専業主婦が「パートで働きたい」と思ったときに、やるべき5つのこと
専業主婦がパートで働きたいと考えたとき、まず、何からやればいいのでしょうか?この記事では、専業主婦がパートで働く前に考えておきたい5つのことを紹介します。
【目次】
ブランクあり、未経験でも働いている人は多い
総務省の労働力調査によると、2022年の専業主婦の割合は29.9%で、1995年を境に減少しています。パートで働く主婦に実施したタウンワークのアンケートによると、ブランク5年以上を経てパートで働き始めた人は57%、ブランク10年以上は34%にのぼり、出産や育児で数年間家庭に入った主婦が、再びパートとして社会復帰していることが分かります。
パートでの仕事は、一部の専門職を除いては、比較的難しくない業務を担当することが多いです。そのため、未経験OKの募集も多く、直接的な経験がない、ブランクがあっても採用されるチャンスは広くあります。自分の都合にあわせて、まずは無理のない範囲でシフトを組み、徐々に慣らしていくと良いでしょう。
出典:総務省「労働力調査(詳細集計)」2022年
アンケート出典:2023年3月 パート調査/N=2026/調査企画リクルート/調査協力マクロミル
パートで働く前に考えておきたいこと
パートで復帰する前に、仕事を続けるうえでの重視条件の優先順位をつけておくことです。通いやすさ、仕事内容、シフト、子どもの体調不良など、急な欠勤が必要なときの対処法などを洗い出し、どの程度譲れるか、あるいは譲れないかを整理すると良いでしょう。
少しでも不安を解消するために、特に次の5つのことを考えておくと良いです。
2.どんな仕事をしたいか
3.どのくらい稼ぎたいか
4.子どもの預け先
5.家族の理解を得る
勤務場所やシフト条件
勤務場所
家事に育児に忙しい主婦の場合、勤務先はできるだけ自分の生活範囲内にあるほうが何かと便利です。家や子どもの預け先から近いと、通勤に負担になりにくいからです。「近所で働くと知り合いに会うと嫌かも…」という場合でも、バスや電車、車などでも、比較的近くて行きやすい場所にするなど、無理なく通える勤務先を選びましょう。
シフト条件(日数と時間)
シフト希望を考える際、週に何日、何時間くらい働きたいか、理想を先に考えます。次に、平日何日、土日祝日は入れるか、など具体的にしていきます。最後に、「どうしても入れない曜日や時間」「場合によっては相談できる曜日や時間」を整理しておくと、求人を探す際や面接でシフト相談をする際にスムーズです。
ファミレスやファストフード店などではお昼の2時間のみOKのところもあります。まずは自分のできる範囲を明確にすることが大切です。
どんな仕事をしたいか
やりたい仕事
以前からやってみたかった職種、挑戦してみたい仕事にチャレンジしてみれば長続きするはずです。その際、「なぜやりたいのか」を深堀りして考えると、面接のときにアピールポイントとして話せるため、理由を明確にしてメモをしておくのもおすすめです。
経験がある仕事
前職で携わっていたなど、経験がある仕事を選べば面接のときに強みになります。パソコンスキルがある、接客を何年やっていたなど具体的にアピールすれば採用側も安心するはずです。また、経験がある分、仕事内容への不安が軽減するというメリットも。
未経験の仕事
未経験の仕事に応募する場合は、まず「未経験歓迎」となっている職場を探してみましょう。次に、その仕事で自分が役立ちそうな具体的なスキルや得意分野を考えてみて、履歴書や面接時にアピールしてみるといいでしょう。
どのくらい稼ぎたいか
パート代も一定の金額を超えると、税金や社会保険の対象となります。概ね、年収が100万円近くを希望する人は、考慮する必要があります。
扶養範囲内に押さえたいか
サラリーマンの配偶者の社会保険(年金や健康保険)の扶養に入っている人は、扶養範囲内のパート収入に押さえたいかを決めておくのは大切です。会社の規模によっては、月8.8万円、年収106万円相当以上になると、パート先の社会保険への加入義務が発生します。
パート代に税金がかからない範囲にしたいか
パート代などの給与収入は、年間103万円を超えると所得税が、自治体によりますが、93万円程度を超えると住民税がかかります。課税対象は、それぞれの年収上限額を超えた分のみにかかりますが、気になる人は考慮することが必要です。
雇用保険に加入しない範囲にしたいか
31日以上の雇用で週20時間以上のシフトを予定すると、パートでも雇用保険の対象になります。保険料は会社と働く労働者それぞれが払います。1年以上加入すると、退職後、再就職のための保険料が支給されます。
子どもの預け先は大丈夫か
子どもがいる場合、どこに預けるかは事前に考えておくべき最重要事項です。幼稚園や学校に行っている間だけ働くのであれば問題ありませんが、子どもが未就園児の場合、保育園に預けるのか、その際、近所に空きのある保育園はあるのか。また、近くにいる実家や義理両親の家に預けられるのかなど、預け先を確保してからパート先を探すことが必要です。働き始めてから探そうと思っても、急に見つけることは困難です。結局預け先がなく、就業できないとパート先に迷惑をかけることになってしまうので、事前準備は怠らないように。
子どもが幼稚園以上で、学校や幼稚園に行っている間だけ働こうと思っても、実際には夕方までいてほしいと言われることもあります。いざというときに、幼稚園の預かりや小学校の学童保育など、夕方まで預けられる場所を確保しておくと安心です。
子どもが病気にかかってしまったときに休めるのか、休めない職場の場合は、その際の預け先のことも考えておく必要があります。
家族の理解を得られるか
パートは家族の理解なしに働くことは難しいものです。そのためにも家族や周りの理解を得てから働いたほうがスムーズでしょう。もし、夫から反対された場合は、夫が何を不安視しているかを聞いてみるといいでしょう。たとえば「子どもに負担がかかる」であれば「昼間働ける仕事を探す」「休日は多めにとる」など安心材料を用意して話しましょう。気を付けたいのが、「家事がおろそかになるのでは?」と言われたとき。「あなたも家事をやって」と言うと、夫は押し付けられたと思うかもしれないので、「私も頑張るから、たまには協力してね」と前向きに言いましょう。また、「週に何日働くだけで、貯金が○円貯まるよ」など働くことでこんなにメリットがある、ということを伝えると、夫もポジティブに受け止めてくれるかもしれません。
専業主婦から働くのにおすすめのパート
パートで働く主婦に実施したタウンワークのアンケートの中で、ブランク5年以上で就業し働きやすいと感じている人が多い仕事を紹介します。
事務職
過去に事務経験があり、ある程度のPCスキルがあれば、ブランクがあってもチャレンジしやすい職種です。一般事務、営業事務、経理事務などがありますが、さまざまな部署で募集される「一般事務」、会社の事務全般を担当する「総務事務」などが多く、総務で募集する場合は、小規模な会社の場合は経理や人事労務のサポートを兼ねることもあります。平日フルタイムの募集だけでなく、シフト制で週に数日でもOKなどの求人もあり、都合に合わせて働くこともできます。
看護・医療・介護関係
求人数が多く、看護系は資格や経験があればブランクがあっても希望に合う求人を見つけやすいです。介護系の仕事は、未経験でかつ資格が必要ない仕事も多く、その1つである介護スタッフの主な仕事は、利用者の食事、入浴、排せつなどの補助を行います。シフト制で週2~3回勤務や、短時間~フルタイムまで働き方が選択可能な点や、他の職種より時給が高いことが魅力です。
スーパー
スーパーの仕事は、レジ、商品を店頭に並べる品出し、お弁当などの総菜調理の3つの部門に分かれます。大規模店では部門ごとに求人募集があり、小規模店では品出しとレジは兼ねる場合もあります。募集のほとんどが未経験歓迎で、ブランクがあってもチャレンジしやすく、高校生からシニアまで幅広い世代が働いています。シフトは品出しの早朝シフトから夜間シフトまでお店によってさまざまですが、多くの店舗では開店からお昼前後といった、子どもが学校に行っている時間帯のシフトがあるので主婦にとって働きやすいでしょう。
ドラッグストア
ドラッグストアの仕事はレジ業務や接客をはじめ、品出しや商品管理、発注、店内清掃などです。扱うものはコスメや生活用品、医薬品など、日常生活で見慣れた商品が多いので、ブランクがあっても商品知識を覚えやすいでしょう。ほかにも、会社によっては商品を割引価格で購入できるなど、主婦にとって嬉しいメリットもあります。
仕分け・ピッキング・梱包など軽作業
工場や倉庫、配送センターなどで、商品を配送先別に分けていく仕分け、リストや注文書をもとに品物を集め、検品担当や梱包担当に引き渡すピッキング、商品や製品を段ボールや袋に詰めていく梱包などの軽作業は未経験歓迎の募集も多く、人と接する仕事は自信がないという人にもおすすめです。単純作業なので仕事が覚えやすく、シフトの選択肢が広く、求人が比較的多いのも魅力です。
飲食店全般
ファミリーレストラン、カフェ、ファストフードなど飲食店も未経験を募集しているお店が多くあります。主な仕事は、ホールかキッチンを担当します。チェーン店では、マニュアルや研修が整っていたり、シフトもお昼の2時間のみOKなど、家庭と両立しやすい制度があるところもあります。
※初回公開:2019年1月5日、更新履歴:2022年6月3日、2023年5月30日