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2019年04月10日

アーティスト・ナナヲアカリ インタビュー 『1人だから始めた動画投稿は、気づいたら世間とつながるツールになった』 【クリエイターの原点 vol.4】

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使

インターネットをきっかけに、動画や歌の配信、ゲームや楽曲制作などマルチな才能を発揮して今を走り抜けるデジタルクリエイターたち。そんな著名人たちの学生時代・駆け出し時代の貴重な経験や今に活かせていることを中心に『クリエイターの原点』として読者にお届けしていきます。第4回目は様々なクリエイターとのコラボで注目を集め続けるナナヲアカリさん!

独特のファニーボイスとキャラクターが人気のナナヲアカリさん。現在までにアップした楽曲MVは動画投稿サイトで累計4500万再生を更新中。インディーズデビュー曲にもなった初投稿動画についてなど、過去の貴重なお話しを伺いました。さらに、4月10日にリリースする『しあわせシンドローム』についてもインタビュー!

 

アルバム制作を通して“幸せの形”を模索中

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使——今作のコンセプトから教えてください。

“人は幸せになりたくて頑張っているのに、疲れちゃったり逃げ出したくなるのはなんでだろう?”と思ったのがテーマのキッカケです。私自身“好きなことをやっているのにどうして?”と思うし、みんなも現実逃避をしたくなることがあるんじゃないかなと思ったんです。その疑問と向き合うところから制作が始まりました。

——表題曲の「シアワセシンドローム」のクレジットは、作詞作曲とは別にナナヲさんのお名前もポエトリーと表記されていますね。

曲の中のメロディがない部分に、セリフとして詩を綴りました。幸せという形のないものを求める中で、どういうことで疲れるのかを一気に語っています。セリフだからこそ感情が乗りやすいし、伝わるものがあったら嬉しいです。作詞作曲は、ナユタン星人さんにお願いしたんですけど、受け取ってすぐに主人公のイメージが浮かびました。

——他にも様々なクリエイターが参加していますね。

はい。今回は初めましての方も多いんですけど、ふだん音楽を聴くなかで、大沼パセリさんの楽曲や歌詞がすごく刺さったのでオファーしました。「パスポート」という曲で、幸せを求めるからこその虚無感を、旅というファンタジーに落し込んで下さいました。

ヒゲドライバーさんは以前から大好きで今回念願が叶いました。「ウツムキブレザー」は“青春”というものを、ヒゲドライバーさんの世界感炸裂で表現してもらえて嬉しかったです。

——ピノキオピーさんとの「オトナのピーターパン」は、不安や迷いがキャッチーに表現されていますね。

新宿の喫茶店でずーっと曲のコンセプトについて話していました(笑)。例えば社会のルールにしても、私はゴミ捨ては気合いを入れないと出来ないんですけど、その1つ1つを考え出すと“生きるのって難しい!”って。

色んな不安がたくさんある中で“どこに着地したらこの曲は救われるんだろう?”っていうところを意識して、作品に落とし込みました。

——以前から“幸せ”がテーマになることが多いですが、今はどのように感じていますか?

幸せを求めているのが、ナナヲアカリという“アーティスト生活”なのかなと思うんです。今の時点で感じているものを表現したのが、このCDなんですけど、まだ見つかってはいなくて。ライブが楽しいとか、ご飯が美味しいっていう刹那的な幸せはいっぱいあるんですけど、恒久的な意味での幸せ探しは、まだしばらくは続きそうです。

 

“なんだこれは!?”ボカロを初めて知った時は驚いたし衝撃だった

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使——では、ここからはルーツも伺いたいのですが、昔から音楽は好きでしたか?

TVのCMで、YUIさんが赤いテレキャスを弾いているのを見て“かっこいい!”って衝撃を受けました。小学生の頃はずっとダンスをやっていたんですけど、中学になって「ダンスやめる、ギターがいい!」って言って、誕生日に赤いテレキャスを買ってもらいました。

——現在もアーティスト活動と並行して動画投稿をされていますが、動画投稿サイトに触れたキッカケは?

ギターに出会ってから少し期間が空くんですけど、兄がアニメやボカロが好きで、それを見ていたのが家族共同のパソコンだったんです。それで初めてボカロに触れて“なんだこれは!?”って。動画投稿サイトは次々に映像が流れてくるので夢中で見たし、兄とはパソコンの前の取り合いになりました(笑)。

 

バンドが解散した時に、1人でも発信できるのは動画投稿サイトだと思った

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使——ナナヲさん自身が初めて動画投稿をしたのは2016年ということですが。

それ以前は、アマチュアでバンド活動をしているだけだったので動画投稿は視聴者として見るもので、自分が動画をあげる日が来るとは思っていなかったんです。

——それが変化したのは?

地元で大学に行きながらバンド活動をしていたんですけど、それが解散してしまって。1人でデモ音源を作って各所に送っていたら、今の事務所への所属が決まったので上京しました。そこで未来の話をした時に、1人でライブをすることが想像できなかったので、1人でも出来るとしたら、まずは動画投稿だと思ったんです。

——初の投稿は、インディーズのデビュー曲にもなった「ハッピーになりたい」ですよね。

はい。最初からオリジナルソングにしたくて、Neruさんとコラボさせていただきました。ただ、尊敬する方だったので最初は目も合わせられなかったですね(笑)。

——制作の流れも教えてもらえますか?

曲ができたらレコーディングをするんですけど、動画アップまでには、音をミックスしてくれる人、MV制作をしてくれる人も必要でした。Neruさんに、今もイラストをお願いしている寺田てらさんを紹介してもらったことで、徐々に世界も広がっていきました。

 

好きなクリエイターに、自分から積極的にアプローチしていった

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使——今作のCDもですが、基本的に協力してほしい方々には自らアプローチされることが多いんですか?

そうですね。紹介よりは正面から“好きなんでお願いします!”っていうほうが多いかもしれないです(笑)。

当時は、ツテも共通の知人も何もない状態で、お問い合わせフォームからオファーのメールをしていたんですけど……お願いした後は、断られるのが怖くて“返事こないで”って逆に思ったりして(笑)。期待しちゃうと断られた時に心が折れてしまうので“無理だけど……でも!”っていう意識で送っていました。

 

自分が成功することで、バイト先のオーナーに恩返しがしたい

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使——ちなみに、この時期にバイトもされていると伺いました。

はい、上京してすぐですね。原宿で可愛いなと思った古着屋に入ったら、オーナーに「バイトしませんか?」って声をかけられて。アーティスト活動をしていることを伝えたら、不定期でもいいと言ってもらえたので、メジャーデビュー直前まで働きました。

それまでも、ずっとバイトはしたいと思っていたんですけど“履歴書を書かなきゃ”っていうのがプレッシャーでなかなか踏み出せなかったので、ある意味ラッキーでした(笑)。

——接客業はどうでしたか?

人とコミュニケーションをとるのが上手いほうではなかったので大変でした。レジでも、カードを出されるとテンパってしまって(苦笑)。自分からは、挨拶程度で、なかなか話しかけられなかったんですけど、常連さんが増えるうちに少しずつ楽になっていきました。

——ちなみに、そのショップでは、さきほどお話にもあがったインディーズ音源「ハッピーになりたい」が収録されたCDを販売されたそうですね。

そうなんです! “CD付きTシャツ”を出させてもらいました。CDのパッケージと同じデザインにしたんですけど、せっかく服屋さんで働いているからと思って、オーナーに相談したら「面白いね、やろうよ!」って。

オーナーは「好きなことを頑張ってる人しか俺は応援できないから」とか、「かっこいいと思ってやっている店には、俺がカッコイイと思った人にしか立ってほしくない」ってよく言っていて。そこで選んでもらえたり、受け止めてもらえたことが嬉しかったし、これから自分が成功することで、オーナーへも恩返しができたらいいなと思っています。

 

動画投稿は、たくさんの出会いがあったからこそ両立できた

——アーティスト活動、バイト、動画投稿と忙しかったと思いますが、どのように両立させていたのですか?

バイトは行ける日だけでよかったんですけど、入ると決めた日は8時間出ないといけないルールがあって。アーティスト活動がある日は、なるべくバイトを入れないようにしていました。本当に忙しい時のスケジュールだとこんな感じですかね……。

ナナヲアカリ インタビュー デジタルクリエイター 音楽 タウンワーク townwork ダダダダ天使

*バイトを入れていない日は、バイトに充てていた時間を丸々アーティスト活動に割いていたそう

——打ち合わせでは具体的にどんなことをされていたのですか?

映像作品の相談とか、ジャケット写真のイメージを伝えたり、ライブ進行の打ち合わせとか、いろいろですね。

——そう思うと、バイト・アーティスト活動・動画投稿を通して、たくさんの出会いがあったんですね。

そうですね。バイト時代は、社会に出る経験や基本的なコミュニケーションのとり方とか、お客さんが求めているものを察する力を養えて本当に感謝しています。今はライブもバンドメンバーがいてくれるので、関わってくれる方がナナヲアカリというチームのような感じですね。1人だったから始めた動画投稿でしたけど、そこで多くの人と知り合えて、さらに見てくださる方たちがいる。最初は気づいていなかったんですけど、世間と繋がることの出来るツールだったことが、ずっと続けてこられた大きな理由なのかもしれないです。

――最後に業界を目指す人へのメッセージをお願いします!

とにかく「やってみること」、これに尽きると思います!私の場合は、考えるよりもとりあえず先に体が動いてしまうタイプで。でも、そのおかげで今があるなと思っています。

◾Profile
ナナヲアカリ
2016年、ニコニコ動画で発表した「ハッピーになりたい」が話題となり、原宿の古着屋「Business As Usual」にて通販限定で販売した1st T シャツ(CD付)「しあわせになりたい」が即完売。以降、「いろいろいうけど「♡」(いいね)がほしい」まで計4枚のミニアルバムをインディーズで発表。
2018年、TVアニメ「ハッピーシュガーライフ」の主題歌に新人ながら起用され、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビュー。中毒的なファニーボイスとキャラクターが人気となり、今までにアップした楽曲MVは動画投稿サイトで累計4500万再生を突破している。

◆ナナヲアカリ OFFCIAL SITE:https://www.nanawoakari.com/
◆ナナヲアカリ Official Twitter:@nanawoakari

撮影:井野友樹 取材・文:原千夏(ぽっくんワールド企画)

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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