小鳥カフェで働きたい! 仕事内容、やりがい、大切なこと、向いている人などを聞いてみた
色とりどりの美しい鳥たちが集まる小鳥カフェは見ているだけで癒されると今、人気です。そこで小鳥カフェでのアルバイトの仕事ってどんななのか、やりがいや大切なこと、向いている人など、上野の「ことりカフェ」で働くアルバイトのUさんにリアルな話を聞いてみました。
仕事で大切なのは、鳥たちが健康で快適に過ごせるよう気配りできること
――鳥たちってこんなにカラフルでキレイなんですね! 羽の美しさや目がクリクリ動いていて見ていて飽きません!
Uさん「“ずっと見ていられる”とおっしゃるお客様は多いです。鳥は表情がないなんて言われますけれど、そんなことありません。表情豊かですし、一羽一羽、性格が違いますし、見ていて飽きないと思います」
――話しているだけで、Uさんから鳥愛が伝わってくるのですが、やっぱり鳥が好きでバイトを始めたのですか?
Uさん「はい。子どもの頃からセキセイインコと文鳥を飼っています。今は獣医学部で学んでいて、ゆくゆくは鳥の獣医になりたいと思っています」
――思った以上に鳥好きで驚きました! まさに好きなことをバイトに選んだんですね。でも、それぐらい鳥が好きではないと鳥カフェではバイトできないのでしょうか?
Uさん「鳥が好きなことは大前提ですが、鳥がもっと快適にいられるように考えたり、健康でいられるように工夫をしたりと、好きのその先まで考えて行動したいと思えることが大切だと思います」
開店前は鳥たちのケアが中心。営業中は接客から調理まで幅広く担当
――具体的にどのような仕事をしているのか1日の流れを教えてもらえますか?
Uさん「開店1時間前の10時からバイトスタートです。まずは鳥の部屋とケージの掃除、エサやり、カフェフロアの掃除。実はこの時間が一番忙しくて、限られた時間の中で鳥を傷つけないように掃除しながら、一羽ずつ様子を細かくみて体調をチェックします。鳥は弱い生き物なので、小さい傷が命に関わることもあります。チェックと同時にスタッフ自身が鳥を傷つけないよう注意深く動くことも大切です」
――小さい傷が命とりになるぐらい繊細なんですね。開店後はカフェ業務がメインになるのでしょうか?
Uさん「11時の開店後はオーダーを取ったり、料理を提供したり、レジをしたりなど通常のカフェ業務と、お客さまが鳥と触れ合う際はアテンドも行います。カフェ業務の合間にも鳥同士がケンカをしていたら傷つく恐れがあるので、ケンカを止めたり、爪切りや体重チェックなど、鳥たちのお世話も常にします。そのほかには鳥グッズも販売しているので、陳列やイベントの発送作業なども行います」
――やることがたくさんですね! 閉店後にはどんな作業をされるんですか?
Uさん「閉店後はフロアと鳥の部屋の掃除、エサ補充、水やり、温度管理などをして、夜に鳥たちが過ごしやすい環境を整えてお仕事終了です」
――仕事内容を見ると、カフェ業務より鳥のお世話が多い印象ですね。
Uさん「そうですね。やはりここは鳥がいるカフェなので、生き物のお世話が中心になることが多いと思います。例えば、羽が抜け替わる時期は鳥も体力を使うので体重が減っていないか気にかけたり、抜けた後にキレイに羽が生えてきているか確認するなど、常に鳥たちの動向は気にしていますね。」
鳥にとって居心地の良い環境をつくることが重要
――お話を聞くと忙しそうですが、大変なことはありますか?
Uさん「鳥が大好きなので、大変だと思うことはないんですよ。でも、お客様が鳥と触れ合っているときに、稀に噛んでしまったり、フンをしてしまったりということがあります。生き物ですから気分もありますし、生理現象なので当たり前ですが、お客様にそのことを説明して理解してもらうコミュニケーション能力は必要だと思います」
――そんなときは鳥を怒るのですか?
Uさん「たとえその場で怒っても、鳥はその後も噛むのをやめません。怒るよりも、なぜ、鳥が噛んでしまったのか理由を考えます。かまってあげていなかったとか、体調が悪かったとか理由を探っていって、改善できるように工夫します」
――それが先ほどUさんが言っていた“好きのその先まで考えて行動する”ことなんですね!
Uさん「そうですね。それ以外にも掃除のときに水入れがヌルヌルしていないかチェックしてきちんと洗ったり、フンがこびりついている部分があったらキレイにとったりと、鳥にとって居心地の良い環境をつくることはとても重要です」
「鳥が好き」より一歩先の行動や考えを持っていること
――鳥カフェの仕事での楽しさや、やりがいはどんな時に感じますか?
Uさん「鳥たちのために頭を使っている時間が一番楽しいです。病気にならないようにエサの配合を考えたり、鳥たちそれぞれの性格にあわせたおもちゃを作ったり。かじるのが好きな子にはかじりやすい素材で作りますし、穴を開けるのが好きな子には穴を開けるおもちゃを作ります。それで遊んでいる鳥たちを見たり、以前より元気に動いている姿を見られるとやりがいを感じますね」
――鳥カフェで働くのに向いているのはどんな人だと思いますか?
Uさん「のんびりしていて、落ち着いている人が向いていると思います。鳥は音に敏感ですから、掃除中に大きな音をたてたり、行動が大雑把なタイプだと鳥たちがおびえてしまう可能性がありますので。他には、情報収集が早い方もいいですね。鳥のおもちゃやエサなどもいいものがどんどん出ていますので、アンテナを張ってお店に取り入れる提案をしてくれるような積極性のある方は、ぜひ一緒に働きたいです」
まとめ
鳥カフェでのアルバイトは「鳥が好き」という気持ちだけでなく、もう一歩先を見た行動や考えが必要ということがわかりました。もし、鳥カフェの仕事に興味を持った人は、ぜひ参考にしてみてください。
ことりカフェ上野本店
住所:台東区上野桜木1-8-6
営業時間:11:0018:00
休み:不定休(HPで要確認)
HP:http://kotoricafe.jp/
取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造