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2015年07月14日

美味しい野菜を食べて、健康な体と心を作ってほしい/八百屋 瑞花 矢嶋文子さん

美味しい野菜を食べて、健康な体と心を作ってほしい/八百屋 瑞花 矢嶋文子さん【私の仕事Lifeの転機】

神楽坂で八百屋とは思えない、おしゃれな店構えの「八百屋 瑞花」を経営する矢嶋文子さん。自ら全国の畑に足を運んで選び抜いた、安心で美味しい野菜がお店にキレイに並んでいる。OLから転身して八百屋を始めた矢嶋さんの熱い思いをうかがった。
八百屋 瑞花 矢嶋文子さん

矢嶋文子(やじまあやこ)/1976年生まれ。法政大学社会学部卒業後、チョコレート店の店長、教材販売会社のOLを経て、調理師学校に通って調理師免許を取得。青果卸店「築地御厨」で修業後、「八百屋 瑞花(すいか)」を開業。新聞・雑誌・テレビなどで紹介され、注目を集める。

同僚の何気ない一言から食の世界へ。食卓に欠かせない「野菜」に注目

もともと食いしん坊で美味しいものを食べるのが好きだった矢嶋さん。
「大学時代はチョコレート店でアルバイトをして、そのまま新卒で入社。2年半勤めた後、経理の知識を身につけたいと思い、OLになりましたが、事務職は向いてなかったようで営業職に配置換えに(笑)。4年間頑張りましたが、働き過ぎで体がつらく、頭痛や生理痛もひどくて、鎮痛剤が効かないような状態でした。そんなとき同僚が何気なく言った“体は食べ物からできている”という言葉がズシンと響いて。あらためて、ちゃんとしたものを食べて健康でいよう、食の知識を増やそうと思ったんです」
その後、矢嶋さんは会社を辞めて、自分のやりたいことを見つめ直し、「やっぱり食の仕事に就こう」と調理師学校に通って、本格的に食材と調理を学ぶことに。
「調理師の資格も取りましたが、シェフになりたいわけではありませんでした。健康のために、どんな食材を選んで、何をどうやって食べたらいいのか。それを伝えるために、食材が買える、食を学べる、コミュニケーションがとれるレストラン、という3本柱の複合施設を作りたいという夢を持つようになりました。でも、この夢は自分にはまだ壮大すぎる青写真でした。まずは、食卓に欠かせない“野菜”について勉強することから始めようと思ったんです」

「野菜の素晴らしさを“自分で”伝えたい」と師匠の反対を押し切り開業

スタッフ写真

ネットショップもあるので、レジの後ろにはパソコン席が。「店主は野菜を生き物として扱い、どうすれば野菜にとって居心地がいいかを教えてくれます」とスタッフのおふたり。

そんなとき知り合いのシェフから日本一の八百屋と言われる「築地御厨」を紹介され、店主の内田悟氏のもとで修行することに。
「朝の2時に出社して、レストランへ卸す野菜を箱詰めするのが仕事です。畑にも連れて行ってもらい、生産者の方にもお会いしました。内田さんは野菜のうんちくを教えてくれるわけではなく、『さわって、食べてみなさい』と言います。旬の野菜に触れて、まずは生で食べているうちに、同じ野菜でも季節や天候によって味が違うこと、野菜を食べると体が整っていくことがわかりました。ひどかった頭痛や生理痛がなくなり、風邪もひかなくなったんです」
野菜の美味しさを実感できる恵まれた環境でしたが、修行が2年近くになった頃、矢嶋さんに焦りがでてきた。
「インプットばかりなので、アウトプットしたい、お客様に早く野菜の素晴らしさを伝えたいと思うようになりました。『築地御厨』はレストラン専門の青果店だったので、一般のお客様と接する機会が少なくて。もう八百屋を自分で開業するしかないという気持ちになりました。野菜を食べることで体や心が変わっていくお客様を、目の前で見たいという気持ちもありました。けれど、師匠の内田さんは大反対。『そんな中途半端な知識で開業するのは、野菜にもお客様にも失礼だ』と言われました。でも、開業したいという気持ちは抑えられず、押し切ってしまったんです。最終的には、内田さんも力になってくださり、たくさんのアドバイスをいただきました。両親には『借金だけはするな』と言われたので、3坪という小さなお店からスタートしたのが6年前です」

とくにママとなる世代へ、野菜を通して、食の大切さを伝えていきたい

仕事道具

野菜を切ってお客様に試食してもらうため、ナイフはいつもそばに。全国の農家に取材に行くため、カメラとノートも必需品。

昨年には3坪から9坪のお店へと移転し、スタッフも雇った。書籍の出版を行うなど、幅広い活躍の矢嶋さんだが、美味しい野菜を仕入れるために、生産者への取材は欠かせない。
「美味しい野菜を作るには土が重要です。どんな土かを知るために、折に触れて全国の畑に取材へ。店舗の商品は、自分が足を運んだ畑の野菜が中心なので、お客様に自信を持って薦められますし、美味しく食べる調理法もアドバイスできます。お客様は、お子さん連れのママも多いのですが、子どもに安心できるものを食べさせたいという気持ちは大きいですよね。当店でお買い物することで、野菜の美味しさをわかっていただき、今後、お客様が目利きになってくださるのが理想です。今は八百屋としてここに根を張ることに精いっぱいですが、夢をすべて実現するために、一歩ずつ進んでいきたいと思います」

 

矢嶋さんの気分転換法:自然の中を夢中で歩いたり、ダイビングが趣味。最近は、山登り+温泉のプチ旅行でリフレッシュしています。
編集部より>>
昨年発売された、初の著書『旬のやさい歳時記』(主婦と生活社)は、野菜料理のレシピも掲載されていて好評。HPでは旬の野菜情報や、イベント情報などをご確認いただけます。
http://www.suika.me/
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野菜八百屋人と接する食育

 

文:垣内 栄/撮影:刑部友康