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2023年10月25日

語彙力を鍛える方法7選。会話力や文章力も上がる!

語彙力 鍛える方法 タウンワークマガジン townwork人との会話や文章を書く際に、「言いたいことがうまく伝わらないな」と感じたことはありませんか。語彙力を鍛えれば、会話力や文章力はもちろん、バイトの面接や就活でも相手にいい印象を与えられるかもしれません。この記事では「語彙力を鍛える―量と質を高めるトレーニング―」の著者・石黒圭先生に、語彙力を鍛える方法について伺いました。

語彙力が高い人とは

語彙力(ごいりょく)とは、多くの単語や表現を知っていて、それを上手く使いこなす能力のことを指します。

語彙力の高い人は、言葉をたくさん知っているだけではなく、状況に応じて適切な言葉を選ぶのがとても上手です。ある程度の言葉を覚える必要はありますが、難しい言葉をたくさん覚える事よりも、覚えた言葉を使いこなす事の方がより重要だと考えています。状況に合わせた言葉選びを上手くすることで、自分が相手に伝えたい事だけでなく、自分が何か情報を得た時も、効率よく脳内で情報整理をしやすくなります。

 

語彙力を鍛える方法(インプット)

ここからは、語彙力を鍛える基礎として、言葉の量を増やすための効果的な方法を紹介します。

本を読んで発信する

語彙力を鍛える方法というと、読書がよく挙げられますが、単に本を読むだけでは語彙力は鍛えられません。本の言葉は非常に洗練されていますが、読み手にある程度の知識や関心がないと、読んでも素通りしてしまうからです。語彙を蓄えるなら、自分の興味に引きつけて増やすのが一番。そこで、まずは関心のある内容の本を読む。そして書評サイトなどに評価や感想を書いてみるとか、友人に読んだ内容について話してみるなど、アウトプットする事が大事です。頭に入れたものを実際に使ってみることで、自分の語彙力として定着させることができます。書籍以外に、興味のある映画やドラマ、アニメ、ゲームなどのコンテンツに触れることも同様です。

趣味や好きなことの沼にハマる

学生ならサッカーやテニス、劇団や二次元アニメなど、ハマっているものがあるはずです。沼にハマってみることで、語彙力は鍛えられます。たとえば、スイーツにハマっている人なら、大好きなケーキについて調べてみること、また実際に食べ歩くことを通じてさまざまなケーキの名前や由来、発祥の地などの知識が自然と増えますし、ケーキ好きな人が集まるWebサイトに参加することで更に言葉が増えていきます。

スマホから離れる

社会人になると、自分の専門分野に関して博識になると同時に、興味がないことでも最低限知っておかないと、さまざまな人とコミュニケーションが取れません。興味がない情報を得るには、スマホから離れる時間を作るのが効果的です。スマホの見すぎは、仕事への集中力を欠くだけでなく、情報が自然と「集まってくるもの」になり、普段目が向かないもの、興味がないもの(ノイズ)が目に入りにくくなります。偏りの少ない幅の広い情報は自分から積極的に動き、視野を広げて「集めるもの」。スマホへの過度な依存は避け、ときには、新聞や雑誌など紙の媒体を読む、書店や図書館に行く、政府や新聞社が発信しているサイトをのぞいてみるなど、意図的にノイズを増やすことで語彙力は鍛えられます。

さまざまなコミュニティに所属する

語彙力は人と人とのネットワークでも鍛えられます。大学生は、サークルやゼミ、高校時代の仲間、インターンシップ先のグループなど、さまざまなコミュニティに参加できます。各コミュニティにはそこで使われる特有の言葉があり、さまざまなコミュニティに属し、経験を重ねることで語彙の世界が広がります。企業の採用担当者がその人の言葉遣いを聞いたとき、問題意識が高くその世界にコミットしている人と、付け焼刃の知識だけの人との違いは簡単にわかります。

 

語彙力を鍛える方法(アウトプット)

習得した語彙知識を使いこなすには実践やトレーニングを繰り返すことに尽きます。比較的始めやすい方法としておすすめのものを紹介します。

多様な世代、属性の人と会話する

言葉は使うことで定着するので、多様な世代、属性の人と会話をすることで語彙力は鍛えられます。大学生なら家族や大学の教授やバイト先の先輩、上司などの大人と接する機会を意識的に増やすのもいいでしょう。話す際は、相手の知識量や状況によって言葉を使い分けることがポイントです。人は知っている当たり前のことを話されるとイライラしますし、知らないことばかり話されてもイライラします。多様な世代、属性の人と話す経験を繰り返すことで、相手の知識量を適切に想定する力がつき、語彙の引き出しが増えていきます。

SNSなどで発信する

語彙の定着には、SNSなどで、自分の言葉で発信するのも効果的な方法です。その際、発信の手段が「書く」と「話す」とで、言葉選びが異なります。相手に正確に物事を伝えたい場合、「話す」ときは平仮名にしても耳から意味が伝わる和語を選ぶ、「書く」ときは漢字にして視覚的に意味が伝わる漢語を選ぶのがコツです。話すときと書くときで意識的に語彙を使い分けることで、次第に語彙力が鍛えられるでしょう。

言い換え候補を意識する

「ヤバい」や「えぐい」など、人には無意識で使ってしまう言葉があります。共感を得るためにそういった言葉を使うのは一概に否定できません。ただ、自分の表現力を一段洗練させるには共感だけでは不十分で、敢えて洗練された言葉を使うことで表現世界が広がることがあります。今なら生成AIなどを使ってさまざまな言い換えの候補を出すことができますから、これは他の言葉ではどういう風に言うのかな? と、知らない言葉を調べる習慣を身につけてください。

 

日常の心がけで、語彙力は鍛えられる

語彙力を鍛える方法に共通しているのは、言葉への感度を高め、意識的に新しい言葉を収集・発信することです。日常生活の中でも意識さえすれば、語彙の量も質も高められます。私も最近、家族との会話で「ワンチャン」という言葉が身につきました。生活する中で気になる言葉があれば、時間を置かずにすぐ調べたり、発信した相手に聞いてみる。友達との雑談や飲み会などで話題にしてみるのも面白いですね。

 

■profile
石黒圭
(いしぐろ・けい)

国立国語研究所教授・共同利用推進センター長。一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。博士(文学)。専門は日本語学・日本語教育学。著書は『語彙力を鍛える―量と質を高めるトレーニング―』『コミュ力は「副詞」で決まる』など多数。

取材・文:荒川文乃

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