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2018年09月20日

NHK『みんなで筋肉体操』で話題の庭師・村雨辰剛さんインタビュー「庭師は、世界規模で日本の伝統を伝えていける立派な仕事」

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワークNHK『みんなで筋肉体操』で話題の庭師・村雨辰剛さんをご存知でしょうか? 北欧・スウェーデン生まれで、26歳の時に日本に帰化。本業である庭師の仕事を軸にしながらも、モデルとしても活躍中のイケメンです。日本文化にも造詣が深く、「日本庭園の魅力を伝えていきたい」と熱く語る村雨さんに、バイトでも探すことができる庭師・造園のお仕事について伺いました。

 

庭師とは、主に日本庭園の設計・施工・管理をする仕事

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク――庭師とは、誰に対してどういったことをするお仕事なんですか?

海外と日本とで違ってくると思うんですが、日本で言う庭師というのは、お庭……主に日本庭園の設計・施工・管理をする仕事になります。ただ、今の時代は新しく日本庭園を造ることが少ないので、今まで多くの造園屋が作ってきた庭の管理をするというのが、一番多い業務内容ですね。本当にこだわっているお客さんだと、その木の花が咲く時期に合わせて剪定(せんてい/※)に行くんですけど、基本的には、年に1回そのお庭に伺って作業しています。

――タウンワークの職種一覧にも“造園・庭師”とあるのですが、造園と庭師の仕事の違いはどういうものなんでしょうか?

もともと“造園”という言葉は日本になくて、西洋文化が入ってきて大きな公園が作られるようになった明治時代あたりから、そういう呼び方が生まれたんです。でも今は、個人が所有している大きなお庭も含めて、大きな規模の仕事は全部“造園”と言うんですね。なので、私も肩書きは庭師ですが、業種としては造園業に携わっていることになります。

――つまり、作業をする場所や規模によって名称が変わる、と。

はい。それは勤めている会社にもよるんですが、個人で経営しているような小さな造園屋だったら、個人のお客さんのお庭のお仕事が多くて、いわゆる“庭師”は、そういった小さな規模の仕事をする職人のことを呼びます。

一方、大きな造園屋の場合は個人のお客さんの仕事だけだと賄いきれないので、公園の管理や街路樹の手入れをするというのが主な仕事になっていて。じつは、私も今は大きな会社で働いているので、スケジュール管理や書類整理もしますし、造園以外の仕事も多いんですよ。

だけど、もともと日本庭園に関わりたくて、日本庭園の仕事をしている造園屋で修行をしていたので、街路樹にはそこまで興味がないというか(笑)。残念ながら、最近は“日本庭園を洋風の庭にしてほしい”という依頼も増えているのですが、なるべく日本庭園に関われる仕事をしたいなと思っています。私がこうしてメディアに出ているのも、“貴重な日本文化(日本庭園)が失われていく現状を変えたい”という想いからです。

※剪定(せんてい)……樹木の枝を切り、形を整えること

 

大事なのは、この木をより良くするにはどうしたらいいか?を考えること

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク――冒頭で「基本的には、年に1回そのお庭に伺って作業しています」とおっしゃっていましたが、現場では、具体的にどういった作業をされるんですか?

木の種類によって剪定の仕方が違ったりするんですけど、基本的には“ハサミやノコギリを使って、1年間で伸びた部分の枝葉を、その木が理想とする大きさになるように切り戻す作業”になりますね。ただ、庭を作る時は、最初から理想のサイズに木を植えることもあれば、お客さんから“こういう風に伸ばしたいんです”と依頼を受けて植えることもあって。もっと木を大きくしたいという場合には、あんまり切りすぎないように整えていきます。

仕事をする上でとくに大事にしていることは、修行時代から変わらないんですけど、“木をよく見て、この木をより良くするにはどうしたらいいか?を考えること”。単純に切り戻すんじゃなくて、ここを伸ばしたらもっとかっこよくなるとか、もっと実用的なものになるとか、常にその木のことを考えて管理するようにしています。

――なんだか美容師のお仕事みたいですね。

そうですね。髪の毛と違い、木はそんなに速く伸びないのであんまりスタイリングはできないんですけど、感覚的には似ているなって思います。

――その木の魅力を引き出すためには木のことをよく知らないといけないでしょうから、勉強することも多そうですね。

和風の庭園は、取り扱う木の種類が結構限られているんですけど、今私がいる会社は、品種改良された新しい樹種を取り扱う機会が多くて、常に勉強しないといけないので、結構大変ですね。

 

自分の知識を活かして和風の木や庭を遺せた時に、やりがいを感じます

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク――もしかして、現場で「この木はなんだろう?」ってなることも……?

毎日のように、見たことも聞いたこともないような木に出会います(一同笑)。でも、木の生え方というのはいくつかのパターンしかないので、生え方がわかれば、自分が持っている知識を応用して作業することができます。

あと、庭師として働く中でわかったんですけど、意外とスウェーデンと日本の樹種って共通点があるんですよ。

――というと?

スウェーデンにいた時は、竹などの日本特有の木の印象ばかりが強くて、遠い世界のように感じていたんですけど、じつはスウェーデンも松が多いんです。

――そうなんですか⁉ 知りませんでした!

ふふっ。スウェーデンにも四季はありますしね。そういった共通点もあれば、全く違う点もあるので、面白いなぁと思いました。

――遠い国なのに不思議ですね。では、村雨さんが庭師の仕事をしていてやりがいを感じるのは、どのような時でしょうか?

今、仕事をしていてとくにやりがいを感じるのは、和風の仕事を受けて、自分が持っている知識や経験を活かして和風のものを遺せた時ですね。去年、あったんですよ。立派な松の木が生えている庭の仕事を任された時に、「この松どうしよう? 切ったほうがいいかな?」って相談されて。自分の持っている知識で松の良さを語ったら、お客さんが「やっぱり松はいいな」って思い直してくださったんです。でも、もしその時に担当していたのが自分じゃなかったら、その松は切られていたかもしれないし……。そう考えると、その時は、この仕事をやっていてよかったなと思いました。

 

日本語にハマったら、部屋に閉じこもってひたすら日本語を勉強するような子でした

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク――村雨さんは、子供の頃から自然が大好きだったんですか?

あんまり。大して興味なかったです(一同笑)。

――自然への興味よりも、日本文化への興味が先にあったんですね。

そうですね。小さい頃から海外に憧れがあったんですけど、成長するうちに歴史や文化に興味を持つようになって、島国として独特の発展を遂げている日本に興味を持ちました。そして、そこから「実際に行ってみたい」という好奇心が芽生えたので、16歳の時にホームステイという形で初来日して。18歳から日本に住み始めて、23歳まで語学教師として働いていました。

――昔から好奇心旺盛だったんですね。

日本語にハマったら、部屋に閉じこもってひたすら日本語を勉強するような子でしたね(笑)。

――しかも、26歳の時には帰化して、日本人になられて……日本への愛情が凄まじいです。

あははは。だから、言ってしまえば、日本の伝統に関われる仕事ならなんでもよかったんです。そういう仕事を探している時に、庭師のアルバイトと出会って、庭師の仕事に惹かれていきました。

 

バイトもやる気次第! 頑張っている人が評価してもらえる環境だと思う

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク――バイトとして働く時と本格的に修行する時とでは、仕事内容は異なるんですか?

本格的に庭師の修行をする場合は、1年間掃除などの下積みを経験してから、2~3年目にやっとハサミを持たされて、剪定を教わるという流れなんですが、バイトの場合は、正直、バイト以上のことを求められないと思います。1年間くらいのバイトなら、掃除だけやればいいっていう考え方のほうが多いので。

でも、そこはやる気次第というか。私も、初めは修行をした造園屋とは違う造園屋でバイトとして1年間だけ働いていたんですけど、熱心に仕事していたことを評価していただいて、3ヵ月目にはハサミを握らせてもらえるようになったんです。もちろん、親方によるとは思いますが、頑張っている人が評価してもらえる環境だと思いますね。

私はその後、別の造園屋に移ってまたイチから修行したんですけど、バイト先で得たものは大きかったなと思います。

――そんな村雨さんから、庭師・造園の仕事に興味を持っている方へ何か言ってあげたいことはありますか?

私はやっぱり、庭師として日本庭園という日本の伝統的な文化を遺していきたい気持ちが強いんですけど、その知識を得てプロになるということは、世界に通じる仕事ができるってことだと思うんですよね。行こうと思えば、海外で日本庭園を造ることもできるし、ただ働くだけじゃなくて、伝統を伝える立派な仕事だと思うんです。だから、野外での肉体労働は大変なこともたくさんありますけど、興味を持った方は下積みから頑張ってほしいなと思います。
 
――ちなみに、村雨さんは鍛え上げられたボディがとても魅力的ですが、庭師の仕事をする上で役に立っていることはありますか。

庭師は、夏は暑くて冬は寒いという仕事ですからね。でも、ある程度役に立つ面もありますが、どっちかと言ったら、邪魔かもしれない(一同笑)。

木に登ったりする時に体が重いと、木が折れたりするんですよ。そういう場面では、身軽な人のほうが向いているなと思いますね。でも私も修行時代、本来はクレーンで持ち上げるような石を持ち上げてよく褒められていたので。そこで親方が認めてくれたのかなって思うと、この筋肉があってよかったなって思います(笑)。

村雨辰剛 インタビュー 筋肉体操 庭師 肉体美 タウンワーク

■Profile
村雨辰剛
(むらさめ・たつまさ)

1988年7月25日、北欧スウェーデン出身。幼い頃から英語が得意で外国に興味を持つ。 “スウェーデンとなるべく違う環境と文化の中で生活してみたい”という気持ちから、日本に興味を持ち、日本語の勉強を始める。高校を卒業すると、特技である語学能力を活かし日本で語学(スウェーデン語や英語)の教師として働き始め、同時に外国人事務所にスカウトされ、CM、PR、通訳や翻訳の仕事をこなす。23歳の時に造園業の世界に飛び込み、庭師見習いを経て、現在も庭師として働いている。26歳の時に日本に帰化し、村雨辰剛に改名。現在、NHK『みんなで筋肉体操』に出演したことで人気上昇中!

◆村雨辰剛 Official Twitter:@MurasameTatsu
◆村雨辰剛 Official Instagram:@tatsumasa.murasame

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:斉藤碧

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