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2018年02月28日

煉(THE BLACK SWAN)インタビュー 『バイトは人間関係を円滑にする方法を学ぶ場所』【俺達の仕事論vol.27】

インタビュー THE BLACK SWAN 煉

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

人間の心や社会の裏側をリアルに描いた歌詞と美しくもへヴィなサウンドで、唯一無二の存在感を放つバンド、THE BLACK SWAN。今回は、社会人経験もあるというドラマー・煉さんに、焼肉屋でのバイト経験を中心にお話を伺いました。

 

何もしないまま高校生活を終えるのが嫌で始めた、焼肉屋のバイト

インタビュー THE BLACK SWAN 煉――初めてやったバイトはなんでしたか?

そもそも僕はバイト経験があまりなくて、2つしかやったことがないんです。最初にやったのは高1の時、食べ放題の焼肉屋さんのバイトで、高校を卒業するまでの3年間はそこで働いていました。あとは日雇いの現場仕事を4~5日やっただけなので、バイトらしいバイトは最初にやった焼肉屋くらいです(笑)。

――バイトを始めたキッカケはなんだったんですか?

中学からずっと野球をやってて、高校でも軟式野球部に入ったんですよ。でも、いざ入ってみたら不良の溜まり場で、すぐに嫌になって辞めたんです(笑)。だけど、何もしないまま学生生活を終えるのは嫌だし、高校卒業後は就職を考えていたので、そのためにもバイトをしておいたほうが印象が良いだろうと思って。すでにバイトを始めていた友達に紹介してもらって、同じ店で働き始めました。

――バイト初心者は、もともと仲が良い友達が働いているところでバイトを始めるのも良いかもしれませんね。

友達が一緒だと相談しやすいですからね。仕事を覚えていく上で、まだ大して仲良くないバイト仲間や店長に聞くよりも、友達に聞いたほうが聞きやすいし、気を遣わなくて済むから、そこは結構メリットがあったなって思います。しかも、僕とその友達が入った後、伝手(つて)ができたからか、同じ高校の先輩や後輩がどんどん入ってきて。他のバイト仲間とも、同じ高校同士仲良くなりました。

 

見た目が自由な職場だったからこそ、仕事はちゃんとしようと思った。

インタビュー THE BLACK SWAN 煉――バイトだと、学校でのいつもの自分を知らない人が多いから、普段と違うキャラを作って楽しむ方も多いようですが、煉さんの場合はどうでした?

学校の友達が一緒だったんで、別人になりきるようなことはしなかったですけど、接客業なんである程度はキャラを作ってましたね。ウチのバイトって、髪型とかは結構自由だったんですよ。整髪料をつけてもOKとか。でも、そんな見た目だからこそ、ちゃんとしなきゃ!と思って、真面目にやってました。

――ちなみに、当時はバンドやドラムは始めていたんですか?

高3の時に貯めていたバイト代でドラムセットを買ったんですけど、それまではまだ本気で音楽をやっていたわけじゃなかったので、バイト代のほとんどは趣味の釣り具に消えていきましたね。ただね、僕は秋田県出身なんですけど、当時は最低賃金が608円で、ウチは最低賃金+2円くらいだったんですよ(笑)。

――安っ!

あははは。だから、週5でガッツリ働いても月4万しか稼げなかったんじゃないかな。それでも、当時はお金がほしいという感覚があんまりなかったし、バイトをしたという経験がほしかったので、楽しく続けていました。

 

“俺がその店を回してる感じ”が好きでした(笑)。

インタビュー THE BLACK SWAN 煉――とくに好きだった作業と、苦手だった作業はなんですか?

とくにきつかったのは、皿洗い。どうしても肉や洗剤の匂いが手にこびりつくんですよ。それがすごく嫌でしたね。あとは、お客さんが連続で入った後のテーブルの片づけ。でも、それ以外の作業は結構好きだったかもしれないです。カウンターに入ってお酒を作ったり、レジを打ったり、お客さんを席に誘導したり……“俺がその店を回してる感じ”が好きでした(笑)。まぁお酒を作るって言っても、チューハイを作る程度で、カクテルとか手の込んだものを作るわけじゃないんですけどね。自分は当時未成年だったし、今もお酒は飲まないんですけど、楽しかった記憶があります。

――でも、お酒を出すということは、酔っ払ったお客さんもいらっしゃるわけですよね。

そうですね。食べ放題の店なんで、部活動の打ち上げで使われることが多かったんですけど、生徒の親御さん達がよく飲むんですよ。でも、飲みすぎるようなお客さんはあんまりいなかったし、ウチは親父が酒飲みで、それで慣れてたので大丈夫でした。今もめちゃくちゃ酒飲みのメンバーに囲まれてて、“1人だけ素面で平気なの?”ってよく聞かれるんですけど、これはもうバイトの経験の賜物ですね。酔っ払いの相手に慣れました!(笑)

 

日雇いの現場仕事で学んだコミュニケーションの大切さ。

インタビュー THE BLACK SWAN 煉――あははは。一方、4~5日だけやったという日雇いの現場仕事は、何がキッカケで始めたんですか?

高校を卒業した後、一度就職をしたんですけど、バンドを本気でやろうと思って会社を辞めて。その時に、いかにも男臭い仕事だし、体も鍛えられるしいいんじゃね⁉と思って、試しにやってみました。

――具体的には、どんな作業をするんですか? 毎回同じ現場に通って、鉄骨を運ぶようなイメージがありますが。

たしかにそういう作業もやったんですけど、日雇いって、現場もやる作業も毎回違うんですよ。1畳ほどのサイズのボードを1人でひたすら運んだり、家の屋根から廃材を下ろす作業をしたり、100kgくらいある機械を5~6人で手作業で運んだり……作業によっては、命懸けでしたね。それに、なんと言っても翌日の筋肉痛がヤバイ(笑)。作業によっては3~4時間で終わるものもあるので、バンドマンとしてはスケジュール調整がしやすくて良かったんですけどね。

――学生時代のバイトと違って、日雇いだといろいろな世代・状況の方が集まると思うのですが、ここではどんなことを意識して働いていましたか?

気さくな人ぶってましたね(笑)。危険な仕事もありますし、コミュニケーションをちゃんととらないといけないなと思って。普段は人見知りなところもあるんですけど、なるべく元気にしてました。

 

楽しみながら働ける場所を探してほしい。

インタビュー THE BLACK SWAN 煉――それは大事なことですよね。危険な仕事に限らず、人間関係が上手くいかないと仕事が続かなかったりしますし。

そうなんですよ。一度社会人を経験してるから、余計にそう思ったのかなぁ。会社に入ると、どんなに苦手な上司とでも上手くやっていかないといけないじゃないですか? その点は僕も、接客業(焼肉屋)のバイトで鍛えられた気がします。接客業だと、どんなに理不尽なことを言うお客さんでもきちんと接しなきゃいけないですからね。でも、社会人になった時に“バイトの時の大変さに比べたら…!”って、頑張れたりします(笑)。

――では最後に、これからバイトを探そう、頑張ろうという人にメッセージをお願いします。

今言ったように、社会人になる前に、バイトを通して人間関係を円滑にする方法を学んでおくといいんじゃないかなって思うんですけど。その上で、どうしても合わない時は、辞めてもいいんだぞって言いたいですね。バイトはあくまでも自分が楽しめるかどうかが一番大事だと思うので、楽しみながら働ける場所を探してほしいなと思います。

 

■Profile

2014年に始動した5人組バンド、THE BLACK SWANのドラマー。バンドでは、バレエ「白鳥の湖」にちなみ、社会の中で「白鳥」を演じ、その裏側で「闇=黒鳥」を隠している“人間の二面性”を表現。2018年5月1日の渋谷TSUTAYA O-WEST公演をもって、バンドの解散が決定している。2015年に子猫(虎徹)を拾ったことをキッカケに、猫好きヴィジュアル系バンドマンとしてTVなどでも話題に。

◆THE BLACK SWAN Official Websitehttp://www.theblackswan.jp/
◆煉 Official Twitter@TBS_LenOfficial

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:斉藤碧 撮影:河井彩美

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