【ママの復職サポート!】仕事を離れて4年。出産前同様に事務職で復職したいけど、どんな資格や準備が必要?
出産を機に退職。子どもも幼稚園に入園したし、そろそろ仕事を始めたい。でも、4年もブランクがあり、パソコンもしばらく使っていない。周りとなじめるか不安だし、私ちゃんとやっていけるかな……。
そんな不安や悩みを抱えながら、復職を目指して求人情報を眺めているママも多いのではないでしょうか。
でも大丈夫! 不安に思っているのは皆同じです。今回は、そんなママ達の不安を少しでも解決するべく、キャリアコンサルタントの小倉 環さんにアドバイスをいただきました。
今回の希望とお悩み
プロフィール:
37歳、子ども1人(幼稚園児)のママ
出産前:事務職(正社員)
ブランク期間:4年
希望:
・子どもが幼稚園に入園したので、週3〜4日、一日数時間で働きたい
・離職前までは事務職。今回も事務職で復職したい
・いずれは正社員事務になりたいけれど、子どもの手が離れるまではパートで働きたい
不安とお悩み:
1. 4年もブランクがあるけど大丈夫? 空白期間はアピールできる?
2. 4年前のPCスキルで通用する? どんな準備をしたらいい?
3. 周囲と馴染めるかな? 特に若い人とちゃんとコミュニケーションがとれるか不安
4. 仕事と家庭の両立はうまくできる? 家事はおろそかにしたくない
ブランクはマイナスではない。子育てで学んだ、察する力や共感する力などは仕事に役立つ
復職したいママにとって、一番の不安は「ブランクがあること」。面接で採用担当者から「ブランクがあるけど大丈夫?」と聞かれたときに、どう答えれば良いのか悩む人も多いですよね。
小倉さんによると、「仕事を離れていた数年間は、遊んでいたわけではなく、家事や育児を頑張られていたわけですから、そこで得たことを堂々と答えればいいんです。例えば、
・相手のしたいことを察する力
・共感する力
・辛抱強く待ち、我慢をする姿勢
など、子育てする中で、仕事にプラスになるたくさんのことを学んだはずです。また、育児サークルや地域のボランティア活動などでグループの運営やイベント企画をしたり、書類作成のお手伝いをした経験があれば、それもアピール材料のひとつ。子育ての合間に本を読んで得たことや、独学で学んだこともアピールできると思いますよ」。子育て期間に一生懸命やっていたことが、仕事をする上でプラスになるのは嬉しいですね。ブランクは決してマイナスではありません。
復職までにパソコンを触っておくと、スムーズに仕事がスタートできる
パソコンについては、「パートであれば入力からスタートすることが多いと思います。復職までに、パソコンを触ったり、マイクロソフトスペシャリストなどの資格にチャレンジをしておくと、スムーズに仕事がスタートできます。表計算を使いこなせたり、グラフ作成、図形作成などが出来るようになっていれば、即戦力の可能性大です」。ゆくゆくは正社員を目指しているなら、仕事の中でスキルアップを心がけ、0からデータベースのフォーマット作成ができると職場で重宝される人材になれると思います。
パソコンスキルのアピール方法としては、「離職前に、エクセル、ワード、パワーポイントなど、具体的にどんな書類作成ができて、どんなスキルが使えるかを伝えられるようにしておくとよいです。また事務職だと業務スピードと正確さも勝負です。1時間にどのくらい書類を作成したり、処理していたのかなどを客観的数字で表したり、正確さを保つために心がけていることなども相手に伝えると、事務処理能力が伝わりやすいですよ」とのこと。
また、事務処理能力だけでなく、職場の人とのコミュニケーションや業務遂行の自分のスタイルを棚卸しをしておくといいと言います。「営業事務なら、何人の部署で何人の営業サポートをしていたか、営業担当者が仕事をしやすいようどんな業務改善をしたのか、周囲とコミュニケーションをとる上で心がけていたことなど、客観的に分かるようにしておくといいですね」。
仕事以外でも、同僚と積極的にコミュニケーションを取ろう
再就職先で、若い同僚に囲まれる場面はよくあります。そんなときは、「まずは指示されたことを確実に対応すること。自分のほうが経験年数はあるかもしれませんが、年齢は下でも相手は上司。最初は着実に仕事をこなし、提案や改善は仕事での信頼を得てからするのがベターです」。
また、「同僚からの信頼を得るためには、日ごろからコミュニケーションをとることを意識して」と小倉さん。仕事上だけでなく、一緒にランチをしたり、雑談をしたりして、話しやすい雰囲気をつくると仕事がしやすくなるそう。こんな場面でも、子育ての中で得たコミュニケーションスキルが活かせそうですね。
家電やネットスーパーに頼ってOK! 家事ストレスはなくして家族の時間を大切に
家事との両立はどうでしょうか。「まず、今までと同じように完璧に家事をこなさなければという考えは手放しましょう。仕事を始めれば、日々バタバタと時間が過ぎていきます。乾燥器や食洗器、掃除ロボットなどの家電に頼ったり、ネットスーパーを利用して家事ストレスをなくすことも大事です。それよりも、家族と一緒に過ごす時間を優先して欲しいですね」。
確かに家事のストレスで家族にあたってしまい、険悪な雰囲気になるのは本末転倒。「人に頼ることは悪いことではありません。むしろ相手が成長する機会と考えて」と小倉さんが言うように、頼れるところは頼り、子どもにも仕事をすることを話して理解してもらうことも、仕事を続ける上で大事なことのようです。
また、夫が忙しいなどで協力が得られない場合でも、仕事をすることに対して理解をしてもらうことが大事だと言います。「ゆくゆくは正社員を目指しているのなら、一時のパートではないことをきちんと話して理解してもらいましょう。就業前に二人で話す場を設け、これからの働き方のイメージ(働く場所や時間、希望する時給や年収など)や、3年後には正社員として働きたいなどの希望を具体的に伝え、その上で心理的にサポートしてほしいことを伝えるといいですね。夫の理解があるとないとでは、家でのストレスが全く違います」。
最後に、「仕事をすると子どもとの時間がおろそかになりがち。就業前も後も、子どもと向き合う時間を意識して作って欲しいですね。また、電話のかけるときも声のトーンやマナーなどを意識して、ビジネスの現場で使えるように練習すると、スムーズに仕事に向かうことができると思います」と話してくれました。
まとめ
ブランクが長いと不安がいくつも重なって動けなくなりがちです。でも、子育て期間は、自分自身の成長の機会だったと自信を持って。小倉さんの言うように、不安を解消するために多少の準備をすれば、スムーズに仕事が始められるはず。働くママのエネルギーは、自分自身にも家族にもプラスになります。「××ちゃんのママ」ではない場所があるって素敵なこと。思い切って新しい環境に飛び込みましょう!

株式会社ハーモニーワークス・代表取締役キャリアコンサルタント・研修講師。仕事と子育て両立ラボ主宰。自身も一男一女の母であり、女性が社会で活躍し、キャリアを形成するための支援・アドバイスを得意とする。若年者のキャリアおよび就職支援、女性活躍推進、ワークライフバランスが専門領域。All About女性のキャリアプランガイド。著書に「働くママ・パパのためのまるごとわかる保育園」がある。
取材、文:荒川文乃