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2023年06月29日

歩合制とは? 固定給、完全歩合制との違い、メリット・デメリットなど

歩合制 画像 タウンワークマガジン townwork

給与欄に「歩合制」と書かれている求人を見て、どんな制度だろうと疑問を持ったことはありませんか? ここでは歩合制の仕組みを固定給や完全歩合給との違いで解説するほか、歩合制で働くメリット・デメリット、歩合制が多い職種などを紹介します。

歩合制、固定給制、完全歩合制の仕組みとは

歩合制、固定給制、完全歩合制の仕組み

歩合制とは

歩合制とは、客の獲得数、受注件数、受注額など、成果に応じた給与が支払われる仕組みです。歩合制には、固定給に歩合給がプラスされる組み合わせ型と、全て成果報酬の完全歩合制の2種類がありますが、会社で働く労働者は「固定給+歩合給」となります。組み合わせ型は、一定の働いた時間に対する給与が固定給として保証されるので、給与がゼロになることはありませんが、歩合給と固定給の割合や、歩合の成果指標は会社によって異なります。
なお、歩合制と似ている「インセンティブ」ですが、歩合は給与支給ですが、インセンディブは必ずしも金銭とは限らず、社内表彰や物品、研修の機会提供など、金銭以外の支給のこともあります。

固定給制とは

労働者が一定の時間働いた対価として、決まって支払われる給与のことをいいます。固定給は、基本給と通勤手当や役職手当などの諸手当を加えたものを指します。個人の短期的な成果に変動せず支払われますが、固定給に入っていない分の残業や深夜労働手当などは固定給とは別に上乗せされます。なお、固定給制には、月給制、時給制、日給制、週給制、年俸制などがあります。

完全歩合制とは

完全歩合制とは、固定給がなく全て歩合によって決まる報酬形態で、フルコミッション制とも呼ばれます。企業に属さない個人事業主のフリーランスとの業務委託や、企業間の業務委託にのみに適用され、正社員やアルバイトなど企業と雇用契約を結んでいる労働者に完全歩合制を適用するのは違法となります。完全歩合制は成果に対するリスクもリターンも大きいのが特徴です。

最低賃金との関係

企業で働く労働者の賃金は、最低賃金以上である必要があります。固定給のみの人は、固定給を所定労働時間で割った時間給が最低賃金以上であることが求められます。一方、歩合給がある人は、固定給を所定労働時間で割った時間給と、歩合給を総労働時間で割った時間給の合計額が最低賃金以上となる必要があります。
なお、業務委託の報酬は最低賃金のルールは適用されないため、完全歩合制においては、最低賃金によらず最適な報酬をお互い確認し合意することが大切です。

※最低賃金に関係する固定給は、通勤手当、家族手当、扶養手当などの諸手当は除いたもの

 

歩合制、固定給制のメリット、デメリット

歩合制、固定給のメリットデメリット
歩合制と固定給制の大きな違いは、「仕事の成果が給与や評価に直接反映されるか、されないか」にあります。

歩合制のメリットは、成果が出ると収入が上がって稼ぎやすく、仕事に対するモチベーションを保ちやすいです。歩合制は、成果が出ないと収入が下がるため、収入が安定しにくいのがデメリットですが、個人業績で評価されるので、自分の力を試したい人に向いています。

固定給制のメリットは、短期的な成果にとらわれずに安定的な収入を得られるのことです。そのため、中長期的にじっくり仕事に取組みたい人に向いています。固定給制の給与アップは昇給や賞与などに合わせて行われることが一般的です。そのため、成果が出ても給与はすぐに反映されにくく、モチベーションを保つのが難しいことがあります。

 

歩合制を導入している職種の例

歩合制を取り入れている職種には、成果がその会社の業績に大きく貢献するものに多く取り入れられています。

営業、コールセンター

不動産、保険、IT業界や、自動車ディーラーなどの営業職は、固定給+歩合給という給与形態が多いです。歩合は一定の売上目標を上回った額に対し、一律の割合で支給されることが多いです。コールセンターの仕事にも、見込み客の獲得などを指標に歩合を設けているところもあり、アルバイトの募集もあります。

配達、運送

フードデリバリー、新聞配達、ポスティング、運送ドライバーなどの職種では、目標の配達数やポスティング数を超えた数に対して一律の割合で歩合給を支給する仕組みが一般的で、社員のみでなくアルバイトやパートを募集する仕事も多くあります。中には業務委託による完全歩合の仕事もあります。フードデリバリーなどでは深夜や天候の悪い時の配達単価が上がることで収入を増やす工夫をすることもできます。

美容、エステ

美容師、ネイリスト、エステティシャン、マッサージ師など、美容系職種も歩合制が多いです。歩合の仕組みは、売上に対して一律の割合での支給、指名に対する支給、高いコースの利用に対する支給、商品購入の売上に対する支給など、店舗によって異なりますが、一定の歩合給があるところが多いです。

運転手

タクシーやハイヤーなどの運転手の多くは固定給にプラスして、会社が指定した売上を超えた額に対して一律の割合で歩合給が支給されるケースが多く、大手タクシー会社は歩合率が60%前後のようです。歩合の一部を積み立て賞与として支給することもあります。個人タクシーは、完全歩合制で、その日の成果がそのまま収入となります。

 

■監修
渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/
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