スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2020年01月15日

Quizknock・伊沢拓司・鶴崎修功presents「いま注目したほうがいい職業」

quizknock06_伊沢_鶴崎

なんでも仕事になってしまうこのご時世で、高IQの2人が注目している職業をピックアップ。知っているようで知らない職業の実は「ここがスゴイ」ポイントや、独自の目線で選んだ驚きの職業の魅力などを解説してくれました。

 

映像撮影から災害対応、学術研究まで活躍の場が広がる“ドローンパイロット”

クイズノック_伊沢_鶴崎――お2人もクイズプレイヤーという独自の職業をお持ちですが、注目している職業はありますか?

伊沢 やっぱりドローンパイロットですね。テレビの仕事でドローンパイロットの方とご一緒するんですけど、いつぐらいからドローンの世界に入ったのかとか、この職業を選択するに至ったかとか経緯が知りたい。だって入口の特殊さと、ここ最近の盛り上がり方ってすごいじゃん。いまのところドローンの代替手段ってないし。

鶴崎 確かにテレビ番組で多用されていますよね。

伊沢 以前、番組の企画で無人島に行ったんだけど、ドローンパイロットの方が来ていて、島の全景を撮影しながら砂浜にいる僕にフォーカスしていくという絵を撮ってもらって。そのときに海風にあおられながらもバランスを保って撮影できる技術はすごいと思った。ほかにも神社の石段をゆっくり登って境内の前で止めて撮るという現場も見たことがあるんだけど、すごく狭い範囲をゆっくりドローンを動かして撮っていてくんだよね。きっと、パイロットによって得意不得意があると思うけれど、まさに特殊技術。どうやって身につけるのかとか聞いてみたい。

鶴崎 僕が聞いたことがあるのは、東日本大震災のあとにドローンで放射線量を調べたという話。エンタメだけでなく、人間が入れない場所へ入って計測したりなど安全を保つためにも役立ってくれる。

伊沢 確かに。僕の知り合いが砂浜の浸食具合をチェックする研究をしていて、ドローンで撮影するようになってから時間面でも金銭面でも調査が楽になって、頻度を増やせたって言っていた。

鶴崎 そう思うとドローンパイロットはまだまだ広がりそうですよね。

伊沢 まだ使っていないけれど、使える場所はたくさんあるはずだからね。この先一般的に普及するかもしれないけれど、技能職だから上手い下手があるだろうし。研究にも使えるよなぁ。ドローンがあれば修士課程の学生とか10年前よりはるかにいい論文が書ける。

 

高い知識が必要だけど地味、でも学問の発展には不可欠な“学術書の編集者”

クイズノック_伊沢_鶴崎鶴崎 論文といえば、僕が注目しているのは学術書の編集者。

伊沢 おぉ~、目の付け所がいいね~!

鶴崎 学術書って著書は大学の先生や研究者が多いけれど、その難しい文章を読みやすくまとめる編集者が必ずいるわけで。でも、学術書はある程度、その分野の知識がないとまとめるのは難しいじゃないですか。例えば数式は太文字や斜体などフォントが変わるけれど、それを理解していないといちいち確認をとらないといけないし。著者ほどではないけれど専門知識がいりながら、かつ、本づくりの技術も必要というかなり専門技術を持った職業だと思うんです。
でも、一般書と違って学術書は読む人も限られるしミリオンセラーにもならないので、裏方といわれる編集者の中でもかなり地味な仕事。ただ、大学生は論文を書いたり、自分の研究に必要だから編集者がまとめた読みやすい学術書はすごく学べるし、研究結果にもつながっていく。学術書は研究者を育てるためにも絶対に必要なものだし、未来を担うものだと思うんです。もっと注目されていい職業なんですよ。

伊沢 ホントだよね。学術書と一般書の間ぐらいの学術書ってたまに大ハネする。僕が好きな本で『ミクロ経済学の力』という経済学の教科書があって、装丁のデザインもカッコいいし一般書としても読める学術書になっていてとても読みやすい。

鶴崎 学術書って読むのに時間がかかりますからね。僕も数学以外の学術書を読むのはためらっちゃうし。だから、専門家が書いているけれど誰もが読める学術書があるといいと思う。

伊沢 そういう学術書となると、一般向けに分かりやすくかみ砕ける知識とリテラシーがあるくらい、かなり勉強している編集者じゃないと手掛けられないよね。だけど、このカロリーの高い仕事をやってくれる編集者が増えれば、学問の幅は大きく広がると思う。この職業を思いついた鶴崎がすごいわ。

 

3Kのイメージの改善に取り組む“スーツ農家”

クイズノック_伊沢_鶴崎――本当にそう思います。学術書を読んだことのある2人だからこその意見でした。他にありますか?

伊沢 スーツ農家!

鶴崎 なんですかそれ?

伊沢 山形県で農業をしている齋藤さんという男性がいて、その方がスーツを着て農業しているんです。いわゆる3K(※)と言われている農業のイメージを変えたいと思って始めたらしいんだけど、そこからスーツを着るという発想にいくのがぶっ飛んでいておもしろい。それで注目されなかったら……とか考えちゃうけど、ちゃんと注目されているその見通し感はすごいなと。

鶴崎 伊沢さん、大学院で農業生命科学専攻ですもんね。

伊沢 そうそう、職業意識の改革にも興味があって勉強していたからね。農業の課題であるキツくて大変というイメージを変える方法としては、労働の改革が一番先にくると思うけれど、ビジュアルからキレイになるって僕には考えられない発想。実際、僕自身も少し変わった職業だから齋藤さんのような職業の意識感をメタ的に考えて行動に起こして実践するのはモデルケースになるから。

※「きつい」「汚い」「危険」を表す言葉。

 

クイズ業界と類似性がある“eスポーツのプレイヤー”

クイズノック_伊沢_鶴崎鶴崎 モデルケースといえば、僕もeスポーツのプレイヤーは職業的に注目しています。

鶴崎 そうです。僕、よく『スマブラ』を見ているんですけど、有志のメンバーで大会を行ってYou Tubeで配信しているんです。まだ、そこまで認知されていないから有志メンバーが案を出し合いながらハイクオリティなビジュアルを届けようといろいろ頑張っていて。それを見ているとeスポーツの世界ってクイズ業界と似ていると思うんですよ。大会配信の方法とか参考になるところが多々あって注目しているんですよね。

伊沢 業界的に成熟中だから注目度は高いよね。『鉄拳』のパキスタンの記事読んだ?

鶴崎 読みました! これまでeスポーツは日本や韓国のプレイヤーが強かったんですけど、ほぼ無名のパキスタン人プレイヤーが突然大会に出て圧倒的な強さを見せたんです。これでeスポーツ界が騒然という話題で。

伊沢 それで世界大会で優勝したパキスタン人プレイヤーと同じレベルか、もしくはそれ以上のプレイヤーがパキスタン国内には他にもいるらしいっていう漫画みたいな展開で。

――格闘技でいうところのグレイシー一族みたいな……。

伊沢 そうそう! 突然、新たな一派がやってきて大会を連覇して格闘技を変えてしまった……みたいな。この展開は激アツですよ。eスポーツはおもしろいムーブメントになっていると僕も思います。

鶴崎 知らない人もぜひ、注目してほしいですね。

 
■Profile

伊沢 拓司(いざわ たくし) @tax_i_
1994年生まれ、東京大学経済学部卒。高校時代に『全国高等学校クイズ選手権』を個人として初の連覇。クイズ番組『東大王』でも優勝を果たす。2016年に知識集団「QuizKnock」を創設しWEBメディアを運営、現在は株式会社QuizKnockCEO。書籍執筆やYouTuberなどの活動も行っている。
鶴崎 修功(つるさき ひさのり)  @Tsurusaki_H
1995年生まれ、現在東京大学大学院数理科学研究科に在籍。東京大学クイズ研究会に在籍し「QuizKnock」でも活躍中。2016年にクイズ番組『東大王』にて優勝を遂げ初代東大王に輝く。現在も東大王チームとしてレギュラー出演中。

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造 イラスト:さじろう

早速バイトを探してみよう