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2020年10月02日

集中力の限界は90分? 集中できないときに試したい効果的な休憩方法と勉強法

集中力 タウンワーク townwork
試験勉強にレポート作成、特に今年はオンライン授業の大学も多く、一日中PCに向かっていると、集中力も途切れて成果が上がらない…なんていうこともあるのではないでしょうか。そこで、集中力を保つ効果的な休憩方法と勉強法を精神科医・樺沢紫苑先生にお伺いしました。

人間の集中力の限界は90分

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宇野「そもそも、人間の集中力ってどれくらい持つものなんでしょうか?」

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樺沢紫苑先生(以下、樺沢)「僕は15・45・90分が集中力が続く目安だと思っています。小学校の授業は大体45分、大学の講義も90分でしょう。そして、高い集中力を要する同時通訳者は15分たたずに交代します。ものすごく脳を使いながら集中するとそれくらいしか持たないんですね。だから脳をリセットするためには、細かく休憩をいれないとダメなんです」

宇野「でも、受験生は3~4時間くらい続けて勉強しちゃいませんか?」

樺沢「できなくはないんです。ただ、とある研究では、休憩なしで仕事をした時の疲労は非常に回復しづらく、疲れを次の日までもちこすという結果がでています。逆に、休憩を挟むと、一晩で回復できる。毎日の集中力を保つためには脳をリセットするこまめな休憩が重要です」

集中力を保つには適度な休憩が効果的

5分から10分の休憩を定期的に取る

宇野「集中力のお話で、休憩をすすめられるとは予想外でした。では、どのように取ると集中力が保てるのでしょうか?」

樺沢「大体5分~10分程度がいいですね。15分以上取ってしまうと、ダレたり、休憩のつもりで始めたことに夢中になったりしてしまいますから。基本的に、『疲れたな』と感じたら休憩を取るのが効果的ですが、それだとペースが保てない、という人は、1時間に1回など時間を決めて定期的に取るといいでしょう」

視覚情報をシャットアウトし、目を休める

宇野「どんな風に休憩するのがいいのでしょうか?」

樺沢「目を休めることですね。みんな休憩にならない休憩を取りがちで、その代表例がスマホです。脳の80%が視覚情報処理に使われていると言われます。学生さんの勉強も、常に目を使って文字を見ているでしょう。だから、脳をリセットするためにも休憩のときくらいは、目を休めましょう。スマホは小さい画面だし、光るものを見ると脳が興奮するので休憩にならないんです」

宇野「スマホゲームとかもダメってことですね?」

樺沢「それでは全く休憩になっていないですね。ゲームはとても「おもしろい」ですが、「おもしろい」というのは脳が興奮している証拠です。休憩は音楽を聴くなど、目を使わない娯楽にしましょう。一番のおすすめは目をつぶってじっとすること。目にタオルを乗せて視覚を遮り、ぼーっと考え事をしたりするのも効果的です。何もしないのが脳にとっては一番の休息になります。瞑想やマインドフルネスも、とてもいいと思います」

宇野「視覚情報処理を行わせないってことですね」

筋トレなど身体を動かすと脳が活性化する

樺沢「あと、座り続けていると血流が悪くなって、脳のパフォーマンスが下がります。休憩時間には立ったほうがいいですよ」

宇野「立ちデスクのほうが集中できる……なんて一時期言われていましたね」

樺沢「それは理に適っているんです。運動すると脳が活性化するので、休憩時間にスクワットや筋トレをするのもおすすめ。いい気分転換になって、集中力を高められます」

宇野「運動不足になりがちですし、一石二鳥ですね!」

長時間集中したいときは、夕方軽い運動をする

樺沢「試験勉強などで、1日中集中して勉強するときは、夕方に散歩やジョギングなど、1時間以内の軽い運動をするのもおすすめです」

宇野「疲れて眠くなったりしませんか?」

樺沢「運動すると、成長ホルモンが分泌されるのですが、これは疲労回復ホルモンとも言われています。そのほかにも、ノルアドレナリンやドーパミンも分泌されるので、集中力、記憶力、生産性が高まるんです。ポイントは、軽く汗をかく程度の疲れすぎない運動にすること。運動直後から脳が活性化して、午前中と同様の高い集中力を発揮できるはずです」

集中力をより高めるのに効果的な勉強法

タイムアタックで集中!制限時間を決めてやる

宇野「集中と休憩は何分サイクルがベストなのでしょう?」

樺沢「集中できる時間は人によって50~90分と幅がありますので、自分のペースで決めてみてください。集中して何かをやるときに重要なのは、「制限時間を決める」こと。90分以内にレポートを終わらせると決意してやると、パフォーマンスが上がります。特に最後の15分くらい、ものすごく集中しますよ」

宇野「アラームとかタイマーをセットしたほうが良いですか?」

樺沢「そうですね。効果が格段に上がるでしょう。レポートなどは、漫然と3時間やる場合と、制限時間を設定して90分集中してやる場合とでは、その出来あがりはそれほど差がないか、むしろ集中して短時間で終わらせた方がいい場合もあります。だらだらやらずに集中するくせをつけることも重要です。締め切りを守り、期限内に必ず出しましょう。これは社会人になっても使えるスキルです」

暗記モノは日中分散+就寝前15分で覚える

宇野「勉強には第二外国語などの暗記モノもありますが、どんな勉強法がいいでしょう?」

樺沢「暗記は20分×3回など、分散学習がいいと言われていますね。「英単語の暗記」などは、60分連続でやり続けるよりは、20分ずつ3回、時間を空けて何度も復習する方が記憶に残りやすいのです。また、暗記は就寝前15分がいいと言われていますね。暗記した後によけいな情報が入らないので記憶の衝突が起こらず、眠っている間に脳が整理してくれて定着しやすくなります。ある程度日中にやっておいて、どうしても覚えられないものを15分で総復習するのがおすすめです」

自分なりの時間割で賢く集中力を維持しよう

人間は決まっていることは、効率的にできるのだそう。つい集中できない、だらけてしまうという方は、「自分自身の時間割」を作るのがおすすめです。
樺沢先生曰く、「緊張の糸を切る」のが本当の休憩であり、実は休んでないという人がほとんどなのだとか。リフレッシュなしでは、集中力が下がってしまいます。メリハリをつけることが大切です。

ちなみに、この原稿は休憩を取りつつタイムアタックして書きましたが、びっくりするくらい効率が上がりました。
大変な日々ですが、自分をうまくコントロールして乗り切りましょう。一生役に立つスキルを身につけるチャンスかもしれませんよ。

■Profile
樺沢紫苑

精神科医、作家。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。

Twitter:@kabasawa

■書籍紹介
集中力 タウンワーク townwork
精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト 樺沢紫苑(著)

ストレスフリーな毎日を送るには、「悩み・不安・疲れ」を取るのが大事。そのためには、「人間関係、仕事、プライベート、体調、メンタル」という人間が誰しも抱える「普遍的な悩み」に対し、「今何ができるか」がわかっていることが必要だ。それを網羅的にToDoリストとして紹介。あらゆる問題を解決する!

取材・文 宇野なおみ

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