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2019年02月07日

俳優・柾木玲弥さんインタビュー 「どんなにチョイ役だったとしても『何か残してやる』という気持ちで臨んでいます」

柾木玲弥

極道の男性3人が全身整形&性転換手術を受け、女性アイドルとして活動するという物語を描いた映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』に出演している柾木玲弥さん。テレビドラマ化も決まった奇想天外な作品に対する思いと、仕事観についてお伺いしました。

 

意識を超えたところで芝居をしている感覚だった

柾木玲弥

――今回の作品は、男性が性転換手術を受けて女性アイドルになるという設定なので、「ひょっとしたら女装するのかも……」という考えも頭をよぎりませんでしたか?

思いました。性転換後の女の子も演じるのかなって(笑)。結果的には男としてのカズしか演じていませんが、カズが女性アイドルになったチカも演じてみたかったです(笑)。

――柾木さんの“チカぴょん”も見てみたかったです(笑)。3人の中でも、カズが醸し出す“ヤバさ”は鬼気迫るものがありました。

カズはケン(白洲迅)、リョウ(花沢将人)という極道3人の中でも末っ子キャラで、一番自由な役柄なんですよ。何をやっても監督が「面白いね」と言ってくださったので、自由にやらせてもらいました。

――例えばどんな部分ですか?

ただ歩くだけでも、ひとりだけやる気満々だったり、アクションシーンでは誰よりも大きな声を出していたり。じっくり見ていただくと、細かくいろんなことをやっています。

――アクションシーンといえば、クライマックス近くの大乱闘はすごい迫力でした。この場面の撮影について聞かせてください。

乱闘シーンは本当に大変でした。動いているうちに頭に血がのぼるというか、自然と気持ちが入って、実際には殴ってないんですけど、殴るお芝居をしただけでハイになってしまうんですよ。意識を超えたところで芝居をしている感覚だったので、本番が終わった後の疲労度はハンパなかったですね。

――そんな苦労があって完成したシーンだったんですね。全体の撮影を振り返って、もっとも印象に残っているのはどんなことですか?

僕は人と仲良くなるのがあまり得意ではないんですけど、この作品に関しては迅くんや将人くんと食事やカフェ、風呂に行ったりして、3人の空気感が自然と一致した感覚でした。これまでの作品では経験したことがなかったので、それがとても印象的でしたね。

 

わりと自分は女の子になりたい側です

柾木玲弥

――そんな3人は劇中で女性アイドルへと変身しましたが、柾木さん自身、女の子になりたい願望は……。

わりと“なりたい側”ですね。オシャレをしたり、化粧をしたり、女性をうらやましいと感じることが多いんですよ。実は女の子を異性としてじゃなく、「こういう子がいろんな人から“カワイイ”って思われるんだろうな」って、アイドルを発掘するプロデューサーのような目線で見たりすることがあるんです(笑)。そして、もし自分が女の子だったらこんな服を着て、こんな化粧をしたいだろうなって考えることもあります。

――具体的にどんなファッションをしてみたいですか?

僕は肌が白くて細身なので、女の子になったとしたら、まず脚は出すでしょうね。そして、髪型はショートカットにします。僕のタイプとかではなく、ショートのほうがオシャレな感じがするので。

――性格はどんな女の子になると思いますか?

ちょっとズボラな感じ。外へ出る時の身なりはキレイなのに、部屋はちょっと汚いという(笑)、そんな女の子になるような気がします。

――この作品で一番見てほしいのはどんな部分ですか?

組長役の岩城滉一さんに向かって、僕たち3人が土下座をしながら大声を出して懇願するシーンです。酸欠になるぐらい大変で、演技ではない本気の苦悶の表情をしているので、ここは注目してほしいですね。

 

俳優だって他のスタッフと一緒。作品をつくるひとりの人間に過ぎない

柾木玲弥

――ここからはお仕事観を聞かせてください。ジュノンボーイとしてデビューし、今年で10周年なんですよね。

今では俳優という仕事できちんと地盤を固めようと思っていますが、デビュー当時はこの仕事に対してあまりやる気がなかったんです。芝居のことをちゃんと考えていなかったというか、ジュノンボーイになると勝手に売れるんだろうなって……。

――デビューした頃はまだ中学生でしたから、どこか部活の延長線上みたいな気持ちもあったんでしょうね。そうして20代になり、現在、多くの作品で魅力を放っていますが、お仕事をするうえで大切にしていることは?

自分は“作品をつくる現場のひとりの人間に過ぎない”ということを意識しています。作品をつくり上げるためには照明部や撮影部、録音部とさまざまな人たちが作品の一端を担っているわけで、俳優もそういった役割の一つだと思うんですよ。ですから、俳優ということをひけらかさず、調子にのらないようにといつも心掛けています。

 

どんなに煮詰まっていても“その時”はやってくる

柾木玲弥

――謙虚な姿勢はどんな職業をしていても大切ですよね。ところで、出演した作品の評判は気になるほうですか?

評判がよく、褒められて嬉しいというよりは、自分が作品の中で役割をはたせてよかったという気持ちのほうが強いです。どんなチョイ役であったとしても、「何か残してきます」みたいな気持ちでいつも臨んでいるので。

――あくまでもご自分を「作品に携わるひとり」として考えているんですね。では、役づくりやお芝居に煮詰まることは?

今のところありません。どんなに自分の中で煮詰まったと思っていても、現場に出れば“演じなければいけない瞬間”はやってきますから。でも、もしかしたら正解が出るまでやらせ続けるような監督にまだ出会ってないだけなのかもしれません。

――もしくは、監督の求めるお芝居を柾木さんがいつも明確に打ち出しているのかも。柾木さんは同世代の俳優さんとの共演も多いと思いますが、皆さんの活躍は気になりますか?

かつて同じオーディションに参加していた人が先に売れてしまって、悔しいというより「あの人とオーディションで一緒だったな」というミーハーな気持ちのほうが強いです。あいつもスゴいけど、そんな人と一緒だったんだから、いつか僕にもチャンスが巡ってくるんじゃないかなって。

 

「求められること」が今の原動力です

柾木玲弥

――前向きですね! そんな柾木さんの原動力になっているものは……。

期待してくれる人がいることです。親もそうだし、僕を作品に起用してくださる方々。そんな人たちから自分が求められていると感じることが、一番の原動力です。僕は「俳優としてビッグになる」という夢があるわけではないんです。ただ、期待してくださる人がいる限り、この仕事は辞められない、辞めたくないという気持ちが強いです。

――最後に、このコーナーに出てくださる皆さんへ共通してお伺いしていることなんですが、夢や目標に近づきたいという若い世代へアドバイスを送るなら?

僕自身がまだ、目標にたどり着けていないのでアドバイスできることもないんですけど、ただ言えるのは「お互い頑張りましょう」っていうことですね。

――柾木さんの目標というのは?

先ほどの答えと重なりますが、期待に応えられる俳優でありたいです。でも、じつは人生の一番大きな目標があって…。

――ぜひ聞かせてください!

平凡でいいから、早く家庭をもつこと。ひとつ叶えたいのは“若いお父さん”として、子どもの授業参観に行きたいです。それにはまず、今の仕事をしっかり安定させることが夢への第一歩ですね。

 

■プロフィール
柾木玲弥
(まさき・れいや)
1995年3月24日、北海道生まれ。2009年「第22回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、芸能界デビュー。主な出演作にドラマ「ラブホの上野さん」シリーズ、映画「ライチ☆光クラブ」、映画「銀魂2 掟は破るためにある」(篠原進之進役)、ドラマ「インベスターZ」(神代圭介役)、ドラマ「今日から俺は‼」(佐川直也役)など。

◆OFFICIAL Twitter:@reiya_masak
◆OFFICIAL Instagram:@reiya_masaki

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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