ポイントアップ間違いなし!? お盆明け、バイト先での正しい“おみやげ”の渡し方
お盆休みの帰省や旅行で、「バイト先に!」と自腹を切って買ってきたおみやげ。せっかくなら、バイト先の評価が上がったり、その後の人間関係が円滑になるような渡し方をしたいものです。そこで、渡すときにどんなタイミングで、どう声をかければいいのか、話し方・伝え方のプロである藤田尚弓さんに聞いてみました。
このノウハウを覚えておけばバイト先で人間関係が良くなったり、居心地がよくなるかもしれませんね。
上手なおみやげ渡しのポイントは、『タイミング』と『場所』
→朝礼前や休憩時間、休憩室などみんなが集まる場所で。
→帰り際などを見計らって、給湯室など人目のつかない場所で。
【解説】
ポイントは、おみやげを買ってきたことを「みんなにアピールするか、特定の人にアピールするか」。これが決め手になります。配慮すべきはもらえなかった人の心情です。あの人はもらっているのに、自分はもらっていないとなったら、誰でも少なからずショックをうけるものですよね。これが後々の心的感情に影響することもあるのです。
「あの人のことなんて別に私も好きじゃないし」と無意識に思われてしまうのを防ぐためにも、渡すタイミングは注意すべきですね。
では、声のかけ方や言葉遣い、仕草など、渡す人によってどう変えればこの後の人間関係がスムーズになるのでしょう? ここから細かいテクニックをご紹介します。
店長、オーナー、バイトの先輩、常連さんなど目上の人へ渡すとき
1.声のかけ方
(帰省休暇をもらった場合は)「ありがたいことに、親孝行のまねごとができました」
店長やオーナー、バイトの先輩など目上の人には、休暇をもらったことが仕事にプラスになった、また打ち込める、といった前向きな気持ちを含ませて伝えるのがポイントになります。
また、帰省した場合なら、言葉に親孝行のニュアンスを込めるのもオススメです。なぜなら、“親孝行”のキーワードは年代・世代を問わず誰にでも「いいこと」として響く言葉だからです。この一言を付け加えるだけで、上司や年上の人にも、きっと好印象を持ってもらえることでしょう。
2.おみやげを渡すときに添える言葉
大切なあなたのために選んで来た、というニュアンスを添えるのが最大のポイントです。
また、目上の人にものを渡すとき「つまらないものですが」と枕詞を付けることがありますが、これはひと昔前の言い回し。「つまらないものをわざわざ買ってきたの?」と受け取られかねませんので注意しましょう。
3.仕草
休みをもらって申し訳ない気持ちもあるかもしれませんが、特に謝る必要はありません。いたって普通に、ニュートラルに。また、少し元気にハキハキと話すよう心がけると、休暇をもらってリフレッシュできたことがアピールできて、いい印象につながりますよ。
同期バイトや後輩などへ渡すとき
1.声のかけ方
「次にあなたが休む時は、私が代わりに頑張るからね!」
バイト仲間や後輩へは、とにかく「みんなのおかげで休ませてもらえた」と感謝の気持ちを伝えるのが鉄板です。また、バイト仲間はあなたが休んでいる間、ずっと働いていたかもしれませんから、旅行の感想などはあえて切り出さないほうが無難かも。相手の受け取り方によっては自慢や羨望のネタになってしまう可能性もありますからね。
2.おみやげを渡すときに添える言葉
“わざわざあなたのために選んだ”というニュアンスが大切です。あたかも一人ひとりの顔を思い浮かべながら選んだかのような言葉を添えると、もらう方もグッと来ますよ。
3.仕草
同僚や後輩だと、つい気がゆるんで、表情や仕草で“とても楽しかった”アピールをしてしまいがち。でもやりすぎは禁物です。「休めた人はいいよな~。こっちはずっと働いてたんだけど」と相手に羨望の気持ちが生まれてしまい、今後の人間関係に影響がでるかもしれませんからご注意を。
おまけの鉄板トーク例
●彼氏、彼女へ渡すとき
「あなたに食べてほしくて買ってきたの」
彼氏や彼女に渡すときは「家族感、地元感」を一緒に伝えることですね。自分が大切にしてきたもの、好きなものを共有したいというニュアンスを出すと、「あなたは特別な人」という言葉のかわりにもなるもの。このひと言で、一気にふたりの距離が縮まるかもしれませんね!
まとめ
いかがでしたか? おみやげを渡すにも、工夫ポイントがあるものです。
「おみやげ話を聞かせて!などと旅行の感想を聞かれることもあるかもしれませんが、『やっぱハワイは最高!!』や、『ビジネスクラスは快適だった!!』など物理的な良し悪しの感想は、妬みのもとになりかねません。もし話すなら『やはりきれいな景色は心が癒されるね』、『どこに行くにしろ、旅っていいものだね』など心の動きを伝えましょう。これなら誰も傷つきません」。(藤田さん)
なるほど。おっしゃる通りですね。 さぁ、あなたも、“おみやげ渡しテク”を活用して、バイト先での人間関係を円滑にしていきましょう。

藤田 尚弓(ふじた なおみ)
企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーションについて考察している。企業や大学などでの講演・研修、またバラエティ番組でのコメンテーター出演も多数。
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「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」では、本当に役立つコミュニケーションテクニックを紹介。その他著書に、「悪女の仕事術」「悪女の恋愛メソッド」「銀座で学んだ稼ぐ人のシンプルな習慣」など。
取材・文:中島典子
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。