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2017年06月15日

天才落語家・立川談志の下で9年半修行! 落語家・立川談慶師匠に学ぶ、面倒くさい人の対処法

立川談慶 立川談志 落語 タウンワークマガジン
あなたの周りに「面倒くさいな」と思う人はいませんか? バイト先の店長やサークルの先輩、クセの強いゼミの教授…。はっきり言って関わりたくないけれど、日常生活を送るうえではそうもいきませんよね。

そこで破天荒な性格で知られ“面倒くさい”を体現する天才肌の落語家・立川談志の下で9年半前座を経験し、著書『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』を出版されている立川談慶さんに、面倒くさい人とうまくやるコツを聞いてみました。

関わっていい“面倒くさい人”の基準は、数年後に笑えるかどうか

まず、アナタの近くにいる“面倒くさい人が”関わっていい“面倒くさい人”かを判断しましょう。私の師匠、立川談志は、お茶を出したら「こんな馬のしょんべんみたいなもん飲めるか!」って、こうですよ。今じゃ、完全なパワハラですよね。それでも、師匠が亡くなるまで関わっていたのは“面倒くさい”けれど、自分の未来に喜びを与えてくれる人だと思ったからです。

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「自分の未来に喜びを与える面倒くさい人」の判断基準は、数年後にその人をネタにして笑えるかどうか。私はおかげさまで師匠のおかげで「あのときの師匠はひどかった」と笑える仲間もできましたし、本も書かせていただきましたし、こうやってお話しもできているわけです。

パワハラ系“面倒くさい人”には仲間を巻き込んで対処する

「まったく笑えない」「誰にも言えずに悩んでいる」という方は、それはもう関わらないほうがいいでしょう。でも、学校やバイト先で近くにいる人だとそうもいきません。そんなときは、まずは自分の味方をつくることです。“面倒くさい人”というのは周りにも面倒くささを与えているはず。ですから、「あの人、面倒だよね」と周りに言って同調してくれる仲間をつくってください。

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人間っておもしろいもので、好きな人が集まると仲間割れを起こしやすい。「オレは談志の人情噺が好きだ」「おれは毒舌の談志の方が好きだ、お前は何もわかってねーな」ってね。

でも、嫌いな人の場合はぴたりと合う。「オレはあんなにひどいことをされた」「私もこんな目にあった」と。そんな人間の性をうまく利用して、一人で背負い込まずに周りを巻き込んで面倒くささを分散させる。これだけでも大分、ラクになりますからね。

ガミガミ型にはボケキャラで接して、オウム返しを徹底

ここからは相手に合わせた具体的な対処法を教えましょう。まずはガミガミ型。上からモノを怒り口調でどんどん言ってきて、無茶ブリが多い人…まぁ、ウチの師匠みたいなタイプですな。こういう人は気が小さい人が多い。自分の弱点を隠すために、相手が口答えできないようガミガミ言うわけです。だから一番やっちゃダメなのは売り言葉に買い言葉で口答えすること。これはもう火に油を注ぐようなものです。

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この手のタイプには与太郎キャラで接すること。与太郎とは落語の中で「バカの代表格」とされる男です。失敗ばかりしているけれど、憎めなくて結局周りが助けてしまうようなキャラクター。お笑いコンビで言えばボケですね。ガミガミ型は確実にツッコミですから、ボケとは相性がいいわけです。

厳しい言葉は真に受けず、納得しやすい言葉に変換する

与太郎になる極意としては2つ。まずはガミガミ怒られていることを教育的な意味に変換しましょう。たとえば、お茶を出して「こんな馬のしょんべんみたいなもん飲めるか!」と言われたら「こんなぬるいお茶は嫌ってことか。じゃあ、少し熱くして美味しいお茶をいれよう」と脳内変換して動く。まぁ、これは特殊な例ですが(笑)、罵声や厳しい言葉をそのまま受け取るとダメージが大きくヘコんでしまうので、一度変換して冷静になって、相手が望むように動きます。

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もう1つはオウム返しです。落語は基本、オウム返しで笑いを生みます。これは笑いだけでなくコミュニケーションにおいても効果大。相手が言った言葉を繰り返すだけで共感が生まれ、親しみをもつようになります。

例えば、飲食店のバイトで掃除が行き届いていないことを店長から「汚いじゃないか!」と怒られたら「確かに汚いですね、すみません」とオウム返ししてから謝る。これだけでガミガミ型は「おっ、こいつ、わかってるな」といい気分になるもんですよ。

ネチネチ型は明るく接してキャラクターの違いを見せつける

ネチネチ型はガーッと怒鳴るわけでもなく、いろんな方向から嫌味を言ってくるようなタイプ。これもウチの師匠みたいなもんです。師匠はガミガミとネチネチの両性具有みたいな人だったんでねぇ。

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ガミガミ型が陽なら、ネチネチ型は陰です。陰は陽を嫌がる傾向が強いので、ここは明るく接するのが得策。ネチネチ型は、自分とまったく違うキャラには恐怖感を抱くため、自ら近づいてこなくなります。

先程と同じ例で、飲食店で掃除が行き届いておらず店長が「なんだか床が埃っぽいなぁ、これじゃ具合悪くなりそうだよ」と暗い感じで嫌味を言ってきたら「店長、具合が悪いんですか!病院に行ったほうがいいですよ!」などといったような感じで明るく返す。そうするとあまりのキャラクターの違いに向こうも戦意喪失です。要はキャラの違いをさりげなく強調してみることです。

まとめ

面倒くさい人と接することは決して悪いことではありません。むしろ、“面倒くさい”のワクチンを打ってもらっているようなもんで、どんどん耐性や対処法が身に付いてきます。それを成長と呼ぶんです。私も師匠談志の面倒くささに振り回され続けましたが、今ではその経験が生きて、いろいろな人とさまざまな関わりができました。

過去の経験を未来の自分が喜んでくれる、そう思いながら面倒くさい人と付き合ってみませんか。

立川 談慶(たてかわ だんけい)

慶応義塾大学卒業後、会社員経験を経て、立川談志の18番目の弟子として入門。2005年に真打昇進。最新著書に『なぜ与太郎は頭のいい人よりうまくいくのか 落語に学ぶ「弱くても勝てる」人生の作法』がある。

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造