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2019年07月24日

パートの有給休暇、消化できない場合は繰越しできるってほんと?

パート 有給 タウンワーク townworkパートやアルバイトでも「有給休暇」がとれることは比較的知られるようになってきました。それでも「仕事が忙しくて、有給休暇がとれなかった」「なかなか有給休暇がとりたいと言い出せず、消化できなかった」ということはよくありますよね。さらに2019年4月から条件を満たす人の有給休暇の取得が義務化。そこで、今回は有給休暇が取得できなかった場合はどうなるのか、繰り越せる場合の注意点、会社の規定などとの兼ね合いについて紹介していきましょう。

※この記事では、労働基準法で定める年次有給休暇(以下、「年次有給休暇」は「有給休暇」と簡略して記載)について説明しています。法令は、最低限の労働条件を定めており、その法令よりも上回る労働条件を就業規則で定めている会社もありますので、お勤めの会社で確認していただくとよいでしょう。

【目次】

1.パートでも条件を満たせば有給休暇はとれる

パート 有給 タウンワーク townworkパートやアルバイトでも、一定の条件を満たしていれば年次有給休暇(以下、有給休暇)の制度が適用されます。ここではかんたんに、パートの有給休暇の基本をおさえておきましょう。

パートの有給休暇は労働基準法で定められている

そもそも、業種や業態、会社の規模を問わず、パートとして働く人でも「有給休暇」が取得できます(労働基準法【労基法39条、労基則24条の3】)。ただし、誰でもとれるのではなく、条件があり(1)6カ月継続勤務している、(2)決められた労働日数の8割以上出勤している人が対象です。また、1回の労働契約期間は短くても、契約を更新して通算6カ月以上継続して働く場合でもあてはまります。

ただし、付与される有給休暇の日数は、1週間または、年間の所定労働日数によって異なります。誰でも「一律◯日」ではないので、注意しましょう。

加えて、働き方改革法案が成立したことにより、2019年4月からは、有給休暇が付与された日から1年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を5日消化するまで、残りの日数分を指定することが義務づけられました。もしくは、会社は、有給を付与すると同時に、従業員の希望も聞きながら、計画表などを作成するなどで、どの日に5日分取得するかを決定することも可能です。もちろん、パートで働く人も、有給休暇が10日以上付与される方は、この義務化の対象となります。

週30時間以上、勤務している場合は?

まず1週間の所定労働時間が30時間以上の場合、もしくは年間217日以上働いている場合から解説しましょう。たとえば、週5日、1日あたり6時間程度、働いている人なら、通常の正社員と同じ日数の有給休暇が取得できます。6カ月後に10日の「有給休暇」が取得でき、その後長く働くほどに、増えていきます。また、6年6カ月以降の付与日数は20日が上限となり、1年ごとに20日付与されます。

週5日以上又は年間217日以上働いている人の有給休暇
パート 有給 タウンワーク townworkこの働き方をしている人は、2019年4月より、有給休暇が付与された日から1年間の有給休暇の消化日数が5日未満であれば、5日消化するまで、企業側で有給休暇取得日を指定する義務の対象となります。

週2〜4日勤務の場合の日数は?

次に、週30時間未満かつ、週1〜4日勤務または1年の労働日数が48日から216日までの人のルールについて解説しましょう。まず、勤務をはじめてから6カ月たたないと、有給休暇が取得できない点は同じです。

週4日、年間169日~216日働いている人の有給休暇
パート 有給 タウンワーク townwork2019年4月の法改正により、入社後3年半が経過し、直近1年間の出勤率が8割以上であれば、年10日の有給休暇の権利が発生します。その人の有給休暇の消化日数が付与日から1年間に5日未満であれば、5日間消化するまで、有給休暇取得日指定の義務の対象になります。

週3日、年間121日~168日働いている人の有給休暇
パート 有給 タウンワーク townwork2019年4月の法改正により、入社後5年半がたち、直近1年間の出勤率が8割以上であれば、年10日の有給休暇の権利が発生します。その場合、有給休暇の消化日数が付与日から1年間に5日未満であれば、5日間消化するまで、有給休暇取得日指定の義務の対象となります。

週2日、年間73日~120日働いている人の有給休暇
パート 有給 タウンワーク townwork有給休暇の権利は最大でも年7日のため、有給休暇取得日指定の義務の対象となりません。

週1日、年間48日~72日働いている人の有給休暇
パート 有給 タウンワーク townwork有給休暇の権利は最大でも年3日のため、有給休暇取得日指定の義務の対象となりません。

 

2.消化できなかった有給休暇は繰越しできる

パート 有給 タウンワーク townworkパートで働いている人が有給休暇をとりたいと申請した場合、事業主は断れないことになっていますが、現実にはそういかないことも多いでしょう。ここでは、有給休暇を取りきれなかった場合について解説していきます。

有給休暇の繰越しも労働基準法で定められている

1年間に付与された有給休暇を使わない場合や使えなかった場合はどうなるのでしょうか。実はこれも労働基準法で定められていて、翌年に繰越することができます。ただし、時効があり、翌々年まで持ち越すことはできません。

有給休暇の時効は2年。以降は権利が消滅する

なんと、有給休暇の時効は、付与日から起算して2年。それ以降は権利が消滅してしまうので注意してください。また、当たり前のようですが、有給は退職日以降に取得することはできません。

ちなみに、繰越しできる有給休暇は20日が上限で、時効は2年なので、繰り越し後に保有できる有給休暇は最大40日までです。また、有給休暇を繰越していた人が、有給をとりたいと申請した場合、一般的には繰越した分(古い方)の有給から消化されることになります。

ただ、現実の課題としては、有給休暇を繰越しても消化しきれないことが多かったことから、法改正が行われ、付与日から1年間に有給休暇消化日数が5日未満の従業員に対して、企業側から日にちを決めて、有給休暇を取得させることが義務付けられたのです。

契約更新したから有給は繰越せない、は違法

パートやアルバイトなどでは、半年や1年ごとなど、有期契約になっていることも多いことでしょう。そして、契約更新するとそれまで取得した有給休暇がなくなり、繰越しはないといわれることもあるようです。

しかし、これは違法で、法令より労働条件を下回る社内の規定の場合には、労働基準法が優先されます。また、有期労働契約の更新時でも、有給休暇は繰越しされます。また、取得して消化しなければ有給休暇がなくなったり、減ったりすることはありませんので、憶えておきましょう。

 

3.どうやって有給休暇を消化していけばいいの?

パート 有給 タウンワーク townwork有給休暇は労働基準法にある権利とはいえ、「有給休暇がとりにくい」「忙しくて言い出せない」という職場もあるでしょう。繰越しはあるといっても2年の時効で消滅してしまっては、非常にもったいないともいえます。では、どうやって有給休暇を取得していけばいいのか、その考え方をご紹介しましょう。

上司と相談しながら、消化していく

基本的に有給休暇は、いつとりたいと申請しても、どんな理由でも取得できることになっています。ただ、取得する時期については、全く自由というわけではありません。申請した時期が会社の運営に支障が生じる場合には、他の時期に変更するように会社から指示をすることが可能です。ですから、ポイントはなるべく早めに自分の希望を伝えること。時間があれば上司や事業主が段取りを組むことができますし、また申請手続きをとる余裕もあります。早め早めに相談しながら、すすめていくのがよいでしょう。

当日に申請しても有給休暇はとれない

有給休暇はとろうと思ったら、事前に申請するのが鉄則です。会社の就業規則に、いつまでに申請すべきか、ルールがあるはずですので、確認しましょう。仮に「申請は前日までに」とルールがあった場合でも、他のパートやアルバイトを探す時間もなく、会社の運営に支障が生じますので、できるだけ早めに上司や同僚に相談することが大切です。

また、始業時間直前、もしくは始業時間を過ぎてから「有給休暇取得したい」という連絡したとしても、その日が有給休暇になるとは限りません。会社や事業主が事後の請求でも有給を認めてくれればよいのですが、認めてもらえなければ欠勤扱いになることもあります。注意してください。

病気に備えて、半分は残す

有給休暇が権利とはいえ、すべて使い切ってしまうのは、少々、不安が残ります。自分が病気で倒れたとき、また自身や子ども、家族が病気になったときなど、不測の事態はつきものです。そんなときに、有給休暇にならず欠勤扱いとなってしまい、お給料から引かれるのは心細いですよね。基本的には、現在の有給休暇の半分程度を使うことを目標にするとよいでしょう。

 

4.有給休暇の繰越しを会社が認めない。そんなときは?

パート 有給 タウンワーク townwork近年では、「うちの会社はパートに有給休暇はない」と主張する会社は減っているようですが、「有給の繰越しは認めないから」「契約更新でリセットされるから」などという事業主や会社はまだまだあるようです。その場合の対処法を考えましょう。

労働基準法で決まっている旨を伝え、交渉する

そもそも、今まで紹介してきた通り、「契約更新時にリセットされる」「パートに有給休暇は認めない」といった内容は労働基準法に違反しています。また、万一、「有給休暇を一切放棄します」という書面に同意していたとしても、法的には無効です。

「有給休暇は労働基準法で決まっていますよね」「2019年の『働き方改革』で有給休暇を取得しないと罰則規定が導入されますよね(対象となる従業員に付与日から1年間に年次有給休暇を5日取得させなかった場合は、30万円以下の罰金)」と法律の知識があることを伝えながら、交渉するのがよいでしょう。

カギとなるのは、パート仲間、ともに働く仲間です。一人ではなかなか交渉しにくいでしょうが、複数人であれば、「お話があります」として話しやすいはずです。特に長く働いている人などを中心に、交渉の場を持ちましょう。

それでもダメなら、退職覚悟で使う手も

それでも、現実的には有給休暇や、その繰越しを認めない会社、事業主はいることでしょう。ひとつは、退職覚悟で有給休暇を使う方法があります。もしくは労働基準監督署に相談するといった方法もあるでしょう。ただし、こうした手段はあくまでも「最終的なカード」です。いきなり強い態度で出ても、事業主や上司が譲歩するとは考えにくいもの。必要であれば音声データを録音するなどし、証拠を集めた上で、慎重に行動しましょう。

 

5.有給休暇をとって、よく働き、よく休もう

しっかり休むことは働くことにもプラスになります。リフレッシュすることで、心身ともに明るくなり、また前向きな気持ちで働けるからです。また、他のパート仲間やスタッフが有給休暇をとった場合、快く送りだすことで、自分も休みやすい環境・職場となることでしょう。主張するところは主張し、できる協力は惜しまず、気持ちよく働ける職場にしていけるといいですね。

<監修者>
トミヅカ社会保険労務士事務所
所長 冨塚祥子(東京社会保険労務士会会員)
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