高嶋楓(PassCode)インタビュー「人の温かさが原動力」【アイドルシゴト Vol.22】
毎週火曜日連載の「アイドルシゴト」は、今イチオシのアイドルたちが自らのシゴト観について語る企画です。
前回の南菜生さんに引き続き、激しいライブパフォーマンスが魅力的なPassCodeのマイペース担当、高嶋楓さんにお話を伺います。
刺激が欲しいと思ってアイドルを始めた
――アイドルになったキッカケは?
専門学校のとき、今の事務所の社長さん(PassCodeプロデューサー)がクラスメイトのお姉ちゃんの遠い知り合いやって、知り合ったときに「アイドルやりたい子を探している」って言われたんです。その頃、クラスの中でも「アイドル好きと言ったら高嶋楓やな」って言われるぐらいアイドルが好きやったんで、そのクラスメイトの女の子にも勧められて加入したのがキッカケです。
そのときエステとか美容の学校に通っていたんですけど、自分には合わんなと思ってあんまり学校には行ってなくてヒマしてた時期にそういう話をもらったから、タイミングも良かったって感じですね。
――環境を変えたかったんですね、なぜそこでアイドルという選択肢に?
そのときは『バイトして帰ってきてアニメ見てネットして寝る』っていう生活の繰り返しやったんですよ。だから他の人と何か違うことをしたい、刺激が欲しいって思ってたときにアイドルの話をもらったんです。アイドルなんてそうそうやれることないじゃないですか。だから一度やってみようって思ったんです。めっちゃノリでした(笑)。
――わりと軽く始めていて、ここまで続けられたのは?
普通だったら辞めてるんですよ。最初の頃はレッスンが週5とかであって、デビューする前からすでに辞めたかったです。レッスンの行き帰りでもひたすら「辞めたい……」って思ってました。正直、それでも続けてるのは辞めるタイミングを逃してるからっていうのもあるし、辞めたらヒマになっちゃうからっていうのもありました(笑)。
アイドル活動を通じて人とのコミュニケーションが増えた
――ファンとかいろんな人とコミュニケーションすることついてはどうだった?
ほとんど最初の方の記憶はないんですけど、それまでは年上の人とあまりしゃべる機会がなかったので、その頃はたぶん会話が成り立ってなかったと思います(笑)。
あと活動を始めた頃は自分の列が少なすぎて「高嶋物販やってます!」って言ってたくらいなんですけど、今はたくさんの人と関わるようになって人に慣れました。
――にしては、普段のTwitterのつぶやきは独特ですよね
Twitterは頭に思ったことをそのまま打ってて、特典会(握手やチェキ撮影のこと)とかでは「Twitterと比べて、意外と真面目だね」って言われることも多いです(笑)。
――それまでの人付き合いは?
学校でもほんまに狭い範囲の付き合いがあるぐらいで、あまり友だちがいる方ではなく、人と関わろうって思うタイプでもなかったので、全部上辺だけの付き合いって感じでしたね。アニメが好きやったんで、涼宮ハルヒとかマクロスフロンティアとか、ずっとアニメを見てました。
ワンマンで多くの人の温かみに触れて、真剣に取り組むようになった
――今は活動に対して楽しさを見つけている?
1stワンマンライブが終わったあたりくらいの頃かな。ワンマンライブにそんなにお客さんが来てくれると思ってなかったんですよ。でも実際はたくさんの人が来てくれて、その後の特典会でも温かい言葉をかけてくれる人がたくさんいて、そこで人の温かみを知りました。
その頃からステージに立つことも楽しくなってきて続けてみようかなって思うようになって、真剣に取り組むようになりました。
――特典会でどんな言葉をかけてもらうとうれしい?
ベタなんですけど、自分をかわいいと思ってないから「かわいいね」って言われると一番テンション上がる(笑)。
特典会に来てくれる人は少なくとも自分にプラスの感情を持ってて来てくれてる人が多いから、どんどん自分からも話しにいけますね。
おまじないを言うのは嫌だった
――バイト経験は?
高校のとき焼肉屋さんで2年半と掛け持ちでメイドカフェをやってました。焼肉屋さんも普通の焼肉屋さんではなくて、コンセプト焼肉みたいなところやったんです。メニューとかもかわいくて、その頃はかわいいのが好きでブリブリしてたんです(笑)。
――メイドカフェではどんな接客を?
そこでも人見知りを発揮してて、他の人たちはお客さんにどんどん話しかけに行けるのに私はなかなか行けませんでした。かわいい服は着たかったけど、おまじないみたいなの言うのは嫌やったんです。最終的には素な感じで接客して、常連さんとも仲良くなって楽しかったですね。
――今まで強く何かをやりたいと思ったことは?
アイドルを始める前は思いついたことばかりをやってて、そんなに強い意志とかはなかったですね。でも自分がやりたいと思ったことに対しては昔からフットワークは軽かったです。
自分の事を話す機会が増えて、自分のことを深く考えるようになった
――昔と比べて成長したなと感じることは?
こういう取材を受けるようになって自分の昔のことを話すことが多くなってきたので、自分についてめっちゃ考えるようになりました。自分はどうなりたいんだろうとか、人にどう思われてるんだろうっていうのもすごく考えるようになりましたね。
――最近はステージングやシャウトも板について来ましたね
昔は声も出てなくて、シャウトというか大きな声出してるだけって感じでした。最近はお腹から声が出るようになって来たなって思うんですけど、最初の頃は夢菜(メンバーの今田夢菜)に教えてもらってて、「お腹の底から声出しっ」って言われても恥ずかしさもあって全然できませんでした。
今はかっこよく思われたいって思うようにもなって、振り切ってやれてます。
PassCodeのことを知らない人たちも一緒に楽しんでくれている姿を見ると嬉しくなる
――グループの中でのポジションは?
自分は何もないから、最近は曲によって表情とか変えたりしてますね。振る舞い担当かな?(笑)。
――今までの活動で一番印象に残っているのは?
2016年の8月8日にZepp DiverCity TOKYOでやったツアーファイナルです。ライブもそうなんですけど、リハーサルで初めてステージを見に行ったときに大きいセットとか、花道が組まれてて、それがかっこよくてめっちゃテンション上がりました。平日だったけどお客さんもたくさん来てくれて嬉しかったですね。
最近は対バンとかサーキット(近隣の複数ライブハウスを同時に使用して開催するイベント)でPassCodeのことを知らない人たちも最後の曲とかで手を上げてくれてたりする姿を見ると「キタ!」って手ごたえを感じますね。
――普段のライブでもお客さんの反応を得ることに手ごたえを感じる?
そうですね。特にバンドさんとの対バンのときは「PassCodeって何?」っていう人が多いんですけど、それでもライブで手上げてくれたり、Twitterでリプライもらったりすると手ごたえを感じます。
人の温かさが自分を突き動かす原動力
――ここまで来られた原動力は?
1人だったら絶対ここまで来るのは無理だったから、周りのメンバーや運営さん、お客さんとかの人の温かさがここまで来られた原動力ですね。
「こんなに楽しんでくれる人がいるんだからもっとがんばろう!」って思うので、人との関わりが大事です。
――ありがとうございました。最後に、これからの目標は?
個人としては声優をやりたいとかではないんですけど、自分がキャラクターとしてアニメに登場したいんですよ。憧れますね。
グループとしては一つひとつ大切にして、いずれは大きいフェスに出て何万人もの人が楽しんでくれるようなライブをやりたいと思ってます。そのためにバンドセットでのライブのクオリティもみんなで上げていって、もっとかっこよくなっていきたいです。
企画・編集:SADD 取材・文:永山あるみ(@ayutama_xoxo)
撮影:曽我美芽(@mimeeeeeeee)http://sogamime.com