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2021年12月27日

岡田奈々(AKB48)インタビュー「100%はできない自分も受け入れて、反省できて良いと思うようになりました」

岡田奈々 AKB48 okada nana  根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townworkAKB48の1年半ぶりのシングルで日本レコード大賞の優秀作品賞の「根も葉もRumor」でセンターを張った岡田奈々さん。女優としてドラマ『奪い愛、高校教師』に出演します。ドロドロの愛憎劇シリーズの最新作で、1人の先生を母親や婚約者と奪い合う女子高生の役。同作への取り組みと共に、人一倍の真面目さゆえの葛藤も経て今に至るまでの話を聞きました。

普段の自分と違う役ほど楽しいです

――AKB48でドラマや舞台に出演して、最初から演技に楽しさは感じましたか?

初めて挑戦したのが『AKB49~恋愛禁止条例~』というミュージカルで、難しかったです。まず声が小さいことから悩んで、お芝居も歌もダンスも全然うまくできない。演出家さんにすごくしごかれました。でも、それがあったから今があります。

そのあと、「恋するフォーチュンクッキー」の特典映像で『ADS77』というショートドラマに主演させていただいて。犬童(一心)さんが監督で、それまで苦手意識があったお芝居に意欲が芽生えました。自分と違う人間になれるのが楽しくて。

――舞台『マジムリ学園』で演じたネロは学校の暴君的な役で、奈々さん自身のイメージとかけ離れていました。

非現実的な役柄でしたけど、普段の自分と違えば違うほど楽しさがあります。ネロみたいに強さを全面に押し出してカッコ良くあるのは、自分の中では得意なほうです。逆に、今回の『奪い愛、高校教師』の灯(あかり)はか弱いくらい心を閉ざした女子高生で、ちょっと悩みました。

――音楽教師の冬野三太(大谷亮平)を3人の女性が奪い合う物語の中で、灯が三太に自分からキスをするシーンもあって。

灯は一番普通で純粋な子ですけど、大胆なところもあって。キスシーンは片手で数えられるくらいしか経験なくて、しかも相手がメンバーだったりしたから、今回は大物俳優さんで緊張しました。

でも、自分の想像とはまったく違いました。いい意味で業務的なんです。段取りをしっかりやって、監督は映る角度や見え方をすごく大事にされていました。ロマンチックな感じはなかったんですけど(笑)、「こうやって作品を作っていくんだな」と感じました。

自分だったら誰が相手でも愛は譲りません

岡田奈々 AKB48 okada nana 根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townwork――灯を演じるうえで軸にしていたことは何ですか?

心臓が悪くてペースメイカーを付けている役なので、感情的に激しく動きそうになっても、そこまでやったら灯は苦しくなる……というのがありました。全力ダッシュができないことは意識しました。

監督に一番注意されたのは「台詞が走っている」と。私は台本を覚えすぎて、段取りのようになっていたみたいです。ポンポン言ったらいけない。間を大切にして、感情が動く前に口にしそうになるのを、溜めていいと教わりました。

――特に難しさを感じたシーンは?

全部難しくて毎日悩みましたけど、先生と2人のシーンが多くて。先生のことを好きだけど、お母さんも先生が好きで、婚約者までいる。その葛藤を台詞だけでなく、表情や間で表すのが難しかったです。

――もし自分だったら……とも考えました?

考えました。私だったら、お母さんと好きな人が被っても、譲ったりしないだろうなと。リアルにお母さんとそうなることはありませんけど、誰が相手でも自分の愛を一番に考えちゃうと思います。だから、恋愛より家族を取ろうとする灯のやさしさにジーンときました。

ソロコンサートは一度投げ出しかけました

岡田奈々 AKB48 okada nana 根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townwork――奈々さんは来年でデビュー10周年。今まででアイドルになって最高潮に感じたのは、どんなときですか?

岡田奈々個人としては、(2018年の)ソロコンサートのです。自分がやりたいことを全部詰め込んで、ようやく1人のアイドルとして、悔いなくひとつやり遂げることができました。

――産みの苦しみもありました?

スタッフさんと泣きながら喧嘩するくらい揉めました。どんな構成にするとか、細かいところを詰めていくのが大変すぎて。一度本当に投げ出しかけて、「ソロコンやめる?」とまで言われました。

やりたい方向はあっても、具体的に何をどうしたらいいか、わからなかったんです。自分の引き出しが少なすぎて。そんな中で全部を1人で決めないといけなくて、考えると意外と辛くて。でも、それを経てステージを作り上げたから、(2020年の)村山彩希ちゃんとのペアコンサートでは、すんなり決められました。

――投げ出しかけたところから、どう持ち直したんですか?

ファンの皆さんが「楽しみにしているよ」と声を掛けてくれたおかげで、投げ出さずにやれました。探り探りでリハーサルをしながら、「どうなるかわからないけど、これでいこう」と。結果的に良い形になりました。

自分が迷惑を掛けられても構わないと考えるようにしています

――逆に、一番落ち込んだのはどんなときでした?

(2016年に)機能性低血糖症で2~3週間お休みしたときですね。心も体も不安定で辛くて、うまくいかないことばかり。歌番組に急に出られなくなったりもして、周りに迷惑を掛ける自分を最低だと思っていました。申し訳なさすぎて、すごく居辛く感じたときもありました。

――真面目さゆえに、自分を追い込みすぎていた感じでしょうか?

お仕事は全部完璧にこなさないといけないと思ってきた分、反動で何もできない時期でした。100%やらなければ0と同じ。今もその性格は変わっていませんけど、結局、ダメな自分を受け入れるしかなくて。

迷惑を掛けた分を取り返そうとして、しんどいときがありました。でも、しんどいときはウソをつかずにしんどいと言う。できないことはできないと認める。そういう選択肢を取るようにしました。

その分、周りで困っている人がいたら、支えてあげたいと思うようになって。人に迷惑を掛ける分、自分が迷惑を掛けられても構わないと考えるようにしています。

真面目なイメージを壊したくて髪をバッサリ切りました

岡田奈々 AKB48 okada nana 根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townwork――黒髪ロングからショートにしたのも、その頃でした。

そうです。自分の中で何かを変えたくて。何を変えたらいいかわからなかったから、まずは形から入ろうと思ったんです。たぶん真面目なイメージも壊したかったんでしょうね。勢いでバッサリ切りました。悩んでいたことが髪と一緒になくなった感じで、スッキリしました。

――髪色もよく変えていました。

精神的な部分が髪色に出ることはよくありました。また落ちてしまいそうで、見た目からコロコロ変えていた部分があります。でも、今は落ち着いていて、精神状況より衣装や作品の見せ方に合う髪色にしています。

――自分の真面目な性格がイヤになることもないですか?

それはなくなりました。昔は「いや、真面目じゃないよ」みたいに突っぱねましたけど、今は真面目と言われるのは嬉しいです。良いことなので。「根も葉もRumor」のロックダンスも、難しすぎて何度も挫けそうになりました。それでも諦めなかったのは、真面目に「やろう」と思い続ける性格のおかげだと思います。

――10代の頃とは人間的にも変わったと?

もう全然違います。10代の頃はお仕事を100%でやることが正しいと思ってましたけど、人間だから毎日100%なんて無理ですよね。24歳の今は80%でもいいから、気楽に生きるほうが大切だなと。ちょっとうまくいかなくても、過ぎたことは仕方ないと思うようにしています。

――うまくいかなかった20%のほうが、つい気になったりはしません?

そういうときもあります。でも、そこで反省できるのは自分の性格の良いところだと思って。反省の繰り返しでも、それが人間だと受け止められるようになりました。

自分のことよりファンの方のためなら頑張れます

岡田奈々 AKB48 okada nana 根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townwork――アイドルとして大事にすることも変わりましたか?

それは変わってないかもしれません。10代の頃から辛いことはたくさんあって、何度もやめそうになりましたけど、続けてきたのはファンの方との関係をたくさん築いていたから。

応援してくれる皆さんに喜んでもらいたいというのが、一番大きいんです。自分のためには頑張れなくても、周りの人のためなら真面目に頑張れる。そういうところが昔からあって、私の原動力になっています。

――AKB48での活動で悔しい想いをしたこともありますか?

今年だと紅白歌合戦に出場できなかったことは、すごく悔しかったです。でも、悔しいと思えたことが嬉しくて。2年連続で落選でしたけど、去年は悔しいとも思えませんでした。「そうだよな。今のAKB48では出られないよな」という情けなさ。先輩にはかなわないと、マイナスな気持ちだけだったんです。

今年は単独コンサートをしたり、「根も葉もRumor」を出したり、1年を一生懸命頑張れたので、紅白に出られないのは素直に悔しくて。それは前進だと思います。来年も前を向いていこうと、みんな燃えています。

――来年の個人での目標もありますか?

ソロデビューしたいです。私はアニメソングが好きなので、LiSAさんのようにカッコイイ曲もバラードも幅広く歌えるアーティストになりたいです。

大きな夢への近道は小さいことの積み重ね

岡田奈々 AKB48 okada nana 根も葉もRumor 奪い愛、高校教師 タウンワークマガジン townwork――最後に、バイトをしながら夢を追う読者へ向けて、奈々さんが夢を叶えるために必要だと思うことを教えてください。

大きな夢があるのは素敵ですけど、そのうえで小さなことから1コ1コ達成していくのが、結果的に近道になると私は思っています。自分の10年を振り返っても、遠くのものに手を伸ばすより、目の前の壁をひとつずつ着実に壊してきた感じでした。

たとえば、ミュージカルで毎日発声練習をして、しごかれたおかげで、声量がすごく上がりました。歌手としての成長に一番大きかったと思っています。

――ミュージカルは普段の歌い方とは違うんでしょうけど。

違います。でも、声の出し方は舞台を経験して、学んできました。将来は有名な歌手になりたいとしても、舞台に出たら台詞を完璧にする。口が回らなければ早口言葉を1コでも言えるようにする。そういう積み重ねから夢に届くと思うんです。私もまだ大きい夢を叶えてないので、焦らず着実に進んでいくつもりです。

 

■Profile
岡田奈々
(おかだ・なな)

1997年11月7日生まれ。神奈川県出身。2012年にAKB48の14期生オーディションに合格。2014年発売の36thシングル「ラブラドール・レトリーバー」で初選抜。2018年発売の51stシングル「ジャーバージャ」、2021年発売の58thシングル「根も葉もRumor」でセンター。12月27日から4夜連続放送のドラマ『奪い愛、高校教師』(テレビ朝日系)に出演。2022年2月3日~6日に『Reading Pop『青い鳥』~メーテルリンク『青い鳥』より~』(ヒューリックホール東京)に出演。

OFFICIAL SITEhttps://okada-nana.com/
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企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:草刈雅之 取材・文:斉藤貴志

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