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2020年01月28日

【あの頃のナンバー】第4回 ヤマサキ セイヤさん(キュウソネコカミ):The Mirraz「僕はスーパーマン」

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第一線で活躍するミュージシャン達にバイト時代を思い出す1曲を挙げていただく企画「あの頃のナンバー」。かつてを思い出す楽曲のエピソードを中心に、当時のバイト生活、音楽活動などについて語っていただきます。

第4回にご登場いただくのは、共感を呼ぶ歌詞とメロディアスな楽曲が魅力、結成10周年を迎えるロックバンド・キュウソネコカミのヴォーカル&ギター・ヤマサキ セイヤさん。音楽活動を続けながら約9年続けたというバイト時代のお話を中心に思い出の1曲を伺いました。1月29日にはNew Album『ハリネズミズム』をリリース!

【思い出のバイトソング】

新品の服、健康な体でロックを征したらカッコイイと思っていた

キュウソネコカミ ヤマサキセイヤ ハリネズミズム the mirraz 僕はスーパーマン タウンワークマガジン アルバイト 仕事——バイト時代のお話を伺いたいのですが、焼肉店で長く働かれていたそうですね。

はい。他にも色々なバイトはしましたが、焼肉店が一番長くて、大学生だった19才から28才までの約9年間バイトをしました。そこは結構大変だったんですが辞められなかったんです(苦笑)。店員が少なかったので、肉を切る仕込みから店舗の準備、ホールに出て注文をとったり、レジなどほぼ全部を手分けして担当しました。

——どうして辞められなかったのでしょうか?

なかなか他のバイトが定着しなくて辞めていく多くの仲間を見送りつつ、人が少ないから“俺が行かんと!”って(笑)。俺は大学の講義が終わってダッシュで行っていましたからね。今は根性なんて流行ってないのかもしれないけど、もう根性と責任感。あとは気弱だったのもあって言い出せなくて(笑)。20数万稼いでいたので、全然貧乏なバンドマンではなかったんです。

——音楽活動とバイトの両立は大変ではなかったですか?

大学に行っていても夜はフリータイムですからね、時間はありました(笑)。当時、貧乏で苦しいと言っているバンドマンが嫌で“働いたらお金あるで!”って、いつも思っていましたね(笑)。新品の服を着てめちゃめちゃ健康体な俺らが、ロックという音楽で勝てたらカッコイイなと思っていました。その頃から人と違うことをするのが好きだったし、そのためにバイトとバンドを両立出来るというのが、僕のなかでのパンク(反骨)精神だったんです。

——当時、音楽活動のほうはどんな感じだったのでしょうか?

ライブハウスには出演していました。僕らが出ていた神戸のライブハウスは全国からも注目されていて、色々なバンドが売れて全国区になっていったんですけど、焼肉店と一緒で、またそこでも売れていくバンドを見送っていたわけです(笑)。でも、少しずつ認められるようになって徐々にバイトが減っていきました。

——店長から指摘されたりは?

途中から新しい店長に変わっていたし、自分自身も店の中では古株になっていたので応援してもらっていました。ただ、夢物語だと思われていたみたいで、2015年にMステに出た時に、“あいつマジだったんだ!”って、焼肉店のグループラインに連絡がきたのは嬉しかったですね。その店では、デビュー後もバイトを続けていて、後半は1ヵ月に1回だけとかでしたけど閉店になるまで在籍させてもらいました。

 

衝撃を与えてくれたThe Mirrazの楽曲はバイト先でよくかけていた

キュウソネコカミ ヤマサキセイヤ ハリネズミズム the mirraz 僕はスーパーマン タウンワークマガジン アルバイト 仕事——バイトをしていた当時に、よく聴いていた1曲を教えてください。

The Mirrazの「僕はスーパーマン」をよく聞いていました。

——楽曲にまつわる思い出も聞かせてもらえますか?

The Mirrazを知る前に、バンドを始めるキッカケでもある海外のArctic Monkeysを見て衝撃を受けました。それまでは音楽は聴くものだったのに、彼らの音楽は単音で演奏しているものが多かったから、“俺にも出来る!”と思ってしまって。しかも、めちゃくちゃカッコよかったんです。その後、Arctic MonkeysをリスペクトしているThe Mirrazと出会って、単純なリフに日本語をのせた音楽がカッコよくて、聴いた瞬間に2度目の衝撃を受けて“俺がやりたのはこれだ!”って。

——まずはバンドの在り方として影響を受けたと。

そうですね。焼肉店では、店内の楽曲を選んでもよかったので、The Mirrazの「僕はスーパーマン」はすごくよくかけていました(笑)。この曲を聴くとバイト時代も含めて、大学生の頃に部室で埃臭さとか汗の匂いの中でズタボロの機材を弾いていた時のことを思い出します。今聞いたらガサガサの音なんですけど、その時は大きい音が出せただけでめちゃくちゃ嬉しかったので。

 

バイトで身についた礼儀は豊かさになるし、自然と身についていくもの

キュウソネコカミ ヤマサキセイヤ ハリネズミズム the mirraz 僕はスーパーマン タウンワークマガジン アルバイト 仕事——1曲で様々な情景が浮かぶのも音楽の魅力ですよね。

実は後日談もあって、The Mirrazさんとは対バンもさせていただきました。もう“やったぁ!”って気持ちですよね(笑)。その時は、通販で買ってずっと聞いていた自主制作盤のCDを持っていってサインをもらいました。自主制作盤だから、なかなか手に入らないCDだったので「これ持ってんのか!」って言ってもらえたのも思い出です。バイトもですけど、続けることの意味を感じられた出来事でした。

——バイトをしたことで得られたことはありますか?

バイトは就職への練習だったり第一歩でもあると思うんです。誰かの元で働くというのは大変なこともあるけど、教えてもらえることもたくさんある。敬語もそうだし、人との接し方とかは、大人になった時に自然と現れてくるものだと思うので経験してきて良かったと思っています。

【新作『ハリネズミズム』について】

結成10周年——今改めて音楽を楽しみながら制作ができている

キュウソネコカミ ヤマサキセイヤ ハリネズミズム the mirraz 僕はスーパーマン タウンワークマガジン アルバイト 仕事——ここからは新作についてお伺いしたいのですが、新作の『ハリネズミズム』は楽曲のバリエーションが多彩で、メロディセンスが引き立ったアルバムだと感じました。

音楽活動を始めて10年経ちましたけど、更に今また楽しくなってきているんです。一時は曲に対して神経質になりすぎてしんどかった時期もあったんですけど、“自由にやろう”と思い出してから制作した前作のアルバム『ギリ平成』(2018年発売)がすごく充実していて、やっぱり音楽って楽しんでやらないとダメだなと。メンバーとも“あの頃は(意識が)凝り固まってたな”って話すんです。そういう話を出来る仲間と、ずっとやれているのもありがたいですね。それを再認識した状態で、今回のアルバム制作にも挑めました。

——アルバムでは、「冷めない夢」が表題曲となっていますね。

はい。この曲は自分たちのことを歌っています。僕らは今まで10年間、インタビューとかでも1度も夢とか目標を語ってこなかったんです。ずっと「夢はない」と答えていました。でも、10年経ってやっと夢を見つけたんです。その夢っていうのが、キュウソネコカミだった。俺たちは冷めない夢、キュウソネコカミを追い続け、キュウソネコカミに挑み続けたいなと。熱が冷めないということで、覚めるではなく冷めると表記しています。

——最後の《追え》の歌声が圧倒的で引き込まれました。

絶叫ですよね(笑)。レコーディングでも、何度もテイクは取れないから1発できめようと話して集中して歌いました。それくらい気持ちを込められたし、ライブでは顔を真っ赤にして絶叫しているはずなので、ぜひ見に来てもらえたらと思います。

キュウソネコカミ ヤマサキセイヤ ハリネズミズム the mirraz 僕はスーパーマン タウンワークマガジン アルバイト 仕事——試行錯誤した曲はありますか?

「華麗なる飯」は考えました。日清カレーメシのCMは情報を叩き込んでくるイメージがあったので、展開をたくさん入れて言葉遊びも詰め込みました。歌詞の《希薄になった関係》は、まだ作る前の米とルーが独立した状態、《一筋の光》はスプーンだったりと、完全にカレーメシに寄り添いました。俺らむちゃくちゃタイアップに寄り添えるバンドなんで(笑)。展開が激しい分、ライブでも楽しめると思います。

——全体を通してどのようなアルバムになったと感じますか?

初めて作った「役立たず」を10年越しに再収録したり、「適当には生きていけない」を2020年バージョンにしてみたりと、既存曲を含め1曲ずつに攻め方が違うし、キュウソのごちゃ混ぜ感が表現できたと思います。ファンのみんなにワクワクしてもらえると思うし、「これがキュウソだよ」って友だちにも紹介できるようなものになったと思っています。これからのツアーが楽しみです。

 

■Profile
ヤマサキ セイヤ(キュウソネコカミ)
2009年12月に関西学院大学の就活敗残者を中心に兵庫県西宮で結成され、2014年のメジャー進出後も西宮市在住で活動中。 全国のロックフェスでも各地を席巻。2020年は結成10周年を迎え、新作『ハリネズミズム』のリリースほか、全国ツアーなど10周年記念イベントも予定されている。

キュウソネコカミ OFFICIAL SITE:http://kyusonekokami.com/
キュウソネコカミ OFFICIAL Twitter:@KYUSO_NEKOKAMI
ヤマサキ セイヤ OFFICIAL Twitter:@serubora

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原 千夏
スタイリスト:椋野 裕貴 ヘアメイク:AOKI
衣装協力:REMI RELIEF、KIDILL

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