未経験デビューにオススメ。スーパー銭湯バイトの仕事内容や身につくスキル、お風呂に入れるなど特典を総まとめ
日常の疲れを癒す「スーパー銭湯」。バリエーション豊かなお風呂のほか、休憩スペースやレストランが併設されており、心身ともにリラックスできる施設です。そんな憩いの場「スーパー銭湯」ではたくさんの大学生バイトが活躍しています。
では、スーパー銭湯でのアルバイトとは、どういった仕事をするのでしょうか。浴場をデッキブラシで磨く? 仕事後はお風呂に入れる? それらの疑問を解決するため、今回は店舗数日本一を誇るスーパー銭湯「極楽湯」を訪れ、実際にアルバイトとして働いている方に仕事内容やメリットなどを聞いてみました。
各セクションごとの仕事内容

写真提供:株式会社極楽湯
極楽湯のアルバイトは、フロントスタッフ、アメニティスタッフ、キッチンスタッフ、ホールスタッフの4つのセクションに分かれています。なお、こちらの極楽湯多摩センター店の近隣には大学が多く、アルバイトスタッフの約6割が学生だそうです。
それでは早速、各セクションの仕事内容を見ていきましょう。
フロントスタッフ(受付業務)

Nさん(アルバイト歴 1年)
――仕事内容を教えてください。
Nさん(以下略)「フロントでは、お客様のご案内がメインとなります。入館の手続きをはじめ、電話対応、料金の精算などを行っています。初めて来館されるお客様には、入館の仕方や館内の利用方法なども説明しています。マッサージや飲食店で利用できる専用のリストバンドやタオル等のお渡しもフロントの仕事ですね」
――なぜ「スーパー銭湯」でアルバイトしようと思ったんですか?
「……家と学校から通いやすかったからです(笑)。それと、お風呂の仕事って珍しいじゃないですか? なかなか経験できることではないと思ったので応募しました」
――どのようなスキルが身につきましたか?
「1つはお客様への対応力。耳の不自由な方が来館された時は筆談で会話をしたり、足の不自由な方が来館された時は館内の設備を詳しく説明しました。そういったお客様に合わせた対応の仕方を自分で考える対応力は養われたと思います。また、フロントにはお客様からの質問も多いです。そのため、わかりやすく正確な回答を瞬時に伝える判断力も身についたと思います」
――では、難しいと感じることはありますか?
「私はクレーム対応ですね。最近はコロナもあり『館内でマスクをしていない』とか『窓が開いていて寒い』など、様々なご意見をいただきます。なので、私はどんな意見にもパニックにならないよう、冷静に対応できる余裕を持つようにしています」
――どんな方がこの仕事に向いていると思いますか?
「やはり、コミュケーションを取るのが上手な方ですね。実際、私も人と関わることが好きなので、フロントを希望しました。海外の方が来館されることもあるため、英語が話せる方は仕事でも活かすことができると思いますよ」
アメニティスタッフ(浴場まわり、脱衣場等の清掃業務)

Kさん(アルバイト歴 1年)
――仕事内容を教えてください。
Kさん(以下略)「お客様に気持ち良く利用してもらえるよう、館内の清掃を行っています。主に、浴場内のゴミ回収、足場のマット交換、フロアの清掃、トイレ掃除などですね。さらに、サウナ内の敷きタオルの交換、使用済みタオルの回収はこまめに行っています。また、各浴場の温度管理や水質チェック、洗い場のシャンプーやリンスの補充などの巡回もアメニティスタッフの業務です」
――清掃ということは、浴場をデッキブラシで磨いているんですか?
「いえ、湯船や床は閉店後に清掃業者に依頼しています。あくまで私たちは、お客様の迷惑にならない程度の清掃になります」
――どんなところにやりがいを感じていますか?
「スーパー銭湯には、地元の方やご年配の方が多くいっしゃいます。そういった方々に『ご苦労様』とか『ありがとう』と言われると、やっぱり励みになりますね」
――大変だと感じることはありますか?
「浴場を行き来しているため、寒暖差は大変です。あと、どの仕事にも言えることですが、立ち仕事なので足が疲れます(笑)。目の前にお風呂があると、つい入りたくなっちゃいますよ」
――どんな方が向いていると思いますか?
「気が利く方ですね。清掃や補充で館内を巡回するため、小さなことにも気が付く方はピッタリだと思います。あとは、時間の管理が上手な方。アメニティ部門は、自分で段取りを決めて動くセクションなので、◯時までにマット交換、◯時までにシャンプーを補充…といったスケジュール管理が得意な方は向いていますよ」
――慣れるまで大変そうです……。
「そうですね。でも、最初は先輩と一緒に業務を行う研修期間もありますし、しっかりとしたマニュアルもあるので初心者でも安心ですよ」
キッチンスタッフ(飲食スペースのキッチン業務)

Fさん(アルバイト歴 9ヶ月)
――仕事内容を教えてください。
Fさん(以下略)「私は館内のレストランでキッチンをしています。業務としては、店舗のレストランや居酒屋のように、お客様がオーダーされた料理を作っています」
――なぜ「スーパー銭湯」でアルバイトしようと思ったんですか?
「スーパー銭湯のアルバイトということで、お風呂に入れると思ったからです(笑)。私は1人暮らしなので、ガス代が浮くのは大きいんですよ。それと、キッチンなら食事を安く食べられるのかなと思ったんです」
――実際に割引の特典はあるのですか?
「はい。仕事がおわったらお風呂はタダで入浴できますし、食事は4割引で食べられます」
――1人暮らしには嬉しいですね。
「そうですね。ガス代も食費も抑えられて超ラッキーです。ちなみに私は毎日、サウナに入ってますよ(笑)」

写真提供:株式会社極楽湯
――ほかにもメリットはありますか?
「料理を作る業務のため、様々な料理のレシピを覚えることができました。実際、ここで『かきたま』を習得できたので、家でも作るようになりました」
――広いお風呂に入れて、自炊のスキルも上がる。ここで働くと、生活の質が向上しそうですね。では、逆に辛いことはありますか?
「スーパー銭湯の中のレストランなので、通常のレストランとはピーク帯が異なります。通常のレストランは18時~20時が込み合うのに対し、極楽湯はお風呂に入ってからの食事のため、忙しくなる時間が19時~21時と少し遅めですね」
――どんな方が向いていると思いますか?
「調理では中華鍋も振るので筋肉がある方かな(笑)? あとは、シンプルにお風呂が好きな方は最高のアルバイト先だと思いますよ」
ホールスタッフ(飲食スペースのホール業務)

Kさん(アルバイト歴 2年)
――仕事内容を教えてください。
Kさん(以下略)「一般的な飲食店のホール業務と変わりません。お客様からオーダーを聞き、料理の提供や片付けなどを行っています。ちなみに、オーダーは専用のリストバンドで読み取るため、お会計をする必要がないですね。また、ドリンクやデザート作りもホール業務。そのため、定番のソフトクリームには最初、苦戦しました(笑)」
――なぜ「スーパー銭湯」でアルバイトしようと思ったんですか?
「高校生から始めたので、友達とかにアルバイト先がバレたくなかったからです(笑)。その中でもお風呂の仕事って、カッコいいなと思ったので応募しました」

写真提供:株式会社極楽湯
――どのようなスキルが身につきましたか?
「お風呂の施設ということで、幅広い世代の方とお話しができます。そのため、コミュケーション能力は磨かれたと思います。加えて、お酒を飲まれている方への対応も上手くなりました(笑)。あとは、先輩やお客様は年上が多いため、礼儀や言葉遣いも身についたと思いますよ」
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セクションごとに多様な業務に分かれるスーパー銭湯のアルバイト。今回、お話を伺ったみなさんは「少し変わった仕事」に関心があって応募した人が多く、実際に他のアルバイトでは経験できない楽しさややりがいを感じているようでした。また、想像した通り、大きなお風呂やサウナに無料で入れるのも大きな役得。仕事終わりの疲れをそのまま癒せるのは、お風呂好きでなくても魅力的なポイントだと思います。
極楽湯 多摩センター店
所在地:東京都多摩市落合一丁目30番地1
最寄り駅:各線「多摩センター駅」から徒歩5分
営業時間:平日 10:00~翌1:00(ラストオーダー翌0:30) 土日祝 9:30~翌1:00
HP:https://www.gokurakuyu.ne.jp/index.html
Twitter:@gokurakuyu_spa
文・取材・撮影/小野洋平(やじろべえ)
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。