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2020年04月15日

パワハラ防止法が2020年6月から施行。バイト・パート先の職場環境はどう変わる?

パワハラ 防止法 法律 タウンワーク townworkパワハラ防止法(*1)がいよいよ2020年6月から施行されます。「そもそもパワハラってどんな行為を指すの?」「バイトやパートでもパワハラから守ってもらえるの?」という疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。働くからには、パワハラの基礎知識を押さえておくことも大切です。ここでは、どんな行為がパワハラにあたるのか、また、パワハラ防止法によって働く側にどんな影響があるのか紹介します。

(*1)正式名称:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)

パワハラ防止法の概要

パワハラ防止法は、職場内のパワーハラスメントを防ぐことを目的に、企業に対して雇用上必要な措置を講じるよう義務付けた法律です。企業に課された義務は、大きく分けると次の4つになります。

・企業(事業主)はパワハラに対する方針を明確にして周知・啓発すること
・苦情や相談に対して適切に対応するための体制を整備すること
・パワハラがあった場合は迅速かつ適切に対応すること
・相談者や関係者のプライバシーを保護するとともに、相談したことなどを理由に不利益な扱いをしないこと

 

パワハラってそもそも何?

パワハラという言葉自体はよく耳にするものの、じつはよく知らないという人もいるでしょう。まずはパワハラの意味とパワハラ防止法の概要を説明します。

パワハラは厚生労働省により、以下のように定義されています。

「職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう」

ここで押さえておくべきポイントは次の3つです。

・優越的な関係とは
上司・部下といった上下関係がわかりやすいですが、社歴やスキルなども職場内の優越的な関係を生み出します。たとえば、経験値の高い部下が着任したばかりの上司に対して優越的な関係を背景としたパワハラ行為におよんだ場合、部下のほうが行為者となります。

・業務上必要かつ適正な範囲を超えている
仕事で指導をするのは当然のことですが、明らかに業務上必要のないほど厳しい指導や、常識の範囲を超えるような複数回におよぶ注意などがこれにあたります。

・職場環境を害している
業務を遂行できなくなるほどの精神的・身体的な苦痛を与えたり、能力を発揮できないほど職場環境を悪化させたりするような状況です。

 

パワハラにあたる行為とは?

では、パワハラにあたる行為とは具体的にどんなものが該当するのでしょうか。厚生労働省では「パワーハラスメントの6類型」として、次の6つに分類しています。

1.身体的な攻撃

・叩く、殴る、蹴る、突き飛ばす、胸ぐらをつかむなどの暴力行為
・丸めたポスターなど物を使って叩く行為

2.精神的な攻撃

・人格を否定するような侮辱的な言動
・同僚の前で威圧的・侮辱的に叱責する
・必要以上に長時間にわたって叱責、または繰り返して叱責する
・他の従業員も宛先に含めたメールで罵倒したり軽んじたりする
・「クビにする」などの脅迫的な言葉を使う

3.人間関係からの切り離し

・1人だけ別室などの離れた場所に席を移される
・無視するなどコミュニケーションをとらない
・仲間外れにする

4.過大な要求

・現実的に不可能と思われる業務や目標を課す
・業務に必要な指導・教育を行わないまま無理な仕事を押しつける

5.過小な要求

・合理的な理由がないのに能力や経験に見合った仕事を与えない
・本来の職種とかけ離れた単純作業だけをさせる

6.個の侵害

・交際相手などプライベートな事柄に対してしつこく問う
・家族に対して必要以上に立ち入ったり悪口をいったりする

違反した場合の罰則はある?

パワハラ防止法に違反しても、法的な罰則はありません。ただし、場合によっては企業への助言、指導や勧告が行われ、それでも改善が見られないときは、企業名を公表する可能性があるとしています。

 

パワハラ防止法の施行はいつから?

パワハラ防止法が施行されるのは、大企業は2020年6月1日より、中小企業は2022年4月1日からです。

「大企業と中小企業はどう区分されているの?」という疑問を持った人もいるでしょう。中小企業は、中小企業基本法によって以下のように業種ごとに規模が定義されていますが、じつは大企業に関しては法律的な定めがなく、中小企業よりも規模が大きい場合は大企業とされています。

<中小企業の定義一例>

①又は②のいずれかを満たすもの

・小売業
①資本金:5000万円以下
②常時使用する従業員数:50人以下

・サービス業
①資本金:5000万円以下
②常時使用する従業員数:100人以下

※詳しくは「中小企業庁|中小企業者の定義」をご参照ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

 

パワハラ防止法で働く側は何が変わる?

パワハラ防止法によって、バイト・パートにはどんな影響があるのか見ていきましょう。

社内に相談窓口が設けられるなど適切に対応される体制が整う

これまではパワハラについての悩みがあっても、誰に相談すればいいのかわからないというケースがあったかもしれません。

パワハラ防止法により、事業主には相談や苦情に対して適切に対応できる体制を整えることが義務付けられました。これにより、相談しやすい環境が整うことが期待されます。勤務先は新たに相談窓口を設け、従業員の皆さんに周知する必要がありますが、不明な場合は確認しておきましょう。

社内の相談窓口で改善されなかったという場合や、どうしても勤め先には相談できないというときは、公的機関に相談する方法があります。パワハラに関する相談は、以下の機関で受け付けています。また、都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会に調停の申請をすることも可能です。

・各都道府県労働局の総合労働相談コーナー
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

・労働委員会の個別労働紛争担当窓口
https://www.mhlw.go.jp/churoi/assen/index.html

・法テラス
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/call_center/index.html

・みんなの人権110番
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html

・かいけつサポート
http://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/itiran/funsou020.html

 

パワハラには正しい知識で対応しよう

パワハラ防止法が制定された背景には、パワーハラスメントによる深刻な現状があります。「上司だから」「職場に居づらくなるから」などの理由で、「これってパワハラ?」と思っても何もしないというケースが少なくありません。

しかし一方では、仕事をするうえで必要となる指導や訓練もあり、パワハラとの線引きが難しいことがあります。正しい知識を持つとともに、判断に迷うような場合は周囲に相談したり相談窓口を活用したりして、早い段階で解決するようにしましょう。

※2020年4月15日時点の情報です。

監修:冨塚祥子(トミヅカ社会保険労務士事務所)

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