Quizknock・伊沢拓司 & 鶴崎修功 presents 「理想の海の家、大考察」
その1:砂問題を解決
スプリンクラーで砂を排除
――夏休みのレジャーといえば海ですが、「こんな海の家があったらいいな」という理想の海の家を語ってもらいたいです。
伊沢 僕、海の家って砂で汚れるのがすごくストレスなんですよね。
鶴崎 わかります、砂問題ですね。海の家の中って、お客さんについた砂が落ちて掃除してもザラザラしてますから。大量のルンバを動かすしかないですね(笑)。
伊沢 ルンバだらけの海の家なんてテレビで取り上げられそう(笑)。まぁ、大量の砂がつまって壊れそうだけど。もうさ、床を砂にしちゃえばよくない? 微妙に砂がつくから気になるわけだから、キレイな砂を敷いて砂の上に座る。ただ、テーブルに砂がたまるか…。
鶴崎 それだったら、テーブル台を中心にかけて内側に傾斜をつけて、砂が下に落ちる仕組みにするとか。そうすると、ラーメンこぼれちゃうか…。
伊沢 食べ物がこぼれないようにストッパーもつければいいんじゃない。ラーメンもビールも動かないようなストッパーをテーブル台につける。
鶴崎 だったら、僕は床を砂にするより、完璧にアスファルト化するほうがいいですね。海の家から海までアスファルトにして砂が足につかないようにする。それでも床が砂でザラついたら、1時間に1回、スプリンクラーを回して砂を掃除する。
伊沢 スプリンクラーのタイミングが映えそうで、その時間に人が集まりそうだな。それなら、いっそのこと、海の上に海の家を建てちゃえばいいかも。モルジブとか海外のリゾートホテルでよくあるじゃん。海の上にあれば砂問題も解消されるし、スプリンクラーどころじゃなく映える(笑)。
鶴崎 それは最高! 砂で汚れたら、下の海に入ってちゃぷちゃぷ落としてから、すぐに海の家に戻れますからね。ただ、日本国内だと法律の問題とかあって難しそうですよね。
伊沢 それに日本は台風が多いから、海の上にあったら夏の間に何度も飛ばされそう…。現実的に考えると、ビーチの出口に風圧で砂を落とせるような巨大扇風機を設置して帰るときに砂をはらえるシステムがあればいいかも。
鶴崎 エアダスター的なやつですね。
伊沢 帰りの電車で砂まみれのままで帰るのってすごく嫌じゃん。だから、帰り際に巨大扇風機でしっかり砂を落とす!
鶴崎 伊沢さん、ホントに砂が嫌なんですね…(笑)。
その2:シャワーの水圧問題を解決
海の家併設のスパ
――砂を落とすのに海の家のシャワーを使うことが多いと思うんですけど、水圧が弱くて不満という声を聞きます。何か解決法ってありますか?
鶴崎 本当に! シャワーの水圧が弱いとイライラしますよね。
伊沢 周りに海水はたくさんあるのに水圧が弱いというのがさらにイライラするよね。たとえば海の家ごとに貯水タンクを設置しておいて水圧をカバーするとか。タンクにためた海水をろ過しておいて翌日、シャワーとして使えないかな。
鶴崎 お客さんがいなくなった夜に貯水タンクに水を汲むバイトが活躍しそうですね。ただ、ろ過するには相当の電力が必要なので、ビーチ全体で協力して巨大発電機を設置するとかしないとですね。その労力を考えると、手っ取り早く、海の家にスパがあればいいと思います。
伊沢 スパいいねー。スパのあるビーチって実際にあるけれど、海の家に併設されてあるとよくない? 海って結構、体が冷えるから汚れを落とすだけでなく、温泉施設があれば体を温められて一石二鳥。場所によっては天然温泉に入れたりして、海の家ごとに特色を出せば流行ると思う。僕もスパ施設を併設した海の家には行きたい。バイトする側も帰る前に温泉に入れたらよくない? あと、サウナがあれば尚、よし!
その3:嬉しいフードサービス
冷えた体を暖めるスープバー
――海の家のフードも楽しみのひとつですが、こんな飲食サービスがあればいいなというものはありますか?
伊沢 海の家のフードといえば焼きそばとかラーメンとか炭水化物が多めですよね。
鶴崎 あと、かき氷とかアイスとか。さっき、伊沢さんも言っていましたけど海って案外、体が冷えるから温かいものが食べたくなるんですよ。でも、ラーメンだとちょっとヘビーじゃないですか。だから味噌汁とかスープとかがあればいいなと。
伊沢 わかる! 温かい汁ものが飲みたくなるよね。ラーメンの汁だけ飲みたくなるんだよなー。ラーメンの麵なしとか販売してほしい。お店だったら、スープストックみたいなスープ専門店があれば嬉しいかも。
鶴崎 伊沢さん、徹底的に炭水化物を抜く方向ですね(笑)。
伊沢 あと、脂肪で炭水化物とかを代用できるMCTパウダー(※)を売れば、体を作りたい人たちは海で遊ぶ前に飲んだら効果的かも。
鶴崎 海の家で粉を販売するってどうですかね。海まで来て粉かよ…ってなりますよ(笑)。
※MCTパウダー:ココナッツやパームフルーツ、母乳などに含まれる天然成分(中鎖脂肪酸)。消化・吸収が早くすぐにエネルギーになりやすい。
その4:かさばる荷物対策
現地調達+引き取ってもらえるディスカウントショップ
――確かに、海で粉はちょっと…(笑)。ちなみに飲食店以外に、こんなお店が欲しいという要望を教えてください。
鶴崎 ドン・キホーテみたいなレジャーアイテムが安く気軽に買える店が欲しいです。
伊沢 ビーチサンダルとか浮き輪とかビーチボールとか外レジャーで使えるものが豊富だもんね。レジャーアイテムって家から持ってくるのは重いしかさ張るから、できれば現地で調達したい。
鶴崎 使ったものを砂を払って片付けてっていう作業が面倒ですから。現地で買ったら、使用後に引き取りしてくれるサービスもあればかなり売れるんじゃないですかね。
伊沢 そのサービスはアリだね。海の家でもレジャーアイテムを貸してくれるけど、ディスカウントショップの安さには叶わないから。もう、ドンキが海の家を出しちゃうとかね。
鶴崎 水着や着替え、日焼け止めまで安く買えたら最高ですよ。バイトする側も海が近くにありながら、クーラーが効いた室内で働けるのっていいじゃないですか。
おまけ:紛失対策
サンダルの周りに堀をつくる
――お悩み問題として、スマホの盗難やビーチサンダルが行方不明になるという地味な問題に対して2人のアイデアが欲しいです。
鶴崎 昔、海での妹のビーチサンダルが流されてしまったことがありました。
伊沢 あるあるだね。湘南とか人気のビーチだと、人が多すぎて自分のビーチサンダルがわからなくなるってのもあるし。もう、原始的なやり方だけど、はいていないときはビーチサンダルを砂の上に置いて周りを掘っておく。わざわざ周りを掘ってあるビーチサンダルを間違えないでしょ。
鶴崎 なんか儀式みたいでヤバそうですしね(笑)。できたら砂の上でビーチサンダルをはきたくないけど、砂が熱くて歩けないし。砂浜そのものを冷却する方法があればいいんですけど。
伊沢 エアロゲルって素材があるんだけどさ、これを使えないかな。
鶴崎 エアロゲル、初めて聞きました。(PCで調べて)、世界最高の断熱固形物といわれる素材なんですね。
伊沢 軽くて薄いから断熱ボードや断熱ガラスに使用されるらしいんだけど、これを砂浜にまくとか。
鶴崎 相当な数が必要ですよ。
伊沢 確かに。だったらエアロゲルでビーチサンダルを作って海の家で販売すれば売れるんじゃない? 砂浜に置いていても熱くならないビーチサンダル。
鶴崎 それは売れそう! 履いていて涼しいビーチサンダルっていいですよ。でも、盗まれそうだな…。
伊沢 盗難防止でオススメしたいのは『tile』っていう落とし物防止タグ。アプリと連動していて、なくったときに音を鳴らしたりできる。僕の周りでも使っている人が多いよ。盗難だけじゃなくて、スマホを海に持っていくと砂や海水でダメにしちゃう危険性もあるよね。できれば海の家で預かってもらえればいいけど、貴重品だからなかなかやってくれないからなー。
鶴崎 それを「預かりサービス」として打ち出せば利用する人が増えるんじゃないですか。
伊沢 それで自撮り用のスマホだけ貸し出してくれればいいかも。海でスマホ使うのって写真を撮るぐらいでしょ。海の家が海用スマホを貸し出して、写真データだけあとで送るって流れにすればいいし。
鶴崎 もしくは自撮り専門のバイトが撮影をするとか。
伊沢 インスタ映えをマスターしているバイトが撮影すれば話題になるんじゃない。海が好きだからこそ、映える撮り方もわかっている、なんて人がいれば最高のバイトでしょ!
■Profile
1994年生まれ、東京大学経済学部卒。高校時代に『全国高等学校クイズ選手権』を個人として初の連覇。クイズ番組『東大王』でも優勝を果たす。2016年に知識集団「QuizKnock」を創設しWEBメディアを運営、現在は株式会社QuizKnockCEO。書籍執筆やYouTuberなどの活動も行っている。
1995年生まれ、現在東京大学大学院数理科学研究科に在籍。東京大学クイズ研究会に在籍し「QuizKnock」でも活躍中。2016年にクイズ番組『東大王』にて優勝を遂げ初代東大王に輝く。現在も東大王チームとしてレギュラー出演中。
取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造 イラスト:さじろう
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。