面接など選考辞退メールの送付マナー。理由別の例文、電話での断り方も紹介
転職活動中に選考途中で面接を辞退したい場合、どのように面接を断るのがよいか悩む人も多いのではないでしょうか。この記事では、面接辞退の連絡方法や辞退理由別の例文、面接辞退を伝える際のマナーについて解説します。自分の状況に合わせて、辞退理由や連絡手段を選ぶ参考にしてください。
面接など選考を辞退する時のマナー
転職活動では、途中で志望度が変わったり、他社の内定が決まったりと、選考辞退の判断を迫られることもあります。その際に気をつけたいのが辞退連絡のマナーです。相手に失礼のないように対応することで、社会人としての信頼や今後の関係性を損なわずに済みます。
面接など選考辞退を決めたらすぐに連絡する
面接の辞退を決めたら、理由の内容にかかわらず速やかに連絡を入れましょう。企業側は面接のために会議室の確保や担当者のスケジュール調整など、すでに準備を始めている可能性があります。無断キャンセルは応募先企業へ迷惑をかけることになるので、絶対に避けましょう。
面接辞退の連絡はメールでも電話でもOK
面接など選考辞退の連絡は、基本的にメールでも電話でも構いません。面接予定日の2日前までであれば、丁寧な文面のメールでの連絡でも失礼にはなりません。ただし、前日朝になっても返信がない場合や、急ぎで伝える必要がある時は、必ず電話で直接話すようにしましょう。
メール・電話をする時間帯に気をつける
辞退連絡の際は、送る時間帯にも配慮が必要です。深夜や早朝のメール送信は避け、基本的には企業の営業時間(平日の9時〜18時ごろ)内に連絡を入れましょう。電話の場合も同様で、始業直後や終業直前は避け、午前10時〜午後4時ごろが無難なタイミングです。
直前の面接辞退は電話で対応する
前日や当日など、直前の辞退となる場合は、必ず電話で連絡しましょう。メールだけで済ませると、相手が確認できず、連絡ミスと誤解される可能性があります。予定を空けて待っている担当者に迷惑がかかるため、まずはお詫びを伝えた上で、事情を簡潔に説明することが大切です。
面接など選考辞退の理由
面接など選考辞退理由は具体的に伝える必要はありませんが、企業に納得感のある伝え方をするのがマナーです。よくある理由としては、「家庭の事情」「他社で内定が決まった」「体調不良」「会社や仕事内容が希望と異なる」などがあります。どうしても言いづらい場合は、「一身上の都合」で問題ありません。丁寧な表現と謝罪の一言を添えましょう。
面接など選考辞退メールの書き方と基本のテンプレート
面接辞退のメールは「件名」「宛名」「本文」「署名」で構成されます。メールの書き方のポイントと基本のテンプレートを紹介します。
件名は要件と差出人がわかるように
件名は、要件、差出人が一目でわかることが重要です。面接辞退の連絡であることと、自分の名前をフルネームで入れましょう。
宛名は省略せず正式名称で書く
会社名、部署名、採用担当者名の順で記載します。会社名は(株)など省略せずに正式名称を記載します。担当者名が分からない場合は、採用担当者様、と記載します。
本文は簡潔に、最後にお詫びの一言を入れる
面接辞退の理由は詳細に伝える必要はありません。基本は「一身上の都合」「諸般の事情により」で大丈夫です。文章の最後には面接を辞退することに対するお詫びと面接の機会をいただいたことへの感謝をあわせて伝えます。
署名はフルネームで連絡先も明記する
最下部の署名はフルネームで記載し、連絡先も明記します。署名はあらゆるビジネスシーンで使いますので、覚えておくと今後も役に立ちます。
【署名の例】
―――――――――――――
〇〇 〇〇(氏名)
〒000-0000
〇〇県〇〇市〇〇町0-00-0
tel:090-0000-0000
e-mail:000000@0000.jp
―――――――――――――
基本のテンプレート
上記のポイントを踏まえ、ここでは辞退連絡の基本のテンプレートを紹介します。
【件名】面接辞退のご連絡(あなたの氏名)
【本文】
株式会社〇〇〇〇
人事部 採用担当〇〇様
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
△月△日△△時より面接のお約束をいただいておりましたが、
〇〇〇〇(辞退の理由)により、選考を辞退したくご連絡を差し上げました。
選考に際し、貴重な時間を割いていただいたにも関わらず、
身勝手なお願いで誠に申し訳ございません。
また、メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
―――――――――――――
〇〇 〇〇(氏名)
〒000-0000
〇〇県〇〇市〇〇町0-00-0
tel:090-0000-0000
e-mail:000000@0000.jp
―――――――――――――
面接など選考辞退メールの例文
面接辞退の理由は基本的に「一身上の都合」や「諸般の事情により」で構いません。ここでは「一身上の都合」と伝える場合の他に、面接辞退の理由を伝えたい場合の例文もあわせて紹介します。
他社から内定をもらった場合の例文
(略)
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、大変申し訳ないのですが、
面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
先日、他企業から内定をいただき、
自分の適性を十分に検討した結果、そちらの企業へ入社することを決断いたしました。
何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり申し訳ございませんが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(略)
他社から内定を得た場合は正直に伝えます。ただし、既に面接でその会社が第一希望と伝えていた場合は、「一身上の都合」や他の理由に変えたほうが堅実でしょう。
家庭の事情で辞退する場合の例文
(略)
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
△月△日△△時より面接のお約束をいただいておりましたが、
家庭の事情により、選考を辞退したくご連絡を差し上げました。
何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり申し訳ございませんが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(略)
家庭の事情などで面接を辞退する場合は、詳細は触れずに「家庭の事情」や「諸般の事情により」と記載して問題ありません。
自分と合わないと感じた場合の例文
(略)
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、大変申し訳ないのですが、
面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
面接でお話を伺う中で、私が想定していたイメージと実際の業務内容の違いが大きいことに気づき、仕事を通じて貴社に貢献していくことが難しいと実感いたしました。
何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり申し訳ございませんが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(略)
自分と合わないと感じた場合も正直に伝えてOKです。ただし伝え方は失礼にならないように、自分には「貢献できそうにない」「実力が伴わない」など、あくまでも自分都合である旨を示唆し、相手に配慮しましょう。
体調不良の場合の例文
(略)
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、大変申し訳ないのですが、
体調不良のため面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
直前の連絡となってしまい申し訳ございません。
何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり申し訳ございませんが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(略)
体調不良の詳細を伝える必要はありません。「体調不良のため」だけでOKです。上記は体調不良により辞退を申し出る例文ですが、企業によっては面接の再設定に応じてくれる場合もあるので、希望する場合は「再度面接を調整していただくことは可能でしょうか」と添えても良いです。
言いづらい理由の場合の例文
(略)
お世話になっております。
この度、最終面接のご連絡をいただきました〇〇〇〇(あなたの氏名)です。
△月△日△△時より面接のお約束をいただいておりましたが、
一身上の都合により選考を辞退したくご連絡を差し上げました。
何卒ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり申し訳ございませんが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(略)
その他、言いづらい理由で面接を辞退する場合も、「一身上の都合」や「諸般の事情により」と記載して大丈夫です。
面接辞退を電話で伝える会話例
面接の前日、当日の辞退はメールよりも電話で伝えたほうが確実です。電話で伝える際も、どの理由でも「感謝・謝罪・辞退の意思」の3点を押さえれば失礼な印象になりにくいでしょう。
他社から内定をもらった場合のトーク例
他社からの内定が理由の場合は、正直に伝えてOKです。以前に応募先へ第一希望と伝えていた場合は表現に配慮しましょう。
【例文】
「お世話になっております。明日、面接のお時間を頂戴している〇〇と申します。直前で大変申し訳ございませんが、応募しておりました別の企業より内定をいただきましたため、明日の面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。」
(相手が話し終わるのを待ってから)
「選考に際し、貴重な時間を割いていただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。選考の機会を頂戴し、ありがとうございました。」
家庭の事情で辞退する場合の例文
家庭の事情は深く踏み込まれにくいため、やんわり伝えるのに適した理由です。
【例文】
「お世話になっております。明日、面接を予定しております〇〇と申します。大変恐縮ですが、家庭の事情により面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。ご迷惑をおかけし申し訳ありません。」
(以下、略)
自分と合わないと感じた場合の例文
仕事内容や企業との相性が合わないと感じた場合も、曖昧な表現で構いません。
【例文】
「お世話になっております。明日、面接の予定をいただいております〇〇と申します。色々と検討を重ねた結果、自分の希望とは異なる部分があると感じ、面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。」
(以下、略)
体調不良の場合の例文
体調不良の場合は無理せず、率直に事情を伝えて丁寧にお詫びをしましょう。
【例文】
「お世話になっております。明日の面接にお時間をいただいております〇〇と申します。誠に申し訳ありませんが、体調を崩してしまい、面接を辞退させていただければとご連絡いたしました。急なご連絡となり申し訳ございません。」
(以下、略)
言いづらい理由の場合の例文
どうしても理由を言いたくない時は、「一身上の都合」として構いません。
【例文】
「お世話になっております。明日の面接を予定しておりました〇〇と申します。誠に恐縮ですが、一身上の都合により面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。」
(以下、略)
面接辞退メールに関するQ&A
面接辞退のメールを送った際は下記のことに注意しておきましょう。
面接辞退メールに企業から返信がない場合は?
面接辞退のメールを送った後に企業から返信がない時には、担当者が見落としてしまっている可能性もあるので、再度送信しましょう。それでも返信がなければ電話で連絡し、「〇月〇日〇時にメールでご連絡しています〇〇です」、などと伝えるとスムーズに話が進みます。
面接辞退メールを送った企業からの返信にも返信する?
企業側から面接辞退を了承する返信が来たら、その後こちらから連絡する必要はありません。例えば、返却物がある場合など、企業側から何かしらの返信を求める内容であれば、内容に沿って返信し、適切に対応をしましょう。
面接を辞退した後にもう一度選考をお願いできる?
基本的には一度辞退した会社に再度選考をお願いするのは難しいです。まだ他の人が選考中であったとしても、よほど説得できる理由がない限り、再選考の依頼はやめておいたほうが無難です。面接を辞退する際には、本当に辞退してよいか、しっかり考えて連絡をしましょう。
応募先企業から引き留められた場合はどうする?
応募先から「ぜひ一度お会いしたい」などと引き留められることもあります。すでに他社内定などで気持ちが固まっているなら、丁寧にお断りすれば問題ありません。ただし、迷いがある場合は自分の希望や条件を率直に伝えてみましょう。それでも「ぜひ」と言われるなら、再検討するのも選択肢の一つです。
※公開:2024年7月9日、更新:2024年11月20日、2025年6月19日
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