歯科助手の志望動機の書き方・伝え方の例文
歯科助手の志望動機の書き方・伝え方のコツを例文(サンプル)とともに紹介します。例文は経験者の場合と未経験で転職する場合の2つのパターンを用意しました。志望動機は履歴書や面接で特に重要になるので参考にしてください。
【目次】
歯科助手の仕事と求められるスキル
歯科助手は、クリニック・医院で受付などの事務や治療の補助をする仕事です。歯科衛生士と違い、国家資格は必要ありません。また、歯科衛生士は「医療業務従事者」、歯科助手は「一般事務職」であり、歯科助手は患者の口の中に触れるなどの医療行為は行いません。志望動機は、勤務したクリニック・医院の特徴と職務内容、そして、志望理由と将来のビジョンが明確に伝える必要があります。
歯科助手の志望動機の書き方のコツ
実務経験や接客経験をアピールする
歯科助手の経験がある場合は、経験したクリニック・医院の特徴と、そこでどのような業務を担当していたかを記載しましょう。どのような想いをもって働いていたかもポイントになります。未経験者の場合は、医療現場で求められる、人が好きであることやコミュニケーション力があることをアピールしましょう。多くの医療器具を覚える必要があるので、記憶力なども強みになります。ほかにも、基本的な接客スキルが身についていると強みになりますので、接遇セミナーなどの受講歴や、接客業をしていた経験などがあれば記載しましょう。
なぜそのクリニック・医院で働きたいのかを明確にする
経験者、未経験者ともに、「なぜそのクリニック・医院に応募したのか」という志望理由を明確に伝えることが重要です。経験者であれば、これまでの経験やビジョンと紐づけて志望理由が記載できるとよいです。たとえば、「審美歯科の補助経験をもっと積みたいので、審美歯科に力を入れている貴院を志望しました」「保険診療中心のクリニックで地域の方々の健康に貢献したく、この地域で長く頼りにされている貴クリニックで働きたいです」などです。未経験者の場合は、志望理由に加えて、歯科助手になりたい理由も言えるようにしましょう。
将来のビジョンと志望クリニック・医院の特徴を結びつける
採用側は、「長期的に、当院でどう活躍をしてくれるか」を期待しています。「将来は歯科衛生士の資格取得を目指しており、そのためにも貴院で数多くの治療補助を経験し貢献したいと考えています。」など、自身が将来どうなりたいか、そのためにそのクリニック・医院でどうしたいかを記載しましょう。
歯科助手の志望動機の例文
経験者の場合
小児科を専門とする歯科医院で4年間、受付や会計、レセプト作成といった事務作業を中心に経験してきました。患者さんやそのご家族の不安を少しでも和らげられるよう、常に笑顔で明るい対応を心がけています。Xヵ月前から歯科衛生士を目指し、夜間専門学校に通っています。勤務先の院長が高齢により今年のX月に閉院することを決めたため、転職活動を始めました。現在は、一般歯科の補助を通して歯科衛生士の勉強をしたいと考え、診療補助に携われて保険診療を中心に対応している貴院を志望いたしました。貴院で治療補助の経験を積み貢献したいと考えております。また、資格取得後は歯科衛生士として継続して活躍したいです。
経験者の場合は、業務経験が重視されますので、自分が得意とする業務、中心に行ってきた業務を記載するようにしましょう。受付や電話対応、レセプト管理、掃除、器具の管理と業務もさまざまあるので、具体的に書くとよいです。医院経営に関する知識や経験を積んでいればよりアピールになります。
未経験者の場合
食品メーカーの営業事務を5年間経験してきましたが、貴クリニックで歯科検診と虫歯治療でお世話になったことをきっかけに歯科業界に興味をもちました。学生時代に歯列矯正をし、歯並びの悩みが解消されてとても助かった経験があるため、歯列矯正に力を入れている貴クリニックを志望いたしました。現職では、スムーズな営業活動をサポートするために担当者の特徴や行動を予測して、先回りして資料作成や進捗管理をするようにしており、そうした経験をスムーズな診察のサポートに活かせると考えています。歯科医療のことを勉強しながら、歯科助手として同じように歯並びで悩んでいる患者さんや歯のことで困っている人のサポートをしていきたいです。
患者をはじめ、歯科衛生士・歯科医師と良好な関係を築くことができるコミュニケーション力や協調性、スムーズな診察をサポートする先回りして行動できる力は強みになります。前職の経験でこれらを培った場合、志望先でどのように活かせるかを紐づけてアピールできるとなおよいでしょう。
石田 恵子(歯科衛生士/株式会社シナジーコンサルティング コーチング企画室講師)
歯科医院経営に携わった経験より、歯科衛生士の仕事をしながら厚生労働省認定産業カウンセラーの資格を修得する。2004年より歯科医療者向けにコーチングセミナーを各地で開催。現在900名を超える歯科衛生士コミュニティを運営し、情報発信や日々のお悩みを共有する場を提供している。著書『歯周病コーチングのヒントと応用-毎日の診療が楽しくなる(口腔保健協会)』。
HP:http://www.synergy-c.co.jp/synergy/coach_keiko/coach_keiko.html