スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2018年11月20日

【あの頃の#】第2回 田邊駿一さん(BLUE ENCOUNT):the band apart「Eric.W」

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン

第一線で活躍するミュージシャン達にバイト時代を思い出す1曲を挙げていただく企画「あの頃の#(ナンバー)」。かつてを思い出す楽曲のエピソードを中心に、当時のバイト生活、音楽活動などについて語っていただきます。

第2回にご登場いただくのは、熱く激しいパフォーマンスと、ダイレクトに感情をぶつけるライヴが話題のエモーショナルロックバンドBLUE ENCOUNTのヴォーカル&ギター・田邊駿一さん。

売り上げNo.1を誇ったというタピオカドリンク専門店でのお話を中心に、今でも胸に残っているという上司からの言葉など、バイト時代のお話を伺いました。

11月21日にリリースする「FREEDOM」の制作秘話と合わせてインタビュー!

 
【新作「FREEDOM」について】

“自分たちの音楽で守るということ”ツアーを経て感じた大きな転機が歌詞につながった

——新曲の「FREEDOM」はすでにアニメ『BANANA FISH』の主題歌としてもON AIRされていますね。

「アニメの世界観が好きで第一シーズンを毎週欠かさず見ていたので、第二シーズンで主題歌のお話をいただいた時は嬉しかったですね。その熱のまま、すぐに楽曲制作に入ったんですけど、のちにアニメの制作スタッフさんからソリッドな感じの曲を作ってほしいという要望をいただいたので、改めて作り直して今回の曲になりました。最初に思いが溢れて、エゴな部分を出し切っていたからこそ、制作スタッフさんの意向を受け入れたうえでBLUE ENCOUNTらしい曲作りが出来たと思うし、今回入らなかった曲たちも今後、別の機会で発表できたらと思っています」

——「FREEDOM」自体は、すぐに生まれた曲なんでしょうか?

「制作スタッフさんの意向をLINEで受け取ったのがスタジオに向かう最中だったので、外苑前の駅を降りて、スタジオに行く5分で……Francfrancのショップがある交差点の赤信号待ちで浮かびました(笑)。そのままスタジオでレコーディングをして、歌詞もそこで書きあげました。歌詞に関しては、アニメに沿う部分もありつつ、この夏のツアーで得たものが色濃く出ていると思います」

——どんな変化があったのでしょうか?

「自分たちは“ファン至上主義”なんですけど、TV出演や、武道館公演とか、今まで達成できたことは全てファンのみんなのおかげだと思っているんです。それこそ“みんなのおかげ”という気持ちが強すぎて、自分たち自身では“そんな大それたことは言えない”っていう気持ちがあって……。でも、このツアーに集まってくれる人たちを見た時に“もし音楽がなかったら誰もここには集まってないんだ”と思えたことで、やっと自分たちの発する言葉や音楽で、本当に人を守れるんじゃないかと思えるようになったことが大きいですね。

応援ソングでもあり、今回は全編を通して“君”という言葉もたくさん出てくるんですけど、みんなが自由に、その“君”に自分たちを投影して聴いてくれたら嬉しいなと思います」

——c/wの「ミュージック」は、盛り上がり必須の楽曲ですね。

「お酒をのみながら音楽に対して言いたいことをぶっちゃけた感覚の曲です。この曲は、ツアーの移動中、天候で飛行機が遅れていた待ち時間に、地元の熊本の空港で書きました」

——そして3曲目の「それでも、君は走り続ける」について。

「Bassの辻村が大阪マラソンに挑戦するので、応援歌という気持ちで書きました。この曲は、BLUE ENCOUNTのなかでは初めて一回も音符が止まることなく演奏が続く曲なので、色々なことに挑戦する方たちの高揚感に繋がったらいいなと思っています」

 
【想い出のバイトソング】

バイトの掛け持ちは最大で7つ——ツアーがない時は出来るだけバイトをしてた

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン
——では、ここからはバイトについてお伺します。

「最大で7つのバイトを掛け持ちしていた時期があるので、いろいろと経験はしました。ツアーに出るとバイトが出来なくなるので、はいれる時に詰め込んだ結果ですね。働いたのは、レコードショップの店員、パソコンのシステム設定、ガソリンスタンド、外資系のショップ店員、カラオケ店、ライヴハウス、結婚式の照明、ショッピングモールのヒーローショーの護衛とか。どこも短期でしたけど、エピソードはたくさんあるので、話し出すと1日かかりますよ(笑)」

——なかでも“バイト時代を思い出す1曲”を教えていただけますか?

「the band apartの「Eric.W」です。この曲は、タピオカドリンク専門店で働いていた頃に聴いていた曲で、店内放送につないでBGMとしてもずっとかけていました」

売り上げ日本一!? タピオカドリンク専門店では1人1人との会話を大切にしてた

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン
——そのお店では、どんな仕事をされていたんでしょうか?

「渋谷のプリクラハウスに併設されていたテナントで、1人でドリンクを作って販売もしていました。地元の熊本発祥の店で、タピオカもイチから煮るし、ドリンクもクオリティが高くて値段も高かったんですけど、行列ができる店だったんですよ。系列店舗の中で売り上げが日本一になったこともあります」

——すごいですね。それで表彰されたりは?

「ファックスで“田邊くん1位です!”っていうのが来るだけで、誰からも表彰されるわけじゃなかったんですけど、なにげなく壁に貼ってアピールはしていました(笑)。ノルマがあったわけでもないんですけど、単純に楽しかったんですよね。お客さんと楽しくトークできたおかげで、そのタピオカドリンク店には、バンドとは関係なく僕のファンもいて(笑)。地域的に、ギャル系のお客さんが多かったんですけど『今日は田邊いないの?』みたいな」

接客は人に向けているようで、自分に返ってくるものだと教えてもらった

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン
——トークのコツはあったんでしょうか?

「お客さんのことを覚えることですね。それは上京したての時に働いたレコードショップの店長に教わったことで未だに糧にしている部分なんですけど、『お客様が支払ったお金が自分たちの給料になっているから、接客というのは、人にしてるようにみえて自分にしてるんだ。だから、自分が言われた時にドキドキするようなことや、嬉しいと思うことをお客様に提示しないといけないよ』って。

“聴いてくれる人をドキドキワクワクさせたい”っていう点では、音楽も同じだと思うんです。それは、タピオカドリンク専門店で働いている頃も意識していたので、お客さんの感覚に合わせて挨拶をしたり、一人一人とちゃんと会話をするように心がけていました」

——まさかのファン至上主義がここでも!

「ウチの場合は、期間限定のテナントだったので、ファンを増やさないと成り立たないというか。どこでも応援してくれる人は大事なんですよね」

——タピオカドリンク専門店を“ウチ”と表現するあたり本気ですね(笑)。

「話ながら熱が入りすぎて、あの頃の自分に戻っちゃいましたね(笑)。でも、店舗を任せてもらうからには、一生懸命にやるというのは必然だったので。ちなみに当時は、BLUE ENCOUNTとしてもライヴをたくさんしていた頃で、ライブハウスが近かったのもあって、ライヴ後に朝まで打ち上げをして、タピオカドリンク専門店の狭い店内で仮眠するっていうことも多々ありました」

音楽を聴く気持ちになれなかった時に心に届いたthe band apartの「Eric.W」

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン
——では、改めてthe band apartの「Eric.W」を選んだ理由も教えてもらえますか?

「高校時代からファンだったのもあるんですけど、当時の僕にとっては、the band apartの作品の中でも一番軽やかに聞ける作品だったんです。実はその頃は、音楽そのものをあまり聴いていない時期で……」

——なにか理由があったんでしょうか?

「BLUE ENCOUNTとしてライヴ活動はしていたんですけど、全然軌道にのれなくて。最初の頃は、上京さえすればすぐにデビュー出来ると思っていたのに、現実はそうじゃなかった。それでも自分たちの音楽に自信はあったから、“他のバンドの音楽なんて”と思っていたし、バンドサウンドを聴く気にはなれなかったんです。けっこう気持ち的に追い詰められていたんでしょうね。

でも、そのなかでthe band apartの音楽だけは、自分のなかで心地いい音楽として聴けたし、とくに「Eric.W」は1曲を永遠とリピートしていましたね。メンバー4人とも、この時期はよくthe band apartを聴いていました。

この曲は、今でもイントロが始まっただけで、その時の風景が切り取られて浮かびますし、言葉だけじゃない圧倒的な音楽の力を見せつけられる曲ですね」

転機の時に聴いていた曲だからこそ、鮮明に蘇える記憶

田邊駿一 BLUE ENCOUNT FREEDOM タウンワークマガジン
——特にどんなことが鮮明に浮かびますか?

「タピオカドリンク専門店を辞めた後にデビューするんですけど、1年後くらいに対バンさせていただく機会があって、その時にご本人たちには『めちゃくちゃ助けられました!』っていう思いを伝えられたんです。この曲はバンドとしてキツかった時期だけでなく、その先に未来が開けたなかでも聴いた曲なので、本当にいろんな感情が渦巻きますね。

特に転機の時期に聴いていた曲だからこそ“その1つ1つがあって今があるんだ”ということをちゃんと思い出させてくれる曲でもあります」

——では、最後に田邊さんにとってバイトとはどんなものでしょうか?

「与えらえたものを能動的に受け取るより、自分から学びに行くことで受け取れるものの量が全然違うと思うんです。僕は、1つずつのバイト歴は浅いですけど、それぞれのバイトで得た教訓や人間関係は、今の活動にも確実に生かされているし、同じ時間を過ごすにしてもどう向き合うかが大切だということを教えてもらった場所だと思っています」

■Profile
田邊駿一
(たなべ しゅんいち)

熊本発の4人組バンドBLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)のヴォーカル&ギター。楽曲の作詞&作曲を手がける。BLUE ENCOUNTは、2014年9月にメジャーデビュー。翌年、5月にリリースした「DAY×DAY」が人気のテレビ東京系アニメ『銀魂(第3期)』のオープニングテーマとして抜擢。数々のタイアップでも話題を呼び、2016年10月には念願の日本武道館ワンマン公演、を大成功に収める。2017年1月にセカンド・アルバム『THE END』をリリース後は、バンド史上最大規模であり幕張メッセ公演を含む全国ツアー を行なった。

◆BLUE ENCOUNT OFFICIAL SITE: http://blueencount.jp

◆田邊駿一 OFFICIAL Twitter: @BLUEN_VO

◆BLUE ENCOUNT OFFICIAL Twitter: @BLUEN_official

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:青木早霞(PROGRESS-M) 取材・文:原 千夏

早速バイトを探してみよう