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2019年05月29日

鳥越裕貴さん(舞台「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」中島敦役インタビュー)【この役のために僕がしたことvol.4】

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク

アニメ・漫画・ゲームなどの人気原作のキャラクターを舞台やミュージカルで再現する人気俳優たち。彼らは現実には実在しないキャラクターを具現化するためにどういった努力を重ねているのか。この企画では、毎回話題の作品にフィーチャーし、役を作り上げるまでの思いや取り組みについて、役者本人に伺います。

実在した文豪の名を懐く者たちが、それぞれの作品名にちなんだ異能力をもって戦うコミックを原作とした舞台「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」に出演する鳥越裕貴さん。中島敦という人物をどのように構築していったか、そして、今作への意気込みをインタビューしてきました。

 

舞台版を原作ファンの方にも受け入れてもらえたことが嬉しかった

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク――第一弾から約1年半ぶりの出演となりますが、前回の公演で特に印象に残っていることを教えてください。

毎公演、幕が開いたときの拍手がすごかったので舞台作品としての「文豪ストレイドッグス」をお客さんが受け入れてくださったということをまず感じました。それと「KAAT神奈川芸術劇場」という大きな会場で演じられたことも嬉しかったですね。「文豪ストレイドッグス」はコミックスもアニメもとても面白いので、舞台版の魅力がはたして原作のファンの皆さんに伝わるのだろうかと不安もあったんですが、とてもいい反響をいただくことができました。そして、今回の公演も決まって本当に嬉しいです。

――皆さん、続編を待っていたんでしょうね。自分でもここは特によくできたと思ったのはどんな部分でしたか?

カーテンコールまで踊りきった自分を褒めてあげたいです(笑)。僕が演じる中島敦の視点で物語が展開していくので、舞台に出ずっぱりなんですよ。さらに、アクションして、リアクションして、アクロバットして、ダンスもして。最後には芥川(橋本祥平さん)と戦って、カーテンコールでまた踊ってと、とにかく体力を消耗する作品でした。

 

僕と中島敦の共通点はツッコミにまわりがちなところ

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク――改めて中島敦というキャラクターの印象を聞かせてください。

敦はいろんなことからずっと逃げてきたんですが、武装探偵社と出合い、初めて自分としっかり向き合えるようになって変わっていきました。そんなふうに変われる勇気を出せたことが素晴らしいと思いました。

――そんな敦と鳥越さんの共通点はありますか?

人に振り回されたり、ツッコミにまわりがちなところ(笑)? 敦も武装探偵社に入って太宰(多和田任益さん)や国木田(輝馬さん)に振り回されてますから。そんな部分は似てると思います。

――稽古場における鳥越さんのポジションは……。

完全なツッコミ役です。ただ、今回のカンパニーは大所帯なので、ボケの人も多くて、つられて僕もついボケてしまったりもしています。いろんな種類のボケとツッコミを目の当たりにすることができるので、カンパニーが大人数でホントよかったなと思いました(笑)。

――じゃあ、逆に敦とまったく違う点は?

何日も食事をしていない状態で、真っ先にお茶漬けを食べたいとは思いません(注:原作の敦はたまたま出会った太宰から「何が食べたい?」と尋ねられ、お茶漬けを所望した)。もっと違うものをガッツリいきたいです。

 

僕の異能力は“人見知りの人”の心をこじ開けること

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク――敦は「月下獣」という異能力の持ち主ですが、鳥越さん自身も、変わった能力をもっていますか?

僕は人見知りの人の心を開かせる能力があるんじゃないかと思っています。“人見知りの人”がいると放っておけない性格なんですよ。そんな人の心にガツガツ土足で踏み込んでいきます(笑)。結果、相手がどうしようもなくなって口を開かざるを得なくなるという (笑)。

――では、手に入れたい異能力は?

誰でも笑ってしまう、僕が何をしても笑ってくれる能力がほしいです。これまでたくさんのスベリを経験してきたので、そこを経て、かなり忍耐力はついてきましたが(苦笑)。

 

中島敦ならではの言葉に感情が沸き立ちました

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク――皆の笑いを一心に受けたいんですね(笑)。「文豪ストレイドッグス」といえば、たくさんの名言にあふれていますが、お気に入りのセリフがあれば教えてください。

敦の「誰かに生きる価値があるかないかをお前が判断するな」というセリフは感情の爆発というか、沸き立ったものを感じました。他には「人は誰かに生きていいよと言われなくちゃ生きていけないんだ」というセリフも敦らしさが顕著に出ていて、グッときちゃいました。

――素敵な言葉の数々です。そんな「文豪ストレイドッグス」の魅力はどんなところにあると思いますか?

飽きさせないストーリー展開と、それぞれのキャラクターの濃さですね。普段の僕はあまりマンガを読まないんですけど、この「文豪ストレイドッグス」はこの先どうなるのっていうワクワク感が止まらないんです。セリフに刻まれた素敵な言葉たち、そして、男たちのカッコよさなどいろんな魅力にあふれた作品です。

 

原作ファンに「こんな魅力もあったんだ」と気づいてもらえるような演技がしたい

鳥越裕貴 俳優 2.5次元 文豪ストレイドッグス 文スト 舞台 インタビュー townwork タウンワーク――本番が楽しみです。鳥越さんといえば、2.5次元作品での活躍も目立ちますが、演じるうえで大事にしているのはどんなことですか?

どの作品においてもそうなんですけど、鳥越裕貴が演じるからこそのキャラクターということを重視しています。原作にあるキャラクターを完コピすれば、お客さんにとっては嬉しいことかもしれないけど、僕が演じる意味、鳥越裕貴が演じるからこんな見え方もできるということを見せたいんです。原作のキャラクターのファンの方に「こんな魅力もあったんだ」と気づいていただけるようにと思いながら、毎回舞台に立っています。

――時には煮詰まることもあるかと思うのですが……。

ありますよ。その壁をどんなふうに乗り越えていくかでこの先の自分が決まるので、いろんな方に相談しつつ、立ち向かっています。最近、徐々にその壁がなくなってきているので、僕としてはもっと高い壁が現れてほしいんです。性格的にドМで苦しいことが好きなので、演出家さんにももっとボロクソに言われたい。それと向上心だけは止めたくありません。

――その壁を乗り越えるたびにまた成長していくんですね。最後に、2.5次元作品全盛期の今、その中心にいるひとりとして伝えたいことはありますか?

最近は“2.5次元俳優”と呼ばれたりしますけれど、僕がやっていることは、これまでと何ら変わりません。でも、2.5次元というジャンルのおかげでこれまで舞台を観たことのなかった人が劇場に足を運んでくれたことも事実です。そこをふまえつつ、ブームに甘えず、舞台の面白さ、演劇の面白さをきちんと伝えていけたらと思っています。2.5次元以外の素敵な作品もたくさんあるので、そちらも多くの方に観てほしいですね。

Profile
鳥越裕貴
(とりごえ・ゆうき)
1991年3月31日、大阪府生まれ。舞台では「イナズマイレブン」の半田真一役で初舞台。主な出演作に舞台「弱虫ペダル」(鳴子章吉役)、ミュージカル「刀剣乱舞」(大和守安定役)など多数。また、ネットドラマ「寝ないの?小山内三兄弟」(天授役)など映像、舞台と幅広く活躍している。今後の予定としてはPARCOプロデュース2019ミュージカル「プレイハウス」(東京芸術劇場プレイハウス・8月25日~9月1日)に出演。

◆OFFICIAL Twitter:@Torippiyo2
◆OFFICIAL Instagram:yuki_torigoe.cleftchin

編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:荒垣信子

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