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2022年06月02日

HSPさんに向いているバイトとは?選ぶ時のポイントと向いている職種24

HSP バイト タウンワークマガジン townwork人よりも感じる力が強く、周りの人が気付かないことでも気が付きやすいHSPさん。共感力が高すぎるため、深すぎる対人関係が負担になったり、音やにおいにも敏感なため働きやすいバイトを見付けるのが大変かもしれません。そこで、HSPさんの働き方に詳しい精神科医・産業医の井上智介先生に、バイト選びのポイントや向いている職種を教えてもらいました。

HSPさんがバイトを選ぶ時のポイント

HSPさんが自分に合う仕事を見付けるには、どういう点に気を付けた方が良いか、そのポイントを解説します。

アットホームすぎない環境を選ぶ

「アットホームな職場」は働きやすいように感じるかもしれませんが、HSPさんは共感力が高いため、仲が良すぎると言いたいことが言えなくなったり、同調圧力を感じやすくなることがあります。人に合わせるのが得意であるHSPさんは、既に出来上がっている人間関係の中に入るのは、合わせすぎて疲れてしまうこともあるのです。家族経営だったり、アットホームさを前面に出しているような職場環境は避けたほうが良いかもしれません。

ひとりになれる時間を確保できるか確認する

人と長時間一緒にいたり、自分のペースを保てないとストレスを抱えやすいHSPさん。それを回避するためには、ひとりになれる時間がとれる職場を選ぶことも大切です。例えば、販売業でもバックヤードでひとりで作業する時間があったり、休憩時間は外で過ごすことができたりする環境だといいでしょう。小さなお店だと、休憩もバックヤードでも常に誰かと一緒…ということもあります。ショッピングモール内にある店舗など、バックヤードや休憩所のスペースが広く確保されていると安心です。

音などの刺激が気にならないかを事前に確認する

音やにおいなど外的刺激に弱いのもHSPさんの特性のひとつです。飲食店や販売店であれば、事前にお客としてお店に訪れて、お客様が多くて騒がしくないか、BGMの音量やジャンルは気にならないか、においはどうかなど、自分にとって苦手なものがないか、職場環境を確認しておくのがいいでしょう。

 

HSPさんに向いているバイト職種

では、各業種の中で、具体的にHSPさんが働きやすい職種を紹介します。

飲食店の中で働きやすい職種とは

HSPさんの特性に、一度に多くのことを指示されるとストレスを感じやすいというものがあります。飲食店の場合はファミレスのように、お客様がグループで訪れて、一度に多くのオーダーを受けるタイプのお店よりも、1人で来店したり、レジで1人1人のお客さまと対応するような、一対一で接客ができる業態のお店を選ぶといいでしょう。また、相手の表情から敏感に空気を読み取るHSPさんは、店内が広いとお客様の状況を把握できず不安になることがあります。カウンター越しでお客様の顔が見えたほうが、今、相手が何を考えているかがわかりやすく、適切なサービスを提供できるでしょう。

<HSPさん向きのバイト職種の例>
ファストフード店
ラーメン店ホール
セルフサービス式のカフェ
チェーンの牛丼店
チェーンの回転寿司
チェーンの焼き肉店
ファミレスのキッチン
デリバリーピザ店のインストア

HSPさんは感受性が豊かな分、人の怒りやクレームに深く傷つきやすい傾向があります。人間は空腹が強いとイライラしがちです。そのため、料理をすぐ提供できるようなファストフード、回転寿司、焼き肉店、もしくは、そこまで空腹な人が訪れないセルフ式のカフェなどがおすすめです。

販売業の中で働きやすい職種とは

販売業を選ぶときは接客の親密度がポイントです。例えば、アパレル販売のようなお客様との親密度が高く、こちらから提案したり、ノルマがあったりする職種は、プレッシャーに感じやすいので避けた方が無難でしょう。接客でもレジ業務などひとつの作業に集中できたり、お客様からの簡単な質問に答えるような販売業がおすすめです。

<HSPさん向きのバイト職種の例>
コンビニ
書店、本屋
スーパーのレジ
ドラッグストア
100円ショップ
パン屋、ベーカリー

コンビニの業務はマルチタスクではありますが、時間に追われるほど忙しくもなく、バックヤードでの作業や休憩がひとりでできる利点もあるのでおすすめです。販売の接客の中でも、商品の場所や在庫の有無など、お客様からの質問に対して回答が明確に決まっているものが向いています。ただし、コンビニやスーパーは立地や働く時間を考慮するのが大事。駅前や激安店などで行列ができたり、常に混雑しているお店など、落ち着ける時間がないところは避けて、できるだけ、お客様の波が安定している店を選ぶのがポイントです。

医療・介護・福祉の中で働きやすい職種

この業種はHSPさんの特性を活かせる仕事でもあります。心が優しく、共感力も高いので人が苦しいときに支える仕事にやりがいを感じることも多いでしょう。その分、のめりこみやすいのが注意点。学童保育であれば、親御さんからの話を聞き続けてしまったり、介護助手であれば、ご家族の悩みに共感しすぎて自分も苦しくなってしまったりと、ストレスを抱えてしまう可能性も。向いている職種ではありますが、仕事の境界線を越えないように気を付けましょう。

<HSPさん向きのバイト職種の例>
学童保育スタッフ
クリニック受付、看護助手など医療系
介護助手

アルバイトだと、あくまで補佐的な業務が多くなると思いますが、補佐で様子をみてみましょう。学童保育であれば子どもと遊ぶだけ、看護・介護助手であれば、看護師・介護士に言われたことだけを確実にこなすぐらいの気持ちで仕事に向き合い、踏み込みすぎないように。

人と接しない作業系

自分のペースで取り組める仕事はHSPさんに向いています。ただし、選ぶポイントとして仕事内容があまり複雑ではないものがいいでしょう。複雑な仕事だと、慣れるまでいろいろ質問したくなっても、人と接しないが故に聞く人がいなくて困ることも。気遣い屋のHSPさんは困ったときでも、まず自分で解決しようと頑張りがちです。そうならないためにも、できるだけ簡単な作業を選ぶのをおすすめします。

<HSPさん向きのバイト職種の例>
倉庫仕分け
ピッキング
ホテル清掃
工場のライン作業
データ入力
スーパーの品出し
交通誘導整理

HSPさんは周りと自分を比べてしまう傾向があるため、周囲が同じ仕事をしているほうが安心しやすいかもしれません。仕事中もひとりの時間を確保しやすいホテル清掃や交通誘導整理などは特におすすめです。

 

自分に合わないと感じたら、辞めてもいい

以上のポイントを考慮して選んでも、実際に働いてみたら辛いと思ったのなら、無理せず早めに辞める判断をすることも大切です。ただ、辞めるときは、何が嫌なのか、何が辛いのかをしっかり言語化しておきましょう。そうすれば、次回、バイトを選ぶ際に同じ失敗はしないはずです。辞めることがダメなのではなく、ダメだった原因を把握して学ぶことが大切ですよ。

 

■プロフィール
井上智介
(いのうえ・ともすけ)
精神科医・産業医。数々の病院でプライマリケアを学び、産業医として多くの会社を訪問。大阪府内のクリニックで精神科医を務めている。著書に『繊細な人の心が折れない働き方』『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』など多数。

Twitter:@tatakau_sangyoi
Instagram:@tatakau_sangyoi

取材・文 中屋麻依子

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