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2021年03月02日

平井美葉(BEYOOOOONDS)インタビュー 「最善を尽くしたうえで挫折しても、それが活きるタイミングは必ず来ます」

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townworkハロー!プロジェクトの末っ子グループで、寸劇が入るパフォーマンスやコミカルな振りで独自の世界を築くBEYOOOOONDS(ビヨーンズ)。12人のメンバーの中でもダンス力が目につくのが平井美葉さん。2ndシングル発売を前に、表現者志向からのアイドル活動を語ってもらいました。

 

クラシックバレエ以外のダンスは独学でした

――美葉さんのルーツとして、クラシックバレエを4歳から14年やっていたそうですが、どういう流れで始めたんですか?

もともと姉が習っていたんです。母がレッスンに付き添って、小さい私を家に置いて行けないから連れてきてもらって、記憶にはないんですけど「やりたい」と言ったらしくて。

それで習わせてもらったんですけど、当時はすごい恥ずかしがり屋で、1ヵ月くらいレッスン室に入って行けませんでした。でも、バレエの先生が母に「自分でタイミングを決める子だから、もうすぐ入ってくると思います」と言っていたそうです。その何日か後に、本当にレッスン室に入って行ったと聞きました。

――ヒップホップはいつから始めたんですか?

大学生になってから友だちとサークルに入って、BEYOOOOONDSに加入する直前まで、半年だけやっていました。しっかり習ったのはクラシックバレエだけです。他のジャンルは大好きなダンサーの菅原小春さんの作った振りをマネしたり、独学で練習しました。

 

宝塚に落ちてハロプロで表現者になろうと決意

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townwork――美葉さんはアイドルになりたいというより、ハロー!プロジェクトに入りたかったんですよね?

そうです。もともと宝塚が好きで、ステージに立つ表現者になりたいと思っていたのと並行して、姉にモーニング娘。さんとかハロー!プロジェクトの映像をいろいろ観させてもらって。「Help me!!」のMVはすごく印象に残っています。ハロプロのアイドルは歌やダンスにお芝居とオールマイティで、かつハイクオリティなパフォーマンスを見せるのがカッコイイと思っていました。

タカラジェンヌにすごく憧れていて、高1のとき、宝塚音楽学校を受験したら、落ちてしまいました。受験のチャンスはあと何度かありましたけど、ずっと目指してきてダメだったから、心がポッキリ折れて、将来の夢がなくなって。そんな頃に、モーニング娘。さんの13期オーディションが開催されたんです。

モーニング娘。さんのライブ映像を観て、「私もこういうダンスをしたい」と思っていて、想像しているだけでは一生このまま。とりあえず行動に移そうと応募しました。

――でも、そのオーディションにハロプロ20周年の新メンバーオーディションと、続けて不合格。

応募資格がだいたい17歳くらいまでで、私は2回目に落ちたときにもう17歳で、諦めていました。でも、次の年の“ONLY YOU”オーディションは22歳までOKで、こんなチャンスはもうないなと。募集要項には「誰にも負けない特技がある」と書いてあったので、ダンス推しで行こうと思って受けました。

――見事に合格したわけですが、ハロプロでのアイドルダンスは、それまでやってきたダンスと別ものだったわけですよね?

戸惑いがすごく大きかったです。クラシックバレエにヒップホップと、アイドルらしい要素は通ってこない人生だったので(笑)。そもそもハロプロのダンスはひとつのジャンルになっていて、私はダンスが得意ということで入ったのに、全然踊れませんでした。

一番独特だったのはリズムの取り方。研修生出身のメンバーは小さい頃から身につけたもので、簡単にマネできなくて。その差を目の当たりにして挫折感というか、「本当にここに来て良かったのか……」という気持ちが最初はありました。

 

寸劇は恥ずかしさを振り切って強みとして極めようと

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townwork――BEYOOOOODSのメジャーデビュー曲は寸劇から入る「眼鏡の男の子」になりました。今回のトリプルA面シングルの1曲「こんなハズジャナカッター!」の歌詞にある通り、「まさか」という気持ちにもなりました?

それはありました(笑)。私が加入したとき、すでにあった曲ですけど、自分がパフォーマンスをする姿が全然想像できなくて、まさに「どこに向かってるの?」という。

でも、結成当時からいた9人はお芝居も全力でやっていて。「恥ずかしがっているほうが恥ずかしい」と気づいてからは、振り切って一生懸命やりました。ファンの方にも「面白いね」と評価していただくようになって、「これが私たちの強みだから極めていこう」と。前向きになって、今に至る感じです。

――デビューシングル収録の「ニッポンノD・N・A!」で、冒頭の煽りを担当したのも大きかったのでは?

自分の最初の転機でした。その「Hey YO!」のパートはメンバー全員が録って、ディレクターさんが担当を決めたんです。私はヒップホップに触れていた期間があって、ラップ調の言い回しはハロプロのラップとはまた別ですけど、あえてヒップホップ調でやってみたら、私のパートになりました。おこがましい言い方ですけど、新しい風を吹かせられたかなと。

――今までのハロプロにない、低音ボイスのカッコイイ煽りでした。

そこはちょっと自信になったというか。私はハロプロでは珍しく大学生になってから入りましたけど、それまで普通に暮らしていて得られた音楽の知識を、活かせたかなと思います。

 

高音を出せるようにしたら歌でも認められて

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townwork――美葉さんはダンスを武器にBEYOOOOODSに加入しつつ、歌のスキルも爆上げしました。

宝塚が好きで声楽も習ってましたけど、地声の音域が狭すぎて高音が出なくて。レコーディングで声がひっくり返りまくって、恥ずかしい思いもしました。ライブでも他のメンバーの足を引っ張ってしまい、引け目もありました。

でも、「平井は低音がすごく良いから、高音を伸ばしたら無敵だよ」という言葉をいただいて、自分の声を武器と思えるようになりました。低音は生まれ持った声帯の形で決まるけど、高音は努力次第で変わるとも聞いて、頑張るしかないと練習しました。

去年の夏、ソロでバラードをカバーするハロプロのコンサートで歌った「海の声」がYouTubeで動画化されて、BEYOOOOONDSで最初に選ばれたことに感動しました。「ダンスで入ったけど歌も認めてもらえた」という嬉しさがありました。

――音域を広げるために、特別な練習をしたんですか?

そういう訓練もありますけど、舞台の期間に意識したことがありました。1日2~3回の公演前に毎回、その日何回めでも必ず発声練習をし直したんです。家で歌を練習するときも、「これは体のどこを効かせているのか」「何のためにやるのか」と目的をはっきり意識しました。それが成果に繋がったと思います。

 

アイドルはファンの方の活力になる存在であるべき

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townwork――表現者志向でアイドルになって、握手会とかのイベントはどう捉えました?

最初は自分なんかにファンはいないと思っていたので、すごく緊張しました。それが、各地で「美葉ちゃんを応援してるよ」と言っていただくと、「私がいて良かったんだ」という気持ちになりましたし、だからこそ頑張らなきゃいけないとも思いました。

アイドルはファンの方を元気にして、毎日の活力になる存在であるべきだと、私は考えています。それに、私はバイトをしていたことがあって、ファンの方たちがイベントに参加するために掛けてくださった労力もわかるので、それに見合う接し方をしていきたくて。そのための準備はしておきます。

――これまでの活動でピンチだったことはありますか?

去年の春に初の単独ライブハウスツアーと中野サンプラザでの初のホールコンサートが決まっていたのが、ご時世で中止になってしまって……。衣装も合わせて、ゲネプロまで終わっていたんです。前の年の初の単独ライブが、ファンの方から「こんな面白いライブは観たことない」と好評でしたけど、さらに上回るものを作り上げていました。それができなくなってしまった喪失感と、次いつできるかわからない不安は大きかったです。

自粛期間にメンバーと会えない状況も辛かったんですけど、YouTubeで『お家でもびよんず学校』という企画を始めました。1人1人が特技や趣味の授業をするということで、撮影や編集もしたので忙しく過ごせて。おかげでそこまでふさぎ込みませんでした。

私はクラシックバレエの授業をして、14年やってきて自分の一部になったものを、皆さんと共有できて楽しかったです。「家でやってみる」とか「脚が攣りそうになった」とかコメントしてくださるのを見て、「一緒に自粛期間を頑張っているんだ」という気持ちになれて良かったと思います。

 

「からい!」という表情も振りの一部です(笑)

平井美葉 BEYOOOOONDS インタビュー タウンワークマガジン townwork――トリプルA面の2ndシングルの「激辛LOVE」では、ボリウッドふうのダンスが入ってます。

BEYOOOOONDSのダンスはガニ股で(笑)、ユニークな振りが多いんですけど、「激辛LOVE」では表情も振りとして入ってます。振り入れのとき、「ここでからい顔をして」と言われて、みんな「エッ?」となりました(笑)。そこからいきなり真顔になったり、超笑顔になったり。おかしいことを全力でやるのもBEYOOOOONDSの持ち味なので、みんな全力で辛い顔をしています(笑)。

――「Now Now Ningen」では「人間という熟語は『人の間』と書きます」から、また台詞を担当しています。

台詞に選んでいただく率は高いと思いますけど、この曲ではファンの方に「説得力のある声」と言ってもらいました。宝塚の男役に憧れていたので、低い声でしっかり届けるのに役立ったかなと。

この楽曲は応援ソングでもあって、<きちんと手を洗ってるかー?!>とか現代の状況にも合っていて。そういうことを呼び掛けるパートをいただいて、届けなきゃいけない使命感がありました。

――美葉さんは大晦日のブログで「感染を恐れるあまり人を傷つけるような態度をとってしまうのは悲しい」と書いていました。そういうことと通じるメッセージもありますね。

確かにそうですね。このご時世で、いろいろな考え方がぶつかり合ったりすると思いますけど、そういうことをするべきではなくて。またマスクを取って生活できる日々を願って、「今できることを頑張ろう」という曲でもあるかなと思います。

 

どんな道に進んでも偶然であって必然

――美葉さんは作詞作曲、ボールペン画、写真などの趣味を持っていますが、個人での仕事に繋げようとも思っていますか?

ずっと考えているのは、ハロプロメンバーの写真を撮って、“photo by 平井美葉”の1冊にできればいいなと。作詞作曲は勉強中ですけど、私が曲を作るのは追い込まれたときや落ち込んだときなんです(笑)。気持ちが大きく揺れたとき、吐き出す方法として作詞作曲をしているので、「こんな感情がある」と他の方と共有したくて。でも、アウトプットしたらスッキリしてしまうので、未完成の曲がいっぱいあります(笑)。

――いつか世に出してもらうとして、最後に美葉さんが夢を叶える秘訣だと思うことを教えてください。

私は宝塚に落ちて、ハロプロのオーディションも2回落ちましたけど、すべてはタイミングだと思うんです。そう言うと、都合のいい言葉に聞こえてしまうかもしれませんけど、自分の最善を尽くしたうえで、良いタイミングを待つのが大事というか。

夢を叶えるためには常に最善を尽くすべき。でも、自分が願うタイミングで良い結果が出なくても焦らない。挫折や失敗は辛くて苦しいけど、進んで行った先に、それが活きるタイミングが必ずあるものだと思います。どんな道に進んでも偶然であって必然だと、すごく感じます。

 

■Profile
平井美葉
(ひらい・みよ)

1999年12月11日生まれ。東京都出身。
2018年に「ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディション」に合格して、BEYOOOOONDSに加入。2019年にシングル「眼鏡の男の子/ニッポンノD・N・A!/Go Waist」でメジャーデビュー。同年の日本レコード大賞で最優秀新人賞。2021年にグループ内ユニットSeasoningSのリーダーに。『ハロプロダンス学園 シーズン4』(CSダンスチャンネル by エンタメ~テレ)に出演中。舞台『演劇女子部「眠れる森のビヨ」』(4月16~25日/こくみん共済 coop ホール スペース・ゼロ)に出演。

◆平井美葉 OFFICIAL Blog:https://ameblo.jp/beyooooonds/theme-10108019356.html
◆BEYOOOOONDS OFFICIAL Twitter:@BEYOOOOONDS_
◆BEYOOOOONDS OFFICIAL Instagram:@beyooooonds_official
◆BEYOOOOONDS OFFICIAL SITE:http://www.helloproject.com/beyooooonds/

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河野英喜 取材・文:斉藤貴志

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