ブックカフェでバイトしたい! 仕事内容ややりがい、大変なこと、向いている人などを聞いてみました
本と喫茶店の両方が楽しめるブックカフェ。最近ではさまざまな趣向のお店が増えていますが、バイトするには本も接客も好きじゃないといけないの?など素朴な疑問から仕事内容ややりがい、大変なこと、向いている人などを聞いてみました。
河南空良さん(21)/バイト歴1年半
ブックカフェの仕事はブック業務3割、カフェ業務7割
――ブックカフェのアルバイトというと、本好きなイメージがあるのですが、河南さんも本好きなのですか?
河南さん「本も好きですし、カフェも好きです。趣味がカフェ巡りで、このお店は通っている大学に近くて、もともと興味を持っていたんです。実際に来てみたら、とても雰囲気が良くて働きたいと思ったのがバイトを始めたきっかけです」
――実際にお客さんとして来てから働き始めたんですね。カフェでなく“ブックカフェ”で働きたかった理由はありますか?
河南さん「自分が好きである本とカフェの両方があることと、コーヒーや料理もしっかり美味しいので、調理など学べることが多いかなと思いました」
――具体的な仕事内容としては、本に関わる業務とカフェ業務の割合がどれぐらいでしょう?
河南さん「当店の場合だと本の業務3割、カフェ業務7割ぐらいです。本の業務としては納品された本の検品、陳列、レジ会計などがメインですね。うちのお店では店内にある本や雑誌を読めるだけでなく、販売もしています。販売に関してはコンセプトがありまして、本はカバーで隠しており、題名も著者も分かりません。ブックマスターが書いたオススメコメントだけで本を選ぶというものです。本はカバーをされたまま納品されるので、僕たちも中身は知らないままなんですよ。」
――中身が分からない本を販売するんですか! それは売れるのでしょうか…。
河南さん「売れますよ! 僕も3冊ほど購入しました。本は同じ作家や同じ系統のものを買いがちでなかなか冒険できないと思うんです。でも、コメントを読んで気になるものを購入すれば、これまでとは違ったジャンルの本と出会えます。僕自身もコメントで選んだら、これまで読んだことのない女性作家さんのエッセイでとても面白かったんです。普段は手に取らないような本と出会えるのが魅力だと思います」
こだわりのコーヒーを淹れられるようになるまでは練習あるのみ
――わからないからこそ、新しい出会いがあるんですね。ちなみにカフェ業務はどのような内容でしょうか?
河南さん「お客様のご案内からオーダー、ドリンクや料理の提供、片付けなどです。ドリンクの提供では、バリスタ業務も兼務しています。コーヒーはハンドドリップで注文後に1杯ずつ淹れるのですが、実は僕、コーヒーが苦手だったんですよ」
――バリスタなのにコーヒーが苦手だったんですか!
河南さん「ですから、コーヒーは淹れたことがなかったので、未経験から練習を始めました。ハンドドリップは温度管理が重要で、お湯を93℃に保ったまま、コーヒーポットからお湯の太さをコーヒー豆に合わせて調節しながら注ぎます。最初はなかなかできなくて、自宅で練習するためにハンドドリップ用のコーヒーセットを一式購入しました。そうすると、コーヒーを飲む機会が増えて、どんどん好きになってきました」
――苦手だったコーヒーのセットを一式、購入するなんてすごいですね!
河南さん「僕だけでなく、他のバイトスタッフも自宅練習のために、コーヒーセットを持っている人が多いんです。主観かもしれませんけれど、ブックカフェで働いている人は、こだわりが強いのかもしれません」
――確かに、こだわりがあるお店にはこだわりのある人が働くのかも…。ちなみに仕事で大変なことはどんなところでしょうか?
河南さん「お店が広いので、土日になるとかなり忙しくなります。1日中立ちっぱなしで大変ではありますが、ホールスタッフ同士で連携しながら、1人1人の負担が減るように心掛けて動いています」
知らなかった本と出会えるのはブックカフェならではの楽しみ
――それでは、ブックカフェで働くやりがいや楽しさはどんなところに感じますか?
河南さん「自分が知らなかった本と出会えることや、自分が淹れたコーヒーを美味しいと言って飲んでくださるお客様の笑顔や言葉ですね。ほかには、うちのお店では時期ごとに期間限定のメニューがあるのですが、お客様がオーダーする際に自分なりの言葉でおすすめするようにしています。例えば、期間限定のコーヒーが税込みで1杯700円の場合、学生目線だと高いと思いがちですが、ペアリングでスイーツセットにすると1000円のメニューがあり、「コーヒーによく合うスイーツも楽しめますよ」などご提案して、ご注文につながったときはやりがいを感じますね」
――それは嬉しいですね! 河南さんが思う、ブックカフェで働くのに向いているのはどんな人でしょうか? やっぱり本に詳しいほうがいいのでしょうか?
河南さん「基本はカフェですので、接客業が好きな人が向いていると思います。そのうえで本が好きだと、より仕事が楽しめるのではないかと。僕は趣味がカフェ巡りということもあって、いろいろなカフェに行きましたが、人気のカフェはスタッフの人柄でできていると思うんです。スタッフの人柄や接客がお店の雰囲気を作っていて、それに惹かれてお客様が訪れるのだと考えています。忙しいときこそ、物腰を柔らかく丁寧な接客を心掛けられるような人がいいと思います」
まとめ
ブックカフェの仕事内容ややりがいなどのイメージがついたでしょうか。ブックカフェといえども、基本は接客業のよう。ブックカフェはこだわりあるお店が多いので、興味がある人はぜひ、アルバイトにもチャレンジしてみください!
本と珈琲 梟書茶房
住所:東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋 4F
営業時間: 10:30~20:00
休み:不定休
HP:https://www.doutor.co.jp/fukuro/
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