巫女バイトの仕事内容とは?大変だったことや良かったことなど口コミと合わせて解説
巫女バイトは主に年末年始に巫女の装束を身に着け、神社でお守りやお札を販売します。ここでは巫女バイトでは具体的にどんな仕事をするのか、どんな人に向いているかなどを、大変だったことや良かったことの口コミと合わせて紹介します。
巫女バイトとは
巫女バイトとは、白衣、緋袴といった巫女装束を身に着けて、神社で参拝客に対してお守りやお札などを販売するアルバイトです。伝統的に女性のみが行える仕事で、主に年末からお正月にかけての短期間に働くことが多いでしょう。神社でご奉仕する神聖な仕事であり、経験しておけば日本の伝統的な作法を身につけることもできます。
バイトではなく「助勤」「助務」と呼ばれる
巫女バイトは神社ではバイトとはいわずに、「助勤」あるいは「助務」といいます。日本の伝統的な職種であり、神社という神聖な場所で行われる仕事であるため、アルバイトやバイトといった言葉はふさわしくないという考え方もあるようです。また、神社ではお守りなどを販売する際も、販売ではなく授与、あるいはお授けするといった言葉が使われています。
巫女バイトの仕事内容
仕事の内容は、神社に参拝してくる人々に、お守りやお札を販売することです。絵馬などの販売も行います。他に、案内所や御神酒所での仕事をしたり、参拝客に甘酒をふるまったりといった仕事につくこともあります。年始は昇殿祈祷にくる参拝客もあるため、神職のお手伝いをする場合もあります。神社は、年末年始が一番忙しい時期であるため、巫女バイトも正月に働くことがメインとなります。大晦日から元旦にかけては深夜の仕事もあるため、18歳以上でなければ応募できないという年齢制限がある場合も多いです。
募集時期や勤務時間は?
年末年始の巫女バイトは、早いところで9月末頃から募集が始まり、10~11月に面接、11~12月ごろに説明会という流れになります。年末年始の勤務時間(奉仕時間)は、基本的には朝の8時くらいから夕方6時くらいまで、休憩をはさんで8時間程度です。ただし、大晦日から元日にかけては深夜にも参拝客があるため、24時間交代制となります。アルバイトの期間としては、早いところで12月28日から1月3日ころまで。遅い場合は12月31日の夜に集合し、1月3日ころまでという場合が多いでしょう。なかには1月の7日ころまで、あるいは1月中旬ころまでといった場合もあります。仕事はお札や絵馬、お守りの販売がメインとなります。
給料はどのくらい?
アルバイトの給料(奉仕料)は、神社により時給、または日給で支払われます。時給であれば1,100円前後、日給の場合は8,000円~10,000円が目安ですが、神社の規模、あるいは地域差によって、金額に差が出る傾向があります。神様へのご奉仕といった面もあるため、金額が決して高くない場合もありますが、日本の伝統的な作法を身につけられるなど、お金には代えられない経験ができるという利点があります。
巫女バイトのきつい・大変なこと<口コミ・評判>
実際にどんなところがきつくて大変だったのか、巫女バイトを経験した先輩たちの口コミを紹介します。
立ちっぱなし・寒さなど身体がきつい
巫女バイトは年末年始の寒い時期に勤務する上に、勤務時間も朝から夕方までとハードです。白衣に袴、足袋、草履で一日立ちっぱなしのことも多いようで、冬の寒さと立ち仕事の大変さを口にする人が多くいました。
「休憩があるとはいえ、足袋と草履で8時間ほど立ちっぱなしだったので、終盤は足ががくがくしていました」(19歳/大学2年生/女性)
「夜勤務だと寒さがしんどいです。袴の下に着られるものも限られているし、指先足先は特に寒いです」(22歳/大学4年生/女性)
「休憩の時間になるまでずっと同じところにいました。ずっと立っているか、正座で座っているかどちらかのためつらかったです」(20歳/大学2年生/女性)
深夜の勤務が眠くなりきつい
大晦日から元旦にかけて深夜も参拝者が訪れるため、バイトも24時間交代制になります。深夜の眠気と、参拝者が多さからくる忙しさで、疲れるといった声が多数ありました。
「12月31日から元旦にかけては夜勤が長時間のため疲れるかもしれませんが、年越しを神社で過ごせます」(22歳/大学4年生/女性)
「夜の助勤だったため、仕事の途中から眠気で頭が働かなくなりました」(22歳/大学4年生/女性)
「夜通し働くため眠いです。また、ガスヒーターが近くにあって目が痛くなりました」(22歳/大学1年生/女性)
礼儀作法やマナーなど覚えることが多い
神社ならではの礼儀作法やマナー、決まり事があります。一般的な接客とは言葉遣いも異なり、「いらっしゃいませ」ではなく「ようこそお参りくださいました」、お金をいただくときには「〇円お納めください」など、巫女特有の表現を覚える必要があります。
「礼儀や作法を正しく行わなければならないのが大変でした。身だしなみも髪の毛や爪の規定があるためその期間はカラーやネイルができません」(22歳/大学4年生/女性)
「参拝客の層が高めなのもあり、作法に関して指摘をされることがありました」(20歳/大学2年生/女性)
年末年始は参拝客が多く忙しい
年末年始は参拝客が多く、1年の中でも最も忙しい時期です。お守りやお札など授与品を購入する人も多く、休む暇がないほど忙しくて大変だったという声が多く挙がっていました。
「正月の1日、2日は参拝者がとても多く、休む時がない場合があるのでキツイと感じます」(22歳/大学4年生/女性)
「クレーマーは少ないですが、年末年始は人がたくさん来て授与所(お札などを売る場所)も混むので、計算や対応を急がなくてはと気持ちが焦る面がありました」(19歳/大学2年生/女性)
「正月は神社にとって最も重要な時期であり、参拝客も多く忙しいので、雰囲気がピリピリしており、先輩などから些細なことで怒られることがありました。」(20歳/大学1年生/女性)
巫女バイトの良かったこと<口コミ・評判>
次に、巫女バイトをして良かったこと、勉強になったことなど、バイト経験者の口コミを紹介します。
マナーや礼儀作法を学べた
巫女としてのお辞儀の仕方や装束を身に着けている際の座り方、和装のときの歩き方などの作法を学べることは貴重な経験で、勉強になったと答えた人が多数いました。
「丁寧な言葉遣いや行動が自然と身につくところ。また、色々な方がいらっしゃるので臨機応変に対応する力が身に付きました」(19歳/大学1年生/女性)
「祈祷の際の作法や、神様に仕える身としての言葉遣いなどを知ることができます」(20歳/大学1年生/女性)
「人とのコミュニケーションのとり方や接し方、言葉遣い、礼儀のほか、神社の巫女として使わなければならない言葉を学びました」(22歳/大学4年生/女性)
神社やお守りについて勉強になった
巫女バイトは、普段触れられない世界を知ることができます。神様に関する知識のほかに、お守りやお札などの種類や意味なども自然に覚えることができるようです。
「神社や祀られている神様の知識が増えます。お守りの渡し方やお金の呼び方など神社特有のルールがあり、普段とは違う神聖な世界に触れることができました」(19歳/大学2年生/女性)
「日本文化に触れることができ、知識と教養が養えます。さまざまな場面で話題作りに使えます」(19歳/大学2年生/女性)
「祈願に沿ったお守りを一緒に考えたり、最近起きたことなどを参拝時にお話しされる方がいたりと、いろいろな人と話すことができて楽しいです」(19歳/大学1年生/女性)
巫女の装束で神聖な場で働けた
巫女バイトは、普段は着ることのない紅白の装束を身に着けて、神聖な神社で働くことができます。憧れの装束を身に着けることができて嬉しかったという声も多かったです。
「憧れだった巫女の装束が着られて嬉しかったです。巫女の姿で案内をしていると、素敵ですねと言ってもらえました」(21歳/大学3年生/女性)
「普段の参拝では立ち入れないような場所に入ることができたり、普段はお会いできない宮司さんのお話を伺えて面白かったです」(22歳/大学4年生/女性)
「巫女さんの装束や髪飾りを身に着けることができました。漫画やアニメの影響で衣装に憧れていたので、着られたときは嬉しかったです」(22歳/大学4年生/女性)
参拝客のマナーがよく、穏やかな雰囲気で働ける
神社という神聖な場所なので、穏やかな気持ちで参拝する人が多く、クレームを言う人などはあまりいないようです。バイトする側も神様にご奉仕するという気持ちをもって仕事に向き合うため、和やかに働くことができます。
「神社という場所柄か参拝客層もよいので、クレーム対応や難しいお客さんが来ることはない点で楽でした」(22歳/大学4年生/女性)
「神社にはゆったりとした雰囲気が漂っているため、お客様に急かされたり、うるさく何かを言われることがありません。自分のペースで仕事をすることができます」(20歳/大学2年生/女性)
どんな人に向いている?
巫女のバイトは、参拝客を相手にする仕事であるため、爽やかな笑顔で応対できるなど、人と接することが好きな人に向いているといえるでしょう。また神聖な仕事であり、神社独特の作法を身につけるためにも、何事にも真面目で誠実に取り組む姿勢が大切となります。接客、販売をするわけですから、素早く金額を計算する、てきぱきと動くといった能力も必要となります。暖房が効いている販売所で働くこともありますが、場合によっては寒い中、一日中、接客をしなければならないということも考えられます。そのため、寒さなどに対しての我慢強さも必要です。
どんなスキルが身につく?
神社で巫女のバイトをすれば、伝統的な日本の作法を身につけることができます。なかには、事前に研修を実施してくれる神社もあります。お辞儀の仕方や座り方、歩き方などさまざまな作法を学ぶことができるでしょう。神社について、神道について教えを受けることもあり、一般の人ではなかなか学ぶことのできない貴重な知識も得られます。また、多くの参拝客にてきぱきと接することで、コミュニケーション能力や臨機応変に対応する力も身につきます。
巫女バイトの探し方・募集開始時期
年末年始の巫女の募集は早ければ8月ころから、遅くとも10月ころから開始されている場合が多いです。巫女バイトをしたいと思った人は、なるべく早いタイミングで応募した方が採用に近づきます。探し方は、神社のホームページのほか、アルバイトの求人サイトやアプリに募集が出るので、検索してみるとよいでしょう。
勤務するときに気をつけることは?
面接時と同様、巫女バイトの勤務中も、清潔感が大切です。着慣れていない巫女装束ですが、襟元や髪などが乱れないように注意してください。真冬の勤務時は、想像以上に寒いことも考えられます。さらに深夜の仕事になる可能性もあるため、防寒対策は万全にしておきましょう。肌着は防寒機能のあるものにし、スパッツを身に着けたり、カイロを準備しておくといいでしょう。また、勤務中は言葉遣いにも注意が必要です。一般の販売員のバイトとは違うため、「お買いあげありがとうございます」といった商売言葉は使えません。神様にお使えするという立場上、「ようこそお参りくださいました」など、神職独特の言い回しをする必要があります。たとえ近親者や身近な人が来たとしても、神様にご奉仕している仕事中であるということを忘れずに、正しい言葉遣いをするようにしましょう。
2024年1月 大学生アルバイト調査/N=1575/調査企画リクルート/調査協力マクロミル
※更新履歴:
2017年5月22日、2021年11月1日、2023年10月24日、2024年10月1日