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2020年03月17日

【あの頃のナンバー】第5回 こやまたくやさん(ヤバイTシャツ屋さん):THEラブ人間「砂男」

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン

第一線で活躍するミュージシャン達にバイト時代を思い出す1曲を挙げていただく企画「あの頃のナンバー」。かつてを思い出す楽曲のエピソードを中心に、当時のバイト生活、音楽活動などについて語っていただきます。

第5回にご登場いただくのは、耳馴染みの良い楽曲と秀逸なリリックで人気を集めるヤバイTシャツ屋さん(通称:ヤバT)のギター&ヴォーカル・こやまたくやさん。バイト時代、将来の夢が定まらず不安になっていたという時期のお話や、3月18日にリリースされる「うなぎのぼり」の制作エピソードについて伺いました。

 
【新作『うなぎのぼり』について】

テイストの違う4曲を収録した新作「うなぎのぼり」が完成!

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン――タイトルの「うなぎのぼり」について教えて下さい。

僕たちのシングルは、毎回、楽曲とは関係ないタイトルになっているんです(笑)。初回盤付属のDVDに、オフショットとしてロケに行く特典映像が入るんですけど、タイトルにちなんだ場所に行くので、自分たちが行きたいところにしようと思って。今回は、ドラムのもりもりもとが静岡県浜松市の親善大使『やらまいか大使』になったこともあり、浜松市=うなぎというイメージと、言葉のポジティブさでこのタイトルに決めました。

――表題曲の「泡 Our Music」はシャンプーのCMソングに決定していますね。

お話をいただいて書き下ろしました。僕らCMにはめちゃくちゃ寄り添うタイプなので、曲中でもShampooと言っています(笑)。そこに、僕たちのライブで汗をかいて、イヤなことやストレスを流してというバンドからのメッセージも入れ込みました。曲調としても、ライブで楽しんでもらえると思います。

――2曲目は、タイトルも斬新な「創英角ポップ体」。

まいばすけっと(都市型小型食品スーパー)のロゴを見た時に、“なんで創英角ポップ体なんだろう、これは曲にせなあかんな”と思いました(笑)。ちょっと丸みのあるポップなあの書体をロゴとして使っているのが面白いと思ったんです。ヤバTのロゴも、ヒラギノ角ゴシックStdを使っていて、“似たようなことやってるな”と、シンパシーを感じたところから生まれました。

――「はたちのうた」も、TV番組のテーマソングですね。

はい。関西の『ちちんぷいぷい』の20周年記念のテーマソングとして依頼していただきました。関西では視聴率100パーセントなんじゃないかというくらい有名な番組で、小さい頃から見ていたので嬉しかったですね。自分自身のハタチの頃を振り返って、当時のよく分からない不安感を書きつつ、それを吹き飛ばすようなメッセージにして歌いました。ちなみに、バンドを始めたのもその時期なので、ハタチは新しいことを始められるタイミングでもあると思っています。

――「喜志駅周辺なんもない(増税ver.)」は、再々収録ということで。

増税のたびに値段を変えて収録しています。次は減税の時に再々々収録を出来たらいいなと思います(笑)。

――そして、恒例となった「泡 Our Music(岡崎体育remix)」。

岡崎さんにリミックスしてもらうのは9作目です。毎回違うパターンで聴かせてくれるので、僕たちもリスナーとしても毎回楽しみにしています。シングルに収録した4曲を通して、色々なテンションのものがあるので、満足感のある1枚に仕上がったと思っています!

 
【想い出のバイトソング】

打首獄門同好会の「島国DNA」で思い出す“まかない”エピソード!?

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン――では、ここからはバイト時代のエピソードと、当時を思い出す“あの頃のナンバー”について伺いたいと思います。

大学1〜2年の時に懐石料理店でバイトをしていましたが、その当時によく聴いていたのは、THEラブ人間の「砂男」です。それと、もう1曲思い浮かんだ曲があるんですが話してもいいですか?

――ぜひお願いします!

2016年にリリースされた打首獄門同好会の「島国DNA」で、この曲がリリースされた頃はもうバイトはしていなかったのですが、魚の名前が出てくるので、当時の思い出と直結するんです(笑)。懐石料理店のまかないはすごく豪華で、普段はお金がなくて家でうどんをゆがくとか、コンビニ食ばかりだった自分には、すごく助かっていたんです。でもある日、料理ではなくマグロの塊を「今日はこれで」ってドーンと渡された時に、“どうしたらいいんだろう?”って(笑)。この曲を聞くと、そのエピソードを思い出しますね。

まだ将来が見えなかった時期に、心を掴まれたTHEラブ人間の「砂男」

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン――貴重なエピソードをありがとうございます(笑)。では、THEラブ人間の「砂男」のことも教えてもらえますか?

色んな人に借りたCDや、気になる曲を、iPodにひたすら入れていた時期があるんですけど、シャッフルで聴いていた時に、この曲がポーンと自分の中に入ってきました。衝撃というよりは、“なんとなく良い曲だな”という、ふんわりとした感覚でしたが、何回も聴いてギターでコピーをして歌ったりもしました。

――最初はメロディに惹かれたんでしょうか?

歌詞と曲の両方ですね。歌詞もすごく優しかったり、みじめだったりして……リアリティのある言葉に心を掴まれました。自分が、バンドをやるようになって聴くと、言葉では伝えづらいのですが改めて刺さるところもあったりして、聴く時の状況や心境でも変わってくるのも音楽の面白さだなと思います。

――音楽には匂いもありますよね?

ありますね。この曲で思い出すのは、川の匂い。家の前に川があって、そこにアコギを持って行って弾きながら歌っていたので、その匂いや風景が蘇えります。

――青春ですね。

1人で外で弾いていただけなので、そんなカッコイイもんじゃないですよ。家だと音がうるさくて鳴らせなかったので(笑)。

――「砂男」を聴いていた当時のこやまさんは、もうバンドで食べていこうと思っていたのでしょうか?

大学1年の頃はすごくダラダラしていて、学校とバイトには行っていましたけど、“このままだとちょっとやばいぞ”と思い始めた頃ですね。音楽に関しても、コピーバンドくらいで正式なバンドは組んでいなかったし、映像制作に取り組んでいたわけでもなかったので、普通に大学に行きながらバイトをしてという感じでした。

――まさに今回収録される「はたちのうた」の世界ですね。

そうですね。歌詞にもある《やりたいことが分からんね》《何か分からんが 何かになりたい》という、まだ夢も何も見えていない時期で。そういう不安な気持ちにも「砂男」はフィットしたんだと思います。

焦りや不安を少し解消してくれた音楽、そしてバイトも必要なことだった

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン――いま振り返ると、当時の不安感だったり焦燥感はどんなものでしたか?

最初から自信のある人は少ないと思うし、“どうしよう”って焦ったり、無駄に詰まった気持ちになったりしていましたね。音楽を聴いて心が軽くなることはありましたけど、基本的にはずっと不安なままだった気がします。たとえば、何か成果があったとしても、“いや、他の人はもっと出来てる”と人と比べてしまったり……。

――その不安が消えるのはいつ頃なんでしょうか?

少しずつ抜け出せたのは、お金に余裕が出来た時ですね。音楽や映像制作が軌道にのって、生活がちゃんと出来るようになってきた時に少し安心感を持てた気がします。バイト時代もお金がたくさんあったわけではないですが、もしバイトをしていなかったらと考えると、もっと焦っていたと思うので、生活の基盤を作るうえでは必要なことだったと思います。

――もし、当時に戻れたらどうしますか?

戻れるなら、もっと色々なことを楽しみたいですね。焦ったり、不安でイライラしながら何かをしても仕方がないし、難しいかもしれないですけど、もう少し余裕をもって楽しめたらと思います。

モッシュで汗だくになっていた自分がいるから、ライブは楽しい空間にしたい

こやまたくや ヤバT ヤバイTシャツ屋さん うなぎのぼり タウンワークマガジン――現在もTHEラブ人間さんの「砂男」を聴くことはありますか?

バンドを始めてから、THEラブ人間のメンバーさんとも交流が出来たんですけど、最近「砂男Ⅱ」という曲をリリースされていて。その時に、「これ出来たから聴いてね」っていうDMをいただいて、改めて「砂男」も聴き返しました。実は、初めてお会いした時に、当時THEラブ人間さんの音楽を聴いていた話はしましたが、「砂男」を特に聴いていたというのは言っていなかったので驚きました。

――こやまさんの音楽を聴いて青春を過ごした人たちに、いつか仲間として出会う時が来るかもしれないですね。

きっと嬉しいと思います。僕も中学から大学にかけて、おこづかいやバイト代を貯めてCDを買ったり、ライブにもよく行っていました。1人で行ってモッシュして、汗だくの状態でクロークまで着替えのTシャツを取りに行ったりして。クロークが外だと、たどり着くまでが寒いんですよね(笑)。そうやって、音楽を聴いたりライブに行くことが励みになっていたので、今聴いてくれている人たちにとっても、僕たちのライブが心から楽しめる空間になっていたら嬉しいです。

 

■Profile
こやまたくや
(ヤバイTシャツ屋さん/寿司くん)

2013年10月、大学サークル内でヤバイTシャツ屋さんを結成。2015年より本格的に活動を開始。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業。寿司くん名義でMV制作もおこなう。ヤバイTシャツ屋さんでは、ギター&ヴォーカル担当。作詞作曲も手がける。しばたありぼぼ(Ba&Vo)、もりもりもと(Dr&Cho)と3ピースバンドとして活動中。躍動感あふれるパフォーマンスと、ストーリー性のある歌詞で注目を集めている。

◆ヤバイTシャツ屋さん Official HP:http://yabaitshirtsyasan.com/
◆こやまたくや Official Twitter:@yabaT_koyacial

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原千夏

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