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2017年06月30日

バイト先でパワハラを受けたときはどうすればいい?相談窓口と相談の仕方

バイト先でパワハラを受けたときはどうすればいい?相談窓口と相談の仕方
パワハラとはパワーハラスメントの略語です。正社員でもアルバイトでも、働いている以上はパワハラと無関係ではありません。メディアでも度々取り上げられる機会があるため、言葉自体を知っている人は多いと思いますが、そもそもどのような行為がパワハラに当たるのでしょうか。
ここでは「パワハラとは何か?」という定義から、バイト先で実際にパワハラを受けてしまった場合の対処法についてご紹介します。

【目次】
1.そもそもパワハラとは?
2.こんな言動を受けたらパワハラです!
3.バイト先でパワハラを受けたときの対処法
4.一人で抱え込まずに周囲や専門機関に相談しよう

1. そもそもパワハラとは?

バイト先でパワハラを受けたときはどうすればいい?相談窓口と相談の仕方
聞き慣れた言葉でもある「パワハラ」ですが、まず厚生労働省が定めたパワハラの定義について解説します。

パワハラの定義

厚生労働省が発表した定義では、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」とされています。
「職場での優位性」「業務の適正な範囲」とは、どのような意味なのでしょうか。

◆職場での優位性

職場だけでなく、一定の人数がいる集団であれば、何かしらの上下関係が出来上がります。職場での上下関係とは、わかりやすい例で言うと「上司と部下」です。
上司と部下以外には、社員やバイト同士における社歴の差、人間関係、専門知識・能力の有無、雇用形態の違いによるものなど、さまざまな優位性が含まれます。

また、パワハラは上司から部下に行われるものだけと思われがちですが、例えば部下のほうが上司よりも業務に関する専門知識がある場合は、優位性があるといえます。この優位性を利用して、部下もパワハラの加害者になり得ます。

◆業務の適正な範囲

トラブルの元となった行動がパワハラかどうかを考えるにあたって、判断が難しいのが「業務の適正な範囲内で行われたか」ということです。
業務を遂行する際は指導や注意を受けることがあります。その指導や注意が行きすぎていると感じられても、一般的に見て業務上必要な行為の場合は、パワハラとは認められず業務上の指導の一環として見なされることもあるので、境界線の見極めが必要になってきます。では、「パワハラ」と「厳しい指導」との境界線はどこにあるのかを、具体的に見ていきましょう。

2. こんな言動を受けたらパワハラです!

バイト先でパワハラを受けたときはどうすればいい?相談窓口と相談の仕方

職場のパワーハラスメントの6類型と具体的な事例

2012年に厚生労働省が発表した「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」で、パワハラは以下の6類型に分類されました。それぞれの具体例について見ていきましょう。

1.身体的な攻撃
・殴る蹴る、突き飛ばす、胸ぐらをつかむなどの暴力行為
・物を使って叩く

2.精神的な攻撃
・同僚の前で「バカ」「アホ」「親の顔が見たい」といった侮辱的な言葉を言う
・「どこの職場に行っても通用しない」などの名誉毀損
・「クビにするぞ」などの脅迫的な言葉

3.人間関係からの切り離し
・座席を一人だけ離れた場所に隔離する
・呼ばれても無視をする
・仲間はずれにする

4.過大な要求
・明らかに達成不可能なノルマを課す
・仕事のやり方がわからないのに無理に押し付ける

5.過少な要求
・延々と単純作業のみをさせる
・仕事を与えない

6.個の侵害
・従業員の携帯電話をのぞき見する
・休日の予定や恋人についてなど、プライベートについて執拗に問う

パワハラに当たらない事例

次に、パワハラではなく、厳しい指導や叱責と考えられる行為について、例をご紹介します。

例えば、遅刻の多いスタッフがいたとして、あまりにも遅刻を繰り返すため、見かねた社員が大勢のスタッフの前で叱ったとします。いくらルールを守らなかったとはいえ、大勢の前で叱られるのは恥ずかしいことなので、「パワハラに該当するのでは?」と思う人がいるかもしれません。
しかし、このスタッフは遅刻をして、ほかのスタッフに何度も迷惑をかけているという事実があります。職場のルールを守るように自覚してもらう必要があり、上司が叱るのは教育上必要なことです。大勢の前で一度叱責したとしても、この場合はパワハラには該当しないと考えられます。

【参考】
厚生労働省「職場のパワーハラスメントについて」

3. バイト先でパワハラを受けたときの対処法

バイト先でパワハラを受けたときはどうすればいい?相談窓口と相談の仕方
バイト先でパワハラを受けていると感じたら、パワハラの内容をメモするか、録音するなどしておきましょう。専門部署や公的機関に相談する際に必要となります。
パワハラを受けたときの具体的な対処法をご紹介します。

周りのスタッフに相談する

パワハラを受けたら一人で悩まずに、近くにいるスタッフに相談しましょう。職場内の被害者が自分だけではない場合、一緒に対策を練ることができるかもしれません。
また、過去にパワハラを受けたことがある人がいたら、パワハラを受けたときにどのように対処したのかを聞いてみるのも良いでしょう。

本社の総務部など社内の専門部署に相談する

バイト先の本社の総務部や人事部など、専門の部署に相談するのも有効な手段です。
企業によっては、従業員が働く上での悩みを相談できるように、コンプライアンス担当の部署や相談窓口を設けているところもあります。

相談する際は、証拠としてパワハラの具体的な内容を記したメモや、ICレコーダーでパワハラの様子を記録したものなどを用意できると、状況がより伝わりやすくなるでしょう。特に、音声を記録できるICレコーダーは加害者の発言がそのまま残るため、重要な証拠になり得ます。
しかし、職場の状況によっては録音が難しい場合もあります。その場合は、パワハラを受けた状況について詳細な記録を残しておきましょう。具体的には、以下のような内容を記載しておくと効果的です。

・どのような人物からパワハラを受けたか
・パワハラを受けた日時や場所
・パワハラが起こったやり取りの経緯
・パワハラを受けたとき、自分がどのように感じたか
・パワハラを受けていたときに、第三者で目撃した人

相手から受けた行為や言葉については、可能な限り細かく思い出して書くようにしましょう。例えば、「○○でミスをした件について、ひどく怒鳴られた」などの表現では、いつ、どれくらいひどく怒鳴られたのかがわからず、証拠として不十分になるおそれがあります。
そうではなく、「2017年×月×日×時×分、○○でミスをした件について、ほかのバイトがいる前で、『お前はバカか』『給料泥棒』『役立たず』と怒鳴られた」というふうに記録しておくと、相手が「パワハラなどしていない」と反論してきた場合でも対処できます。

公的機関に相談する

周囲のスタッフに相談しにくいときや、バイト先に相談できる部署がない場合は、外部の専門機関を訪ねてみましょう。専門機関では自分のプライバシーを守りながら相談することが可能です。
相談先としては、例えば、以下のような機関があります。

◆都道府県労働局、労働基準監督署

各都道府県労働局や労働基準監督署には、パワハラをはじめ、セクハラ、いじめなど、労働にまつわるさまざまな問題の相談を受け付けている「総合労働相談コーナー」があります。予約の必要はなく、利用料はかかりません。電話か面談で相談することが可能です。

◆NPO法人労働紛争解決支援センター

社会保険労務士が中心となり、労働に関する相談を受け付けています。初めて相談する場合は、相談料が無料です。ただし、相談のみで解決できない場合は、費用が発生する可能性があります。

本人に言える場合は、直接「やめてください」と言う

勇気が必要な行動なので難しいと感じるかもしれませんが、パワハラの加害者本人に直接「やめてください」と言う方法もあります。加害者本人に「パワハラをしている」という自覚がない場合があるためです。
ただ「パワハラをやめてほしい」と言うのではなく、次のことを伝えるようにします。

・パワハラを受けた日時と具体的な内容
・パワハラを受けて感じたことについて
・周囲の目撃情報、意見
・改善が見られない場合に取る行動について(人事部や専門機関に相談するなど)

言葉で伝えるのが難しい場合は、メールなどで伝えましょう。パワハラについて具体的に記録したメモや、録音した音声データなどがあれば添付してください。

直接「嫌なことは嫌だ」と伝えることで、加害者の行為が収まれば良いですが、かえってパワハラがひどくなってしまう場合もあります。そのようなときは、外部の専門機関に相談する際の証拠になりますので、加害者とやり取りした内容を残しておくようにしましょう。

バイトを変える

「バイトを辞める」という対処が可能な場合は、パワハラを我慢せず、できるだけ早く辞めて次のバイトを探したほうが良いケースもあります。
法律上は、契約期間が定められている場合を除き、2週間前に退職を申し出ればアルバイトを辞めることができます(ただ、会社の就業規則で30日前等のルールがある場合には、それらの範囲で申し出することで、お互いに気持ちよく終了することができます)
ところが中には、辞める意思を伝えたにもかかわらず、「繁忙期だから辞めてもらっては困る」などと理由をつけて、なかなか辞めさせてくれないバイトもあります。そんなときも労働基準監督署などで相談すると良いでしょう。

ただし、辞める意思を伝えることなく、無断欠勤するのはNG。バイト先との関係が悪化するだけでなく、最悪の場合、訴訟に発展するおそれもあります。

4. 一人で抱え込まずに周囲や専門機関に相談しよう

パワハラの被害に遭っていると感じたら、一人で抱え込まずに、職場の身近な人や専門部署、外部の機関へ相談しましょう。
2012年に厚生労働省が発表した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」によると、「パワーハラスメントを受けた後、どのような対応をしましたか」という質問に対し、「何もしなかった」と答えた人が46.7%で最も多い回答となっています。実際にパワハラの被害に遭ったとき、半数近くの人が我慢してしまうというわけです。
パワハラは、ひたすら耐え続けることで解決するものではありません。状況が悪化する前に、周囲の人や専門機関に相談し、早期解決へ向けた行動を取ることをおすすめします。

【参考】
厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」