ベビーシッターになるには?仕事内容から適性、資格、面接対策まで
保護者に代わって子供の世話をするベビーシッター。自分の子育て経験を活かして働いてみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
ただし、ひと口にベビーシッターといっても仕事内容はさまざまで、子供の世話だけをすれば良いわけではなく、保護者の教育方針に基づいたしつけや知育を行わなければならないこともあります。
この記事では、ベビーシッターになる方法から詳しい仕事内容、働く上での注意点、適性や面接のポイントなどをご紹介します。
ベビーシッターの主な仕事内容と注意点
初めにベビーシッターの仕事内容を確認しておきましょう。子供の世話だけでなく、家事全般を任されることもあります。
仕事内容
ベビーシッターの仕事内容は、依頼主である保護者に代わって子供の世話をすることです。「シッター」には「世話をする人、付き添う人」という意味があり、保護者が仕事で忙しいなど何らかの事情があって子供の面倒を十分に見られないときに手助けをします。
例えば、共働き世帯で子供が保育園に入れずに待機児童となっているケースや、同じく共働き世帯で子供が病気で保育園を休んだとき、ほかには保護者が入院したり体調不良に陥ったりして子供の面倒が見られないときなどにベビーシッターが利用されます。
仕事場は保護者の自宅のほか、結婚式場・イベント会場・病院などに設置されている託児施設ということもあります。
子供の世話をするにあたっては、しつけに関する保護者のこだわりや教育方針に従うことが基本です。したがって、自分に子育て経験があったり、保護者の教育方針に違和感を覚えたりする場合でも、勝手な判断で独自のしつけを行うことはできません。例えば、保護者の要望が、絵本の読み聞かせやパズル、積み木といった知育面を重視してほしいということであれば、その点に十分配慮して育てる必要があります。
また契約内容によっては、子育てだけでなく、掃除や買い物、食事の支度といった家事代行が仕事に含まれることもあります。
注意点
最も注意を払う必要があるのは、子供の安全です。屋外での事故はもちろん、室内にもハサミや刃物など、触れると危ない道具があります。子供の様子に常に気を配り、目を離さないだけでなく、体調の変化をこまめに把握して、病気や事故・事件など予測困難な事態が発生するのを未然に防ぐことが求められます。
また、保護者の自宅に出向いて世話をする場合は、床や壁、家具・家電を汚したり傷つけたりしないように気をつけることも大切です。
とはいえ、十分に注意していても、子供にケガをさせたり、調度品を傷つけてしまったりするおそれがあります。そうした事態を想定したベビーシッター向けの対人・対物賠償の保険商品が販売されています。ベビーシッターを派遣する会社に登録している場合は、会社で加入するケースが一般的ですが、依頼主との直接契約の場合は個人での加入を検討したほうが良いでしょう。
ベビーシッターになるには
次に、ベビーシッターになる方法をお伝えします。採用に有利になる可能性のある資格もありますので、併せてご説明します。
ベビーシッターサービスを手掛ける会社に登録する
ベビーシッターとして仕事を始めやすいのは、ベビーシッター派遣サービスを提供している会社に登録することです。20~70代まで幅広い世代が活躍しているので、年齢についてはあまり気にしなくてもいいでしょう。
募集の多くはパートやアルバイトで、中には週1日、1日3時間程度から働けるところもあります。自分のライフスタイルに合わせて勤務できる会社を、Web上の求人サイトなどを利用して探してみましょう。
採用面接では、子供の世話をするという仕事の性質上、子育て経験の有無を問われることがあります。保護者の中には、子供の世話だけでなく、音楽やお絵かき、語学などの指導を希望する人もいます。そうした保育とおけいこの両方を行うサービスは「保けいこ」と呼ばれて、注目されています。そのため、音楽、美術、語学などの特技を持っていると、採用面で有利に働く可能性があります。
採用で有利になる可能性がある資格とは
ベビーシッターになるのに必須の資格はなく、無資格でも未経験でも働くことは可能です。ただし必須の資格はなくても、取得していると採用面で有利に働く可能性のある資格や免許があります。国家資格の保育士や学校教育法に基づく幼稚園教員の免許、または認定ベビーシッターです。
認定ベビーシッターとは、「公益社団法人 全国保育サービス協会」が運用している資格認定制度で、「ベビーシッター資格認定試験」に合格した人に与えられます。
ほかにも、ベビーシッター養成講座を設置しているスクールもあるので、受講して知識を得ておくとプラス評価につながることもあるでしょう。
先に紹介したとおり、ベビーシッターの募集の多くはアルバイト・パートで募集されており、実際に大学生も多く活躍しています。ベビーシッター派遣サービス会社のなかには、大学生でも参加できる説明会を開催している会社もあります。また、働き始める前に研修が設けられていたり、や適性をはかるテストが準備されている場合もあります。未経験で不安がある人は、こうした募集を優先して探すのも手です。
ベビーシッターの適性と将来性
次に、ベビーシッターに向いている人の特徴と将来性についてお伝えします。少子化が進む日本で、ベビーシッターの需要は近い将来、どうなると考えられているのでしょうか。
ベビーシッターに向いている人
子供の世話をする仕事なので、子供好きであることは第一条件です。ただし、依頼主の大切な子供を預かり保育するわけですから、強い責任感とプロ意識、子供の様子を常に注意してケガや事故を未然に防ぐ観察力を持ち合わせていることも重要です。コミュニケーション力も必要なスキルのひとつと言えます。気持ち良く仕事をするためには、子供とのコミュニケーションだけでなく、保護者とも良好な関係を築くことが大切です。また、たばこを吸わないことを条件にしているところもあします。
ベビーシッターの将来性
少子化で子供の数は減っていますが、核家族や共働き世帯が増えていることにより、育児サポートのできる人が求められる傾向にあります。保育園の空きがなくて入れなかった待機児童を持つ家庭にとっても、ベビーシッターは頼りになる存在です。そのため、将来性は十分にあると考えて良いでしょう。
さらに、映画館や劇場などの娯楽施設、ショッピングモール、スポーツジムなどで子供を預かるサービスを導入する動きもあり、そうした点も追い風ととらえることができます。
ベビーシッターの採用面接で気をつけること
ベビーシッターの採用面接におけるポイントをお伝えします。仕事の特性をよく理解した上で、事前に対策しておくことが大切です。
身だしなみや言動
まずチェックされるのが、安心して子供を任せられるかどうかという点です。清潔感のある服装と髪型でまとめ、優しく明るい笑顔を意識しましょう。言葉遣いや立ち居振る舞いについても注意が必要です。
面接で伝える内容
志望動機は必ず聞かれることのひとつですが、「子供が好きだから」という理由だけでは不十分です。自分の育児や友人または近所の子供を預かった経験、弟妹の面倒を見た経験、子供に関するイベントや施設でのボランティアなど、アピールできることを必ずプラスしましょう。保育士の資格や幼稚園教員の免許はもちろん、音楽や美術・語学など保けいこに活かせる特技を持っていれば、採用担当者に注目されやすくなるでしょう。
その上で、安全面に十分配慮しつつ、責任を持って子供の世話ができるという姿勢や熱意を伝えることが大切です。
確認しておくこと
面接では、仕事内容や条件についてしっかり確認しましょう。子供の世話だけのつもりだったのに、家事代行などの仕事も業務に含まれていたという行き違いがないよう注意する必要があります。
さらに、具体的な勤務時間と時給、残業や昇給制度の有無も確認しておくと安心です。お金のことは聞きにくい面もありますが、だからこそ曖昧にせず、わからない点は面接で尋ねておくと、勤務開始後のトラブルを防ぐことができます。
「子育て経験」+「特技」をアピールしてベビーシッターに!
ベビーシッターは、人様の子供を預かり保育するという大きな責任を伴う仕事です。安全面に最大限配慮しつつ、心身ともに健全な成長を促すという重要な役割を担います。ベビーシッターを目指す場合は、自分自身の子育て経験、ピアノや語学、水泳などの特技、保育士などの勤務経験がある人は資格所有者である点をアピールすると良いでしょう。
中には週1日の勤務からOKというところもあります。「子育ては得意だから任せて!」「子供が大きくなったので、育児経験を活かして働きたい」という人は、ベビーシッターの仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
※2018年3月13日公開の記事を更新しました。