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2018年06月06日

将吾(アクメ)インタビュー『バイトで人との接し方を学んだことで、メンバー探しができたと思う』【俺達の仕事論vol.34】

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

昨年5月にヴォーカルのCHISA&ギターの将吾を中心に“アクメ”を結成。ラウドなサウンドとシニカルな歌詞が話題を呼んでいる。今回は、ギターの将吾さんに、青果店でのバイト経験、そして父親の仕事で手伝ったことがあるという建築業でのお仕事エピソードを聞きました!

 

初めての接客で『いらっしゃいませ』が言えなかった!?

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク——初めてのバイトから教えてください。

地元の福岡にいた頃に青果店のバイトをしました。当時はまだ本格的ではなかったんですけど、バンドもやっていたから金髪だったんですよ。髪を染めていたので他のバイト先を見つけるのは難しいだろうと思っていたんですけど、親父の知り合いの青果店は金髪でも大丈夫だと言ってくれたので。

——昔ながらの青果店さんですか?

いや、昭和の香りとかはなくて、わりと新しい感じの青果店で1年くらい働きました。

——働いてみてどうでしたか?

お客さんにも店長にも優しくしてもらいました。最初は、お客さんが来た時に、大きい声で「いらっしゃいませ」を言うように注意されましたけど(苦笑)。接客が初めてで本当にわからなかったんですよ。レジとかの業務内容とか教えられたことだけをやっていて……。他の人は言ってたけど、みんな女性だったから、逆に“男の太い声で言ってもいいのかな?”くらいに思っていましたね。

——大変だったことはありますか?

店先に出している野菜は仕入れによって、毎日値段が変わるんです。直接、野菜に値札は貼れないから、覚えるしかないんですけど量が多くて大変でした。レジから見えるところはカンニングができるからいいんですけど、だいたいはお客さん側である外に向けてあるから見えない(苦笑)。いざとなったら値札を見に行けばいいと思いつつ、その場になるとお客さんを待たせることになるから苦戦しましたね。でも、それ以外は完璧でしたよ! あと、このバイトをしたことで、敬語を使えるようになりました。

 

休憩時間が増えるから、仕事の効率にはこだわっていました

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク——一連の作業の中で、得意だったことはありますか?

野菜を袋に詰めるのはうまかったですよ。袋に詰めたあとは、機械で封をガチャって閉じるんですけど、そのスピードはめちゃくちゃ早かった。

——コツがあるんですか?

いや、やっていくうちに。細々した作業はあまり好きじゃないけど“バイトだからちゃんとやるのが当然”っていう意識はありました。それと、早く終わらせたら休憩時間が増えるから、効率よくやっていました(笑)。

 

袋詰めのキュッキュに苦戦。ナスはクセ者でした(笑)

——逆に苦手なことはありましたか?

袋詰めのなかではナス! ナスって表面がキュッキュってしてるじゃないですか。袋に入れる時にキュッキュってなるし、ナス同士も干渉し合うから“うわぁ入らん!”みたいな。力を入れ過ぎると商品としてがダメになるので、ナスはクセ者でしたね(笑)。

——ちなみに今でも野菜の値段は覚えていますか?

当時の値段はなんとなく。でも東京に出てきた時は物価も違うし、野菜が高くてびっくりしました。当時の福岡では、安い時で“にんじん5本”で105円、キャベツも普通が128円で、安い時は一番大きいので1玉65円でしたからね。今は、料理をしないから値段がどうなっているのか詳しくはわからないけど。

——接客業はどうでしたか?

苦手意識はなかったし、嫌な思い出もないので普通にできていたと思います。

——テンパったりは?

それがなくて、逆に落ち着きすぎで注意されていました(笑)。レジとかの通常作業は早かったんですけど、トラブった時に冷静すぎるって言われて。

——“うわぁ、すみません!”みたいには慌てないと。

そうですね。お客さんには「すみません、お待ちください」って、ちゃんと謝るんですけど、焦っても仕方ないかなと思って。でも店長から「少しくらい急いだ素振りを見せたほうがいい」とは言われましたね(苦笑)。

——ちなみに袋詰めは販売の合間にするんですか?

いや、店長が仕入れから帰ってきてからなので、お店が開く前ですね。だから、朝の7時とか8時くらいから。

——朝早いバイトだったんですね。

バンドもやっていたし、週3日くらいのバイトだったから大丈夫でした。だいたいその日は前日から寝ないで行く。でも、MV撮影の日とか、もっと早起きですからね(笑)

 

初めてもらったバイト代で、お金を稼ぐことの大変さを知った

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク——では、初めてのバイト代は何に使ったか覚えていますか?

基本は音楽関係で、機材とか消耗品の弦を買っていました。高額なものはローンで買うことが多かったけど、30万円くらい貯めてアンプは現金で買いました。楽器屋に行って“現金で払うから値引きしてくれ”って交渉して(笑)。配送だったけど、届いた時はやっぱり嬉しかったですね。

実は、家が建築業をやっていたから、中学の頃からちょこちょこ手伝いには行っていたんですよ。だから、厳密に初めてのバイト代で言うと、そこでもらったお金ですね。その時は10代でお手伝い程度だったから、正直“1日働いたのに、こんなもんか”って。お金を稼ぐとか、働くのって大変なんだと思ったのは覚えています。

——せっかくなので、建設業のお話も聞かせてください。

荷物を運んだり、石膏ボードをサイズに合わせて切って壁に貼ったり。学生だったし、教えてもらえば誰にでも出来るような作業ですよ。終わって「できました!」っていうと、「よかよか」って(笑)。ひぃじいちゃんが立ち上げた会社で、親父も働いていて、みんな小さい頃から知っている職人さんばっかりだったから、昼過ぎに行ったり、昼前に帰ったり比較的自由にやっていて。行くと「おぉ先生がきたぞぉ」って、いじられていましたね(笑)。

——楽しかった思い出はありますか?

草刈り。かなり広い敷地にボーボーに草が生えているところを刈ったんですけど、そもそも草刈り機を一度使ってみたくて(笑)。友だちと2人で、ワイワイ言いながらやったんですけど、効率良くするためには、友だちと離れて作業する時間もあるんですよ。端と端で「やっとるかぁ!」「おぅ!」とかって確認しあったり「おい、なんかあるぞ!」とか言いながら。でも、あまりに敷地が広くて、2日かかりました。

あっ、1つ思い出したんですけど、家の建設業とは別の現場で、2週間くらい瓦をふく仕事もしました。

 

屋根の修理は、直射より照り返しが厳かった

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク——瓦を“拭く”ですか?

いや、瓦をつけるのを“葺く(ふく)”って言うんですよ。それは職人さんに、「瓦をつけるとは言わん」って教えてもらいました。まずは、屋根に登って瓦を落として、釘も全部はずすんです。そのあと、新しく固定する場所を作って、端から瓦を引っかけていく。仕事自体は、新鮮だし楽しかったですね。でも、夏場の照り返しがヤバかった。しかも、太陽が当たる上からよりも、屋根に反射してくる正面からの日差しが厳しかったですね。

 

“そのうち慣れるよ”っていうのは今でも自分の中にある言葉

インタビュー アクメ 将吾 タウンワーク——そういう意味でも職人さんはすごいですね。ちなみに、バイトを通して印象に残っている出会いや、言葉はありますか?

その建設業の現場は、本格的にバンドを始める時期だったから、途中で迷惑をかけたくなくて辞めてしまったんですけど……。でも、職人さんたちは仕事中は厳しいけど、終わるとすごく優しいんですよ。バイトを始めて、3日目がめちゃくちゃきつくて……全身バッキバキの筋肉痛なのに重いものを運ばなくちゃいけない。そんな時に“そのうち慣れるよ”って言われたんですけど、それは、今でもうまくいかない時に自然と思い出すし、自分の中にある言葉ですね。

——バイトをしたからこそ、気づけたことも多そうですね。

そうですね。バイトをしていなかったら、そもそも俺、東京にいなかったかもしれない。金銭的な面もですけど、地元は田舎だったから、小学校、中学校とみんな一緒にあがってきて、あまり友だち以外の人と話すことがなかったんですよね。学校以外の場所で大人と触れ合って、知らない人とも交流を持ったことで、人との接し方を学べたし、そのおかげで、その後のバンドのメンバー探しもできたのかなと思います。

——では、最後にバイトを始めようとしている人へのメッセージを。

責任を持ってやること。それは当時の自分にも言ってあげたい言葉ですね(笑)。お金をもらっているから仕事としてはちゃんとやってはいましたけど、それ以上の気遣いとか、周りに意識を配れる視野があると次にも繋がるんじゃないかなと思います。

 

■Profile
将吾(しょうご)

中学生の頃からギターを始め、人生のほぼ全てをギターに費やす。その腕前は他ジャンルからも一目置かれる存在。SCHECTERとエンドース契約。作詞、作曲、楽曲提供など幅広く活躍し、アクメのトータルサウンドプロデュースも手がける。前身バンドDIV(2016年解散)ののち、昨年5月に、新バンド“アクメ”(進化発達の頂点、極点、絶頂を意味する)を結成。昨年8月にリリースしたミニアルバム『SENKOU』のMVは再生回数16万回を超える。

◆アクメ OFFICIAL SITE:http://acme-official.com
◆将吾 Official Twitter:@acme_shogo

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:河井彩美

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