。それから、徐々に会いに来てくださる人が増えてきて。お芝居をするようになってからも、以前と変わらず会いに来てくださる方がいてくださいます。そして、出演した作品に対する反響が返ってくると、自分がやっていることは誰かに届けるためのお仕事なんだと感じるんです。常に自分の向こう側にいてくださっている方々のことを考えて、お仕事に向き合うようにしています。

――そうやって応援してくださる方の存在ももちろんだと思いますが、今現在、松井さんの原動力になっているものは何ですか?

お仕事ですかね。お仕事に集中して、時々は息抜きとしてプライベートで楽しいことがあって……というサイクルが自分に合っていると思うので、この作品を経て、それがまた次のお仕事につながったら素敵だなと思います。ここで出会えたキャストさんやスタッフさんと、また別の作品でご一緒できたらうれしいですし、作品を重ねていくごとに、以前ご一緒した方と再会できる、その人数が増えていくことに喜びを感じるので、一つの仕事が次につながるように頑張ることが原動力です。

――そして、来年は30代に突入します。理想の30代ってありますか?

普段から年齢を気にすることがあまりないので、こういう30代になりたいという憧れもないんですけど、車の免許をとりたいとゆる~く考えています。本当にゆる~くですよ(笑)。あまり現実的なお話ではなく、30代の10年間の中のどこかで取れたらいいなって。

――いつか鉄道ではなく、松井さんの運転で旅へ出たなどの報告が聞けることを楽しみにしています。最後に、夢に向かって奮闘する若い世代へメッセージをお願いします。

大きな目標を立てることはすごく素敵なことだと思うのですが、壁が高すぎると心が挫けてしまうと思うんですよね。私の場合、目標を立てる時は小さな目標、すぐに実現できるような目標をたくさん立てて、それを一つずつクリアしていくうちに、気づいたら高い壁を登ることができていたという状態にしてきたので、そこにたどり着くまでに自分をたくさん褒められるような小さな成功をたくさん重ねるといいかもしれません。

――ちなみに現時点でご自分を褒められることはありますか?

小さなことなんですけど、いただいたお花の水やりを毎日欠かさずしています。ホントに小さなことなんですけどね(笑)。

 

■Profile
松井玲奈
(まつい・れな)

1991年7月27日、愛知県出身。2008年に芸能界デビュー。主な出演作にNHK連続テレビ小説「まんぷく」、「エール」、FODドラマ「30禁」、舞台「つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』」、『ベター・ハーフ』など。2019年には小説家として、短編小説「カモフラージュ」(集英社)を出版。公開中の「おジャ魔女どれみ20周年記念作品『魔女見習いをさがして』」に声優として参加、2021年1月26日には最新刊「累々」(集英社)が出版される。

◆OFFICIAL SITE:https://grick.jp/artist/rena.php
◆Official Instagram:@renamatui27

撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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