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2024年05月20日

アルバイトやパートの交通費支給はいくらまで?もらい方や支給条件などを解説


アルバイトやパートの通勤交通費は、どのような基準で支払われるのでしょうか。法律上の定めや全額支給や一部支給などの支給額、交通費が支払われる条件など、詳しく解説していきます。

交通費支給の基準や上限は会社ごとに違う

交通費支給がいくらまでかの基準は法令上の定めはなく、その会社の福利厚生の一つとなるため、支給の有無や支給対象者の条件など、基準は企業によって違います。交通費が出ない会社もあれば、支給する会社でも、勤務日数などの条件を設けていたり、派遣社員や短期バイト、日払いバイトでも支給される場合もあります。求人に応募する際には、募集要項で「交通費全額支給」「一部支給/月上限〇〇〇円まで」など記載があるので、条件を確認しておくといいでしょう。
まれに面接の交通費を支給する企業もありますが、レアケースなので、面接を受ける際の交通費は自己負担になると考えておきましょう。

 

交通費支給額のパターン

交通費の支給額は、下記のいずれかで会社の規定内で支給されることが多いです。

全額支給…通勤にかかった交通費が全額支給される
一部支給…金額に上限を設けて支給される
(例)月5000円まで支給/1日500円まで支給 など

このように、交通費の支給にはさまざまなパターンがあるので、応募する前によく確認しておきましょう。

また、まれにかかった額に関わらず一律の金額で支給するケースもありますが、この場合所得税の課税対象になったり不公平感が生まれたりしますので、この方式はあまり採用されていません。

 

交通費支給対象者の条件

交通費の支給対象者に一定の条件を設けていることが多いです。店舗などシフト制のアルバイトやパートの場合、勤務日数や勤務時間が一定基準を超えていることを支給対象者の条件にしているケースが多く見られます。

週〇日以上から支給…週の勤務日数が条件となる
週〇時間以上から支給…週の勤務時間が条件となる
1日〇時間以上、週〇日以上から支給 など

現在は同一労働同一賃金の原則が法律で定められているため、正社員に通勤費を支給しているにもかかわらず、アルバイトやパートにはシフトに入る日数が少ないから支給しないということは同一労働同一賃金に違反します。パート、アルバイトにだけ通勤費の支給に条件を付ける企業があればそれは違法である可能性があります。
ただし、正社員には定期券1か月分、パート・アルバイトには1日の往復交通費を支給といった違いを持たせることは問題ありません。

 

交通費のもらい方と申請方法

交通費は通勤手当として給与と一緒に支払われるのが一般的です。アルバイトに採用されてから最初の給料日までの間、通勤にかかる交通費は一時的に立て替えることになります。交通費の申請方法は、会社の所定の用紙やwebフォームに通勤ルートと交通費を記載して提出するケースが多いでしょう。

 

交通費支給の計算方法

交通費の支給額は、原則、自宅から勤務先までの最短ルートで計算され、一般的には往復分が対象となります。また、会社によっては電車のみでバスは利用不可、バスOKでも〇キロ以上の場合などさまざまな規定があります。

電車やバスなど公共交通機関

交通費の全額支給や一部支給の場合、最も安く済み、且つ合理的な経路で算出したものを対象に支給されると考えておきましょう。自宅の最寄り駅またはバス停から、勤務先の最寄り駅またはバス停までの最短経路の往復費用で計算されます。
支給上限や勤務時間などの適用条件があれば、就業規則(賃金規程)を確認しておきましょう。

車やバイクなどガソリン代がかかる場合

車やバイクの場合は、勤務先までの距離に応じて支払われる場合や、一律額で支給される場合、ガソリン代の実費支給などさまざまなケースがあります。

勤務先までの距離で支払われるケース
自宅から勤務先までの総距離で支給されます。自動車やバイクで通勤する場合、法律の非課税限度額以内の支給(例えば2キロ以上10キロ未満なら4,200円以内)となることが多いようです。自動車の車種により金額が異なることもあるので、社内規定を確認しましょう。

一律の金額で支払われるケース
通勤にかかった距離やルート、ガソリン代に関わらず、一定額を支払うというものです。わかりやすく、近場で得する人もいれば、遠方やガソリン代の変動により自己負担が増えるの人もいるでしょう。

ガソリン代が実費で支給されるケース
通勤にかかったガソリン代の領収書を提出し、全額・一部など規定に沿って支払われるというもの。領収書をなくさずに管理する必要があるほか、いつまでに、誰に渡して、どのように振り込まれるのかも確認しておきましょう。

自転車や徒歩のケース

通勤手段が自転車や徒歩の場合、「交通費一律支給」という会社を除けば、交通費が支給されることはありません。ただ、企業によっては「手当」を設けているところもあるので、聞いてみましょう。

 

通学定期があっても交通費は支給される

会社規定で「交通費支給」となっていれば、通学定期のありなしに関わらず、交通費が支給されることが多いですが、会社によっては通学定期がある場合は交通費の支給がされないケースもあります。
本来、通学定期は学生向けに通学を目的として発行されるため、通常の定期券よりも割安で買うことができます。その通学定期をバイトの通勤に使うことは、本来の目的とは別の用途になりますが、学校近くで授業の合間や授業後に働く場合には問題ありません。

また、会社の就業規則(賃金規程)で「交通費支給」とあるにもかかわらず、求人票や労働契約書に「交通費支給無」と記載がある場合には、就業規則の方が有効となりますので、応募時に、通学定期がある場合の交通費支給についてきちんと確認しておきましょう。

 

派遣社員の交通費は?

派遣労働者の同一労働同一賃金を目的として、2020年4月に派遣法(※1)が改正されました。これは、派遣先の正社員と派遣社員の「仕事内容」「仕事内容・配置の変更範囲」や「その他の事情」の相違の程度等を考慮して、賃金や待遇の不合理な格差を是正する、というもの。これまで、派遣社員は交通費込みでの時給となっていることが多いですが、この改正により、交通費が別途支給されるケースが増えてきました。応募する際は募集要項で確認しておきましょう。
(※1)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律

 

扶養内で働く人は課税対象に注意

公共交通機関を利用した交通費の通勤手当は、月15万円以内までは非課税となります。15万円を超えると、15万円を超えた額は所得として見なされ、課税対象となります。ただし、時給に交通費が含まれている場合は、交通費に対する非課税枠はありません。
また、マイカー、バイクや自転車通勤で自宅から勤務先までの片道の通勤距離が2キロ未満の場合は、交通費分の手当は課税対象となります。以下の表は、マイカー通勤の距離に応じた非課税限度額です。これを超えて支給された交通費は課税対象となるので、扶養範囲内で抑えたい人は注意しましょう。

片道の通勤距離 1か月当たりの限度額
2キロメートル未満 全額課税
2キロメートル以上10キロメートル未満 4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満 7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満 12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満 18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満 24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満 28,000円
55キロメートル以上 31,600円

参考:国税庁「通勤手当の非課税限度額の引上げについて

一方で、社会保険の扶養の算定は交通費を含めた額で計算されるのが一般的なため、交通費込み年収が106万円または130万円を超える人は扶養を外れる可能性があるので、気になる場合は会社に相談しておくようにしましょう。

 

交通費をごまかして貰うのは違法?

本当は自転車など交通費のかからない方法で通っているのに、バス代や電車代をごまかして受け取っていたり、引っ越し前の住所で交通費をもらうなど、実態と異なる行為は、法律上、詐欺罪にあたる恐れもあります。ごまかしていたことが会社に知られた場合、その分の交通費の返還や、懲戒処分(戒告、減給や出勤停止等)、最悪の場合は訴訟になることもあります。バイト先との信頼関係を失わないためにも嘘やごまかしはしないようにしましょう。

■監修
渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

※公開:2020年04月03日、更新履歴:2022年5月2日、2024年5月20日

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