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2024年05月13日

【バイトで使える接客用語一覧付き】実は間違っている敬語と正しい使い方を紹介

飲食店やコンビニなどでよく聞く敬語、接客業では正しい敬語が不可欠ですが、自己流や間違った言い回しの「バイト敬語」を使う人も少なくありません。今回はよくある間違った接客用語と正しい言い換え方を解説。飲食店やコンビニ、電話などケース別対処法もご紹介します。

【間違いやすい】バイト敬語・接客用語一覧

敬語や丁寧語だと思っているフレーズの中には間違っているものがあります。ここでは間違いやすい接客用語の例と正しい言い換えをご紹介します。

〜ほう

主に目上の人に用いられる「方(かた)」と物の比較を表す「ほう」が混同されて、比較対象がないものにまで誤用されている例です。「こちらのほうでよろしいでしょうか」は「こちらでよろしいでしょうか」と直しましょう。

よろしかったでしょうか

「よろしかったでしょうか」は、「これでよかったっけ?」という言い方をていねいに言おうとしたものです。気持ちはわかりますが、「確認」は現在のできごとであり、過去形である必要はありません。シンプルに「こちらでよろしいでしょうか」が適切です。

〜になります

「なる」という動詞は、Aが別のBに変化することを表します。したがって、変化しないものに対して、「なる」を使用するのは間違いです。
「化粧室は、この突き当たりになります」「カレーライスになります」ではなく、「化粧室は、この突き当たりでございます」「カレーライスでございます」が正しい言い方です。

〜からお預かりします

コンビニの会計時などに「1000円からお預かりします」という言い方をよく耳にしますが間違いです。金銭だけでなく、モノを受け取る時は「〜をお預かりします」という言い方をしますので、会計の例では「1000円、お預かりします」「1000円、お預かりいたします」と言いましょう。

ちょうどお預かりします

モノを預かったら返す必要がありますが、会計金額がぴったりだった場合、こちらから返すお金は存在しません。したがって、「ちょうど」と「預かる」の組み合わせは正しくありません。「預かる」ではなく、「いただきます」とし、「1000円ちょうどいただきます」と伝えましょう。

なるほどですね

「なるほどですね」は、「なるほど」と「そうですね」という2つのフレーズが合体して広まった言い方ですが、ていねいではない、「なんちゃって敬語」です。同意を示すときは「おっしゃる通りです」、シンプルに「はい」としたほうが良いでしょう。

とんでもございません

途方も無い・意外という意味の「とんでもない」。この丁寧な表現として使われているのが「とんでもございません」。誤用から広まった言葉ですが、社会から受け入れられつつあります。ただ、あなたは謙遜の意味で「とんでもございません」言ったとしても相手は「この人は敬語の使い方も知らないんだな」と受け取ることもあるでしょう。「恐れ入ります」と言い換えましょう。

すみません

失敗をしたとき、迷惑をかけたときに詫びる言葉が「すみません/すいません」。丁寧な言い回しとしてよく使われていますが、接客時には「失礼しました」「申し訳ありません」「お詫びします」を使うとよいでしょう。

知りません/わかりません

知らないこと、わからないことを尋ねられた時に用いる「知りません/わかりません」。
知らない、わからない、の丁寧語ですが、接客の場にはふさわしくありません。お客様に尋ねられたときは「確認いたします」「お調べ致いたします」などと言い換え対応しましょう。

 

【接客の基本フレーズ】接客7大用語一覧

接客業界には「接客7大用語」という基本フレーズがあります。これら7つのフレーズを使いこなせている人は、アルバイトでは案外少ないかもしれません。具体的に見てみましょう。

いらっしゃいませ

お客さまを歓迎する、店内に迎え入れるための言葉です。「いらっしゃいませ~」と語尾を伸ばすことなく、お客さまのほうを向いて笑顔で挨拶しましょう。

かしこまりました

お客さまの注文や要望に対して、承諾の意を示すときは「わかりました」や「了解しました」ではなく、「かしこまりました」を使いましょう。「わかりました」「了解しました」がていねい語であるのに対して、「かしこまりました」は謙譲語にあたります。よりお客さまへの敬意を示すことができます。

少々お待ちください

お客さまと会話をしている最中に、その場を離れる必要があるときは、「ちょっとお待ちください」ではなく、「少々お待ちください」のひと言を述べるのが大切です。さらに「少々お待ちいただけますでしょうか」「少々お待ちくださいませ」という表現にすると、よりていねいです。

お待たせいたしました

「少々お待ちください」と言ってお客さまを待たせた後、お客さまのところへ戻ってくるときは、必ず「お待たせいたしました」「大変お待たせいたしました」と言ってから、本題に入りましょう。それが短い時間であったとしても、お客さまを待たせた以上、「お待たせいたしました」のひと言は必要です。レストランなどで料理を提供時も「お待たせいたしました」を使います。

恐れ入ります

感謝を伝える意味で「ありがとうございます」の代わりに使います。そこには感謝以外に「恐縮」という意味も込められています。もう1つは頼み事などのときに、相手の心情を害さないよう、冒頭に「恐れ入りますが」というクッション言葉として活用できる言葉です。

ありがとうございます

接客業の基本は感謝です。日常会話では「すみません」と言いがちなところを、接客のときは「ありがとうございます」「いつもありがとうございます」と感謝の言葉で伝えます。お客さまが店を出ていくときは、頭を下げて「ありがとうございました」と伝えるのが基本です。

申し訳ございません

お客さまに迷惑や不便をかけたときは「申し訳ございません」と謝罪しましょう。「申し訳ありません」より「ございません」のほうがていねいです。普段、謝罪のときは「すみません」というフレーズをよく使用しますが、接客業においてはていねいさが足りないと判断され、ふさわしくありません。

 

【職種別】よく使う接客用語一覧

ここからは、お客さまとの接客場面が多いバイト先でよく使う敬語について、間違った言い回しと正しい言い回しを合わせて紹介します。

飲食店でのバイト敬語

飲食店でのアルバイトでよく使われている「接客用語」をご紹介します。一度、間違って覚えるとクセになりやすいので、最初が肝心です。

× こちらに座って、お待ちください。
○ こちらにおかけになって、お待ちいただけますか。

敬語の使用が不十分で乱暴な印象になってしまいます。「座る」を「おかけになる」と言い換えましょう。「こちらにおかけになってお待ちください」でもよいですが、「ください」を「いただけますか」とすると、よりかしこまった印象になります。

× 店内でお召し上がりですか。
○ 店内で召し上がりますか。

ファストフード店などでよく耳にするフレーズですが、「召し上がる」自体が敬語なので、「お」をつけると二重敬語になってしまいます。「店内で召し上がりますか」としましょう。

× おタバコのほうはお吸いになりますか。
○ おタバコはお吸いになりますか。

冒頭に説明した「〜のほう」の誤用例です。「タバコ」は比較対象の存在ではないので「〜のほう」とはいいませんし、「おタバコ」と「お吸いになる」という2つの言葉に「お」が重複しています。「おタバコはお吸いになりますか」もしくはシンプルに「タバコはお吸いになりますか」としましょう。

× こちらがワインリストになります。
○ こちらがワインリストでございます。

「ワインリスト」は何かが変化して「なる存在」でないので、「ワインリスト」が「なります」というのは不適切です。お客さまに敬意を示す表現で「ございます」とし、「こちらがワインリストでございます」といいましょう。

× 赤と白、どちらにいたしますか。
○ 赤と白、どちらになさいますか。

コーヒーや紅茶などのいずれかを選んでもらう場合などによく使われるフレーズですが、実は間違った言い方です。決定する行為の主はお客さまのため、謙譲語である「致す」ではなく、「なさる」と言い換えましょう。「どちらになさいますか?」というとスマートです。

× ご注文は以上ですか。
× ご注文は以上でよろしかったでしょうか。
○ ご注文は以上でよろしいでしょうか。

よくあるフレーズですが、この場合、「注文する」の動作の主はお客さまです。したがって、動作主に対して「いたす」と謙譲語を使うのは誤用です。お客さまの行動である「する」「なす」の尊敬語「なさる」を用い、「ご注文は以上でよろしいでしょうか」としましょう。

また、「ご注文の品はお揃いでしょうか」という言い方もよく聞きますが、これも間違いです。ご注文の品に「お揃い」という尊敬語は使わず、「ご注文は以上でよろしいでしょうか」と言うようにしましょう。ちなみに、「お揃い」は「皆さま、お揃いでしょうか」などと人に対して使うのが正しい言い方です。

コンビニ・スーパーでのバイト敬語

続いては、コンビニやスーパーなど小売店でよく使用するフレーズをご紹介。主にレジ前での対応・商品についての問い合わせ対応に注目して解説していきます。

× こちらのレジへどうぞ。
○ こちらのレジで承ります。

レジ前で行列ができ、別のレジ台案内するときに使われるフレーズです。間違いではありませんが、「引き受ける」の謙譲語である「承ります」を使用し、「こちらのレジで承ります」と言えると、さらりとお客さまへの敬意を示すことができます。

× お返しが1380円とレシートです。
○ お先に1000円お返しします。残り380円のお返しと、レシートでございます。

お釣りとレシートを渡すときに使われているフレーズですが、そもそもレシートはお釣りと違って返すものではありません。また、紙幣、硬貨、レシートはまとめてではなく、分けて渡しましょう。表現上も「お返しする」ではなく、「レシートです」「お返しの○千円、○○円」と区別して使用します。

× どうかいたしましたか?
○ どうかなさいましたか?

具合の悪そう・困っていそうなお客さまへの声がけとして、「どうかいたしましたか?」という言い回しがありますが、「致す」の動作の主は、相手・つまりお客さまになります。その場合、謙譲語である「致す」ではなく「尊敬語」である「なさる」を使いましょう。緊急時でも、「どうかなさいましたか?」というひと言がでるよいですね。

× そこになかったら、ないですね。
× その棚に出てるだけですね。
○ 申し訳ございません。ただいま在庫を切らしておりまして、次の入荷は来週水曜日の予定です。

商品の在庫の有無を質問したところ、「そこになかったら、ないですね」「その棚に出ているだけですね」という回答をされた経験がある人も多いことでしょう。ただ、このフレーズは不親切で、接客業にふさわしくありません。まず、お客さまが希望する商品がないことを詫び、次に入荷予定を伝えましょう。謝罪は「すみません」ではなく「申し訳ございません」とします。「申し訳ございません。ただいま在庫を切らしておりまして、次の入荷は来週水曜日の予定です」。

電話応対でのバイト敬語

突然・しかも顔の見えない相手からかかってくる「電話」。しかし、電話での接客も欠かすことのできない仕事の1つ。怖がらず、接客用語をマスターしておきましょう。

× もしもし。
○ お電話ありがとうございます。株式会社○○の△△です。

仕事の電話では「もしもし」は基本的に使いません。電話を受けたら、あいさつ・会社名と名前を名乗ります。お客さまが名乗って用件を述べる前に、「株式会社○○の△△です」「株式会社○○の△△が承ります」と自分から名乗りましょう。「お電話ありがとうございます。株式会社○○の△△です」。

✕ どちら様ですか?
✕ どなた様ですか?
○ 失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?

電話では相手の名前を聞いて対応することになるのが一般的ですが、ダイレクトに「どちら様ですか?」「どなた様ですか?」はというのでは、大変失礼な聞き方になります。「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と質問するのがよいでしょう。

× ご用件は何でしょうか?
○ よろしければ私がご用件を承ります。

相手の名前とともに聞いておきたいのが、およその用件です。電話を社内で取り次ぐにしても誰が対応すればいいのか、簡単にでも把握しておけるとお互いにストレスとなりません。しかし、「ご用件は何でしょうか?」と聞いてしまうと、「何の用?」という意味となり、大変失礼にあたります。ここでは一度、「私が承る」という謙譲語を使って敬意を示すと、大変スマートです。「よろしければ私がご用件を承ります」。

× すいません、ちょっと聞こえにくいのですが。
○ 申し訳ございません。お電話が少々遠いようですが。

電話の声が聞き取りにくいとき、もう少し大きな声で話してほしいときは、「ちょっと」「聞こえにくい」というのはカジュアル過ぎて失礼にあたります。「お電話が少々遠いようですが」と婉曲に表現し、相手の理解を促すとよいでしょう。「申し訳ございません。お電話が少々遠いようですが」。

× 山田は本日お休みをいただいております。
○ 山田は本日休みを取っております。
○ 山田は本日休暇で不在にしております。

担当者が休みのときによく聞く表現ですが、間違いです。休みをもらうのは電話の相手からではなく会社から。それなのに「お休みをいただいております」では、「いただく」という謙譲語となり、会社が敬意の対象になっています。正しくは「休みを取っております」「休暇で不在にしております」とし、「よろしければ私がご用件を承ります」と続けましょう。

✕ お時間よろしかったでしょうか?
○ ただいま、お時間よろしいでしょうか?

電話をかけるときに相手への配慮は欠かせないものです。しかし、現在の相手と話しているにも関わらず、「よろしかったですか」という過去形の表現はふさわしくありません。「ただいま、お時間よろしいでしょうか」と聞くとよいでしょう。

✕ おっしゃられる
○ おっしゃる

こちらもよく聞く言葉遣いですが、実は間違い。「話す」ことを尊敬語で「おっしゃる」といいますが、「れる」も尊敬語で、二重敬語になっているのです。正しく「おっしゃる」のみでよいでしょう。

 

【用語解説】尊敬語|尊敬語・謙譲語・丁寧語とは

今まで紹介したなかでも登場しましたが、日本語の敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つがあります。この3つの違いとルールを知っておくことで、正しい言葉遣いに近づいていくことでしょう。

尊敬語(そんけいご)

その動作の主を高めて、敬う言葉のことをいいます。例えば、「お客様がおっしゃる」という通り、主語は「お客さま」にあります。「お客さま」を高める意味で、言葉を言い換え「おっしゃる」「ご覧になる」などいいます。

謙譲語(けんじょうご)

相手に対して、自分や身内の動作をへりくだらせて、相手に敬意を表します。例えば「申し上げます」というときは、主語は「自分」です。「自分の言う」行為を下げて、相手への経緯を表現しています。他にも見ることを「拝見します」などと言い換えます。

丁寧語(ていねいご)

同じ仲間や同僚と話すときには、「です」「ます」といったていねい語で話すことで、敬意を伝えます。主語は自分や相手などさまざま。「言います」「見ます」などといい、もっとも身近な敬語の1つでしょう。

 

正しい敬語は自分の財産!

「敬語はめんどくさい・難しい・分からない」と感じる人も多いことでしょう。ただ、きちんとした正しい敬語が身についていると、アルバイトだけではなく、目上の人と話すとき、初めての人と話すときでもきちんとした印象を与えることができ、この先ずっと役に立ちます。「どこかで聞いたことのある適当な敬語」を自身で誤用し、恥をかいてしまう前に正しい言い回しを覚えておきましょう。

 

※初回公開:2020年3月1日、更新:2024年5月13日

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