パートと派遣社員の違いとは? 働き方や待遇などの違いを解説
パートと派遣社員の違いは、雇用主が働いていている先なのか、派遣会社なのかです。また、募集がある職種の種類やシフトなどの働き方、待遇などに違いがあります。
【目次】
パートと派遣社員の違いとは
パートと派遣社員の大きな違いは雇用形態です。パートは就業先と直接契約する直接雇用で、派遣社員は就業先ではなく派遣会社と雇用契約を結ぶ間接雇用です。直接雇用の場合、給与は就業先から支払われ、就業先の指示のもと勤務にあたります。一方、間接雇用の場合は、給与は派遣会社から支払われますが、仕事は就業先から指示されて勤務します。また、間接雇用の場合、業務内容や勤務時間は契約によってあらかじめ決められており、その範囲で働きます。
結果、主なパートと派遣社員との違いは、給与面、仕事内容、契約期間の有無、労働時間の違い、仕事の種類のバリエーションに現れてきます。
パートのメリット
扶養内で働きやすい
パートは、1か月のシフトが、社員同等のフルタイムで働くことはなく、夫などの社会保険の扶養に入っている人でも扶養範囲内でのシフト調整に応じてくれるところが多いです。派遣にも週3日などの案件もありますが、全体的にはフルタイムの方が多く、扶養範囲にはおさまらない働き方になります。
好きな曜日や日数を選んで働きやすい
パートの仕事は、社員よりも短い時間、あるいは少ない日数でのシフト制がひかれ、働く日や時間を調整することが一般的です。そのため、自分の都合のいい時間帯や曜日を選んでシフト希望を出します。家事や育児などで忙しい人や、掛け持ちで働きたい人にとってはメリットといえるでしょう。
未経験OKの募集が多い
パートの仕事は、サポート的な役割だったり、繰り返しのルーティンワークが多い傾向にあります。そのため、未経験OKの仕事も豊富で、ブランクがある人も始めやすいものを見つけることができます。
職種や勤務場所の選択肢が多い
パートの求人は業種、職種、勤務先場所ともに選択肢が豊富です。「飲食の仕事にチャレンジしたい」「自宅の近くで仕事を探したい」「何かあればすぐ駆け付けられるよう保育園の近くで働きたい」など、さまざまな要望に沿った仕事が見つけられるでしょう。
長く同じ場所で働く選択肢がある
下部でも説明しますが、派遣社員の同一部署同一職種での就業期間の上限は3年間です。一方、パートは有期契約の場合でも更新期限の上限がないため、自分と雇用先の条件があえば働き続けることができるという違いがあります。
パートのデメリット
派遣社員に比べて時給が低い
パートは短時間労働で未経験OKの仕事が多いため、時給の相場はそれほど高くなく、一般のアルバイトの時給相場と同じくらいです。
自分でパート先を探す必要がある
パートは就業先との直接雇用のため、派遣社員のように紹介はしてもらえません。就業先が出した求人広告を自分でチェックして仕事を探す必要があります。
派遣社員のメリット
月にまとまった給与を稼ぎやすい
派遣社員は、パート社員より働く日数や時間は一般的には長く、フルタイムの仕事が多いです。また、時給もパートより高い傾向にあります。2022年4月度三大都市圏のアルバイト・パートの平均時給は1,120円、派遣社員は1,583円と400円以上の差があります。結果、月収は派遣社員の方が稼ぎやすくなります※。
派遣社員もパートも、時給制のため、祝日の多い月などは就業日数が減り、給与がどちらも下がる点は同様です。また、ボーナスや昇給チャンスが少ない点も同じです。
規模の大きい企業の案件紹介のチャンスがある
派遣スタッフで働く際は、人材派遣会社に、自分のスキルや勤務地、勤務時間、職種、職場環境などの希望条件を登録し、それに応じた案件を紹介してもらう流れになります。派遣会社にスタッフの派遣を依頼する会社は、一定の規模を持つ会社が多い傾向にあります。大きい会社では、OA事務や営業事務、コールセンターなどの不オフィスワーク系の仕事が多いのも特徴です。一定の経験やスキルがある人は、就業チャンスを得られやすいでしょう。
トラブル時は派遣会社が間に入ってくれる
派遣先で何かしらトラブルがあった場合、自ら就業先に相談しなくても、派遣会社に相談すればフォローしてくれたり、就業先への要望も派遣会社が交渉してくれる安心感もメリットの一つです。時給交渉なども必要に応じてしてくれます。
毎回、面接や履歴書の提出が必要ない
派遣社員は登録会に参加して、希望条件やスキルを登録します。その後、就業先を紹介して、顔合わせをしますが、履歴書や職務経歴書を改めて提出する必要はありません。その後も契約ごとに提出する必要はなく、最初の派遣会社への提出のみでOKです。
派遣社員のデメリット
同じ職場で働き続けることができない
派遣社員は必ず有期契約となります。1回の契約期間はオフィスワーク系で3か月が多く、終了1か月前程度になると、更新の有無をお互いに確認します。ただ、労働者派遣法により、派遣社員が同じ職場で働けるのは原則として最大3年となっており、たとえ、続けたいと思っても派遣社員として働き続けることは一部の例外を除き原則できません。
一方、パート社員の中にも有期契約の人も多くいますが、こちらは更新上限の規定はありません。同じ職場に5年以上いると、本人が希望すれば無期契約に転換することができます。
派遣会社によって待遇が異なる
同じ派遣先なのにも関わらず、派遣会社が異なると時給が違うケースがあります。時給を上げてほしい場合は派遣会社に交渉するか、登録している派遣会社を変更するしかないので、最初に派遣会社に登録する際に、複数の会社に登録しておくと、時給や待遇などの比較検討ができるのでおすすめです。
家の近くの案件が見つからないことも多い
派遣社員を採用している会社は比較的規模の大きな会社が多く、所在地は主要駅近郊が多くなります。パートに比べて募集枠も少ないので、タイミングによって家の近くの仕事がなく、希望が叶えられないこともあります。
パート派遣とは
パートタイム派遣とは、パートと派遣のメリットをあわせた働き方です。派遣会社に登録し、給与は派遣会社から支払われる間接雇用で、派遣会社が提供する福利厚生を使うことができます。その上でパートのように週2~3回、1日3~4時間などライフスタイルに合わせて働くことが可能です。
派遣社員、パート、パート派遣……それぞれの良さを比較しつつ、今置かれている状況を考慮して、自分に適した働き方を見つけてください。
※株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター
2022年4月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】
2022年4月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】