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2022年08月02日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」プール監視員バイト編

カレー沢薫 バイト タウンワークマガジン townworkもう10年以上前になるが、新婚旅行でハワイに行った。
流石にハワイに来てまで「こういうところのカレーが美味いんだよ」と言って牛丼屋でカレーを頼むようなサブカルクソムーブをするのも何だったので、鉄板の観光地を周り、当然海にも行った。

そこで一番最初に学んだのは「ハワイでも二月の海は寒い」と言うことであり、水に入って4秒で脱出することになったのだが、次に気づいたのは、日本に比べると欧米では、自身の年齢や体型を気にせず水着を着ている人が多いという点である。

私が見たかぎりでも、御年70は超えていると思われるパイセンが、おにぎり1個も包めなさそうな地球に優しい省エネビキニを着ていたりと、かなり自由度が高かった。

それに比べると日本はまだ「ビキニは選ばれし者のみが装備できる伝説の鎧」みたいなところがあり、夏が始まる前にダイエットに励み、肉というボスを倒したと思ったら「ククク…これで終わりと思ったか?」と真のラスボス「毛」が登場したりと、着用までの道のりがかなり険しいような気がする。

日本ももっと人目を気にせず着たいものを着れる風潮になれば良いと思うが、当然「人目に肌や体型を晒すのは嫌」という意志も尊重されるべきである。

少し前スクール水着に「ジェンダーレス水着」が登場したと話題になっていた。
様々なものがジェンダーレス化しているが、流石に水着は難しいのではと、対戦しに行ったところ「これはジェンダーレスだ」と秒殺されるほどジェンダーレス化していた。
ジェンダーレス水着は一言で言えば「ジャージ」であり、水着というより既に服だ。

先日、テレビで海開きのニュースを見た時「服のまま海に入ってしまっている奴がやけに多い、さすが海開きに海に来るだけあって全ての行動が生き急いでいる」と思ったが、どうやらあれは水着だったようだ。

私が知らない内に、水着の服化は進んでいたようだ。
しかし、このタイプの水着が普及することで、今まで極力肌を露出したくないという理由で、海やプールを断念していた勢が、マリンスポーツを楽しめるようになったなら、良いことである。

今年は「自分のことを8月と思い込んでいる6月」が登場したりと、例年より猛暑である。プールや海もいつも以上に混み合うかもしれない。

そんなわけで今回紹介するのは「プール監視員」のアルバイトである。

 
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人間には「水中で呼吸できない」という重大なプログラミングミスがあるのだが、神が未だに「仕様です」と言い張っているので、今のところ修正の予定がない。
よって、プールには仕様による事故などが起こらないように監視員が常駐している。

監視員の仕事は、プールの全容が見える高いイスに座り、事故、または事故につながる危険な行為をしている者がいないか監視し、異変があれば救助活動や注意をするのが基本の仕事である。
また人だけではなく、プールに異常や異物があった時も報告や除去などの対応をする。
他には定期的に水質の検査、ビート板などの備品確認、ロッカーや更衣室の清掃や忘れ物チェックなども仕事に含まれる。

やることが多い上に責任重大な仕事のように聞こえるが、体験者によると緊急事態は稀で、基本はずっと座ったままだそうだ。
しかし、同じ座ったままバイトでも試験監督などに比べれば人命に関わる事故が起こる確率が高い現場である。
数ある座ったままバイトの中でも特に「意識を手放さない力」が求められる。

また屋外プールの場合寒暖に耐えるのが思った以上に辛いという意見もある。

真夏の屋外プールの監視が暑くて大変なのは言うまでもないが、ハワイでも二月の海は寒いように、夏でも雨が降っている時のプール監視は意外と寒いらしい。

もちろん、プールサイドを走らないように注意する側の監視員が「ちょっと走って体を温めてくるわ」というわけにもいかない。
また寒いからと言ってライフジャケットの代わりにどてらを羽織っていては、緊急時救助活動ができないばかりか、こちらが救助される側になりかねない。
監視員のバイトは、水着にTシャツ、ライフジャケットなど、服装が決められている場合が多いため、服で寒暖に対処することはできないという問題がある。

また全く泳げないというのもダメだ。
「練馬のランブルフィッシュ」等の異名を取っている必要はないが、25メートル程度泳げることが条件にされていることが多いようだ。

監視員バイトのメリットはプールを無料または割引で利用できることがある、という点だ。

ダイエットや体力づくりで一番効果的なのは水泳とよく言われているが、定期的にプールに通いわざわざ着替えて泳ぐというマメなことができるなら、そもそもダイエットや体力づくりが必要な状態にはなっていない気がする。
水泳というのは数ある運動の中でも継続が難しい部類だ。
ただこれに「プール監視員のバイトに行くついで」「割引」「無料」などの要素が追加されれば、少しは継続できるのではないだろうか。

思えば10年以上、海やプールの類には行っていないし、もちろん水着にもなっていない。
心のどこかで、海やプールは、若者や家族連れのものと思っていたというのもあるが、当然そういう考え方は前時代的である。

中年だって、プールに行っていいし、ビキニを着て良い。
今年の夏は自分にその選択肢と権利があるとわかった上で「あえて家から出ない」という選択をしたいと思う。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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