バイトの『ヘルプ』とは?行くときの注意点と、行きたくないときの断り方
バイトをしていると、店長や上司から「来週、別の店へヘルプに入ってほしい」などと言われることがあります。では、ヘルプを頼まれた場合、必ず応じなければならないのでしょうか?ヘルプに入るのが嫌なときは、どのように断れば良いのでしょうか?
この記事では、バイトのヘルプの基礎知識やヘルプに入るメリット、引き受ける際の注意点についてご紹介します。
【目次】
バイトの「ヘルプ」とは、どういう意味?
まず、バイトのヘルプに関する一般的なルールや、ヘルプを引き受ける際に事前確認しておきたいポイントについてお伝えします。
ヘルプとは?
「ヘルプ」とは、自分が働いているバイト先の系列店や姉妹店へ、臨時で手伝いに行くことをいいます。
また、自分が働いているバイト先であっても、他のスタッフが急病などで突然休んだ際に、代わりにシフトへ入ることについてもヘルプと呼ばれます。
一般的に、ヘルプが発生するバイト先は、系列店を持っているチェーン店であることが多く、店舗が一つしかない個人店などでヘルプが発生することはあまりありません。
ヘルプの依頼がかかるタイミングの多くは、系列店で人手が足りなくなったときや、イベント開催などで忙しくなるときです。
ヘルプがあることは、応募時点でわかるの?
ヘルプが発生するバイトの場合、基本的には就業規則にヘルプに関する記載があり、面接時などに「他店のヘルプをお願いすることがあります」と伝えられることが一般的です。
もし「ヘルプあり」の説明を受けたときに、勤務日や時間帯、移動距離などが理由で応じられないケースがあると予想される場合は、「お断りすることもあると思いますが、大丈夫でしょうか?」と確認しておきましょう。
どんな人がヘルプに選ばれるの?
ヘルプの依頼は、忙しくて人手が足りない時期に入ることが多く、即戦力が求められます。そのため、仕事ができる人や作業に慣れている人、勤続年数が長く、指示がなくても自分で動ける人などがヘルプ要員の対象になりやすいと言えます。
ヘルプを引き受ける際に事前確認しておくこと
ヘルプに行った初めての職場で問題が生じることのないよう、事前に勤務条件を確認しておきましょう。
特に「勤務時間」「期間」作業内容」「交通費」「時給」の5点については書面で残してもらうようにすると、思っていたより遠い店舗へ行かされそうになったり、聞いていた内容とは違う仕事をさせられそうになったりした場合に、断りやすくなります。
バイトでヘルプに行くときのメリット
ヘルプを依頼されるということは、それだけ「仕事ができる」と評価されている可能性があります。さらに、ヘルプを引き受けることで、さまざまなメリットを得られるでしょう。
気分転換になる
仕事内容は同じでも、ヘルプへ行くと、いつもとは違う場所や環境で働くことになるので、良い気分転換になります。行ったことがない街をバイト帰りに散策してみると、面白い発見があるかもしれません。
スキルアップにつながる
同じ系列のバイトとはいえ、バイト先によって仕事の流れや、ルールが微妙に異なることがあります。ヘルプ先ならではの仕事の仕方から作業効率を上げるコツを学べたり、通常業務の改善案を思いついたりする可能性もあり、自分のスキルアップにつながるでしょう。
ヘルプ先のスタッフと知り合いになれる
ヘルプへ行くと、新しいスタッフとの出会いも期待できます。仕事内容の違いや扱っている商品のことなど会話のネタになる話題はたくさんあるので、初対面でも打ち解けやすいでしょう。
ヘルプ先の店長らから感謝される
ヘルプスタッフは、困っているところに助けに来てくれるありがたい存在です。歓迎されたり感謝されたりして、いつも以上に必要とされている喜びを感じながら働けます。
バイト代が増える
ヘルプへ行くためにシフトを増やした場合は、その分、バイト代もアップします。自分が勤務するバイト先で誰かが突然欠勤したとき、代わって追加でシフトに入るケースでも同様です。
バイトのヘルプが嫌なときの断り方
ヘルプへ行く可能性があることが契約内容に含まれているバイトであっても、場合によってはヘルプを断ることができます。ここでは、ヘルプの断り方と注意点を解説します。
どうしても不都合があるときは店長・上司に相談する
採用時に交わした契約内容にヘルプがあると明記されている場合は、納得した上で勤務していると見なされるため、基本的には断ることは難しいでしょう。逆に契約内容にヘルプに関する記載がなければ、断ることは可能です。
ただし、正当な理由があってヘルプを引き受けられない場合は、店長や社員に相談をしましょう。例えば、「通勤時間が増えることによって授業に間に合わなくなる」「ヘルプ出勤することで就活に影響する」といった理由であれば、融通を利かせてくれる可能性が高いでしょう。
下記に断り方の例を示しますので、参考にしてください。
角が立たないヘルプの断り方
◆「他店舗へ応援に行ってほしい」と言われたときの断り方
「ヘルプに入りたいところなのですが、その日は授業が〇時スタートなので、移動時間を考えると、ヘルプ先の店舗へ出勤することはできません」
◆「急な欠勤者が出たため、ヘルプに来てほしい」と言われたときの断り方
「申し訳ありません。明日の朝一番に提出しなければならないゼミのレポートがありますので、本日出勤することはできません」
バイトのヘルプの注意点
ヘルプに行くにしても断るにしても、あらかじめ注意しておくべき点があります。具体的に見てみましょう。
ヘルプ先であいさつをしっかりと行う
ヘルプ先の職場へ出勤したら、まずは笑顔で挨拶をしましょう。
店長や上司、社員、一緒に働くパート、バイトスタッフなど、その日一緒に勤務する人全員にあいさつをしておくと、早く職場に馴染めます。
ヘルプ先のルールに従う
基本的に仕事の流れや進め方はヘルプ先のルールに従いましょう。
同じチェーン店であっても、店舗によって微妙に仕事の手順が異なることがあります。特に飲食店では、メニューが違ったり、サービスの提供方法が異なる場合がありますので、事前に自分のお店との相違点を確認しておくと安心です。
また、わからないことがあれば自分で判断せず、その都度ヘルプ先の店長や上司へ質問しましょう。自己判断に基づく行動はトラブルの元になります。
一日に2店舗で働いた場合、労働時間は合計される
一日に2店舗以上で働いた場合は、残業代の申請漏れに注意しましょう。
例えば、自分が勤めるバイト先で5時間働いた後、系列店で4時間のヘルプ勤務をすると、その日の労働時間は合計9時間になり1時間分の残業代が発生します。店ごとにタイムカードを押した場合、残業時間は表示されないことがありますので、要注意です。
ヘルプを断った場合は、その後の人間関係に注意する
ヘルプ依頼を断った後、職場で気まずい思いをしないよう、次の出勤日には店長や社員にひと言あいさつしましょう。授業への影響を考慮した場合など正当な理由があるときでも、「先日はヘルプに入れずに失礼しました」「○曜日なら大丈夫なんですが」などとひと声かけるだけで、気まずさが薄れます。
メリット・デメリットに注意しつつ、機会があればヘルプに行こう
ヘルプにはスキルアップできたり交友関係が広がったり、人に感謝されたりといったメリットが多い一方で、勤務時間や仕事内容などをきちんと確認しておかないと、「授業に遅刻しそうになった」「聞いていた仕事内容と違う」といった問題が生じる可能性もあります。
また、人と話すことが好きな人にとっては、いつもと違うメンバーに会えるヘルプは楽しい機会ですが、人見知りしがちな人にとっては、職場に馴染むまでに時間がかかるかもしれません。
とはいえ、ヘルプを依頼されるということは、それだけ頼りにされている証しでもあります。自分の向き・不向きや時間的な問題に注意しつつ、チャンスがあれば積極的にヘルプに入ると、より充実感や達成感を味わうことができるでしょう。