「お願いしたい」の敬語表現、基本から丁寧な伝え方まで(例文付き)
友達や家族へのお願いごとやバイト、大学の授業などで何かをお願いしたいとき、どのような言葉遣いをすればいいでしょうか。この記事では、「お願いしたい」ときに使う敬語表現や、より丁寧に伝えたいときの言葉遣いについて、例文を挙げて解説します。
「お願いしたい」の基本の敬語表現
「お願いしたい」の敬語の基本表現は「お願いします」「お願いしたいです」です。これは、「お願い」の最後に丁寧語である「です」「ます」をつけた敬語です。丁寧語は、目上の人だけでなく、職場の同僚など対等の立場の相手にも使うことができる汎用性の高い敬語です。
「レポートの確認をお願いします」
「レポートの確認をお願いしたいです」
ただし「お願いします」は誰にでも使える敬語なため、特に目上の人やビジネスの場では、より丁寧な言い方のほうがふさわしい場合もあります。
「お願いしたい」の丁寧な敬語表現
「お願いします」よりも、より丁寧に伝えるには、丁寧語にあたる末尾の「ます」を謙譲語に変える方法があります。謙譲語は自分がへりくだることで、相手に敬意を表す敬語です。謙譲語で相手を立てることで、指示的な印象を与えることなくお願いごとをすることができます。また末尾を「よろしいでしょうか」などといった問いかけ形式にすることも、相手に許諾を得る言い回しになり、一方的な「お願い」の印象は弱まります。いくつか例文を紹介します。
お願いいたします
「お願いいたします」は「いたす」、つまり「する」の謙譲語にあたり、「お願いします」より丁寧な表現になります。
「資料の配布をお願いいたします」
お願い申し上げます
「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、「お願いを言わせていただきます」という意味になります。「お願いいたします」と大きな差はありませんが、「申し上げます」のほうが、より丁寧な印象になります。
「ご協力のほど、お願い申し上げます」
お願いしたく存じます
「お願いしたく存じます」は、お願いする際の謙譲語として一般的によく使われる敬語表現です。「お願いしたいと思っていますが、いかがですか」といったニュアンスで、「存じる」は「思う」「考える」という意味の謙譲語になります。
「書面の確認をお願いしたく存じます」
お願いできますと幸いです
「お願いできますと幸いです」も、自分の思いや考えを丁寧に伝えたいときに使用します。「幸いです」は「嬉しいです」「ありがたいです」という意味の謙譲語です。緊急度が高い依頼には向いてなく、また話し言葉よりメールなど書き言葉で使用するのに適しています。さらに丁寧に伝えたい場合は、「ます」を前述の「存じる」に変えた「幸いに存じます」という表現になります。
「書類のご捺印をお願いできますと幸いです」
お願いしてもよろしいでしょうか
「お願いしてもよろしいでしょうか」など問いかけ形式にすると、「私はお願いをしてもいいですか」という意味合いになり、相手に敬意を示すとともに「お願いします」よりも柔らかな印象になるので、ビジネスシーンや日常会話など、さまざまな場面で使うことができます。
「内容のご確認をお願いしてもよろしいでしょうか」
丁寧な類語に変換する
「お願い」と同じ意味を持つ類似の表現に言いかえる方法もあります。例えば「ご検討ください」「ご依頼します」「ご確認ください」はビジネスシーンでよく使われる敬語です。より丁寧に言う場合は、謙譲語をつけ「「ご検討いただきたく存じます」などと言い換えることもできます。「お願い」ほど直接的な表現ではなく、かしこまった印象になります。
「内容についてご検討いただきたく存じます」
「先日のプランでご依頼申し上げます」
「添付ファイルをご確認いただけると幸いです」
「お願いできますでしょうか」は二重敬語
お願いをする際に「お願いできますでしょうか」という表現もよく見かけますが、「お願いできますでしょうか」は、「ます」と「です」の2つの丁寧語を使った二重敬語であり、敬語として誤りです。実際のところ、ビジネスや日常でもよく使われる表現ですが、正しくは「お願いできますか」や「お願い申し上げます」になります。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。