バイトする前に知っておきたい総まとめ【年齢証明書・同意書の例文・職種別の年齢制限など】
18歳未満は「年少者」とされ、労働基準法をはじめとする法律によって様々な制限や規則が設けられています。そのため高校生でアルバイトを始めたい人や、20歳未満の人が、これらの法規制についてしっかり理解した上で、納得いくような労働契約を結ぶことが大切です。バイト探しにあたって知っておきたい法律や、同意書の例文などについて解説します。
【目次】
18歳未満でバイトするのに必要な書類
18歳未満で高校生などがバイトを始めるためには、年齢証明書をバイト先に提出する必要があります。また、未成年は保護者の同意書を求められることも多いです。
年齢証明書(住民票、戸籍証明書)
年齢証明書とは、地方自治体など戸籍事務取扱者が書面に記された氏名・生年月日に間違いがないが証明した書類のことを指します。該当するのは住民票など。学生証や保険証のコピーは、法律上は年齢証明書とは認められていません。
住民票は、各市区町村の役所で取得することができます。取得する際には、免許証や学生証、保険証、マイナンバーカードなどの身分証明書が必要となります。
住民票とは
一般的に「住民票」と呼ばれるものには、「住民票(写し)」と「住民票記載事項証明書」の二つがあります。年齢証明としての書類は、行政では個人情報保護の観点から、「住民票記載事項証明書」の提出を推奨しており、各役所で相談してみると良いでしょう。
・住民票(写し) … 住民基本台帳の写しとなるので、本籍など、企業が必要としない項目も記載されている
・住民票記載事項証明書 … 住民票に記載されている情報のうち、申請者が希望する項目のみ表示した証明書
年齢証明が必要な理由は?
18歳未満の労働者を雇い入れるには、雇用側が「年齢証明書」を保管しておくことが労働基準法で定められているため、正式に採用される際に年齢証明書の提出が求められます。
親など保護者の同意書
同意書を求める理由
保護者など親の同意や承諾を確認する目的は、民法上、未成年である本人の確認なく保護者がアルバイト契約を解消することを防ぐ目的と、仕事中のトラブルがあったときに本人同士では解決できないことがあったときに解決しやすくする目的です。そのため、保護者の同意書の提出を求める会社が多く、必要になるタイミングは主に以下になります。
・面接時に同意書を持参する
・面接時に履歴書の保護者記入欄に記名・捺印で持参
・採用決定後、所定のフォーマット又はフリーフォーマットで作成し、出勤日に持参
同意書は何歳まで必要?
民法上は「未成年」が対象となります。成人年齢引き下げに伴い2022年(令和4年)4月以降は18歳以上は成人となります。そのため、高校生でも18歳になった人は同意書が不要と解釈されますが、2022年4月時点では民法改正から間もないこともあり、しばらくは19歳以下も対象するところもあるようです。応募や面接の際に確認しましょう。
同意書の書き方
会社所定のフォーマットがある場合はそれに従いますが、特に指定がない場合は、下記の項目を入れます。
・文頭に「同意書」の文字
・応募先の会社名
・応募先の代表者名
・「下記の者が貴社にて働くことに同意します。」の文字
・本人の名前
・本人の生年月日
・本人住所
・記入年月日
・保護者の住所
・保護者の氏名・捺印
【同意書の書き方例】
その他、バイトする際に必要なもの
アルバイトを始めるのに必要なものは他にもあります。
・年齢証明書
・親など保護者の同意書
・本人名義の銀行口座
・本人のマイナンバー
バイト代などの給与は、働いた本人に支払われると定められています。そのため、バイト代の振込先口座は、アルバイトをする本人名義であることが必要です。高校生まで、自分の口座を持っていない人もいると思いますので、その際は、金融機関の口座を作ることが必要です。
アルバイトする際の年齢制限について
18歳未満は、深夜など残業に制限がある
労働基準法上、18歳未満は22時から翌朝5時の間の労働は禁止されています。また、1日の労働時間は8時間以内、1週間では40時間以内にすること、休日出勤の禁止も定められています。
参考記事:18歳以上の大学生は何時までバイトできる?深夜バイトのメリット・デメリットとは
18歳未満は、職種の制限もある
以下に当てはまる職種は、18歳未満は就業が禁止されています。
・高さが5メートル以上で墜落のおそれのある場所における業務
・足場の組み立てなど
・有害物又は危険物を取り扱う業務
・酒席に侍する業務(お客のそばでお酒をついだりする業務)
危険な仕事や、お酒を出す場での接待にあたるバイトは禁止されているものが多くあります。居酒屋のホール・キッチンなど料理やお酒を運ぶバイトは働けますが、バーやクラブ、キャバクラなどのお酒を伴う接待をする仕事はできません。建築関係では高い場所で作業する仕事や、危険物を扱う仕事などもできないので注意しましょう。
そのほかにチェックすべきQ&A
Q.同意書を代筆で提出して、保護者に内緒でバイトできる?
A. ウソがバレたら即刻解雇になることもある
18歳未満に対しては、保護者の同意書や承諾書を求めるバイト先がほとんどです。例えば、同意書を友人などの保護者以外の人に書いてもらってごまかせたとしても、ウソが判明した場合には「信用できない」「親とのトラブル回避」のために、即刻解雇される可能性もあります。周囲に迷惑をかけないためにも、きちんと同意を得ておきましょう。
Q.年齢をごまかしてバイトをしたらどうなる?
A.辞めさせられる場合もある
18歳未満の場合は、雇用契約の際に年齢証明書(住民票記載事項証明書など)の提出が必要になるので、ごまかすことはできません。万が一、ごまかせたとしても、労働基準法によりバイト先が罰せられることになるので、バイト先に迷惑がかかるだけでなく、懲戒解雇など本人にもそれなりの処分があることがあります。
Q.学校の許可が事前に必要なのに内緒でバイトをしたらどうなる?
A.停学や下手すれば退学の可能性も
学校でアルバイトが禁止の場合、見つかった際に停学や退学などの処分がある高校もあります。アルバイトをする際に可能なのか校則をきちんと確認しましょう。
Q.18歳の高校生ですが、バイト先に深夜勤務をお願いされたけど大丈夫?
A.校則や自治体の条例を確認する
法律上は大丈夫ですが、高校によっては深夜勤務を許可していない学校もあります。また、住んでいる地域によっては高校生の深夜勤務を禁止していることもあるので、ルールを確認することが大切です。
Q.中学卒業したばかりの15歳はバイトができる?
A.卒業直後の3月31日までは原則できない
15歳になった年の最初の3月31日まではできないと法律で禁止されているので原則不可。4月1日を過ぎてからアルバイトを始めましょう。
*非工業的業種に限り、①健康及び福祉に有害でなく、②軽易な労働であり、③修学時間外に使用を限定し、④労働基準監督署長の許可を受けること等で、13歳以上の児童を雇用することが可能となる会社もあります。また、13歳未満の児童については、映画の製作又は演劇の事業に限り、同様に許可を受けて雇用することも可能となっております。
Q.労働契約書のサインを求められたんだけど…?
A.契約者は親など保護者ではなく、自分でする
労働基準法第58条には、労働契約の主体が明記されています。高校生など未成年であっても、アルバイトの労働契約は本人が締結します。親に代わりに締結してもらうことはできないため、自分でしっかり説明を聞き、納得した上で労働契約を結ぶことが大切です。
【主に確認すべき労働契約項目】
・賃金(時給、残業手当等)
・交通費などの手当て
・研修や試用期間の有無/期間/その間の賃金
・給与の支払いタイミングと方法
・契約期間の有無
など
※2016年2月19日の記事を2021年5月13日、2022年2月3日に更新