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2020年12月15日

【あの頃のナンバー】第9回 メガテラ・ゼロ(Mr.FanTastiC):Aerosmith「I Don’t Want to Miss a Thing」

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork

第一線で活躍するミュージシャン達にバイト時代を思い出す1曲を挙げていただく企画「あの頃のナンバー」。かつてを思い出す楽曲のエピソードを中心に、当時のバイト生活、音楽活動などについて語っていただきます。

第9回にご登場いただくのは、圧倒的なメロディセンスと、エモーショナルなライブパフォーマンス、そして卓越した楽器陣のプレイで注目を集めるMr.FanTastiC。ヴォーカルのメガテラ・ゼロさんに、カラオケ店でのバイト時代のお話や、音楽人生のルーツでもあるという「あの頃のナンバー」について伺いました。12月16日にはシングル「&」をリリース!

 

このメンバーだからこそ出来る音楽。楽器陣の存在が全面に出たシングルが完成

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork――シングル「&」がリリースされますが、1曲目の「Night & Day」から、歌詞の言葉数に圧倒されました。

「Night & Day」は浮気をテーマにしています。“本命にならなくていいのか?”という皮肉や、葛藤への後押しなど、色々な要素を反骨精神として描きました。歌詞のテーマや、疾走感のある演奏のインパクトも含めて、シングルの冒頭から傷(衝撃)を受ければ、あとは気持ちよく聴いてもらえるだろうと思って、あえて1曲目に収録しました(笑)。

——MVにもなっている「HOWEVER」はいかがでしょうか?

メンバーに「たくさんソロを入れてほしい」とお願いしたら、ギター、ドラム共に、すごくカッコイイ演奏に仕上げてくれました。

——全体にメロディアスでありながらも、楽器陣の息遣いが聴こえるようなせめぎ合いに引き込まれました。

彼らの天才性が出ていますよね(笑)。メンバーはすごく演奏が上手いので、僕の理想としては、ボーカルの存在が霞むくらいドラムとギターが前面に出て好き放題にやってくれることなんです。それが形になったことで、全体に尖ったシングルになったと思うし、バンドとしても転機になる作品だと思っています。

——「Envy & Clap」は既存曲なんですね。

昔からライブで演奏していた曲です。この曲は当時、Envyというワードが浮かんで、英語が出来るメンバーのつっくん(Gt)に意味を聞いたら“嫉妬”だったので、嫉妬に関するワードを集めて歌詞を作りました。2曲目の「HOWEVER」も、実は海外のお菓子の名前から取っていたりと、歌詞の内容以上に音の響きや語感を大事にすることが多いんです。ファンの方に歌詞の感想をもらうこともあるのですが、僕以上にみんなのほうが歌詞の意味を考えてくれたり、言葉に感情をのせてくれていて、すごくありがたいなと思います。

——純粋に音楽を楽しむという傾向が強いのでしょうか?

それはメンバー共通の思いです。まずは音を鳴らして気持ちいいことが一番。だから、ライブでも同期音(電子機器による演奏)は準備せず、メンバーの生演奏だけで届けることを大事にしています。

——ライブでは、お客さんが録音や映像を録画するのもOKなんですよね?

はい。せっかく自分の意思で来てくれたんだから、会場に入ったら「あとは好きにして!」っていう思いがあります。どの曲を録ってもらってもいいし、映像をSNSにアップしてもいい。僕たちは『無所属、無属性、自由型ロックバンド』を掲げていますが、会場に来たらお客さんも自由なんです。それに、録画したものを人に見せられないようなカッコ悪いライブはしたくない。それは、このメンバーだから出来ることだと思っています。

 

Aerosmithの「I Don’t Want To Miss a Thing」は人生を変えた1曲

 
――では、ここからはバイト時代のエピソードと、当時を思い出す“あの頃のナンバー”について伺いたいと思います。

人生を変えた1曲でもあるのですが、エアロスミスの「I Don’t Want To Miss a Thing」です。高校1年の時に、映画『アルマゲドン』でこの曲が流れた時に衝撃を受けたんです。それまで、両親が音楽をやっていたこともあり音楽への興味はありましたが思いが一気に強くなりました。

——バイトはどのタイミングで始めたのでしょうか?

高校を卒業した後に一度は就職をしたのですがすぐに辞めてしまって、上京の資金を集めるためにカラオケ店で働きました。そこでは、エアロスミスのライブ映像を見たり、「I Don’t Want To Miss a Thing」を流しながら仕事をしていたのを覚えています。

――ご自身で歌ったりはしなかったのでしょうか?

バイト終わりに部屋が空いていれば必ず歌っていたし、バイトのない日もお客さんとして、ほぼ毎日通っていました(笑)。当時はバンドではなく、シンガーソングライターとしてオリジナル曲で弾き語りをしてライブもしていましたが、あの頃から今もずっと“歌を歌いたい、バンドをやりたい、音楽で最強になりたい”という気持ちは変わりません。

 

とにかく良い曲に惹かれて、バイトがない時はひたすら歌っていた

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork――カラオケで歌っていたのは練習のためですか?

練習というよりは、ただ好きな歌を歌いたい一心でした(笑)。部屋が空いていれば8時間くらいずっとこもって、何曲かある好きな歌をローテーションで歌い続けるんです。なかでも「I Don’t Want To Miss a Thing」は何度も歌ったし、今でも歌います。

でも、この曲はすごく難しくて最初は全然歌えなくて……。“スティーヴン・タイラーは口が大きいから上手なんだ、きっと骨格の違いだ!”と思って口に拳を入れて、口が大きく開くように頑張ってみたりもしました(笑)。歌いながら、発声や技術を学ぶというよりは、まずは自分が楽しく歌えるようになるレベルを目標にしていました。

――その合間にオリジナル曲を練習したりは?

自分の曲は家で練習していました。カラオケに行くと、自分が好きなバンドの曲がたくさん入っているから、そっちを歌いたくて。どのバンドの曲も、高校時代に自分が作った楽曲より遥かにカッコイイ曲なのは間違いなかったので(笑)。特にエアロスミス、Mr.Big、フー・ファイターズ、邦楽ではELLEGARDENなどを歌っていました。

――「I Don’t Want To Miss a Thing」を聴いて思い出す当時のエピソードはありますか?

ある時、バイト終わりにカラオケに入って、この曲を流したらイントロ部分で酔っ払ったおじさん3人が部屋に入ってきて、僕より先に歌いだしたことがあって(笑)。完全に横取りされたんですけど、良い曲にはそれだけのパワーがあるんだなと、それはすごく印象に残っています。

 

上京後の極貧生活は毎日16円の蕎麦生活。でも、音楽を辞めるという選択肢はなかった

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork――そして、バイトで資金を貯めて上京されたわけですが。

上京後もバイトはカラオケ店を選びました。でも、都会は人が多くてなかなかシフトに入れなくて、その時期が一番大変でした。月4万円程度のバイト代で、家賃が4万円(笑)。まだバンドメンバーには巡りあえていなかったので、1人でステージに出たり、ユニットを組んだりしていました。その音楽でのギャラが最高で1万円。それを食費や交通費にしていました。

――地元で稼いだ上京資金は……?

敷金礼金で消えました(笑)。だから、毎日16円で買える蕎麦ばっかり食べていて。さすがに、しんどくなって親に連絡したら、若い頃から音楽をやっていた親父に「ひもじい時は虫を食べてた」と言われて、「じゃあ負けへんわ!」って(笑)。徐々にカラオケのシフトが増えて、少し楽になるまでは蕎麦だけの生活を続けました。

――夢に対する焦り不安はありませんでしたか?

全くありませんでした。そもそも昔から、歌を歌い続けられたらいいという感じなので、夢を諦めるとか、音楽を辞めるという概念がないんです。音楽が好きで呼吸と一緒だから辞めたら死んじゃう(笑)。“好きだったら好きでいいじゃん”と思っているし、辞める必要も、諦める必要もない。だから当時の悩みといえば“蕎麦以外のものを食べるためにはどうしよう”と、それしか考えていなかったです(笑)。

 

自分の歌だけでは無理だった理想の音楽を、今のメンバーが奏でてくれている

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork――その後はどうしたのでしょうか?

東京で活動している時に、大柴広己さんというシンガーソングライターのステージを見て、音楽でボコボコにされた気分になって“今まで自分は何をしていたんだろう”と。一度体制を立て直すために広島に帰って、もう一度同じカラオケ店で資金をためてから次は大阪に行きました。

——紆余曲折ですね。

はい。色々なことがありましたが、そこでメンバーにも出会い今に至ります。それまでは、いくら音楽を作っても憧れたアーティストの楽曲には追いつけない気がしていましたが、今のメンバーは、自分の歌だけでは無理だった世界を奏でてくれる。ようやく理想のバンドになれた気がしています。

――その思いが、今回のシングルにはより強く反映されたと。では、最後にバイトをしたことで得られたことがあれば教えて下さい。

今までの話とは少しそれますが、広島のカラオケ店で店長と出会えたことですね。すごくフラットに接してくれて、バイト中も怒られた記憶がないんです。言葉では言いづらいんですけどすごく居心地がよくて、今でも連絡をとっています。人対人なので、バイト先でどんな出会いがあるかは分かりませんが、多くの人と知り合うことで、読者の方にも素敵な出会いをしてもらえたらと思います!

メガテラ・ゼロ Mr.FanTastiC インタビュー タウンワーク townwork

■Profile
メガテラ・ゼロ
(Mr.FanTastiC)

メガテラ・ゼロ(Vo)、つっくん(Gt)、ナナホシ管弦楽団(Gt)、ふじゃん(Dr)からなる4人編成ロックバンド・Mr.FanTastiC(ミスターファンタスティック)。メガテラ・ゼロを中心に2018年6月結成。同年9月に1000人規模となるTSUTAYA O-EASTで始動ワンマンライブを敢行。以降、関西を中心に精力的にライブ活動を行い、結成1年でメジャーデビューを果たす。 汗あり涙なしのファンタスティックロックバンド。

◆Mr.FanTastiC Official HP:https://mrfantastic.ponycanyon.co.jp/
◆Mr.FanTastiC Official Twitter:@MrFanTastiCoff1
◆メガテラ・ゼロ Official Twitter:@megater_0

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:井野友樹 取材・文:原千夏

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