スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2017年07月26日

Ni〜ya(NIGHTMARE)インタビュー『まずはやってみる。向き/不向きが分かるのはそこからだから』【俺達の仕事論vol.13】

Ni〜ya NIGHTMARE ナイトメア ベース V系 インタビュー 俺達の仕事論 タウンワークマガジン

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

現在、活動休止中のNIGHTMAREのベーシストNi〜ya(ニーヤ)。現在は、咲人(NIGHTMARE)ソロプロジェクトの、アルバムレコーディングやツアーに参加するほか、サポートベーシストとして活動中。

いまだに持っているという初めてのバイト代で買った機材や、高校時代に働いていたというコンビニでのエピソードを中心にお話を伺いました。

 

コンビニのアルバイトは、ほぼ毎日シフトに入ってた

——初めてのバイトは何でしたか?

高校が商業科(就職コース)で、社会勉強のためにバイトはなるべくしたほうがいいっていう感じだったから色々やりました。最初は工場内作業で、夏休みに入ると朝から晩まで、流れ作業で段ボールに商品の詰め込みをやってた。

その後の、高校2年から始めたコンビニのバイトは、卒業するまで2年くらいずっとだったから、それが一番濃いかな。

——コンビニのバイトは、どれくらいの頻度で入っていたんですか?

ほぼ毎日。それだけやっていれば仕事も覚えるし、商品の陳列から、力仕事、掃除、レジ閉め、廃棄処分とか、発注以外は全部やってた。

始めるまでは“接客業ってどうかな?”と思っていたけど、やってみたら工場内作業よりは、お客さんと接するほうが向いているなと思ったのは自分でも意外だったね。

——そこは卒業と同時に辞めたんですか?

そう。高3の夏くらいからNIGHTMAREの前身バンドをやっていたし、それでプロになろうと思っていたから、卒業と同時に辞めました。

辞めた後も店長からは“今週ちょっと入ってもらえない?”って電話をもらったりしたけど、“俺、本格的にバンドやってるんでもう金髪なんすよ!”って(笑)。

田舎だから風紀的にすごく厳しくて、学生時代も髪はちょっと明るかったんだけど、毎日黒くスプレーして行ってたしね。

——バイト仲間との思い出は?

俺が一番年下だったからご飯に連れて行ってもらったり、みんなでたまに旅行に行ったりとか、すごく仲が良かった。

あと、コンビニって基本2人で入るんだけど、いつも一緒に入っていた先輩が音楽好きな人で、すごく話が合って。洋楽とかロック全般が好きで、よくCDを借りたり、お店の有線もめっちゃ聴いてたね。

その人がいたからバイトが楽しかったっていうのはあるかもしれない。テキパキしていて仕事が出来る人だったし、俺も自分で言うのもなんだけどテキパキしていたほうだったから、すぐ仕事が片付いちゃって、あとはずっと音楽談義をしてた。

 

お金を稼ぐ大変さを知ったことで、両親への感謝が生まれた

Ni〜ya NIGHTMARE ナイトメア ベース V系 インタビュー 俺達の仕事論 タウンワークマガジン——接客業をするなかで、特にNi〜yaさんが気をつけていたことは?

お客さんを待たせないこと。たとえば自分が陳列作業をしている時も店内の鏡を見てレジは常に気にしていたし、お客さんが来たらすぐに行くっていう。

そういう風に教育もされたけど、そこは一番のこだわりでした。

——仕事をしてみて学んだこととか、気づいたことはありますか?

社会の厳しさを知ったかな。学生時代にお金を稼ぐことの大変さを知れたから、親が働いて稼いだお金で俺らを育ててくれているっていうありがたみが分かった。だから、下手に親に“金くれ”って言い……づらくなったよね(笑)。

——言ってはいたと(笑)。

まだ高校生だったから、お小遣いはもらっていて(笑)。あと、お昼の弁当がない時はお金でもらっていたからね。そこは“ありがとう”って思いつつ受け取るんだけど、でも気持ちは変わったね。

あと、学んだこととしては、仕事だからミスれば、怒られるわけじゃない? そういう経験って、それまではなかったから。

俺が一番覚えているのは、レジで打ちミスをしたこと。間違えて“×2”で打っちゃった時、ミスに気づいたお客さんが戻ってきたんだけど、その人がめちゃくちゃ怖そうな人で(苦笑)。絶対“てめぇこのやろうって”言われると思ってドキドキしながら、“申し訳ございません”って謝ってお金を返して。そしたら、その人が“間違えた相手が俺で良かったよ。お兄ちゃんね、他のお客さんだったら大変だったよ、気をつけなね”って言ってくれたの。

それが、すっごく嬉しくて優しさを感じたし、そこからは仕事として、さらに気を引き締めてやろうって思った。

——ステージ上のワイルドなNi〜yaさんを見ているだけに、“申し訳ございません”が初々しい(笑)。

そりゃ言うよ(笑)。ちゃんと“いらっしゃいませ”とか、“100円が1点、125円が1点”とかも言ってたしね。

——そういえば、以前に登場してくれた柩さん(NIGHTMARE)が、パン工場でお菓子を詰める流れ作業をしていた話をしてくれましたけど、それをNi〜yaさんが売っていたかもしれないですよね?

その柩が行ってた工場って宮城県に1箇所しかなくて、しかも俺のバイト先とすごく近かったから、柩がバナナの皮をむいたお菓子を売ってた可能性もゼロではない(笑)。

 

バイトを辞める日に店長に言った言葉は今でも覚えてる

Ni〜ya NIGHTMARE ナイトメア ベース V系 インタビュー 俺達の仕事論 タウンワークマガジン——ちなみに、長くやっていたコンビニを辞める日は寂しかったんじゃないですか?

高校卒業とほぼ同時で、これからバンドを本格的にやっていくっていう楽しみのほうが大きかったから、それはなかったかな。店長にはウチに就職しないかって誘ってもらって嬉しかったけど、その頃はもうNIGHTMAREとしてやっていたし“いやぁ、自分ちょっとバンドやりたいんで”って断りました。

その時に“必ずプロになってみせるんで、そしたらコンサートを見にきてください!”って言ったのは今でも覚えてる。

——その後、プロになるわけですが、ライヴに店長は招待出来ましたか?

仙台のライヴには、ちょいちょい来てくれて、去年は会場に花まで出してくれたんだよね。“成功して良かったな”って言われたし、デビューした時もすごく喜んでくれました。

——そのコンビニのバイトを辞めた後は、バンド1本ですか?

まだそれだけだと食べていけなかったから、バイトじゃないんだけど、自営業だった実家の仕事を手伝っていた時期が1〜2年はあった。

それ以降はNIGHTMAREが忙しくなって本業になったから、東京に出てきてからはバイトはしていないです。

 

工事現場での仕事の後は、手が痺れてベースが弾けなかった(苦笑)

Ni〜ya NIGHTMARE ナイトメア ベース V系 インタビュー 俺達の仕事論 タウンワークマガジン——ちなみに、自営業の手伝いというと?

農業がメインなんだけど、ほかにも親父はいろんな仕事を持っていて、当時は土木工事とか。ランマ(地面を固める際に使用する建設機械)もやったしね。コンクリートを敷く前に、地盤をダダダダダッって固めるやつ。あれを1日やっていると、もう手がしびれちゃって、仕事後にベースが弾けない(笑)。ちゃんと機械を抑えてないと、暴れるからすごく力がいるし、時間で交代しながらやってた。

工事現場で働いたのは1ヵ月くらいだったけど、少しずつ建築が出来上がっていくのを“おぉ、今日はここまできたぞ!”って見ているのが楽しかったなぁ。あと、コンクリを流し込んだ後に、空気を抜くためにヘラで叩いていく作業があって、それは好きだった。

——当時は、どういう生活サイクルだったんですか?

昼間に働いて、夜は練習するっていう感じかな。力仕事は体が鍛えられるからいいんだけど、手をやられるのだけは嫌だった。

1日中重たいものを運んでいると、指に力が入らなくなって、そのあと家に帰っても楽器の練習が出来ない(苦笑)。

だから、楽器を弾く人には向いてないかもしれないね。ライヴの次の日は昼からの出勤にしてもらったりとか、優遇はしてもらっていました。

 

初めての給料で買ったベースアンプは、とにかく嬉しかった

Ni〜ya NIGHTMARE ナイトメア ベース V系 インタビュー 俺達の仕事論 タウンワークマガジン——話は戻りますが、最初の給料のことは憶えていますか?

覚えてる! 工場の仕事で、手渡しで5万円くらいもらったんだけど、めちゃめちゃ嬉しくて“やったぁぁぁ!”って。やっぱりあの喜びはいまだに忘れられないよね。

その時にバイトしてお金を貯めて買ったベースアンプはまだ持っていて、3〜4万円くらいだったかな。給料をもらった翌日に速攻買いに行って、すっごい重たいのに配送にしないで頑張って電車で持って帰ったもん(笑)。その後の給料で、ベースも買ったしね。

——そう聞くと、かなり稼げていたんですか?

月に多くて10万円とか。プラスお小遣いもあったから、学生時代はお金をもってた(笑)。だから、上京して本格的にバンドを始めた頃が一番苦しかったかもしれない。

——バイト代は主に音楽に消えたと。

そうそう。機材もそうだし、好きなアーティストのCDを片っ端から買ったり、欲しいものがあるからバイトを頑張れたっていうのはあるよね。

——では、最後にバイトを始める人たちへ向けてアドバイスをお願いします。

いろんなバイトに挑戦したらいいと思うよ。俺も今話した以外にも、面接で落とされたり、長く続かなかったバイトもたくさんあるからね。バイトで自分の向き不向きも分かると思し、そこで仕事が楽しいって思えたら上達もするだろうから。それが、自分の生きる道になる人もいるかもしれないじゃない? まずはやってみる。

俺だったら、音楽において、ベースにおいても言えることだし……。喰わず嫌いをしないでやってみるっていうのは、バイトに限らず、人生においても大切なことだと思います。

 

■Profile
Ni〜ya(NIGHTMARE)

NIGHTMAREのベーシスト。昨年のNIGHTMARE活動休止以降はサポートベースとして活動中。今年6月に発売された咲人(NIGHTMARE)のソロプロジェクトであるJAKIGAN MEISTER(ジャキガンマイスター)の1stアルバム『Ejaculation』にベーシストとして参加。7月から8月にかけておこなわれるツアー『Ejaculation: Sequence』や、HAKUEIのソロプロジェクト・GREMLINSのイベントライヴへの参加が控えている。

◆NIGHTMARE OFFICIAL SITEhttp://www.nightmare-web.com
◆Ni〜ya Official Twitter@NIGHTMARE_218

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:河井彩美

早速バイトを探してみよう