スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2018年03月28日

瑠伊(vistlip)インタビュー『色々な職業を経験が出来るのはバイトの特権だと思う』【俺達の仕事論vol.29】

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

ハードロックやポップスなどジャンルにとらわれない幅広い音楽性が魅力のvistlip(ヴィストリップ)。接客業で“人に丁寧に接すること”を学んだというベースの瑠伊さん。相手の立場になることの大切さや、その職業になりきることで人見知りを克服したというアルバイト経験について伺いました。

 

初めてのコンビニは、働くことに慣れるのが大変だった

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク――初めてのアルバイトから教えてください。

高校生の頃におこづかいが欲しくて、家の近くで募集しているコンビニに片っ端からアタックしたんですけど、なかなか雇ってもらえなくて。当時はすでにヴィジュアル系が好きで、学校の仲間とバンドを組んでいたから髪がちょっと長かったせいだと思うんですけど。ようやく雇ってもらえたコンビニで、朝の5時〜8時の3時間働いて学校に行っていました。

――アクティブですね。

その頃は頑張っていましたね、今は絶対に無理ですけど(笑)。放課後は友達と遊んだりバンド練習をしたかったから、朝しかなかったんですよね。

――初めて働いてみてどうでしたか?

レジを離れる時に、毎回“レジ締め”をしてお金の差額を確認するんですけど、いつもぴったりにならなくて(苦笑)。簡単そうに見えていたけど、実際にやると違いましたね。働くことに慣れてないっていうのもあって、そのバイト先には迷惑をいっぱいかけたし、働くことって難しいんだなと思いました。

 

接客態度を褒めてもらえたことで接客業が楽しいと思えた

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク――その次のアルバイトは?

高校の終わりから大学1年生くらいまで、しゃぶしゃぶ食べ放題のホールで働きました。そこはバイト仲間との仲も良かったし、お客さんにも“接客態度がいいね”って褒めてもらえて楽しかったですね。接客業の楽しさとか心地よさを知りました。終わった後に、毎日バイト仲間みんなで鍋パーティをして、お肉でお腹をパンパンにして帰っていましたね(笑)。

――そこで知り合った仲間との交流は今もありますか?

残念ながら当時の仲間とはないんですよね、ケータイ番号を変える時に連絡先を伝えるっていう作業をさぼっちゃって。毎回番号が変わるたびに友達が変わっていくっていうシステム(笑)。

――システムだと仕方ないですね(笑)。接客業で特に気をつけていたことはありますか?

自分がお客さんとして他のお飲食店に行った時に、店員さんにやる気がなくて、気持ちよくないなって思うことがあって。だから、自分だったらどう対応されたら美味しくご飯が食べられるかなっていうのは常に考えて、丁寧な対応は心がけていました。それに怒られるのが嫌いだから、だったら事前に怒られないようにしようとも思っていました(笑)。

――大切なことですよね。そのお店での思い出に残っているエピソードは?

自慢なんですけど、食べ放題だからお肉の注文が多くて、時に両手に20枚近くのお皿を持つことがあるんです。指の間にお皿を挟んで、最後は腕に乗せてもらうんですけど、お客さんに“すごいね”って言われると嬉しかった!

――失敗談もありますか?

トレンチで10杯くらいのドリンクを運んでいる時に、重たくてお客さんのところでひっくり返しちゃったことがあります。でも、それもちゃんと丁寧に謝ったら怒られはしなくて“大丈夫ですよ!”って言っていただいて。心から謝ることって大事だなと思ったし、自分も相手に対してそうでありたいなと思いました。

――苦手な作業はありましたか?

ホール担当だったんですけど、キッチンがまわらないと皿洗いのヘルプに入っていて、それはどうしても慣れなかった。

――どういうところが苦手だったんですか?

出来れば裏側は見たくないなって。それは飲食店だけじゃなくて、リゾートホテルとか、アミューズメントパークも同じで……。バンドのファンクラブ旅行とかで、ホテルの裏導線に入らせてもらうこともあるんですけど、裏側って違うじゃないですか。段ボールが山積みだったり……。“こんなに綺麗なホテルでもそうなんだ”って。バンドも一緒だと思うんですけど、裏ではいろいろあるけど、華やかなステージとかライヴをしている自分だけを見てほしいっていうか。

――夢でいたいと。

うん。その部分は見せたくないし、自分も見ないで済むなら見ないでいたい(笑)。でも、だからこそ提供する側で働いている人のことは尊敬しますね。

 

テレアポのバイトを通じて、人の気持ちを考える大切さを実感

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク――なるほど。では、飲食店の後は?

「短期で、新しくマンションを立てる時に出る廃材を回収する仕事をしました。マンホールのフタをあけて地下に潜って、使わなかった木材とか砂の袋を拾ってまわるんです。4〜5人のチームで入るんですけど、家の土台だから、仕切りがあって。たまに仕切りを跨いだ先に水が溜まってて“うわっ!”って声が響き渡ったり。昔から『グーニーズ』っていう映画が大好きだったから、泥だらけになりながらも、冒険みたいだなってワクワクしましたね。マンホールの中に入るなんて、なかなか出来ないし。

――裏は見たくないはずなのに……。

それは未知の世界だったから楽しくて! 1週間だったけど、そういう体験が出来るのはバイトの特権というか、色々な経験ができる醍醐味がありますよね。その後は、人見知りの僕がまさかのテレアポを(笑)。電話回線を切り替えるための営業だったんですけど、けっこう契約がとれたんですよ! 顔が見えないから、普段とは違う自分になれたのが良かったのかなって(笑)。

――大変なことはなかったですか?

「冷たくあしらわれることはありましたね。確かに、自分も知らない番号からの着信だと、つい“面倒くさいな”って思ってしまうから、今なら冷たい対応をした人の気持ちは分かるんですけどね。でも、当時は“なんでかなぁ、心の狭い人もいるもんだ!”って思ってた(笑)。バイトをしている子たちも悪気があってやっているわけじゃないから“もうちょっと優しくしてあげて!”っていう。なので、かかってきた時は、話を一回聞いてから自分に必要がなければ、丁寧に断るようにしています。

――ホールでの接客業も、テレアポにしても、やってみることで相手の気持ちを考えられるようになったと。

そうですね。すごく大切なことを教わったと思います。今でもたまに、やたら店員さんにえらそうにする人がいると“やだなぁ”って思うし、コンビニでもありがとうは絶対言うようにしています。

――心がけ1つですね。

「その後、大学時代に働いたカラオケ店はもう青春でしたね。同世代が多かったし、当時はカラオケが大好きだったから、休憩時間に部屋があいていれば1人でも歌ったりして。vistlipのメンバーも遊びにきたことがあるし、ヴォーカルの智とは一緒に歌ったりもしましたね(笑)。

――そこで得たことは?

長く働いていたから後輩もできたんですけど、お客さんとのトラブルがたまにあって。それは後輩が適当な対応をして相手を怒らせちゃうパターンが多かったんです。でも、お客さんの話を聞いてちゃんと謝ると、その対応によって相手も理解してくれる。それは飲食店に限らず、どこでも同じなんだなって。あとは、高齢の方がくると、カラオケの入力方法が分からない方が多くて、イチから説明をした時に、すごく褒めてもらって。お互いに気持ちいいっていうか……幸せな気持ちになりました」

 

バーテンダー時代に知り合ったお客さんとの劇的な再会

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク――どこで働くにしても、対人ですよね。

そうなんですよね。最後のバイトはvistlipを始めるちょっと前にやっていたバーテンダー。単純にカッコイイなと思ったからなんですけど(笑)。そこで感動的な話があって、フランスから遊びにきていたグループの子たちが1週間の滞在中、毎日来てくれていたんですよ。ジャスチャーとかでコミュニケーションをとりつつ、すごく仲良くなって。帰国をする時に“vistlipっていうバンドをしてるからよかったら聴いてね”ってデモを渡したんです。その2年後くらいに、フランスの『Japan Expo』(日本文化を世界に発信するイベント)に招待されてライヴをしたんですけど、その時の握手会に来てくれたんですよ。“えーーっ!!”ってめっちゃ驚いたし感動しました。

――国境を越えましたね!

出会った頃はまだバンドも軌道に乗ってたわけじゃないのに、信じてくれてたんだなって思ったし、こういう“人とのつながりもあるんだ!”って思いましたね。

 

バイトは違う自分になれる貴重な機会

vistlip ヴィストリップ 瑠伊 仕事論 タウンワーク――では、改めてバイトをして良かったなと思うことは?

2年前くらいに1人でご飯を食べに行った時に、僕のテーブルからちょっと離れたところでバイトの子たちが並んで立って、たまに仲間同士で楽しそうにお喋りをしていたんです。それを見て、自分がバイトをしていた時を思い出しましたね。お喋りするとか、こっそりフザケあったりとか、そういう他愛もないことが楽しかったし“バイトっていいなぁ、またバイトしたいなぁ”って本当に思ったんですよ(笑)。実際にバイトをしている時は“今日はめどくさいな”とかもあったけど振り返るとすごく良い思い出だし、やっていて良かったなって」

――では、バイトを始めたいけれど尻込みしている人にアドバイスを。

バイトを始める前に尻込みをするのって、僕と同じで人見知りだからだと思うんです。僕が対策としてやっていたのは、制服を来ることで、自分以外の役になりきること。それって、メイクをしてステージに立つのと一緒だと思うんです。バイトって違う自分になれる機会だと思うから、みんなにもぜひ良い空間を見つけてバイトを楽しんでほしいなと思います!

 

■Profile
瑠伊(るい)

2007年に、智(Vo)、Yuh(Gt)、海(Gt)、瑠伊(Ba)、Tohya(Dr)の5人で結成したvistlip(ヴィストリップ)のベース。メンバーチェンジすることなく、昨年7月から10周年YEARに突入。ヴォーカルの智が作詞を手がけ、楽器陣全員が作曲をおこなう。4月からはvistlipとして『SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ』で全国ツアーを開催。ほか、智とのユニット・Lill(リル)としても活動中!

◆vistlip OFFICIAL SITE:http://www.vistlip.com/
◆瑠伊 Official Twitter:@ruiofficial_t

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:河井彩美

早速バイトを探してみよう