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2022年04月04日

俳優・世古口凌さんインタビュー 「芸能事務所を99社受けた僕だから言えること。まわりへの感謝を忘れないで」

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork先日、最終回を迎えた「機界戦隊ゼンカイジャー」で、ダークヒーロー・ステイシーを演じていた世古口凌さんが、1st写真集「戀紫」をリリース。「機界戦隊ゼンカイジャー」でも話題になった圧倒的透明感や、中性的な魅力が光る写真集の制作秘話を聞いたほか、俳優として現在のポジションに至るまでの経緯や苦労、将来のビジョンをインタビューしました。

 

念願だった写真集の発売。自分のことを少しは認めてもいいのかな

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork――写真集の制作が決まった時の心境から聞かせてください。

写真集の発売は、芸能生活を始めてから一つの目標であり、ずっと願っていたことだったので、やっとそこにたどり着けたという気持ちです。そして、ある程度認められないと出せないものだと思うので、自分のことを少しは認めていいのかなっていう心境になりました。

――タイトルの「戀紫(こいむらさき)」はどのような意味があるのでしょうか?

「機界戦隊ゼンカイジャー」のステイシーという役と出合い、彼が身につけている衣装の紫は1年間背負ってきたカラーでもあるので、とても思い入れがあって。調べてみると、紫には神秘的や高い美意識などの意味があり、僕自身を表している色だと感じたんです。そして、紫は赤と青を混ぜてできる色で、僕のひねくれた性格もいろんなものが混ざってできたものなので、ピッタリだと思ってタイトルに「紫」を入れることにしました。

――「戀」のほうは?

俳優という仕事に僕が恋心を抱いているという意味もありますし、僕を応援してくださる皆さんの想いを一文字で表すとしたら「恋」がふさわしいかなと。旧字の「戀」にしたのは、古き良きものが好きなことや、僕が現代社会に対して不満を抱えて生きているので(笑)、そんな“ひねくれ精神”をふまえて、旧字を使いました。僕という存在をよりアピールしていきたい、紫をもっと濃くしたいという意味での“濃い紫=戀紫”という意味も含んでいます。

 

海での撮影は寒さを通り越し、全身が麻痺するような痛みを感じました

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork――撮影を振り返ってみての感想を聞かせてください。

2日で撮ったんですが、2日間とも天候に恵まれてスムーズに行うことができました。特に印象に残っているのは、海で撮ったカットです。想像以上に寒くて、全身が麻痺するような痛みを感じました。でも、そのうち痛みを感じなくなった瞬間があったんですよ。それだけ撮影に集中していたんでしょうけど、その時は無敵だなと思いました。

――限界の向こう側へ行ったんですね。世古口さん自身のお気に入りのカットは?

表紙の写真は特に気に入っています。カラフルな大判のマフラーを顔から頭にかけてグルっと巻いた僕のアップなのですが、現在の25歳の男性俳優で、こんなガーリーなカットを撮れる人はそうそういないと自負していますし、他の皆さんの写真集とかぶらないと思って、このカットを表紙に決めました。

――お話をうかがっていると、“唯一無二の存在になりたい”という意志を感じますが、理想とする俳優像はありますか?

「こうなりたい」という明確な目標は決めていないのですが、「なんか面白いね」と言っていただけるような俳優、自由奔放な俳優になれたらいいなと思っています。

 

98社に履歴書を送るもうまくいかず、トイレに3時間こもって泣きはらしたことも

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork――俳優を志したきっかけを聞かせてください。

「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画を観たことがきっかけで、俳優という職業に興味をもちました。実際、そこに向かって動き始めたのは高校生の頃です。とにかく泣き虫で、何をやっても続かない自分がすごくイヤで、そんな自分を変えるために芸能界でたくさんもがいてみようと思いました。

――そんな決意をし、俳優になるためにどのようなことから始めたのでしょうか?

19歳で俳優の養成所に通い始め、演技を2年間学びました。思い返せば日々戦いの連続で、僕の場合、まず挨拶ができなかった。「おはようございます」が言えなかったといいますか、大人に対して頭を下げたくなかったんです。そんな“ひねくれ精神”からスタートしたので、先生にはたくさん叱られ、叩きのめされ、すべてを否定されました。生徒同士の裏切りもたくさんありましたし、いがみ合いなどずっと何かを抱えていました。

――現在の世古口さんの様子からはまったく想像がつかないです。そこから意識が変わったのは何かきっかけがあったのですか?

僕がバカだったんですよ。学校の勉強もしていなかったし、まともな社会生活も送っていなかった。このままだと僕は俳優になれないと気づいたんです。それって、もともとの目的に一番反していることだから、一度自分を見直さなければと考えを改めました。

――そんな中で心が折れそうになったことや挫折と感じることもあったかと思いますが……。

メンタル的に最もヤバかったのは、芸能事務所へ所属するオーディションを98社連続で受けた時です。毎日、履歴書を書いてはその事務所へ行き、面接を受けての繰り返しで、トータル3ヶ月ぐらいかかったのかな。もちろん自分の実力不足なんですけど、そこで芸能界の厳しさを知りました。演技だって2年間レッスンをうけてきたのに、その時間は何だったんだろうって落ち込んで、自宅のトイレにこもって3時間泣きました。

――そこからどうやって立ち直ったんですか?

泣きはらした後、ここで諦めてしまったら僕の人生は終わると思ったんです。即、親友に連絡して、「今から別の事務所を探すから、応募用の写真を撮ってくれ」と頼んで。その時に撮った写真を送って、99社目で現在の事務所に入ることができました。

 

まわりに流されないことが、現状から抜け出す一歩になる

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork――そして、今に至ると。仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

感謝の気持ちを忘れないことです。最初は挨拶すらまともにできなかった僕ですが、たくさんのオーディションに落ちたことで、この仕事は自分一人では何もできないと気づくことができた。どんな仕事にも言えることだと思いますが、僕の仕事は一つの作品が今後の人間関係に必ずつながるものだから、お世話になった方や出会った方への感謝は大事にするようにしています。そして、決しておごらないこと。もちろん目上の方は尊重しますけど、僕は基本的に年齢を気にしていなくて、年下の人、例えばゼンカイメンバーにも「年上だからって気にせず接してほしい」と言っていました。みんなと同じ目線で気さくに話せるほうが、作品全体の雰囲気がよくなりますし、年齢やキャリアは関係なく、対等でいることを心がけています。

――辛い経験もしたけれど、大事なものに気づくことができたと。では、現在の原動力になっているものは?

素敵な映画やドラマに出合うと、「このために僕は仕事をやっているんだな」と実感しますし、こういう作品に出演できるように、もっと頑張らなければとも思える。さらに、うまくいかなかった時から僕を支えてくれている家族や友人、美容師さんなどいろいろな方に救われ、その方たちが僕に期待して、信じてくれているから、どんなに大変でも続けていけるのかもしれません。

――世古口さんが養成所で奮闘したように、将来の目標に向かって頑張っている皆さんへアドバイスをお願いします。

偉そうなことは言えませんが、まわりに流されない、世間体を気にしない。これに尽きますね。誰かに「こうしたほうがいいよ」って言われると、「そうしなければいけない」と受け取りがちですが、何が正解かわからないじゃないですか。アドバイスはされたけれど、逆にその方向へ進まないことが、一歩抜け出す手段だと思うんです。僕自身、ずっとそうしてきたので、アドバイスになるかどうかわかりませんが、参考にしていただけたら嬉しいです。

世古口凌 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
世古口凌
(せこぐち・りょう)

1996年11月5日、神奈川県生まれ。2018年に芸能活動を開始。主な出演作に「ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』~ハーモニーの魔法~」(古賀康弘役)、「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ~Night of Blossoming Stars~」(春川宙役)、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageシリーズ(飴村乱数役)、「機界戦隊ゼンカイジャー」(ステイシー役)など。

◆Official Site:https://www.libera-japan.com/artist/ryo.php
◆Official Twitter:@ryo_sekoguchi
◆Official Instagram:@ryo_sekoguchi

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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