スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2018年08月01日

maya(LM.C)インタビュー『得られることは必ずある。経験が無駄になるかどうかは自分の受け止め方次第』【俺達の仕事論vol.36】

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

“新世紀型Electorock”をコンセプトに、シンセの特徴をいかした疾走感ある楽曲をはじめ幅広い音楽性を提示するロックユニットLM.C(エルエムシー)。8月8日にはアルバム『FUTURE SENSATION』をリリース! 小学生の頃からバンドに魅力を感じていたというヴォーカルのmayaさんに、ライヴ会場設営でのバイト経験についてお話を伺いました。

 

ライヴ会場の設営は、何もないところから作り上げられていくのが見られた貴重な現場

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン——これまでどんなバイトをしてきましたか?

お手伝い程度のバイトだと、地元の美容院とか市場なんですけど、それなりに続けたバイトはライヴ制作会社ですね。実はこれまでのバイトは全部、親とか知り合いの紹介なので、履歴書を書いたり面接を受けたことはなくて……。欲しいものは買ってもらえていたから、お金が欲しくて働いたわけでもないし。そのなかで、高校生の頃にやっていたライヴ会場の設営は楽しかったし、なかなか出来ない経験もあったのでやって良かったなと思いますね。

——高校生の頃からmayaさん自身も音楽は始めていたのでしょうか?

小学生の頃からバンドに興味を持ち始めて、中学でギターを始めました。中学の頃は、まだバンドは組んでいなかったけど、音楽は好きだったし、ライヴ会場の設営は、今思うとユーザーとして“このライヴ行きたい”っていうノリで行っていた気がしますね。

——ライヴ設営はどんな仕事でしたか?

当時はみんな現場で名前では呼ばれず、“バイト君”って言われていたんですけど、早番と遅番があって、早番だと朝の搬入が始まる時間から行って舞台を組み立てる“1日仕事”で、遅番は警備とライヴ後のバラシがメインでした。

——mayaさんはどちらに行っていたんでしょうか?

どうせやるんだったら、朝からちゃんと入って働くほうが好きでしたね。当時の自分は、まだライヴハウスですらライヴをしたことがないような状態だったから、“何もないところからこうやって作られていくんだなぁ”って見られるのは楽しかった。あと、ライヴを制作する人たちの熱量もすごかったんですよね。

 

バイト君の音出し!? ホール内に響き渡ったスネアドラムの音は今も覚えてる

——印象に残っているエピソードはありますか?

ちょっとした出来事だと、照明チェックの時にメンバーの演奏位置に立つ“場当たり”があって、自分はドラムの位置に座ったんです。当時は、ギターを弾いていたし、家にもドラムセットはあったけど、プロのセットは“きれいだしすごいなぁ”と思って、ちょっと手でドラムを叩く振りをしたら、見事にスネアドラムにヒットして音がホール内に響き渡っちゃいました。広い会場で、単なるバイト君が音出ししてるみたいな状態(笑)。怒られはしなかったけど“おや、邪魔したかな?”みたいな。そのホールに響いた音は記憶に残っています。

——なかなか出来ない体験ですね。

そうですよね(笑)。あとは別現場の話ですけど、当時LUNA SEAが好きで、たまたまSUGIZOさんの位置に呼ばれた時に“俺好きなんですよ”って話をしたら、ローディの方が一瞬だけどギターを肩にかけてくれて。トリプルネックの黒いギターで、とにかく重たくてびっくりしました。でも、それは本当にラッキーでした(笑)。

 

警備の大切さ——“ちゃんと託されたロープを握ってその場を守るぞ”って思ってた

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン——警備の方はどうでしたか?

それもLUNA SEAの現場なんですけど、すごく印象的なことがありました。ライヴ前に、バイト君が全員呼ばれて仕事の説明を聞くんですけど、担当の方が熱血で、その話がすごく刺さったんですよね。

——どんな話だったんですか?

当時のLUNA SEAはバンドとして上昇していく過程で、熱がすごかったんですよ。それを、担当の方が“LUNA SEAっていうのはこういうグループで、今こういう状況で、こういうツアーをしていて”って、バンドの勢いとか、それに伴うファンの人の熱狂度とかをイチから説明してくれて。ファンの方が、何かをやらかすっていう意味ではなく、熱狂的だからこそ、何が起きるかわからない。だからこそ警備が大切なんだっていうことを熱弁されました。ライヴには、起こるべくして起こる“ボジティブなハプニング”ってあるんですよね。

 

心に刺さった 「一緒にライヴを作っているんだ」という“熱血さん”の言葉

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン——バンドや音楽に魅力があってこその高揚感というか。

そうなんですよ。どんなトラブルが起きるか分からないから、みんな命がけでツアーを廻っているし、ライヴをしているから「何があっても、お客さんの命が最優先」。そのうえで、「このライヴを作るのはメンバーはもちろん、スタッフも、そしてお前らも必要なんだから気合を入れて参加しろ」と。「お前らの警備もライヴの1つの大事な要素だ」っていう。それを聞いて“バイト君だけど、ちゃんと託されたロープを握ってその場を守るぞ”って思いましたね。それが1995年5月18日木曜日(笑)。

——鮮明な記憶ですね。さすがに“ライヴの一員”っていうのは、言われないと自分からは思えないですよね。

本当にあの日は、自分にとっても特別な1日でした。あそこに居合わせたみんなも絶対に士気があがったと思うし。大好きなバンドのコンサートの現場にいて、初めてなのに一緒にライヴを作っているんだって言われるわけだから、衝撃ですよね。なんかすごく覚えてる……。その“熱血さん”を囲むように、バイト君は全員が体育座りで扇型で座ってるんですよ。ロビーだから、ガラスの向こうにはコスプレをした人たちがいっぱいいて、中ではリハーサルやっていて……。

 

ライヴには最前列より、さらに一歩前があって、そこにもドラマがあるんだぜ!

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン——maya青年の原体験ですね。

その経験があってから、オーディエンスとして一番ステージに近いのは最前列ですけど、“最前列よりもう一歩前があって、そこにもドラマがあるんだぜ”って(笑)。結局、その“熱血さん”とは、この仕事を始めたあとに再会はできなかったんですけど、今LM.Cのコンサート制作をやってくれている方は、その当時から現場で仕事をしていた人なんですよ。あの空間に一緒にいて一緒にライヴを作っていたと思うと感慨深いですね。

——まさにドラマですね。

はい。あと、もう1つ記憶に残っているのが、あるアーティストのコンサートでライヴ後の撤収をしていたら、帰り支度を終えたメンバーが「今日はお疲れ様でした。遅くまでありがとうございます。お先に失礼します」って、わざわざホールまで挨拶に来てくれたんです。馴染みのスタッフさんだけじゃなくて、その地方で入っているバイト君たちにも声をかけてくれて。決して、その日のバイトが辛かったわけじゃないけど、そう言われた時にその日が救われたというか……純粋に嬉しかったです。

 

労いと感謝を言葉にして伝えることの大切さを知った

LM.C maya V系 アーティスト ミュージシャン バンド ビジュアル ヴィジュアル インタビュー タウンワークマガジン——それは今に生きていますか?

LM.Cを始めてからは意識していますね。他のアーティストもみんな思っていることなんだろうけど、言葉にする大切さってあると思うんです。自分たちのライヴに関わってもらったからには、スタッフにも“ライヴに携われてよかった”って思ってもらえたら嬉しい。自分も言葉にして言うことで当時を思い出すんですよね。もし、地方のライヴハウスとかで“LM.Cのヴォーカル印象よかったな”って思ってくれている人がいたとしたら、俺じゃなくて、その方々のおかげです(笑)。

——同じ出来事に触れても、どう感じるかは人それぞれですし。

自分次第っていうところはありますよね。でも、いろんなライヴ制作の現場を体験して、やりがいのある仕事だなと思ったので、みんなもゼヒ! LM.Cの現場に来てくれたら……めちゃくちゃ厳しくしますけど(笑)。

——で、終演後には?

“みんなありがとねぇ”って(笑)。今話しながら思ったんですけど、もっとバイトをしてみてもよかったなと。後悔はしていないですけど、また違う人生の選択があったのかもしれない。捉え方一つで無駄になることってないと思うんですよね。

——そんな出来事1つを無駄にしないmayaさんが、ほかのバイトで得たものは?

地元の美容院に人手が足りない時に手伝いに行っていたんですけど、エクステを編めるようになりました。市場では面倒をみてくれたお兄さんが「カレーに生卵をいれるとおいしいよ」って。それは今だにやりますからね(笑)。だから、何かしらは得るものはあると思いますよ。

——確かにそうですね(笑)。では最後に、言い残したことがあれば。

俺、実はタウンワークのCMが凄く好きなんです。出ているキャストとセリフのバランスが絶妙で、CMが流れると作業していてもつい見ちゃう(笑)。情報も豊富だからバイトも選びやすいだろうし、バンバンやったほうがいい。経験は絶対に無駄にならない……いや、無駄になるかどうかは自分自身の受け止め方次第なので。若者はお金のためだけじゃなくて、いろんな経験のためにバイトをするといいと思います。それを探すときはもちろんタウンワークでね!(笑)。

 

■Profile
maya
(マーヤ)

2006年にmaya(ヴォーカル)とAiji(ギター)で結成されたV系ロックユニットLM.C(エルエムシー)。ミクスチャー、デジロック、HIP HOP 風・・・と、簡単にカテゴライズできないPOP でキャッチーなサウンドを展開。
同年10月にメジャーデビュー。その存在感はもはやヴィジュアル系という枠にとどまらず、 活動地域も日本のみならず世界各国に進出。
2012年には日本武道館公演をおこなう。
今年は8月8日に約1年半ぶりのアルバム『FUTURE SENSATION』をリリースし、8月25日からは埼玉を皮切りに全国ツアー『TUOR 2018 IN FUTURE』がスタート!

◆LM.C OFFICIAL SITE:http://www.lovely-mocochang.com/
◆maya Official Twitter:@maya_LMC

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:青木早霞(PROGRESS-M)

早速バイトを探してみよう