アヤ・エイトプリンス(BiS)インタビュー「やっとやりたい仕事に巡り合った」【アイドルシゴト Vol.23】
毎週火曜日に公開している「アイドルシゴト」。この企画は、アイドルたちが普段考えているシゴトのやりがいやシゴト観についてインタビューする連載です。
今回は、再結成した新生BiSの美人担当、アヤ・エイトプリンスさんにお話を伺います。
ただの振りコピユニットにならないように、これまでのBiSの歴史をきちんと理解したい
――一般人の状態からオーディションを受けてBiSに加入されたアヤさんですが、加入していかがですか?
まだまだ意識が低いところはあるんですけど、ふとした瞬間にアイドルになったんだなっていう実感は湧きますね。ステージ上では笑顔でいようとか、お客さんをすごく意識しているので、ライブ中は前方だけじゃなくて後ろの方の人にも目線を送れるようにしてます。
でもファンの人の名前と顔を覚えるのが苦手で、ちゃんと覚えられるように最近ノートにメモをするようになりました。(ノートを見せながら)撮影したチェキをTwitterとかで見て、話した内容を思い出したりするようにしています。
――他にもいろいろメモされていますね。
BiSのこれまでの歴史もメモするようにしてます。複数のノートを持ってるわけではなく、すべてこの一冊にまとめています。私はBiSのこれまでの歴史を何も知らないままグループに入ってしまったので、以前の曲をやるにしても歌詞に対しての歴史とかそれに込められている想いをちゃんと理解しないままやってしまうと、ただの振りコピユニットになって。だからちゃんと知ってやらないとそれはお客さんにも伝わってしまうと思って、そうならないようにいろいろ勉強してます。
――基本的に真面目な性格?
ちょっと前まではそこまででもなかったんですけど、ちょっと考えるタイミングがあって、自分はもっと真面目にならなきゃいけないなと思いました。
以前、下北沢SHELTERでライブがあったんですが、そこでプー・ルイさんに任せすぎたなというか、重荷を負わせすぎているなというのをすごく実感して、もっと他の4人のメンバーがしっかりしていかなきゃいけないなっていう想いが芽生えて、よりしっかりしようという意識になりました。
やっとたどり着いたアイドルというシゴト
――BiSと同じ渡辺淳之介さんプロデュースであるBiSHのオーディションにも応募してたんですよね?
そうです。BiSHのセントチヒロ・チッチちゃんと地元が一緒で知り合いだったので、もともとBiSHのことは知っていたんですが、一度ライブを観に行ったときにチッチちゃん(BiSHのセントチヒロ・チッチ)がキラキラしてて、アイドルってやっぱりいいなぁと思ってBiSHに応募しました。だけど、そのオーディションには落ちてしまいました。
――もともとアイドルになりたかった?
ハロープロジェクトの℃-uteさんにとても憧れていて、自分自身も中学生2年生の頃からずっとアイドルになりたいという気持ちがあったんですけど、他人(ヒト)にはアイドルになりたいとは恥ずかしくて言えなかったんです。それを隠して生きていたんですが、フリーターでバイトをしてるときにこのままではダメだなって思って、自分は何が向いているのか考えたんです。
他人からモデルを勧められて自分自身もやってみたかったので、オーディションに応募してモデルの活動をしていたこともありました。でも、学生の頃に吹奏楽部に入っていて、みんなで何かを作ることが好きだったので、「1人でする仕事はなんか違うな」って感じてしまったんです。そのときにBiSHとはまた違うアイドルオーディションを受けて、落ちてしまったんですけど、その中でやった実技審査みたいなのがすごく楽しくて、「あ、やっぱり私はこれがやりたい」って思ったんです。
――やりたいと思ったことに対しては行動に移せるタイプ?
1年前くらいから行動に移せるようになってきました。それまではただの学生だったんですけど、周りの友だちが進路とか就職を決めていってより焦りが生まれてきたからだと思います。
――BiSの中での立ち位置は?
みんなによく「バカ」って言われてます。おもしろいとか、使えるバカじゃなくて使えないバカだって言われちゃうんで、もうちょっと頭よくなりたいなって思います(笑)。
これまで様々なことに挑戦してきた
――過去のバイト経験は?
最初はドーナツ屋さん、遊園地、コンビニ、派遣での宅配便の仕分け作業や、コーヒーチェーン店、結婚式場でセッティングや配膳の仕事もしてました。バイトを選ぶ基準はやりたいなと思うことをやってました。バイトも自分探しのキッカケの一つだったんだなって思います。
――この中で一番楽しかったバイトは?
楽しかったけどすぐに辞めちゃったのは遊園地です。物理的にも遠かったっていうので辞めちゃいました。2年間くらいはフリーターでバイトだけの生活を送ってました。バイトだけで生活するのは大変な面もあったんですけど、何でも自分の好きなようにスケジュールを組んだりすることができたので、そこの面はよかったですね。バイト経験だったら今のBiSの中で一番あると思います。
――バイトで稼いで貯めたお金で何かしようとしていた?
2年間コーヒーチェーン店でバイトしてたんですけど、時給が安くてなかなかお金は貯まりませんでした。税金とかでほとんど手取りはなかったので、趣味のものや何かを買うために使うっていうよりは、経験を得るためや生きるために働いてるって感じでした。
――アイドル以外にやりたいと思っていた仕事は?
英語がとても好きなので英語の先生になりたいと思ってました。これまでも1人でニューヨークに行ったこともあります。他にも歌とダンスに興味があったので、テーマパークダンサーになろうと思っていたこともあって、そういった勉強ができる学校を片っ端から調べて、オープンキャンパスに足を運んだこともあります。
でも、「なにかちがうな」って気持ちになって…、結局アイドルになりたい気持ちが強かったんだなって思います。
今はやっと自分のやりたい仕事に巡り合ったし、チャンスを頂けて、毎日楽しいなって思ってます。
自分のことを客観的に捉えられないと上には行けない
――モチベーションが下がってしまったときはどうしてる?
食べたり、寝たり、買い物したりとか…、普通ですね(笑)。以前ネットの生放送番組に出たとき、渡辺さん(BiSプロデューサー)に真顔でキツいダメ出しをされて、その瞬間は笑顔で流して、家で号泣したこともありました(笑)。でも、その日は寝て一日経てば忘れちゃいますね。あんまり引きずらないタイプです。
――何をやってるときが一番やりがいを感じる?
やっぱりライブですね。ライブでお客さんが楽しそうにしているのを見るのが一番やりがいを感じます。
アイドルは意識することがたくさんあるなって感じていて、歌のピッチや、ダンスとか表情もそうだし、会場の盛り上がりやメンバーの様子とかいっぱい頭を使います。なので、特典会とかでもパフォーマンスのことを褒めてもらえると嬉しいですね。
――客観的に自分のことを捉えているタイプですよね。
常に客観的に捉えられてないと上にはいけないと思うんです。あと、自分はちょっとプライドが高いんですよ。だから「自分はアイドルとしてこうあるべきだ」という想いが強いと思います。℃-uteの鈴木愛理さんが目標でもあるんですが、愛理ちゃんのように見た目もかわいくて歌も歌えてダンスも踊れるようになりたいと思ってます。
でも、自分的には王道はちょっとおもしろくないなと思ってるので、ダンスや歌のパフォーマンスを上げつつ、BiSらしさをどんどん出していきたいです。
まずは目の前の小さい目標から
――アイドルのその先について考えている?
ミュージカルが好きなので、そっちの方向に行けたらいいかなとか考えたりもしますが、まだアイドルとしては始まったばかりなので、まだまだこれからだと思ってます。
――最後に、今後の目標は?
まだ大きい目標とかは掲げられなくて、まずは小さな目標からやっていかないとそこまでたどり着けないと思ってます。まずは一人ひとりのメンバーがしっかりして、プー・ルイさんの負担にならないように、もっと一人ひとりが自立して活躍しないといけないなと感じます。それがまずはできるようにならなくちゃ次の目標は作れないですね。
企画・編集:SADD 取材・文:永山あるみ(@ayutama_xoxo)
撮影:曽我美芽(@mimeeeeeeee)http://sogamime.com