廣瀬大介インタビュー1 ~バトンでつなぐ「明日のつくり方」~
―前回ゲストの植田圭輔さんから「舞台『ヘタリア』で共演する植田さんに期待することは?」というメッセージをお預りしていますがいかがですか?
安定感! ゆるぎない安定感ですね(笑)。彼、大阪人でけっこうフランクな感じなんですけど、今度の『ヘタリア』で演じるのはそういった関西色を出さない役柄なんです。
動きも制限されますし、『ヘタリア』の直前の作品ではめちゃくちゃコメディな役をされているはずなので、もしかするとその影響もあるかもしれない。でも、どんな状況の中でも植田さんのお芝居には安定感があるなと思うんです。
二人っきりのシーンになっても植田さんとなら安心するし、心強い。一緒にやってる身としては、そういうところに期待しています。
どんな環境でも、うまくいいところを見せなきゃいけない
―廣瀬さんは今、どのような生活をされていますか?
それはあんまり面白味のない答えになっちゃうなぁ(笑)。稽古がある時は、稽古行って帰って、稽古行って帰って…の毎日です。皆さん舞台の人はよく飲みに行くものだと思われているかもしれませんが、若い男が集まってドンチャン騒いで、みたいな。でも実際はそんなこともなく、基本あんまり友達もいないから(笑)自宅でゲームをしています。
あとは、家に帰る途中、電車に揺られながら1日の反省をすることが日課ですね。今日みたいな撮影でも、あそこが思うようにいかなかったなぁ、とか、ちょっとご迷惑かけてしまったなぁ、とか。頭の中で浮かべて「はぁ…。直そう!」って思うんです。
舞台に出るようになるまではそんなことしなかったんですけど、この仕事って、見えないところで関わっている人数が他の仕事と全然違うじゃないですか。だから一瞬の仕事の出来によって、今日だけの関係になっちゃうかもしれないし、今後もお世話になるかもわからない。はじめましてっていう環境の中で、うまくいいところを見せられなきゃいけないのに、今日はできなかったって反省することが多くて。
―自分自身に厳しいんですね。
毎日洗いざらい、反省点を絞り出しています。で、反省した分、忘れる。そのことはなかったことにしようって(笑)。
反省を飲み込むと絶対引きずっちゃうんですよ。それで、その引きずった反省が次につながるかっていうと、僕の場合はつながらないタイプ。だからこれは、忘れた方が次が良くなるかもしれないな、と。
でも1回考えると、大抵の場合ちょっと残ってたりするじゃないですか。忘れるけど自然に体が覚えている、みたいな感じ。だからポジティブにとらえて、しっかり頭の中で復唱して、体に思い込ませているつもりです。
役者になれるとは思ってもいなかった
―子どもの頃から芸能界を意識されていたのでしょうか。
卒業文集には、将来の夢は医者って書いてあります(笑)。でも頭がいいわけではなかったんですよ。ただ、お医者さんはお金がたくさんもらえるって聞いたから(笑)。
夢のない話かもしれませんが、芸能界に入ったのはなりゆきだったんです。高校生の頃は大学に行くつもりでいたんですが、奨学金の手続きもすべて終わる頃になって、事情で大学に行かれなくなってしまって。突然、進路が見えなくなっちゃったんです。
他にやることもないし、とりあえず大学に行くために1年間お金を貯めようかなって、それまでやっていた焼肉屋のアルバイトに加えて、エキストラの登録をしたのがきっかけ。
当時はエキストラって、芸能人に会えて、お金ももらえて、なんてラッキーな仕事なんだ!って思ってました(笑)。
それでエキストラの面接を受けたその日に、エキストラじゃなくて役者をやってみないかと声をかけられたんです。あの時大学に行っていたら、今役者をやってないかもしれない。そうと思うとちょっと不思議な感じですね。
―もともと芸能界に興味があったわけではないんですね。
興味ないですよ!だってなれると思ってないから、エキストラ受けたんです。芸能界に入れると思ってたら、役者のオーディションを受けにいってると思いますよ。
映画のような芸能界入りのエピソードをお持ちの廣瀬さん。反省が日課という廣瀬さんのプロ意識の高さは、次回ご紹介するアルバイトのお話にも共通するのかも!?こちらもお楽しみに!
廣瀬大介 Daisuke Hirose
1991年6月3日、東京都生まれ。2010年gunjiPRODUCE Vol.98『ミュージカル~LOVE~真夏の夜の夢』で俳優デビュー。以降、舞台作品を中心に活動中。主な出演作品はミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、ミュージカル『ヘタリア』~Singin’ in the World~、『大正浪漫探偵譚~君影草の設計書~』、『刀剣乱舞』虚伝燃ゆる本能寺など。
撮影:田形千紘
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