声優・内田真礼さんインタビュー 「困難の先に見える景色は人生の楽しみの一つ。少しだけ踏ん張ってみてください」
P.A.WORKS「お仕事シリーズ」最新作『駒田蒸留所へようこそ』で、駒田蒸留所の広報担当・河端朋子の声を担当した内田真礼さん。崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する若き女性社長と、やる気ゼロの新米記者とのふれ合いを中心に、家族の絆をつなぐ“幻のウイスキー”復活を目指す人たちの物語に込めたメッセージや、内田さんが普段、どのような思いをもって声優という職業に取り組んでいるのかを聞きました。
ウイスキー作りも作品づくりも日々の積み重ねによって成り立っている
――今作で演じた河端朋子という女性の印象を聞かせてください。
私が演じた朋子は、子どもの頃からの友人である駒田琉生と一緒に蒸留所で働いていて、盾となって琉生を守ろうとする友情に厚い女性。とても素直に感情を表現できるところが魅力的で、琉生と朋子が話しているシーンは、お互いを思いやる気持ちが伝わってきて、大好きな場面です。朋子を演じて感じたのは、周囲に対しての責任感があるから強くいられるのかなって。蒸留所の取材にやってきた高橋がウイスキーについて何も知らないとわかった時に強い言葉を発したり、表情に出したりするのは、蒸留所を大事に思っているからこそなんだろうなというのは常に意識して演じていました。
――出演にあたって「もの作りの面白さや難しさがギュッとつまっている作品」と発言なさっていましたが、内田さんも声優として「作品づくりの面白さと難しさ」を日々体験しているのではないですか?
声優をしていると、1年後に公開される作品のアフレコなどがあって、早く評価をしてほしい、演じた役を見てもらいたいなどの思いはあるけれど、どんな作品も日々の積み重ねによって成り立っているんだなとつくづく感じます。そして、制作過程と同様に「つくりました」とプロモーションをしなければ皆さんには知っていただけないので、公開を控えた今、こうやってお話をしていて、作品の大事な仕上げ作業をしている感覚です。
駒田蒸留所で働く人たちの姿を見ることで、皆さんに心の火が灯れば
――内田さんが過ごす生活の中で、欠かせないことは何ですか?
休みですね。己と向き合う時間をキープすることで仕事がすごくはかどるんです。この本が読みたいとかこのお料理が食べたいなど些細なことで構わないので、どんなに時間がなくても、趣味や大事にしていることに取り組むようにしています。
――P.A.WOTKS「お仕事シリーズ」の魅力をどんなところに感じていますか?
まるで自分のことを覗かれているように共感性が高いことですね。『駒田蒸留所へようこそ』でいうなら、琉生はどうしてあそこまで追求することができるんだろうとか、高橋が取材に真剣に向き合う姿勢とか没入感がすごい。私は一般の企業で仕事をした経験はありませんが、そんな私でも社会の仕組みが作品を通して伝わってきて、まるで社会見学をしているような気分になれる。次はどんな業種の裏側がみられるんだろうと毎回楽しみにしています。
――働くすべての人たちに響くようなメッセージが込められた作品ですね。
大きく物事を変えるわけではないけれど、自分が動くことで何かが変わるかもしれないなど、お仕事をするなかでの大切な気持ちを思い出させてくれる作品だと私は感じています。駒田蒸留所で働くみんなの姿を見て、皆さんの心に火が灯るような、そして、スイッチが入るような作品になったら嬉しいです。
前に出て引っ張るタイプだった私が、横一線で進みたいと考えるように変化
――3年前にタウンワークマガジンにご登場いただいた時、「作品に呼ばれたからには求められた以上のものを見せようと思って臨んでいる」とお話していましたが、その後、変化はありましたか?
作品に携わらせてもらったからにはきちんと責任をもって取り組みたいと、3年前と変わらず今も思っています。ですが、最近、ある方とお話をしていた時に、私って結構、背負っちゃうんだなと気づくことがあったんです。みんなで手をつないで同じ気持ちで前に進んでいこうというタイプの人が多い中、私はみんなで手をつないでいても横一線ではなく、少し前に出て引っ張るタイプで。それはそれでいいんだけど、横一線になって進むこともやってみたいなって、ここのところ考えるようになりました。
――それは大きな変化ですね。
みんなで向かってくという感情を知らなくて、やるからには「自分が」と思っていたんです。でも、それがある意味、自分を追いつめる原因の一つになっていることに気がついた。責任感が強すぎるのはいい場合もあれば、それが自分の枷になってしまう時もある。10年以上仕事をしてきて、最近は自分だけが走らなくてもいいんだって思うようにしています。そうすることによって、張りつめていた気持ちが少し緩むなど、メンタルの変化を感じています。
――仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?
基本的には、その時の感情を共演者やスタッフさん、お客様に伝えるようにしています。例えば、自分ではあまりいいと思っていないけれど、「皆さんがいいのであればOKです」という方も中にはいますよね。でも、それって私のポリシーにはないことなので、「私はこう思います」と、きちんと口に出すようにしているんです。そうしないとメンタルがどんどんすり減っていって、それこそ自分の思いすらも置き去りにしてしまうような気がして。デビュー当時や20代前半の頃はできなかったことなので、年齢とともにできるようになったのかな。それ以降、なんだか人とのコミュニケーションが円滑になった気がしますね。
1日の終わりに「お疲れさまでした」と帰る瞬間の達成感を味わうことが原動力
――2023年は「私史上、一番いい身体になる」という目標を設定していたそうですが、達成具合について聞かせてください。
いやぁ~、まったく(苦笑)。ただ、ここ3ヶ月ぐらい、毎週スポーツマッサージに通っていたところ、背中が柔らかくなったんです。その効果で、歌を歌うことに関してはすごくラクになりました。見た目としてどうなったかという話はおいといて、肩甲骨はとても調子がいいです。やると変わるんだということを実感したので、これは今後も続けていきたいです。
――現在の原動力は何ですか?
仕事が始まるまでは悩むこともありますけど、仕事が終わる瞬間が私は大好きで。それこそ、1日の終わりに「お疲れさまでした」って言って帰る瞬間の、あの達成感を味わうために仕事に行っているような感覚まである。大きなことではありませんが、日々そういう達成感をもてるって、すごくいいなって思うんですよ。小さい紙に今日やるべきこと――「洗濯をする」「掃除機をかける」といった何でもないことをたくさん書いて、全部こなせた時に「うわーっ、全部いけた!」みたいな何ともいえない感情。そんなふうに1個ずつ丁寧にこなしていくことが私の原動力ですね。
――夢や目標に向かって奮闘する世代へアドバイスをお願いします。
駒田蒸留所で働く人たちもそうですが、心が折れそうになる瞬間もあるけど、きっとその先に見えるものがあるはずだから、一度始めたことは少しだけ頑張ってみる。私自身も心が折れそうになる瞬間はこれまで何度もありましたが、そこを乗り越えた先に見えるものって人生で得られる楽しみの一つだと思うんです。私も“働く大人の一人”として、仕事をする中に楽しいことだってたくさんあるということをお伝えできると思うので、これから社会に出る皆さんにも少しだけ踏ん張って頑張ってほしいです。
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2023年11月9日(木)〜2023年11月15日(水)23:59 まで

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— タウンワーク (@townworknet) November 9, 2023
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■Profile
内田真礼(うちだ・まあや)
1989年12月27日、東京都生まれ。主な出演作に「中二病でも恋がしたい!」(小鳥遊六花役)、「アイドルマスターシンデレラガールズ」(神崎蘭子役)、「ノラガミ」(壱岐ひより役)、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(カタリナ・クラエス役)、「うる星やつら」(三宅しのぶ役)など。「Maaya XmasParty!!2023」を12月24日にパシフィコ横浜会議センターメインホールで開催する。
◆Official Site:https://www.uchidamaaya.jp/
◆Official X(旧Twitter):@MaayaUchida
◆Official Instagram:@uchidamaayataso
■作品情報
『駒田蒸留所へようこそ』
11月10日(金)全国ロードショー
駒田琉生は若くして駒田蒸留所の社長となり、華々しい活躍の一方で、社長に就任するまでは波乱の連続だった。兄の圭は会社を去り、先代の父・滉は経営の立て直しに尽力するも、過労で亡くなってしまう。倒産寸前だった蒸留所を引き継いだ琉生は、再建を図るため、家族の絆の象徴ともいえるウイスキー「KOMA」の復活を考える。ある日、広報担当の河端朋子がプロモーションとして、ニュースサイトに体験記事を掲載することを提案。ところが、派遣されてきた記者・高橋光太郎はやりたいことも、やる気もない記者で……。
©2023 KOMA復活を願う会/DMM.com
公式サイト:https://gaga.ne.jp/welcome-komada/
公式X(旧Twitter):@welcome_komada
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。