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2018年01月10日

CHIYUインタビュー『アルバイトを通して学んだのは、仕事と遊びのバランス』【俺達の仕事論vol.24】

SuG CHIYU インタビュー ベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

2017年に解散を発表したバンド・SuG(サグ)の元メンバー、ベーシストであり、同年12月27日の聖誕祭で、ソロアーティストとして活動していくことを発表したCHIYU(ちゆ)さん。今回は、初めてのバイトで購入したというバイクについてや、上京後に勤めていたパチンコ店でのエピソードなどを中心にお話を伺いました。

 

ガソリンスタンドでは、ゲーム感覚で楽しめる洗車が好きだった

——初めてのアルバイトから教えて下さい。

高校の時の新聞配達ですね。それからすぐにガソリンスタンドでも働き出したので、新聞配達をして、学校に行って、夜はガソリンスタンドで働きました。ただ、新聞配達は3ヵ月くらいで起きられなくて挫折しました(苦笑)。

——ガソリンスタンドでバイトを始めたキッカケは?

バイクが好きですぐに免許をとろうと思っていたから、ガソリンスタンドで働けば、ガソリンを入れるのも洗車も楽かなって勝手に思って(笑)。近くでバイトを募集していたガソリンスタンドに面接に行きました。
 
——ガソリンスタンドではどんな仕事を?

車を誘導してガソリンを入れたり、ボンネット内の点検、タイヤ交換、洗車とか。なかでも洗車は好きでした。洗車機を通した後に、機械では届かないところの汚れを落とすんですけど、車の形によって汚れが全然違うから、相手(=車)の個性にあわせて点検して(笑)。

たまに、鬼のように汚い車がくると“キター!”って。“どこまでキレイに出来るんやろ”ってテンションがあがる。逆にキレイな車だと“やらんくてもいいやん”と思いつつ、1個でも汚れを発見したら“見つけた!”って(笑)。洗うこと自体より、キレイになるのが好きやったし、汚れを見つけるっていうゲーム性を自分の中で作ってたのかもしれない。やっぱり、楽しくないと続かないしね。

 

頑張った分だけ給料が上がるのが嬉しかった

SuG CHIYU インタビュー ベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork——冬の寒さは厳しそうですね。

年末年始のガソリンスタンドは、もう大変でしたね。みんな新年はキレイな車で迎えたいから“もう一生終わらへん”っていうくらい洗車の列が出来てて(笑)。外も寒いし、水を使うから手はずっと紫だし、“動かへん”って思いながら、もう必死でやるしかない(苦笑)。でも、3年は続けました。

——初めてのバイト代は覚えていますか?

ガソリンスタンドのバイト料は10万円ちょっとで、しかも手渡しだったから“給料をもらった!”っていう実感はありました。そこのガソリンスタンドは、洗車とかタイヤ交換とか、やったことに対しての“プラスα”の手当がついたので、それが明細書に書かれていたり、頑張った分だけ給料があがるっていう評価も嬉しかったんですよね。

 

バイクは高校生ながら、貯めたお金で一括払い! 

SuG CHIYU インタビュー ベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork——バイトで稼いだお金の使い道はバイクですか?

教習所に通うために貯めるのがメインだったんですけど、高校からバンドをやっていたから楽器も欲しかったし、もちろんバイク代も必要やしね。バイクは高校生のくせに、バイトで貯めた70万を財布にいれて一括で買いに行きました。 ただ、レジで出す瞬間は“これ出すのもったいないな”って、ちょっと思ったけど(笑)。

——惜しくなる気持ち、すごく分かります(笑)。そのガソリンスタンドは上京するまでずっと続けたんですか?

高校を卒業してからは、昼間は時給が高いパチンコ店で働いて、夜は友達の親族がやってたコンビニで働くようになりました。その頃には、もうバンドでプロになりたいとは思っていたけど、たまにライヴをするくらいで、明確にはどうすればいいのかまでは見えてなかったから、まずは未来の選択肢を広げるために、お金を貯めている時期でした。

——パチンコ店でのアルバイトはどうでしたか?

仕事は単純作業が多かったから、わりと早く覚えられたけど、悲惨なハプニングが1つありました(笑)。バイトに少し慣れ始めた頃に、お客さんの出玉をぶちまけて。しかも地下まである店舗だったから、階段をつたってブワーって(苦笑)。

その時は、地下のお客さんに対して“頼むから今は階段登ってくるなー”って思いながら磁石で拾って。しかも、あまりにも多かったから、磁石を3つ持っての回収でした。パチンコ店は玉を落とすと転ぶから危ないし、パチンコ玉=お金だから、もうただひたすら謝るしかないっていう状態で、あれは、かなり派手な失敗でしたね(笑)。

 

当たり前のことを、当たり前にしてたことが信用につながった

SuG CHIYU インタビュー ベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork——では、上京後のアルバイトについても教えてください。

上京した後も、時給の高さと、髪型が自由に出来そうという理由で、パチンコ店を選びました。そこは結構長くて、SuGとして前の事務所に入るまで働きました。でも、そこの社長が気に入ってくれて、“自由出勤でいいから籍だけでも置いとけ”って。もしかしたら、俺まだバイトかもしれないです(笑)。

——そこまで愛されるようになったのは何か理由があったんですか?

特別な何かがあったわけじゃなくて、パチンコ店の仕事は、玉が入った箱の上げ下げで腰痛になったり、音がうるさくて耳がやられたり、何百もある灰皿清掃とか、コツコツやる仕事が多いんです。玉が詰まったってお客さんに言われれば直しにいくし。

最初は時給の高さにつられて入るけど、しんどいから辞める人が多かった。そんななかで、当たり前のことを当たり前にしていたことが信用につながったのかな。めっちゃくちゃ仕事が出来ても、遅刻してくるやつは信用されないだろうし。あとは、接客には気をつけていました。たとえば“全然あの店出えへんけど、あいつがおるなら行こか”って思わせたら勝ちでしょ?

 

“やることはちゃんとやって遊ぼう”というスタンス

SuG CHIYU インタビューベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork——その頃から“自分”で勝負していたと。

そんなかっこいいもんではないですけどね(笑)。仲のいい人は多かったです。おっちゃんに、“金髪のにいちゃんは?”って呼ばれて行ったら“お前が入れたら出そうな気がするからコーヒー淹れて”って言われて。でも、そういう遊びというか、お客さんとも細かなコミュニケーションをとることで、仕事も楽しく出来ていたと思います。

——仕事を楽しむ方法を見つけるのが上手ですね。

それは今も一緒。そうじゃないと楽しくないでしょ? たとえば当時、自分が先輩になった時に、出玉の入った箱を誰よりキレイに並べて、後輩に“お前、これよりキレイに出来るか!?”って茶化すと、相手も挑戦してくるから、楽しみながら物事を覚えられる。そういう、仕事に遊びを加えるというやり方はしていました。“やることやって遊ぼう”っていうスタンスやったからね。

——ちなみに、過去に怒られた記憶はありますか?

東京のパチンコ店で働きだした時に、ヒマな日にお客さんがいない席のランプを押して、誰かが無駄に飛んでくるのを茶化すっていう遊びをしてて。それをお客さんに見られて叱られました。それで反省して、次からはちゃんとオンオフを作ろうと思ったんです。

遊び心は必要だけど、仕事という感覚を知ったというか……。お金をもらうという経験をして、学生時代は遊びだけだった感覚が仕事に徐々に変わる。そのバランスを、だんだん見つけられるようになっていくことが、バイトを通して大人になっていく部分なのかなと思います。

 

接客業を選んだ人には、愛想よく働くことを強くススメたい!

SuG CHIYU インタビュー ベース ちゆ サグ タウンワーク タウンワークマガジン townwork——これからバイトをする人にアドバイスするとしたら?

どのバイトにしろ、一通りの仕事が出来るようになるまでは頑張ってみること。俺も新聞配達以外は、だいたい3年以上は続けましたからね。辞めたいと思うこともあったし、合わない人がいたこともあったけど、その人たちよりちゃんと仕事が出来ていればいいやって思っていました。仕事が出来るようになれば必然的に頼られることも増えてくるし、そしたら居場所も見つかると思うから。

もう1つは、接客業のバイトを選んだ子には“ちゃんと接客しいや”って伝えたい。別に特別なことじゃなくて、どんな職種でも、無愛想は絶対ダメだと思うんです。無愛想に接客されて、嬉しい人っておらんと思うしね。

たとえば飲食店で、メニューを間違えて持ってきた時に、愛想良く“すいません”って言われれば“仕方ないな”って思えるけど、そこでブスッとされたり逆ギレみたいな態度をとられたら二度と行かないでしょ? 店員の個人的な気分とかは、お客さんには関係ないし、そういう愛嬌は本当に大事。

もちろん、ずっと同じ失敗を繰り返したら、ただの仕事が出来ない人になってしまうけど、頑張っていれば仕事も徐々に出来るようになると思うから。人への接し方は、自分でも大事にしているところですね。

——かなりパーフェクトなCHIYUさんですけど、ダメなところはないんですか?(笑)

いや、出来ないことだらけやで。効率がいいなって思ってた方法が全然ダメやったりするし、後輩から指摘されることもたくさんあったしね。そういう時は、“全然ちゃうかったな、ごめん”って、ちゃんと謝ります。

——では最後に、バイトを通しての特別な出会いについて。

東京のパチンコ店で面接してくれたマネージャーかな。その人は、親戚のおじさんみたいな感じの人で、俺の夢を応援してくれてたし、その人がおったから長く続けてたのかもしれないです。よく社員とバイトの間で板挟みになってるような気持ちの優しい人で。おおらかな人やけど、沈んでることもあったから、そこにちょっかい出して笑ったり。逆に俺がしんどい時は、“今日元気ないやんどうしたん、早めに休憩しぃ”って、その日は、さらっと少し楽な業務を回してくれたりして。安心できる拠り所みたいな人ですね。

ほかにもパチンコ店で出会った店員さんとかお客さんは、今でも応援してくれている人が多いし、そういう世代を超えた出会いも、きっとバイトならではだと思います。

 

■Profile
CHIYU(ちゆ)

兵庫県尼崎市出身。
2017年に解散を発表したバンド・SuG(サグ)の元メンバー、ベーシスト。同年12月27日の聖誕祭で、ソロアーティスト・CHIYUとしての活動を発表した。アルバムのリリースやツアーが決定しているほか、1月からは俳優としてのデビュー作となるTVドラマ&舞台連動企画『御茶ノ水ロック』の、TVドラマが放送開始、3月には舞台公演が行われる。

♦CHIYU OFFICIAL SITE:https://amagasaki-rockstar.com/
♦CHIYU OFFICIAL Twitter:@Cy_1227

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:河井彩美

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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